いま米国の大学で起きていること

わたしが若い頃、1970年代に、流行った反戦フォークの歌詞に「若いという字は苦しい字に似てるわ。涙が出るのは若いというしるしね」というのがあった。時代もジャンルも、勝手にわたしの記憶で書いている。

アン真理子の「悲しみは駆け足でやってくる」の一節だ。

青春は苦しいものだ。苦しまない青春など意味がない。人間は苦しんで成長していくのである。苦しまなかった青春は、アホぼん三世を見ればよくわかる。あのようになるのだ。人間に何の陰も深みもない。私利私欲を果たすために売国に明け暮れる日々。それは凡庸な考えない青春時代に作られたものだ。

今日はシルビア・マシューズ・バーウェルの書いた「ジェネレーション・ストレス―― いまアメリカの大学で何が起きているか」を切り口に米国の青春(大学生)を考える。

(シルビア・マシューズ・バーウェルはアメリカン大学学長。ロバート・ルービン米財務長官の首席補佐官、米保健福祉長官などを経て現職)

若者たちが成長し、知識を身につけ、新しいスキルを学び、困難な課題に立ち向かっていく大学での生活は、一生に一度のかけがえのない経験であるはずだ。しかし、米大学生のメンタルヘルスを調査する年次サーベイ「ヘルシーまいんど研究」の2016ー17年版によれば、学生の44%が「気力に満ちている」と答える一方、39%が「うつ病や不安神経症の症状がある」と答えている。

2007年は6%だった自殺願望をもつ学生の割合は2017年に11%に、同じ期間に、心理療法を受けている学生の割合は13%から24%へ上昇している。

より多くの学生たちが心理カウンセリングなどのケアを受けるようになったとはいえ、うつ病や不安神経症の症状をもつ学生のなかで、2016年に精神科の治療を受けているのは、その半分を僅かに上回る程度に過ぎない。

メンタルヘルス面で問題を抱え込む人が増えたのは、大学生だけではない。一生の間に不安障害を抱え込むようになる人は、成人の4人に1人に達しており、2000年以降、男女を問わず、自殺者は上昇している。

こうしたトレンドが一過性のものなのか、ニューノーマルなのか、それとも、より大きな危機の先駆けなのかはわからない。とはいえ、大学は、学生たちの心理的な苦悩に対応していかなければならない。いまや学生のメンタルヘルスに大学が責任を負う時代だ。

最近では、大学の責任は広がりをみせており、これには、学生たちのレジリアンス(困難な状況への適応・対応能力)を高めること、より具体的には、ストレスを回避するだけでなく、ストレスに向き合うための枠組みを準備することも含まれる。

ストレスに打ちのめされているという感覚を和らげる一方で、人生において直面する困難な課題に自分で立ち向かっていけるような能力を育んでいかなければならない。(『Foreign Affairs Report』2018 NO.11)

2007年以降の10年間で、心理療法を受けている米国大学生の割合が13%から24%へ上昇した。いつの時代にも優れた青春は苦しむものだが、時代とともにその苦しみの縞柄が違ってくる。

「気力に満ちている」学生が44%、「うつ病や不安神経症の症状がある」学生が39%。これが現在の米国の青春だ。

深刻なのは、自殺願望をもつ学生の割合だ。2007年は6%、2017年に11%と10年間で倍増している。同じ期間に、心理療法を受けている学生も13%からこれもほぼ倍増して24%へ上昇している。

わたしの青春はほぼ60年代の後半だ。その頃の大学生にも苦悩はあったが、それは政治的社会的な苦悩だった。あるいは個人的な恋愛の苦しみだった。それ以降の10年間は、むしろ時代は軽薄化し、多くの優れた状況関係の雑誌・新聞が潰れていき、軽薄な青春が歌と踊りと金に狂乱するようになる。

ただ、確実に日本は病んでいき、若者の「死因1位」は自殺となった。これは主要7か国では「日本のみ」の現象である。日本の統計データは、政治の失敗を隠蔽するようになっているので、自殺者の総数も、そのなかに占める若者の比率も、もっと高いものと思わなくてはならない。

日本の警察庁の「自殺」の定義は、死後24時間以内に発見され、遺書があること、となっている。これ以外は変死扱いになる。

この変死(検死対象外)が毎年15万人程度出る。WHO基準ではその半数を自殺者にカウントしている。したがって日本の自殺者は少なく見積もっても年間10万人以上ということになり、ダントツの世界一位である。

米国の場合、メンタルヘルス面での病は、大学生だけではなかった。不安障害を抱え込む成人は、4人に1人に達し、2000年以降、男女を問わず、自殺者は上昇している。

シルビア・マシューズ・バーウェルは、「いまや学生のメンタルヘルスに大学が責任を負う時代だ」と言い切っている。「学生たちのレジリアンス(困難な状況への適応・対応能力)を高め」「ストレスに向き合うための枠組みを準備」し、「人生において直面する困難な課題に自分で立ち向かっていけるような能力を育んでいかなければならない」という。こういわれると、たいへんな時代になったと思う。

トランプの統治する米国は、まさに病んでいるのだ。もちろん日本も。

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