人間は間違う存在である。歴史上の多くの戦争は、そのことを証明している。

今日のメルマガでは、STAP細胞問題とTPP参加交渉という、ふたつの状況的課題を切り口に、そのことを考えてみようと思う。

自分は間違わない人間である、という人がいたら、その人はわたしにとって縁なき衆生である。自分は間違わない人間である、間違ってはならない、と自己規定して生きるとしたら、もはや人間としての進歩はない。薄っぺらな人間が、傲慢に神を僭称して生きることになる。

そのような人間は、他人の失敗に自分を見ることができない。したがって他人の失敗に過酷になる。

理研の小保方晴子の論文を追及して「不正」とバッシングをやった、調査委員長の石井俊輔に対して、ネット上で、かれ自身の論文の切り貼りが暴露された。

ishi chair

石井のこの論文は、平成20年に英学術誌に発表されたものである。この論文で、石井は遺伝子を調べる実験結果の画像の一部を入れ替えて改竄した。

石井は、「オリジナルのデータがあり、不正な改竄ではない」と開き直った。そして辞任した。

ひ弱なくせに、なんとも傲慢で、やり切れない男だ。小保方晴子が画像を取り違えたら「捏造で不正」とする。しかし自分がやったら、捏造でも不正でもない。恐るべきご都合主義だ。

石井は、「調査委員長がこのような隙を作ってはいけない」と語った。かれがやったのは「隙を作っ」たことではない。小保方晴子をバッシングした同じ根拠に公平に立てば、彼自身が改ざんをやり、捏造をやり、不正をやったのである。

石井は記者会見を開いて説明しなければならない。またプロジェクターを使うがよい。「慰留されても意志は固い」のではない。不正が「固」いから、逃亡を謀ったのである。

理研の野依良治理事長や調査委員会の石井俊輔委員長らが、バッシングのツールに使ったのは、思想でも論理でも科学ですらなかった。モラルである。

なぜならモラルがもっともバッシング祭りには有効だからだ。

わが国の大学は、1968年―1969年の全共闘運動のなかで死んだのである。その後、大学教師たちは、言葉と生き様を一致させることを放棄した。大学の知的退廃のなかに閉じこもってしまった。ここでは石井俊輔のように小保方晴子を批判するときに、自分の過去の生き様(論文)は振り返られないのである。

武田邦彦が一貫して指摘するように、ハードディスクのなかの、酷似した何百何千の画像データを取り出すときに、取り間違いということは起きるのである。その研究者生活の実態に立って、人間は間違うので修正すればよい、としておけば、小保方晴子バッシングはなかった。また、石井俊輔の辞任もなかったのである。

辞典・辞書類の出版も、ウインドウズの販売も、まだ何十か所のミス(バグ)があるのを前提にして店頭に並ぶ。完璧はあり得ないのだ。

後は、版を重ねるごとに完成に近づけるという考え方だ。

石井俊輔は、自分の論文が改ざんでも捏造でも不正でもないのなら、それを証明するべきである。石井は「疑義を指摘された以上、その部分を突かれると理研や委員会に迷惑をかける」のを辞任の理由とした。

まだ神として振る舞っている。そんなおためごかしは通用しない。まずは記者会見を開くことが大切だ。それだけの大きな問題にしてしまったのは、他でもない、石井らである。

理研の調査委員会は、結局、神を僭称する詐欺師が仕切っていたのである。しきりに「不正」は小保方晴子「ひとり」と強調したわけがわかった。石井は、組織を守るフリをしながら、わが身を守っていたのである。

繰り返すが、膨大なデータをパソコンに保存する専門家のなかでは、酷似した画像の取り違えは起きるのである。それを素人が、思想でも論理でもない、わかりやすいモラルを振りかざして叩いたのが、リアルとネットの小保方晴子バッシング祭りの正体だった。

