緊急を要していることもあり、最近は本メルマガでもTPPを取り上げることが多い。

TPPへのわが国の参加は、致命的な、そして取り返しのつかない結果をもたらすであろう。その恐ろしさは、参加してみたら非常にまずい結果をもたらしたので、 TPPから脱会しよう、再交渉して条約を変更する、といったことができないところに、象徴的に現れている。

これまで様々な角度からこの条約の、人間侮蔑的な内容を取り上げてきた。その項目だけを取り上げておく。

1 ISD条項(Investor-State Dispute Settlement 投資家保護条項)

2 ラチェット条項(Ratchet条項)

3 スナップバック条項(Snap-back条項)

4 「間接接収による損害賠償」

5 NVC条項(Non-Violation Complaint条項 「非違反提訴」)

6 「未来の最恵国待遇」(Future most-favored-nation treatment)

7 「守秘合意」

8 「再協議禁止」

9 「ネガティブリスト方式」

10 「規制必要性の立証責任と開放の追加措置」

11 知的財産権の米国による直接規制

ここまで論じてきて、この「11 知的財産権の米国による直接規制」の問題点を、弁護士の福井健策の「TPP米国知的財産条文案(2011年2月10日版)を抄訳してみた」に沿って、次の10項目を紹介した。

(1)音、匂いにも商標(2.1項)

(2)電子的な一時的記録も複製権の対象に(4.1項)

(3)真正品の並行輸入に広範な禁止権(4.2項)

(4)著作権保護期間の大幅延長(4.5項)

(5)アクセスガードなど、DRMの単純回避規制(4.9項)

(6)診断、治療方法の特許対象化(8.2項)

(7)ジェネリック医薬品規制(医薬品データの保護)(9.2項)

(8)法定損害賠償金の導入、特許侵害における3倍額賠償金の導入(12.4項)

(9)著作権・商標権侵害の非親告罪化(15.5(g)項)

(10)「ノーティス・アンド・テイクダウン」「反復侵害者のアカウントの終了(いわゆる3ストライク・ルール)」を含んだ、米国型のプロバイダーの義務・責任の導入(16.3項)

前号までに、(1)(2)(4)(6)(8)(9)と取り上げてきた。

今回は「(7)ジェネリック医薬品規制(医薬品データの保護)(9.2項)」を取り上げる。

ジェネリック医療品への影響についてはネット上でも広く語られている。

製薬会社が新薬の特許を取得した場合、世界貿易機関(WTO)の国際協定では、最低20年間は特許が確保される。この期間に製薬会社は市場を高値で占有することができる。

ジェネリック医薬品は後発医薬品とも呼ばれ、特許が切れた医薬品を、他の製薬会社が製造した医薬品である。
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ジェネリック医療品(医薬品)のメリットは以下の通りである。

(1)先発医薬品の特許が切れているために、特許権者の許可や特許料もいらない。

(2)すでに臨床試験をクリアしている医薬品なので、再度の臨床試験が必要ない。

(3)その結果、安価である。HIV/エイズ治療のケースでは、2000年には患者1人あたりの年間治療費が1万ドルもかかっていた。しかし、ジェネリック薬が普及すると、市場競争が起こり、年間150ドルまで下がった。驚異的な値下がりである。

(4)市場原理にさらされることで、先発医薬品をしのぐジェネリック医薬品が提供されることさえある。

その結果、安価なジェネリック医療品(医薬品)は、HIV治療に多大な福音をもたらし、世界中の患者を救ったといわれている。

インドは「途上国の薬局」と感謝されている。なぜなら途上国のジェネリック医療品(医薬品)の大半を供給しているからである。

この理由は、インドが2005年まで医薬品の特許を認めていなかったからである。

特許は、発明の競争をもたらす反面、新薬の価格が高止まりする傾向が強く、患者にとっては功罪半ばする制度である。

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