現在、東京の大手(「記者クラブ」)陰謀メディアは、スピンとしての北朝鮮報道一色である。かれらがこのようにスクラムを組むときは、次の2点の動機に貫かれている。

1 小沢一郎メディアバッシングに見られたように、なりふりかまわずに1%の既得権益を守る動機

2 真に重要なことが背後で進展しており、それを隠すためにスピンとして報道する動機

今回は「2」のケースである。隠したいものとは「パナマ文書」の公表である。

読売が、「パナマ文書」で暴露された日本企業や一般個人を匿名にするなど、政府の「調査しない」姿勢とスクラムを組んでいる。日本の新聞が報道自由度ランキング72位というのは、まだ高すぎるのだ。 

「パナマ文書」については、すでに何度か採り上げてきた。それを超える情報をまだ準備していないので、もう少し時間をかけてから、次回にまた採り上げることにする。

今回のメルマガではトランプ現象について書いておく。

(「トランプ大統領」を想定し始めた世界の指導者たち。( ウォール・ストリート・ジャーナル))
(「トランプ大統領」を想定し始めた世界の指導者たち。( ウォール・ストリート・ジャーナル))

『Pars Today』(4月7日)が「安倍首相がトランプ氏の発言に反応」という記事を載せていた。

「アメリカ大統領選挙の共和党候補指名争いでトップに立つトランプ氏が、日本は自主防衛すべきだと発言したことに対し、日本の安倍総理大臣が反応を示しました。

フランス通信によりますと、安倍首相は、「アメリカ軍基地は、今後も日本の安全保障にとって重要な役割を果たすだろう」と強調しました。

安倍首相は、「予見できる将来、アメリカの存在が不必要となる状況は考えられない」と語りました。

また、日本は自衛隊を増強すると共に、アメリカとの軍事関係を強化していくとしています。

さらに、「日本政府は、アメリカとのTPP環太平洋パートナーシップ協定を推進する意向だ」と語りました。

アメリカ大統領選挙の民主党候補指名獲得を目指すクリントン氏とサンダース氏は、TPPを強く批判しています。

安倍首相は、「TPPにより、アメリカ、日本、その他の参加国は大きな利益を上げ、成長の機会も得られる」と述べました。

トランプ氏は、日本や韓国とのアメリカの軍事同盟はコストがかかるため、これらの国は自主防衛すべきだと語りました」(「安倍首相がトランプ氏の発言に反応」

安倍晋三が、「予見できる将来、アメリカの存在が不必要となる状況は考えられない」と語っているのは、米軍の日本占領が米日1%の既得権益を守るためのものだからである。

中国・北朝鮮との関係など、日本が敵視して一方的に騒ぎ立てているだけのことである。両国との関係を改善しようとする与党が政権をとったら一挙に解決する。そうなったら米日1%、とりわけ米軍産複合体、ネオコン、ジャパンハンドラー、それに日本の軍需産業・安保村は困るのだ。

トランプ現象は、米国の凋落のなかで起きている。そのことを見極めることが重要だ。もはやオバマの例外主義は世界で通じなくなったのである。また国内的にも、オバマの美辞麗句、チェンジ無きチェンジは通用しなくなったのである。

2008年のオバマ現象と2016年のトランプ現象との違いは、3点ある。

1 2008年のオバマ現象は民主党内のヒラリーとの指名競争から始まった。今回2016年のトランプ現象は、共和党の指名競争から始まった現象である。

2 オバマの場合は、党の主流がこぞって反対するといった異様な亀裂はなかった。オバマを支援したのは白人を中心とする米国の偽善であり、それを逆手に取った半黒人オバマの米国賛歌であった。しかし、トランプの場合、共和党主流派のみならず、大手メディアまでもが、トランプバッシングを続け、トランプは剥き出しの米国益第一主義を語っている。