モラルを振りかざしながら、バッシングする者たちには、モラルが欠けていた。その象徴的な人物が石井俊輔だったのである。

さて、人間は間違う存在である、という認識に立って、今度はTPPを考えてみよう。

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オバマは来日すると、すぐに銀座の「すきやばし次郎」で行われた日米非公式夕食会に直行した。その寿司屋でオバマは半分ほどしか食べず、いきなりTPP問題を切り出し、安倍晋三に譲歩を迫った、しかし安倍晋三は譲らなかった、という物語が漏洩している。

日本人はお人好しなうえに、マスコミ鵜呑み度70%の国民なので、こういう情報にすぐに引っかかる。そして安倍晋三も選挙公約を守るために頑張っている、と勘違いする。

常識的に考えて、米国大統領オバマの、それもTPPに関する言動が、超一流の銀座の店から漏れ出るというようなことは100%ありえない。

店内で見聞きしたことは絶対に他言してはならないと、公安・警察筋から警告されていたことは間違いない。すべて安倍晋三が国益のために頑張っている、というリーク情報である。

わが国のTPP参加を目指す政治家・官僚・経済人・学者・報道人の精神は軒並み「日本なんてどうなったっていい。自分さえよけりゃ」である。国益のために頑張るのなら、最初からTPPに参加などしないのである。

TPPとは、端的にいうと世界的な金持ちたちによる世界支配のことである。米国系グローバリズムによって構想された新植民地主義であり、参加が正式に決まると、日本の国会と憲法の上に、ISD条項によって米国系グローバル企業が君臨する。

農業をカモフラージュに使いながら、米国の真のターゲットは、わが国の郵貯マネー約270兆円、医療保険を通じた日本人個人資産700兆円である。

今回のオバマの来日に関して、TPPで安倍晋三・甘利明がよく抵抗して頑張ったという評価が、いかに馬鹿げたものであるか。

バカメディアは、農業5品目と自動車だけに絞って洗脳と誘導を繰り返している。しかし、TPPはこの2分野だけなのではない。

銀行、保険、法務、特許、会計、電力・ガス、宅配、電気通信、建設サービス、流通、高等教育、医療機器、航空輸送など、ほぼ全分野を網羅している。すでにほとんどの分野で売国は終わっているのである。

その交渉内容については、自民党にも隠し、野党にも隠し、メディアにも国民にも隠す。

しかもTPP交渉では、協定発効後4年間は交渉内容の秘匿が義務づけられている。つまりTPPは、国民に知られたら政権が崩壊する内容の交渉である。国民が知ったときは後の祭りの、売国の交渉なのだ。

日本は、一度檻に入ったら、二度と引き返せない植民地の扉をあけて中に入ってしまった。

甘利の、「もう一度この担当大臣をやりたいかといえば、やりたくないです」は、「丸呑みだけなので、楽でした。何度でもやりたいです。あんまり楽だったので、最後だけ頑張ったふりをさせてもらいました」という意味だ。

人を評価するときは、時間的には過去を、空間的には全体を見るべきだ。わが国の為政者には哲学がなく、また、自信もないので、いかに国民をだますかを政治の要諦のように勘違いしている。

だから安倍晋三は、TPP参加交渉に関して、守るべきものは守る、との舌の根の乾かぬうちに、早急に交渉をまとめるべく指示した、という。移民を年に20万人ずつ増やすといいながら、移民反対と関西のテレビでは発言する。

息をするように嘘をつく、というのは、民主党の専売特許ではなく、日本政治の常態なのだ。

日本の政治は、宗主国に金(税金)を貢いで、その見返りとして植民地での既得権益を保護してもらう。売国と交換に既得権益をむさぼるという政治である。

TPP参加は、ほぼ決まったと考えてよい。

すでに安倍晋三は十分に国をたたき売っている。いまさら国益などといっても笑い話である。安倍晋三が、いかにも抵抗したかのような演出に、今回は時間をかけたようだ。やたらと御用メディアが、甘利の苦労ぶりを報道していたが、これは逆に、いよいよ終幕が近づいた証拠である。

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