世界の政治から急速にモラルが失われ、物語政治が行われている。

その中心にあるのは米国政治のモラル喪失と物語政治である。

米国のイラク侵攻はその典型であった。侵攻の理由とされた大量破壊兵器もテロリストとのつながりも、フセインのイラクにはなかった。

しかし米国はフセインを処刑し、米国閣僚、多国籍企業、石油メジャーらは、莫大な富をイラクから略奪した。

最近では、米国は、一貫して中国・イランをサイバーテロ国家として非難してきていた。

しかし、米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデンによって、逆にサイバーテロの主役はオバマ政権そのものであることが明確になった。

スノーデンの動機は純粋で明確だ。

「米政府が秘密裏に構築した巨大な監視体制によって、世界中の人々のプライバシーと、インターネット上の自由と、基本的人権が破壊されている。このことに良心が咎めたからだ」(『ガーディアン』とのインタビュー)

宗主国のモラルの喪失は、当然、植民地に反映する。

日本では、FacebookやTwitter、Google+、NAVERまとめ、はてなブックマーク、mixi、GREE、YouTube、ニコニコ動画、ブログなどのソーシャルメディアによる国民監視は、今後、さらに徹底化するだろう。

そして「マイナンバー」制度の、年金・納税・資産・医療保険・雇用保険・戸籍・住民登録など国民の基本的な個人情報とともに、上記のフェイスブックやツイッター、ブログなどのソーシャルメディアなどで、状況的な個人の思想傾向が分析され、日本国民は、宗主国と植民地の両方で監視されることになろう。

政治における批判や攻撃の理由は物語なのである。現在のアホノミクスによる「好景気」なるものも「株高」を理由にした物語にすぎない。

日本企業が画期的な新製品を制作し、それが世界市場を席巻しているわけではない。

あるいは労働者の給料が上がり、消費が上向いているわけでもない。

経済人は、もちろん現在の「株高」が、米国を中心とする金融マフィアによって作られた政治相場、物語相場だと知っているので、給料など上げはしない。

一部の、政商企業が、安倍晋三のパフォーマンスに応じて社員の給料を上げて見せた。しかし、もともとあげるべき給料を押さえ込んでいただけであり、これも「好景気」の物語にすぎないのである。

国民の生活の実態は何も変わっていない、逆に保険料や復興税の増税、さらに年金の引き下げ、物価高で生活が苦しくなっているのに、政府と御用メディアのみが「好景気」だと囃し立てている。

ここで「理論的に」アホノミクスの成功を絵解きしている経済学部の大学教師、あるいは沈黙している大学教師など、学者としての死をいう前に、人間的に死んでいるといっていい。

自民党から民主党へ政権交代が行われた09年の衆議院選挙では、菅直人や野田佳彦らは、消費税増税反対、シロアリ退治を訴えていた。

しかし選挙が終わり、民主党が政権に就くと、消費増税賛成、官僚利権擁護に変わった。

この民主党に国民が鉄槌を下した先の衆議院選挙の前に、自民党はTPP反対を打ち出していた。

沖縄選出の自民党の国会議員は、普天間基地の辺野古移設に反対と主張していた。

これももちろん物語であり、選挙後にはTPP賛成、普天間基地の辺野古移設賛成、に変わった。

あまり語られていないが、自民党は本当に民主党に学んだのである。

それは、「選挙での国民との約束など守る必要はなく、政権さえ取れば真逆の政治をやっても構わない、民意や少数政党など無視して米国や官僚のいうままの政治をやればよい」ということだ。

つまり、自民党は09年に政権を失った後に真剣な党改革をしなかった。それはいつにあまりにも民主党のガバナンスがだらしなかったので、党改革などをしなくても政権奪還が可能だ、と判断したためだ。

自民党は、民主党の鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦を反面教師にするという、最低最悪の総括をしたのであり、そこから生まれた愚民観が現在の安倍晋三に受け継がれている。

「自民党はできないことは約束しない。できることだけを約束する」。これは愚民観からまれた政治であり、理念を失った政治の究極の姿だ。

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政党は理念をマニフェストに掲げて選挙を闘う。選挙後は当選した政治家を中心にしてマニフェストの実現に務める。他党とのせめぎ合いの中で、仮に国民との契約を実現できなかったとしても、その誠実な努力を多として、選挙民は落とすようなことはしない。

