1 世界最強でも勝てない戦争

今回の衆議院選挙には、政権交代の可能性があった。

ファシズムと戦争を止めるためにも、野党共闘を成功させて、どうしても政権交代を起こさねばならない選挙だった。

しかし、ひとつにまとまるどころか、民進党を4つにも分裂させ、安倍自民党を勝たせた選挙は、ある夜の密議が発端だった。

まず、9月25日に、安倍晋三が28日召集の臨時国会冒頭で衆院解散を表明した。
すべてはここから始まった。
小池百合子も会見し、「希望の党」を立ち上げ、代表に就くと発表した。

そこからすべてをぶちこわした9月26日深夜の密議がはじまる。
集まったのは、小池百合子、前原誠司、神津里季生(りきお)、上杉隆の4人だった。

前原誠司が、民進党の解党と100億円超の資金・党職員の提供を小池百合子に提案する。
それに対して小池百合子は、希望の党に入るには、安保賛成と改憲賛成が前提条件であって譲れないと主張する。
そこで上杉隆が反対派の排除を提案した。
小池氏「「護憲、遠慮願う」前原氏「当たり前」深夜の密談『朝日新聞デジタル』2017年11月19日)

この密議を行った者たちの政界再編成は、共産党に象徴される左翼を排除した、対米隷属の二大政党制、どっちが政権を取ろうが1%に奉仕する大政翼賛体制の構築であって、何か希望があるわけではない。

政権交代といっても自公に代われば何でもいいというわけではない。
同じような国民いじめの政権ができて、交互に政権を担当されたら、たまったものではない。
これは当たり前のことであるが、わたしたちは、どんな政策で政権を担うのか、もっと真面目に政党の政策を検証しなければならない。

さて、今日のメルマガでは、米軍と核の問題を採り上げる。

『マスコミに載らない海外記事』(2017年11月17日)に、面白い記事が載っていた。

ベトナム以降、アメリカの政治家連中は、基本的に、侵略を、意味ある抵抗をする力が全くなく、まして優勢などに決してなり得ないずっと小さな国々に限定してきた。
ベトナム以降のアメリカ軍侵略のリストを見れば(中略)、アメリカ軍が、無防備の国々への攻撃を専門にしていることが良くわかる。

そこに、ソ連崩壊が起き、第一次湾岸戦争や、グローバル対テロ戦争で、アメリカの政治家連中が、明らかに“唯一の超大国”やら“ハイパー大国”という自分たち自身のプロパガンダを信じ込んで、アフガニスタンやイラクに対する全面的侵略を含め遙かに複雑な軍事攻撃に関わった。

これらの戦争は、政治家連中が自らのプロパガンダを信じ込んだ場合に一体何が起きるかのケース・スタディーとして、歴史に残ることとなろう。
倅ブッシュは、侵略が完了するや否や勝利を宣言したが、この戦争は、アメリカが、そこから軍を全く脱出させることができない大惨事であることが、間もなく誰の目にも明らかになった(ソ連人でさえ幾つかの事実から結論を導き出し、アフガニスタンから撤退した。アメリカ人より迅速に!)。
すると、こうしたこと全てはアメリカ軍について一体何を語っているのだろう。
(順不同)

アメリカ軍は他のどの軍よりも巨大、遥かに巨大だ
アメリカ軍には(世界で)比類の無い戦力投射(移動)能力がある
アメリカ軍はハイテクが豊富で、ある種の紛争では非常に有利だ
アメリカ軍はどの国であれ地表から消し去れる手段(核兵器)を保有している
アメリカ軍は大洋と戦略的要衝を支配している

これで、戦争に勝つのに十分だろうか?
実際は、そうではない。
それを理解していて、私が“アメリカ式戦争”(中略)と呼ぶものを戦うことを拒否する敵さえあれば、こうした優位を無効になってしまうのだ。
レバノンやコソボやアフガニスタンやイラクでの最近の戦争が、うまく適応した戦術が、上に列記したアメリカ軍の優位をほぼ打ち消してしまうか、少なくとも、そうしたものが重要ではなくなってしまうことを明らかに示している。

“戦争は別の手段による政治の延長である”というクラウゼビッツの理論をもし受け入れるなら、アメリカは、実に長い間、実際の戦争には勝利しておらず、アメリカ政府にあからさまに進んで逆らおうとする国々のリストは着実に増加しつつある(今やイランと朝鮮民主主義人民共和国のみならず、アフガニスタン、イラク、イエメン、シリア、ベネズエラや、ロシアと中国すら)ことが明らかになる。

つまり、あらゆる威嚇やプロパガンダをもってしても、アメリカは、一部の連中が人々にそう信じさせようとしているほどの手ごわい敵ではないという合意が、アメリカが威嚇し、いじめて屈伏させようとしている国々の間で、生じつつあるのだ」(「彼の評価は正確と思うか?」The Saker)

