米国で発砲事件が続いている。しかし、米国は、それほど驚いてはいないのかもしれない。

『Pars Today』(2016年6月16日)は、「アメリカ大統領報道官、「オーランドの乱射事件の日、ほか43件の発砲事件が発生」」として次のように報じている。

「アメリカのアーネスト大統領報道官が、「オーランドの乱射事件は、この日に発生した44件の発砲事件のひとつでしかなく、現在アメリカでは発砲事件は日常の事件となっている」と語りました。

ファールス通信によりますと、アーネスト報道官は15日水曜、記者会見で、最近オーランドの同性愛者のナイトクラブで発生した乱射事件について触れ、「100人以上が死傷したこの事件は、この日に発生した発砲事件のひとつでしかない」と語りました。

アーネスト報道官はまた、オーランドの乱射事件はアメリカ史上で最大の死者数を出した発砲事件で、この事件が外国の注目を受けるのは当然だとしました。

さらに、発砲事件を日常的なものにした現在の武器所持に関するアメリカの法律を批判し、アメリカ下院の共和党議員は法を無視し、この法律の改正に向けた努力を怠っているとして非難しました。

公式統計によりますと、アメリカでは毎年3万人以上が銃による事件で死亡しているということです」(「アメリカ大統領報道官、「オーランドの乱射事件の日、ほか43件の発砲事件が発生」」

淡々と、といおうか、余裕綽々、何の驚きも感じられない。そこに逆に驚かされる。しかもアーネストはそのことをわかっていて、この乱射事件では米国史上で最大の死者数を出したのだから外国が注目するのは当然だ、と語っている。

米国では毎年3万人以上が銃による事件で死亡している。アーネストが「オーランドの乱射事件は、この日に発生した44件の発砲事件のひとつでしかなく、現在アメリカでは発砲事件は日常の事件となっている」と平然と語っているのには驚かされる。これは普通なら準内戦状態ではないのか。

もしロシアで、中国で、北朝鮮で、あるいは日本で、同じ日に44件の発砲事件が起きたら、戒厳令状態になるだろう。

そんな国の大統領が広島にやってきて、「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変しました。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示された」と死神の裁きを語った。このとき、日本被団協の幹部たちは本質を見極められずに感謝を連呼し、オバマの前で涙まで流した。

Hiroshima (2)

実はこのとき、彼我の政治民度の違いが、残酷なほどくっきりと露出していたのである。

もし広島見物(謝罪がなければ、見物である)にやってきたオバマに会うとしたら、たとえば、絶対に泣かない、けっして白い歯を見せない、握手もハグもしない、といった覚悟を、あらかじめ決めて臨む必要があった。そのうえで、死者と被爆者を代表して、日本被団協の幹部たちは堂々と謝罪を要求すべきであった。しかし、出席したふたりはすべて逆のことをやった。

その点、オバマはさすがにしたたかであった。資料館も10分でそそくさと出てくると、献花したときも一礼すらしなかった。まさに米国は圧勝したのである。

Obama

時事通信が「「被爆地広島にふさわしいか」=オバマ米大統領演説に疑問―日本被団協」(6月16日)を伝えている。

「日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は16日の定期総会で、広島を訪問したオバマ米大統領の演説について「被爆地広島にふさわしい内容だったでしょうか」と疑問を呈した上で、「謝罪の証しとしても、核兵器廃絶への責任と行動を一層深く求めなければならないことを確認した」などとする総会決議を採択した。

決議文は、演説の冒頭でオバマ氏が「空から死が降ってきて世界が一変した」と述べたことについて、「あたかも自然現象のような言葉で、米国の責任を回避する表現だった」と指摘。「大統領としての責任は一切語られなかった」とした。

総会終了後に記者会見した被団協の田中熙巳事務局長(84)は「『空から死が降ってきた』は、絶対被爆者は許せない。訪問翌日、(演説直後に)評価する発言をしたことを、冷静になってすごく反省し、心が痛んだ」と述べた」(「被爆地広島にふさわしいか」=オバマ米大統領演説に疑問―日本被団協」

日本被団協が、今頃になってオバマ演説について「被爆地広島にふさわしい内容だったか」と疑問を呈するなど遅すぎる。「謝罪の証しとしても、核兵器廃絶への責任と行動を一層深く求めなければならないことを確認した」などと、何をバカげたことをいっているのだろう。

日本の脱原発に反対しているのもオバマ政権であり、米国の核兵器の刷新に110兆円を投入するのもオバマ政権である。また、通常戦争でも使える小型核兵器の研究も推進している。広島にきたら何か考えるだろうといった甘い世界ではないのだ。

決議文で、オバマが「空から死が降ってきて世界が一変した」と述べたことを、「あたかも自然現象のような言葉で、米国の責任を回避する表現だった」「大統領としての責任は一切語られなかった」としているが、もともとオバマは謝罪するつもりはなかったのである。謝罪しなくて済むための演説をしたのだ。そのことは来日前からメディアの報道でわかっていた。

今頃になって批判に慌て、取り繕っても遅すぎる。

被団協の田中熙巳が「『空から死が降ってきた』は、絶対被爆者は許せない。訪問翌日、(演説直後に)評価する発言をしたことを、冷静になってすごく反省し、心が痛んだ」と述べたという。それだったら責任をとって辞任すべきだ。

また、「米国を責めていないし、憎んでもいないと(オバマに)伝えた」と、まるでハリウッドのスターにでも会ったかのようにカメラの前ではしゃぎまくっていた坪井直は、そして森重昭は、現在、何を考えているのだろうか。坪井、森の言動は、広島の、そして長崎の死者たちを冒涜するものだ。

死者たちの命は、そして人生は、かくも軽いものだったのか。あるいは坪井、森の言葉は、かりにそう思ったとしても、いうことが許されるものだったのか。この世には、そう思っても、いってはならない言葉というものがあるのだ。ぜひとも考えを聞きたいものだ。

愚かな坪井らに許されたオバマは、ヨーロッパと東アジアで、戦争の準備と挑発に余念がない。

まずアジアでは日本、米国、インドの3か国による海上共同訓練「マラバール2016」が、6月10日から沖縄本島の東方沖で始まっている。明らかに尖閣を意識した共同軍事演習であり、中国への牽制・挑発である。

それで中国も情報収集艦を派遣して米空母などを追尾・牽制している。

中国の情報収集艦が鹿児島県口永良部島沖の日本領海に侵入した、と日本では騒いでいる。日本政府は中国の意図を分析とかいって、とぼけているが、これは佐世保港からマラバール訓練海域に向かうインド艦艇を追尾していたのである。

原因を政府もメディアもいわないので、中国艦船が挑発しているかのように日本国民は受け取ってしまう。事情は逆で、日米印が挑発・威嚇し、中国が情報を収集しているのである。

他方、ヨーロッパでは、米国はNATOアナコンダ軍事演習を展開している。アジアでは中国の脅威を説き、ヨーロッパではロシアの脅威を説く。それはすべて米国軍産複合体の維持のためである。

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