先の衆議院選挙での、自民党のTPPの公約は、次のようなものだ。

(1) 政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。

(2) 自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。

(3) 国民皆保険制度を守る。

(4) 食の安全安心の基準を守る。

(5) 国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。

(6) 政府調達・金融サービス等は、我が国の特性を踏まえる。

これを読んだTPP参加反対の三橋貴明は、「まず、自民党がここまで明言した以上、解散総選挙になり自民党が政権に復帰すると、TPPは「見送り」にならざるを得ないでしょう」と語った。

自民党の公約は、もちろん嘘だったのである。あるいはこれから、もっと甚だしい嘘になる。本メルマガの購読者は御存じだが、TPPは参加表明してすべてが終わるわけではないのである。それからもすべての関税の撤廃という目的に向かって交渉は続く。

何度もいってきたように、米国系のグローバルエリートの政治には、「国家」「民族」「国益」「民主主義」といった価値軸はない。他国の買国といった究極の姿でグローバルエリートの利権と栄達を図るのが、論理的な帰結になる。

米国のグローバルエリートの一部600人ほどだけが、秘密会議の中身や草稿文書を見ることができる。しかし米国の政治家も内容を見ることができない。興味深いのは米国のマスメディアも、日本と同様にグローバルエリートの会議の隠蔽に協力してTPPを報道していないのである。

既得権益支配層の先兵に、組織としてのマスメディアがなっている。この事情は日米とも同じである。ただ、個人は、優れたジャーナリストが米国に多いように思われる。

植民地側も事情は同じである。グローバル企業の経営者たち、高級官僚、一部の政治家たちにとっても、「国家」「民族」「国益」「民主主義」といった価値軸は、もうない。売国によって自己の利権と栄達を謀るのが、彼らの生き方であり、目標になる。

TPP参加後の植民地を新植民地と呼ぶことにする。これは従来の植民地よりわかりやすくなるのではないかとわたしは考えている。

これまで我が国は、表面的には独立した主権国家を装い続けてきた。もちろんこれまでも実態としては植民地であったが。

植民地としての実態は、一部の国民にしか知られていなかった。それはちょうど敗戦後に、サンフランシスコ講和条約第6条において、「連合国のすべての占領軍は、この条約の効力発生の後、なるべくすみやかに、かつ、いかなる場合にもその後90日以内に、日本国から撤退しなければならない」と装ったのを、そのまま多くの国民が信じていたからである。つまり本来は日本から撤退すべき米軍であるが、日本防衛のために日本が頼んで駐留してもらっている、という認識である。

すなわち、同じ第6条の後半で「ただしこの規定は、1または2以上の連合国を一方とし、日本国を他方として双方の間に締結されたもしくは締結される二国間もしくは多数国間の協定にもとづく、またはその結果としての外国軍隊の日本国の領域における駐とんまたは駐留を妨げるものではない」とあるのを、まったき善意で、日本国民は「誤解」し続けたといえよう。

実態としての植民地は、安保条約や日米地位協定などの細部で完璧なものにされたが、その実態を多くの国民は知らなかった。
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植民地の実態は、日米安保条約や日米地位協定、「対日超党派報告書」、「対日政策提言」、「日米経済調和対話」などの細部にある。

たとえば日米地位協定の第9条にはこのように書かれている。

「合衆国軍隊の構成員は、条件および査証に関する日本国の法令の適用から除外される。

合衆国の構成員および軍属ならびにそれらの家族は、外国人の登録および管理に関する日本国の法令の適用から除外される。

ただし、日本国の領域における永久的な居所または住所を要求する権利を取得するものとみなされない」
(引用終わり)

平たくいうと米軍人とその家族は、日本ではまったくチェックを受けることなく、自由に出入国できるというのだ。

「法令の適用から除外される」という2国間関係は宗主国と植民地の関係にしか生まれない。

しかしこのような細部は、我が国の場合、「記者クラブ」メディアが隠蔽するので、国民に広く認識されることはなかった。

これがTPP参加後は、植民地日本の実態はこれまで以上に広く国民に知られることになる。

これまで述べてきたようにTPP参加の精神は「日本なんてどうなったっていい。自分さえよけりゃ」ということである。

まだ既得権益支配層は見て見ぬふりをしているが、放射能汚染は日々首都圏に累積されている。

いずれ東北ばかりではなく首都圏の地価が暴落してゆく。

既得権益支配層は、すでに外国への避難・移住を考え、すでにキャピタルフライトを終えているものと思われる。「日本なんてどうなったっていい。自分さえよけりゃ」だからである。

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