3 2008年のオバマ現象の場合は、現在ほど米国の没落が明確でなかった。トランプ現象は没落が顕在化した帝国で起きた政治的社会的現象なのである。

『エコノミスト』(2016年5月7日)に「ドナルド・トランプの勝利は、共和党と米国にとって災難だ」が載っている。 

「(トランプの 注 : 兵頭)この人生観は部分的に、彼の父親の、1960年代、ニューヨークでの建設現場から生まれた。トランプ氏は、彼がかつてそんな現場で、大工、配管工、重い足場支柱の運搬者と共に働いた夏の経験について説明するのを好む。その経験は、米国の政治が置き去りにしている重労働の肉体労働者の関心事を自分に理解させた――と彼は主張する。そこから、彼の根深い経済ナショナリズムが説明できる。

トランプ氏は数十年にわたって貿易協定をののしってきた。彼は1990年代初めに北米自由貿易協定(NAFTA)への反対を唱えた。彼は今それを、世界史における最悪の貿易協定と呼んでいる。

同様に彼は米国の貿易赤字を、不正行為あるいは粗末な交渉技術の証拠であると常に見なしてきた。そうした確信を持つ男にとって、<そんな協定を増やすのは災難であり、米企業は生産を国内に取り戻すか、あるいは関税に直面すべきである>と考えるのは自明のことだ。

トランプ氏は、彼らが支払うべき“罰金”について取引するかもしれないが、底辺の本能は深く保持されている。彼は確信を持った保護主義者であり、機会的な保護主義者ではない。そして共和党予備選挙の結果で判断すると、少なくとも1千万人の投票者が彼に賛同している。

外交政策についてはトランプ氏は、米国のグローバルな役割に伴うコストへの不満(イラク、アフガニスタン戦争の後、一般的になっている)と、米国を、恐れられ尊敬される国にする欲望とを混ぜ合わせている。

彼の地理的、外交的な無知(数多く見られる)についてあれこれ思い悩む外国人は、彼を活気づけている単純な原則を見逃す恐れがある。トランプ氏は、米国が諸外国に与えている支配的な保護の全コストを、諸外国に支払わせることを望んでいる。同盟諸国は、自分たちの領土にある米軍基地のために、そして基地の兵員の装備や給与のためにもっと多く支払うべきだ、とする。

これを孤立主義と呼ぶのは正しくない――トランプ氏は同時に、イラク占領とその油田の奪取を含めて幾つかの対外冒険を提案しているのだから。むしろそれは、外交政策のローマ帝国版だ――そこでは外国の役割は、ローマに貢物を捧げて駐留軍に感謝することだ」

これは、一貫してトランプに手厳しい『エコノミスト』の記事であるから、それを知った上で読む必要がある。

トランプの根深い経済ナショナリズムは、かれの父親の、1960年代、ニューヨークでの建設現場から生まれた。トランプの国益第一主義が、現在のTPPへの不満となって噴出している。

かれは、NAFTAを「世界史における最悪の貿易協定と呼んでいる」「米国の貿易赤字を、不正行為あるいは粗末な交渉技術の証拠であると常に見なしてきた」ことから、それをさらに強化したTPPをトランプが認めることはないだろう。

ただ、いくらトランプとはいえ、議会を無視することはできない。したがって、より米国益を強化した再交渉に切り替えることになろう。

選挙戦術としてTPPを批判しているヒラリーの場合と違って、トランプの場合は根が深く、TPP再交渉は必至だと思っていい。

また、トランプは、米軍の駐留費、「米国が諸外国に与えている支配的な保護の全コスト」を、支払えといっている。これは没落の帝国から放たれた、ある意味で正直な本音だ。

『エコノミスト』は皮肉たっぷりに「外交政策のローマ帝国版だ――そこでは外国の役割は、ローマに貢物を捧げて駐留軍に感謝することだ」としている。確かに、日本の場合、中国と北朝鮮の脅威が本物だったら、米軍に感謝しろ、という理屈も成り立つ。しかし、それは作られた脅威であり、在日米軍は米日1%の既得権益維持のために、99%に向けて占領を続けている。

Trump (3)

だから日本の覚醒した99%にとっては、どうぞ出ていってくれ、となる。しかし、日本の1%は、かれの要求に応えることになろう。植民地の「金目でしょ」政治は、自国の99%から収奪した税金を献上する以外の政治は知らないからである。

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