「どうしてみんなそろって国歌を歌わないのでしょうか」

「国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない」

「口をモゴモゴしているだけじゃなくて、声を大きく挙げ、表彰台に立ったら、国歌を歌ってください」

7月3日、東京・代々木の体育館でリオデジャネイロ五輪の代表選手団壮行会があった。そこでわれらのサメの脳こと森喜朗がこのように発言した。

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ところが、場内では「斉唱」ではなく「国歌独唱」とアナウンスされていた。しかもご丁寧にステージ上のモニターにも「国歌独唱」と表示されていたという。選手たちは指示を守って叱られたわけだ。何とも選手たちが気の毒な展開になった。

一番の問題は、この国では君が代が国家としてあまり好かれていないことだ。歌詞に抵抗を示す人も多く、そうでなくてもメロディがしっくりこないからだろう。鼓舞されるのでもなければ、美しいのでもない。わたし個人の思いは、なんとなく不気味で陰気くさい曲、といったところか。

新政権ができたら、国民から公募して歌詞も曲も作り替えたらどうだろう。もっと元気が出る、国民の側にたった明るく、人に優しい歌詞と曲がよい。政治家が歌えと強制しなくても、自然に口から出る、素晴らしい言葉とリズムがいい。

言葉といえば、三宅洋平の発信する言葉が話題になっている。

政治もまた若い世代にバトンタッチされていかなければならない。しかし、優れた先人が託せる若者も、そう多くはない。かみ砕くように教えても、多くの場合、跳ね返され、ねじ曲げられ、徒労になる。あのキリストでさえユダが身近にいたほどだから、バトンタッチはなかなかに難しいのだ。

それでもバトンタッチは果たされねばならない。1%に警戒されながら、99%の考える層を捉える本質的な言葉。そこで小沢一郎と三宅洋平は似ている。

7月4日、小沢一郎が、立川での三宅洋平の「選挙フェスwith山本太郎」で、政治の本義と安倍晋三の正体をわかりやすく語っている。

さて、『日経新聞』(2016年7月3日)が「武装集団、日本人残すよう指示 外国人嫌悪と人質証言」と題して、次のように報じている。

「バングラデシュの首都ダッカの飲食店で起きたテロで、店内一角の事務所に逃げ込んだ従業員に、日本人を残してバングラデシュ人は外に出るよう武装集団が指示していたとする証言を地元メディアが報じた。人質となった人たちの証言によると、実行犯はイスラム教を汚す外国人に嫌悪を示す一方、イスラム教徒には礼儀正しかった。

1日、ラマダン(断食月)明けの祝祭を控えた週末の夜だった。国際協力機構(JICA)関連事業に携わる日本人技術者らがテーブルを囲むレストランに武装集団が乱入した。

ある従業員は客の日本人男性と共に店の一角にある事務所に逃げ込んだ。実行犯は現地語を話す若者たちで「外国人と異教徒を殺すために来た」と繰り返した。事務所に人がいると気付くと、日本人を残しバングラデシュ人は出るよう指示。その後、銃声が聞こえた。

一方、トイレに逃げ込んだバングラデシュ人料理人やスタッフは、ジーンズにTシャツ姿で銃を持った実行犯に見つかった。「(バングラデシュの最大民族)ベンガル人は外に出ろ。ベンガル人は殺さない。われわれが殺すのは外国人だけだ」

料理人がドアから外をのぞくと、食堂の床に外国人とみられる7、8人の遺体があった。

実行犯は命乞いする人々を次々と殺害。イスラム教の聖典「コーラン」の暗唱を求め、できなければ「刃物で痛めつけた」(人質の一人)。

対照的にバングラデシュ人には愛想が良く、イスラム教徒だと訴える従業員には逃げ出せた人も。治安当局の突入直前、髪を隠すためのヒジャブ(スカーフ)をかぶった女性は解放された」

「日本人を残してバングラデシュ人は外に出るよう武装集団が指示」というから、最初からターゲットに日本人がなっていたのである。間違いなくJICA)関連事業に携わる日本人がいつも利用している店がターゲットに選ばれ、この日も店に入ったのを見届けてから、武装集団は店を襲撃したのである。

