重い状況が続いている。

民主党の海江田万里代表は、代表直轄の「総合政策調査会」を新設する。この総合政策調査会は、事実上、党の重要政策を固める役割を担うものだ。

絶望的なのはその人選だ。これで民主党壊滅のA級戦犯がすべて返り咲く。野田が税制、前原が行財政改革、岡田克也が選挙制度、枝野幸男が憲法、玄葉光一がTPP・経済連携・農業、北沢俊美が集団的自衛権などの安全保障調査会長。

菅直人もいずれ復帰して要職に就くであろう。

要は民主党を潰し、日本を潰した連中が、参議院選挙でみそぎは終わったと勘違いして、すべて表舞台に登場してきた。

かれらは何も反省しておらず、その反省のための世間的な常識も能力も欠いている。

海江田が代表に就いたことから、民主党の再生を期待する向きもあったが、これでいい加減に目を覚ますべきだ。民主党は、小沢一郎らが離党した段階で死んだのである。

死んだものが生き返るのは、思い出のなかだけだ。再生などはない。

これで既得権益支配層の、自・公政権が失敗したあとの、第二自民党の受け皿作りが本格化する。それは「みんな・維新」にこの復活したA級戦犯の民主党を合わせた連立である。

これで虚構の2大政党時代が始まる。どっちに転んでも、ともに対米隷属、官僚隷属、財界隷属の政権であり、自・公と同じ市場原理主義の、弱肉強食の政策が続くだけになった。

虚構の民主主義のもとで、既得権益の支配政治が始まる。

永遠に宗主国に隷属する2大政党の、虚構の独立国、虚構の主権在民、虚構の民主主義の始まりだ。

政治的民度の低いこの国では、政治家も識者も民主党に過剰な幻想を持ち続けた。それがこの始末である。

日本の再生は、未だ小なりとはいえ、生活の党、社民党、共産党、みどりの風、緑の党に賭けるしかない。

さて、シリア情勢がきな臭くなってきている。

『インターファクス通信』の伝えるところによると、ロシアのプーチン大統領が、ウラジオストクで記者団に対して、次のように述べた。

「化学兵器を使用したとしてシリア政府を非難する人々の主張は馬鹿げている。シリア政府軍が攻勢である条件下で、彼らが化学兵器を使用したと述べる事など、全くナンセンスと言う他ない。

特にノーベル平和賞受賞者であるオバマ大統領に申し上げたい。シリアで武力を行使する以前に、今後生まれるであろう犠牲者の事を考える必要があるのではないか。

ロシアは、シリアでの作戦を決定する前に、十分に考えるべきだと訴えたい」

ロシアや中国・北朝鮮のいうことはすべて毛嫌いする人が多い(それもマスメディアの洗脳のひとつの成果である)が、わたしたちは、「誰がいったか」ではなくて、「何をいったか」で評価する方法を身につけなければならない。これは日本人にはとくに必要な方法である。

たとえばロシア(旧ソ連)のチェルノブイリ事故時の対応は、様々な問題を孕んでいたとはいえ、日本の菅直人がやった対応よりも、遙かに自国民の生命と健康に配慮したものであったことが明確になっている。

わたしたちは、遅れた技術、野蛮な政策として、さんざんソ連の悪口を聞かされ、洗脳されてきていた。

現在でも、事故から27年たったロシアよりも、まだ2年半しかたっていない日本国民の方が、冷酷な政治の棄民、ジェノサイドにさらされ続けている。

ロシアが住んではいけないとされる放射能汚染地域に、日本政府は福島県民を帰村させている。ロシアでは食べてはいけないとされる放射能汚染食材を、日本では給食に出し続けている。

世界は日本政府の原発事故対策を驚きの目で見ているのだ。

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さて、話を元に戻すが、プーチンのいったことで、わたしがブログで語ったことと一致していることがあった。それは、現在、シリア政府軍が優勢になっている戦況で、わざわざ国際的な非難を浴びる化学兵器など使って、米国の参戦を招く筈がない、ということだ。

米国はかねて、化学兵器の使用は許容しない、ということをアサド政権に警告し続けてきていた。

オバマの発してきた警告は次の2点である。

1 シリア国内での化学兵器の使用を、米国は「レッドライン」を破ったとみなす。

2 化学兵器を使えば、国際社会はシリアに軍事的に介入することもあり得る。

ここまで米国に警告されて、なおかつ、戦況を有利に展開しているアサド政権が化学兵器を使うだろうか。

しかも軍事的には何の価値もない子供を大量に殺すような愚を犯すだろうか。化学兵器を使って子供を殺しても、アサド政権にプラスは何もないのである。

むしろプラスがあるのは、介入の口実ができた米国である。

何度でも殺害した子供たちの映像を流すうちに、今は厭戦気分の強い米国民に火がつき、イラクの二の舞いを演じる可能性はある。

米国は、自国の50兆円にも及ぶ軍事産業を維持し続けるために、戦争をしなければならない国になっている。

2点目に、プーチンが、オバマがノーベル平和賞受賞者であることに触れて、「シリアで武力を行使する以前に、今後生まれるであろう犠牲者の事を考える必要があるのではないか」とたしなめていることだ。

これはプーチンという政治家が、思想家でもあることを十分に伺わせる発言である。

これに対して日本の安倍晋三の出方は、間抜けで破廉恥なものだった。突然、アサドに辞任要求を突きつけたのである。

安倍晋三は、8月28日、カタールのドーハでタミム首長と会談した際、「シリア情勢の悪化の責任は、暴力に訴え、無辜の人命を奪い、人道状況の悪化を顧みないアサド政権にある。アサド政権は道を譲るべきだ」と退陣を要求した。

まだ、米国も国連も調査中で、具体的な証拠を出していない段階での発言である。

聞かされたタミム首長も、これが噂に聞く米国のポチか、と感嘆したことであろう。

なぜなら、オバマ大統領がアサド大統領の退陣を要求していたからである。退陣要求は、完全なオバマのコピーだったのである。

少しは国際紛争も自分の頭で考え、自分の言葉で語れ、といいたい。

日本の政治家の念頭にあるのは、米国に隷属していた方が楽であり、安上がりであり、保身と長期政権にも都合がいい、という、そのことだけなのである。

日本の政治姿勢は真の同盟国の態度ではない。悪いことは悪いといって止めないから、米国には信用されない国になる。

日本は、善悪の判断を欠いて、ただ、黙って地獄の底までついてくるだけの同盟国なのだ。

それにしてもシリアの子供たちは、誰に、どこで、いつ、どのようにして殺されたのだろうか。

どこか他の場所で殺されて、現場に運ばれてきた可能性もある。いずれにしても殺害した犯人はいるわけであって、こういった複雑な戦況では、米国への忠告が難しいのなら、あえて不関与の知恵もあるのだが、これさえも日本はできないのである。

いずれにしても安倍晋三の一言で、ODAの援助を通じてシリア内に生まれていた日本への感謝は水泡に帰することとなった。

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