マニフェストには1年で実現できることもあれば、数年かかることもあるからだ。

しかし、民主党がやったことはまったく違う。

シロアリ退治をする前に、自ら先頭に立って消費税増税をやったのである。政治主導をやる前にあっさり官僚主導に舵を切り、元自民党の政治家を閣僚に据え、第二自民党に率先して変質したのである。

これほど幼稚で、未熟で、愚かな政権運営をやった政党は珍しい。

民主党は、既得権益支配層(米国・官僚・自民党・財界)の謀略どおりに動いた。

それは菅直人、野田佳彦にマニフェストを裏切らせて、次の選挙で民主党を惨敗させ、最終的に小沢一郎の芽を摘む政治謀略であった。

愚かなことに、民主党は惨敗に向けて、この既得権益支配層の振り付け通りに動いたのである。

愚かさの本質とは何か。

それは同じ間違いを何度も繰り返すことだ。

今、わたしたち国民に問われていることは、民主党に復活の機会を与えないことだ。自民党が何も変わらなかったように、民主党も何も変わっていない。

いや、09年の政権交代時には、まだ明確な方針が出ていたが、今は明確な嘘さえ吐けない。

自民党との違いを出そうとする勢力と、第二自民党でいこうとする勢力とが、選挙区で勝手気ままなことを喋っているだけだ。

例えば京都選挙区の民主党北神圭朗候補は、次のように書いていた。

「お母さん、あなたの息子やお孫さんが、あの小さな島のために死んでくれますか。人殺しをしてくれますか」

こうした国家からの重たい要請に、喜んでとまではいわないまでも、少なからぬ決意を持って「わかりました」と応じてくれる国民が、どのくらいいるのでしょうか。少なくとも過半数はいないと、「毅然たる外交」なぞ、誰が総理になっても夢のまた夢です。

国土のため、命を捨てるどころか、下手をすれば、経済的犠牲さえ払う覚悟がない。こうした国民に選ばれた政権が、民主主義の原則の下、どうして強気の外交交渉をできましょうか。こちらは手を縛られているのです。一方、向こうは、自由自在に手を出せるのです。(「東洋経済オンライン」3月18日付)
(引用終わり)
http://bit.ly/12I9Wgn

石原慎太郎や橋下徹の上を行くウルトラ右翼が、民主党公認として先の選挙戦を闘った。

他方、民主党には護憲やTPP反対を訴える勢力もあり、ひとつの政党として存在するのが無理なのだ。

もし民主党に国民に対する誠実のかけらが残っていたら、民主党壊滅のA級戦犯とその他の勢力とに分党して出直すべきである。

そうでなければ、いつまでも嘘つきの政党として存在することになる。

ただ、もはや民主党にはそのようなエネルギーも誠実さも残っていないように思われる。先の衆議院選挙、今回の参議院選挙と、民主党は縮小解散の方向をたどるしかないだろう。

日本の現在の状況で、物語政治が目指しているのは、 TPP参加による売国であり、売国後の奴隷統治である。

その奴隷支配のツールとして、自民党の憲法草案が存在している。

植民地の管理のための憲法であるから、当然、人権を奪い、義務を強制する。為政者が最も警戒するのは表現の自由であり、それに対しては様々なネット弾圧の法案を準備し、既に大半は法律化し終えた。

状況は重く、生活の党、社民党、共産党、みどりの風、緑の党に風が吹く状況にはない。

しかし全く展望が閉ざされているわけではない。

麻生太郎の「ナチス発言」に見られるように、国際世論の日本を見る目が険しくなっている。また、汚染水の海洋投棄に対しても海外では大きく報じられている。

中国も韓国も米国も、核武装願望の安倍内閣と付き合う気はない。

米国の対日国家戦略は実利に徹しており、「ジャパン・ハンドラーズ」に対中対決を煽らせ、原爆以外の高額な米国兵器を日本に買わせる。

他方、本国の米国政府は中国と友好的な関係を保ち、原爆は日本に持たせない。持ちたいナショナリズムの日本に、一定の距離をおく、二元外交である。

つまり安倍内閣はいずれ追い詰められる。

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