2 戦争で経済を回す国

第二次世界大戦後、米国が世界に覇を唱えられた原因は、米国がどの国からも攻撃されず、無傷で工業基盤が残ったことだった。
そこで米国は膨大な数の兵器システムや機器を製造できたのである。

別に米国の政治や経済が新しくて優れていたからではない。

「ベトナム以降、アメリカの政治家連中は、基本的に、侵略を、意味ある抵抗をする力が全くなく、まして優勢などに決してなり得ないずっと小さな国々に限定してきた」というあからさまな指摘は、これまでなかったものだ。
最初から米本土への反撃が不可能な小国、発展途上国で、石油などの収奪が可能な国が狙われた。

それだけではない。
ロスチャイルドの銀行がない国、国有銀行をもつ国が主に狙われた。
イラク、リビア、シリア、アフガニスタンはそうである。
今後は、イラン、北朝鮮が狙われることになる。
ロスチャイルドの銀行をおき、金融で永遠に支配するためである。

しかし、現実はそう簡単には運ばなかった。
米国は侵略先から抜け出せなくなったのだ。
「ソ連人でさえ幾つかの事実から結論を導き出し、アフガニスタンから撤退した」のにだ。
これにはひとつ注釈が必要だ。
抜け出せなくなった面と、留まっている両面がある。
小規模な戦闘でいいから、外国に留まり、戦い続けた方が、兵器は消耗し、新たな予算を取りやすいのである。

ロシアのように本気でISISを攻撃されたら、戦争が終わってしまうから困るのだ。

米軍は確かに巨大であり、比類の無い移動能力があり、ハイテク兵器を保有している。
さらに核大国だ。
しかし、これらの優位性が通じない相手、使えない相手にとっては、優位が無効になってしまう。
「レバノンやコソボやアフガニスタンやイラクでの最近の戦争」がそうである。

遡ればベトナム戦争もそうであった。
これまで経験したことのない戦争、出会ったことのない敵に対して、ついに米軍はジャングルに枯れ葉剤まで投下している。
しかし、最後まで核兵器は使えなかった。

実際、「アメリカは、実に長い間、実際の戦争には勝利しておらず、アメリカ政府にあからさまに進んで逆らおうとする国々のリストは着実に増加しつつある」し、「アメリカは、一部の連中が人々にそう信じさせようとしているほどの手ごわい敵ではないという合意が、アメリカが威嚇し、いじめて屈伏させようとしている国々の間で、生じつつあるのだ」。
ただし、日本を除いて、だ。

対米隷属の日本の卑屈さ、米国のイエスマンに徹する主体性のない外交は、いまや世界に見透かされ、笑いものになっている。
するとそれを打ち消すかのように安倍晋三は外国に金をばらまく。
それがまた外国の顰蹙を買う。
これの繰り返しだ。
凋落の米国と心中するつもりである。

中国の壮大な「一帯一路」(=シルクロード)構想と、BRICSの躍進。
いずれ世界はBRICSを中心に回り始める。
独・仏を中軸としたEUも、長期的にはBRICSに接近していく。
安倍の姿勢は、ただ米国待ちの姿勢である。

・・・・・・・・・━━━━━━☆

※メルマガのご案内

こんにちは!

有料メルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』を配信している兵頭と申します。

2011年10月1日より『兵頭正俊の優しさ出前』(月額:864円(税込)/配信サイト:まぐまぐ)を配信開始しました。

月・水・金・それに、ほぼ週に1回の号外を配信しております。
実質、週に4回の配信になります。

わたしの強みは、商業ジャーナリズム、「記者クラブ」メディアから自立していることから、政権にも企業にも遠慮なく真実を語る位置を確保していることです。

わたしは若い頃に吉本隆明の『試行』に作品を発表していました。
この『試行』自体が、そのような問題意識に貫かれた同人誌でした。
位置のとり方の大切さはわかっております。

また、教師をやっていたことから、わかりやすく表現することには通じており、多くの読者の方からわかりやすいという声を聞いています。

優れた情報と、新しい状況の分析・とらえ方を提供します。
そして、「記者クラブ」メディアの情報操作と国民洗脳を対象化し、あなたを現在とは違うステージに招待します。

確かに、わたしはテレビなど晴れがましい舞台には出ておりません。

しかし、わたしの書いた文章は、グーグルの検索でもあちこちで上位に出ております。

ツイッターでは3万を超えるフォロワーに支持されており、無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』は殿堂入りを果たしております。

価格以上の価値があると自信があります。
ぜひ購読のご検討をお願い申し上げる次第です。

なお、別に無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』PC用と、内容は同じ 携帯用 を2011年8月29日より、「まぐまぐ」から配信しております。

無料で、ほぼ週刊です。
(体調を崩したとき、それに正月や5月の連休、お盆には、お休みをいただきます)

携帯の送受信の制限を考慮して、分割して送信するように改善しました。

ご登録をよろしくお願いします。

なお、メルマガはテキストファイルであり、このブログ掲載の画像などはありません。

また、このブログ掲載の文章は、メルマガの一部であり、ブログ用に編集してあります。
© GIHYO