先の衆議院議員総選挙に、「支持政党なし」が比例北海道ブロックから出て、当選はできなかったものの、10万5000票近くを獲得した。

この票数が同ブロックの社民党(約5万票)、次世代の党(約3万5000票)を、上回っているというから衝撃的である。

逆の角度からみると、大真面目で選挙を闘った社民党や次世代の党は、「支持政党なし」を超えられなかったわけだ。

「支持政党なし」には政策も公約もない。立候補した佐野親子(佐野秀光・本藤昭子)の主観を除いて客観的に見れば、ただの冷やかしであろう。

倫理的に「支持政党なし」の立候補者を難詰するのはたやすい。また、投票した10万5000票を、いい加減にしろ、と非難するのも簡単だ。

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わたしは黒澤明の「影武者」で、影武者候補として捉えられた盗人が、武田信玄と対面する場面を思い出した。その場面で、盗人が武田信玄に向かって、「お前のような国を盗んだ大盗人に、盗人呼ばわりをされる覚えはねえ!」と叫ぶ場面がある。記憶で書いているので、セリフはこの通りではないのだが、盗人が叫んだ趣旨はそういうことだ。

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わたしにいわせれば、その嘘つき、詐欺の手口において、「支持政党なし」から立候補した佐野親子は、民主党の菅直人や野田佳彦、自民党の安倍晋三の足元にも及ばない。いいこととは思わないけれど、菅や野田、安倍に較べたら可愛いものである。

(以下、「米国からの自立の前提」の一部だけ公開します)

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代表の佐野は、12月16日に、「私は有権者に対して、有権者自身の正直な意見――選挙で支持する政党がないこと――を表明する選択肢を提供したかった」、「われわれは無党派層のための代替の選択肢であったと信じている」と語った。

支持政党のない人のために「あなたのためだから」といって立候補する。しかし、そのモチーフのために政策は掲げられない。国会の採決でどうするかは、「政治行動はネット投票で決める」というもの。

政治家としての理念や哲学はなく、常にその時々のネットの多数派に隷属することになる。これは新しさでも何でもなく、ただ政治家になることだけが目的、飯の食い扶持としての政治家という選択なのだろう。

その究極のポピュリズムで、次の選挙にも打って出る。

大笑いである。もうかれらは何も語らない方がいいだろう。

この件は、いよいよ日本政府の統治能力がなくなってきたことを物語る。政策も公約もなしで立候補しているのだが、実は国民のなかでは、政策も公約も何の値打ちもないことになっている。

戦後最低の投票率が物語るように、国民は明らかに政治そのものから離れていっている。深刻なのは、政府与党がそれを喜んでいることだ。恥も外聞もないとはこのことだ。

消費税増税はしませんよ、TPPには入りませんよ、と立派なことを語ったところで、当選して与党になった瞬間、公約は捨てられる。何と反対の政策が実施されるのである。

12月17日にも山井和則がこんなツイートをしていた。

「昨日の日経一面記事見出し。「介護報酬引き下げへ。9年ぶり」。ひどい話です。安倍政権は、選挙公約では、介護職員の処遇改善、と明記していたのに、選挙が終わったら介護報酬引き下げ方針。介護職員賃金引き下げの可能性大。阻止のため戦います」

日本の政党、とりわけ自民党政治にとって公約とは、国民の票を釣る毛針のようなものだ。

「それだったら最初から政策も公約もなく、当選した方が、まだ裏切らない分、いいでしょ」と佐野親子に言外に匂わされているような気がする。

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さて、前号でも採り上げた矢部宏治と鳩山由紀夫との対談の後編を、『週プレNEWS』(12月16日)が掲載していた。

「矢部 「横田空域」という、1都8県の上に米軍が管理している広大な空域がありまして、日本の飛行機はここを飛べない。これなんか典型的な「米軍が自由に日本の国土を使える」事例ですね。

(中略)

飛行ルートの阻害もありますが、それより問題なのは、米軍やCIAの関係者が日本の国境に関係なく、この空域から自由に出入りできる、入国の「裏口(バックドア)」が存在することです。これはどう考えてもおかしな話で、こんなことは普通の主権国家ではあり得ません。

この問題なんて国際社会にアピールしたら、みんなすごく驚くと思うんです。これは今、日本で起きているほかの問題、特に原発の問題にも絡んでくる話ですが、日本という国が置かれている状況の歪(ゆが)みやおかしさを伝えるいい事例になると思っています。

結局、日米安保条約とは、米軍が「日本の基地」を使う権利ではなく、「日本全土」を基地として使う権利を定めたものなのです。

旧安保条約の第1条で米軍にその権利が認められ、60年の安保条約で文言は変わっていますが、その権利は残されている。これを「全土基地方式」というのですが、これはなんとしても国際社会にアピールして変えていかないといけない。

(中略)

鳩山 それと、日米関係に関わっている米軍関係者を除けば、アメリカの議会や国民は日米合同委員会なるものがどういう役割を果たしてきたのか、それが今も日本の主権をさまざまな形で侵害している事実も知らないと思います。

しかし、こうした状況はアメリカの国民から見ても「異常なこと」だと映るはずですから、われわれが海外、特にアメリカの議会や国民に対して「日本は今も事実上、米軍に占領されているけれど、本当にこれでいいのか?」と訴えることが重要です。

矢部 情報発信という意味では、今、ドイツなど多くの国が日本の原発汚染に対して「何を考えてるんだ!」って相当に怒っている。基地の問題だけだと「勝手にやっててくれ」となるかもしれないけれど、原発の問題はそうはいかない。全地球的な問題です。

あれだけ深刻な原発事故を起こした日本がなぜ、今再び原発推進への道を進もうとしているのか? その背景には「日米原子力協定」という、自国のエネルギー政策すらアメリカの同意なしには決められないという、客観的に見ても非常に歪(いびつ)な構造がある。それをうまく国際社会にアピールできたら、こうした日本の歪んだシステムに世界の光が当たる可能性はあります」

「米軍やCIAの関係者が日本の国境に関係なく、この空域から自由に出入りできる、入国の「裏口(バックドア)」が存在する」ことが、他でもない、日本が実質的には米国の植民地であることの何よりの証拠なのである。

日本では、CIAが堂々とパスポートもなしに入国できるばかりではない。テレビにも出る。そして日本政治について語り、アドバイスしたりもする。あるいは外人記者クラブにも出て、小沢一郎の無罪判決に不満を述べたりもする。

こんな国が他にあるだろうか。

もっとも深刻なのは、メディア関係者がその異様さについて何とも思っていないことである。したがって国民の大半は、主権という、もっとも重要な独立・最高の権力が、他国に無視・侵害されていることに、無知の状態におかれている。

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