「外国人と異教徒を殺すために来た」と繰り返し、「日本人を残しバングラデシュ人は出るよう指示。その後、銃声が聞こえた」というから、明確に日本人の処刑が目的だったことがわかる。

愚かな安倍晋三のISIS壊滅宣言への、ISISの反撃が具体化され始めた。国民を不幸に巻き込むことでは、並ぶ者のない安倍晋三の快進撃は、まだ続く。

これから日本の最大の問題は、米国のオフショアバランシング戦略となる。

米国のオフショアバランシングは、19世紀の英国の外交戦略を手本にして生まれた。英国は、ヨーロッパ大陸に対して一歩引いた沖合(オフショア)にいる立場をとり、大陸との勢力均衡(バランス・オブ・パワー)外交をやった。そのためにやったのが英国伝統の大陸破壊で、たとえば大陸のA国を支援してB国と対立分裂させ、大陸を支配するというものだった。

それが現在のEU破壊にも適用されていて、ドイツ支配で強大なヨーロッパ大陸が構築されないように、絶えざるEU破壊が成されてきた。独仏を中心としたEUの、英国離脱への冷たさは、ここに起因している。

この英国の戦略を手本にしてできたのが、米国のオフショアバランシング戦略である。

ジョン・ミアシャイマーとスティーブン・ウォルトは、共同執筆の「アメリカはグローバルな軍事関与を控えよ ―― オフショアバランシングで米軍の撤退を」のなかで書いている。

(ジョン・ミアシャイマーはシカゴ大学教授(政治学)、スティーブン・ウォルトはハーバード大学ケネディスクール教授(国際政治))

オフショアバランシング戦略をとれば、アメリカの国防支出を大幅に削減できる。アジアにおける米軍の軍事プレゼンスは維持する必要があるが、ヨーロッパ、ペルシャ湾岸からの米軍撤退によって、対テロ支出、アフガニスタン紛争のその他の外国への軍事介入を終わらせ、数十億ドル規模の資金を節約できる。

それでも、アメリカはかなりの規模の海軍力と空軍力、穏当なレベルながらも能力の高い地上軍を維持していける。しかも、アメリカ政府がより多くの資金を国内の必要性に投入するか、減税措置をとることもできる。

オフショアバランシングは、アメリカの中核価値への自信、その永続的な優位への認識を前提にする大戦略で、アメリカの地理的優位を利用し、大きなパワーをもつか、過度に野心的な地域大国を牽制しようとする現地諸国のインセンティブをうまく利用する戦略だ。

ナショナリズムの力を尊重し、外国社会にアメリカの価値を強要することはせず、他国が取り入れたいと望む模範を示すことを重視しなければならない。

これまで同様、オフショアバランシングは、アメリカの利益にもっとも重なり合う部分が多いだけでなく、アメリカ市民の現在の考えにもうまくフィットする戦略だ」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.7)

「オフショアバランシング戦略をとれば、アメリカの国防支出を大幅に削減できる」とは、きわめてストレートな表現である。「対テロ支出、アフガニスタン紛争のその他の外国への軍事介入を終わらせ、数十億ドル規模の資金を節約できる」のは結構なことだ。しかし、これは要するに、その分を他国に負わせるということだ。

オフショアバランシングでは、分担(Burden Sharing)ではなくて、各国に負担を移動 (Burden Shifting)する、負わせるのである。

金だけでなく、血も米国のために流せ。日本を犠牲にしてでも米国は戦争で儲ける。日中戦争を仕掛けるが、米国は引いて、仲裁者として振る舞う。これが差し当たっては日本に適用されるオフショアバランシングである。

わかりやすくいえば、現在、米国の大統領選でトランプが、米軍の駐留費を外国に負担させるとしきりに口走っているのが、そうである。

この米国益剥き出しのオフショアバランシングは、政治のしっかりしている国、政治民度の高い国には押し付けられない。それで、ヨーロッパ、中東には適用されず、東北アジアに適用されることになった。

日本の場合、官僚・政治家・財界・メディア・学界とすべて1%は米国隷属を戦略としている。それで「ナショナリズムの力を尊重し、外国社会にアメリカの価値を強要することはせず、他国が取り入れたいと望む模範を示すことを重視しなければならない」といった建前も、ぬけぬけと書けるのであろう。

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