南スーダンで、国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊が、実際は「戦闘」をしていた。陸上自衛隊の日報には、明確に「戦闘」という言葉が多用されていたのである。しかし、それだとPKO参加五原則が崩れるので、安倍奴隷政権は「武力衝突」であると開き直っている。

これは、2016年7月11~12日に作成された日報が公開されてわかったものである。

陸上自衛隊は南スーダンのジュバに駐留している。2016年7月、300人以上の死者を出す「戦闘」が発生した。

なんちゃって防衛相の稲田朋美は、2月8日に「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と珍無類の答弁をした。「戦闘」という事実は、政権のためにねじ曲げられるのである。こうして戦前の日本は、事実を国民の目から隠し、戦線を拡大していった。

「問題ない」おじさんの菅義偉官房長官は、2月9日の会見で、例によって「政府としての認識を説明しているものであり、防衛相の辞任といったような指摘は全く当たらない」とした。

このように1992年に成立したPKO協力法に盛り込まれたPKO参加5原則もなし崩しになっている。

これは、日本がPKOに参加する際に満たすべき条件を決めたもので、次の5項目のしばりがある。

(1)紛争当事者間で停戦合意が成立

(2)現地政府や紛争当事者の受け入れ同意

(3)中立的立場の厳守

(4)これらの条件が満たされない場合に撤収が可能

(5)武器使用は防護のための必要最小限に限る

以前のメルマガでも書いたが、このなかでもっとも日本人が苦手なのは、(4)の「これらの条件が満たされない場合に撤収が可能」というしばりである。それがすでに今の段階で起きている。「何が起きようと正直に「戦闘」の言葉を使うな、憲法違反になるから武力衝突と報告しろ」というわけだ。

撤収には冷徹と賢さが必要だ。ところが安倍奴隷政権は最初から、撤収など考えずに自衛隊を送っている。あとは撤収せずにすますために言葉をいじくってすますだけのようだ。

こうして戦争が日々露出してきた。それを防ぐためにも、米中には仲良くなっていてもらいたいものだ。

米中関係は、トランプの過激で直截な中国批判とは違って、それほど心配する必要はないと、これまでわたしは何度も書いてきた。その通りの現実が顕在化してきた。

2017年2月9日、トランプが習近平に「元宵節(げんしょうせつ)」祝賀の書簡を送った。内容は、大統領就任時の祝電への感謝を述べ、中国のお正月を祝い、「米中双方の利益となる建設的関係の構築に向け、習主席と一緒に取り組んでいくことを楽しみにしている」と呼びかけるものである。

これに対して中国外務省の陸慷報道官も、「高く称賛する。中国側は中米関係の発展を非常に重視している」と9日の記者会見で語った。

さらに、本日(2月10日)、中国の習国家主席とトランプ米大統領が電話会談した、と中国国営中央テレが伝えた。このなかで、トランプはこれまで通り、「米国政府が『一つの中国』政策を実施することの高度な重要性を十分に理解している。米国は『一つの中国』政策の実施を堅持する」と述べた。

また両首脳は、これから密接な連絡を保つことで同意し、早期の会談実現への期待を示した。これで安心する人も増えるだろう。

トランプと中国とは、反グローバリズム、反TPP、米国による外国への不介入という、大きな利害で一致している。それで、今後もトランプが経済問題で中国を非難することはあっても、決定的な亀裂に至ることはない。

ヤシャ・モンクは、「民主的安定というかつてない時代の終わり ―― 非自由主義的代替モデルとトランプの台頭」のなかで次のように書いている。

(ヤシャ・モンクは、ハーバード大学講師で、専問は政治学)

5年前ほどから、私は、人々が民主主義に信頼を失い始めていることを心配するようになったが、それでも当時は民主主義に代わる明確なイデオロギー上の代替策が存在しないことに慰めを見出していた。他に頼るべきシステムはなかった。中国やイランのモデルを模倣したいと考える国はほとんどなかった。

だが、それもいまや変わった。プーチンとオルバン(ハンガリー首相 注 : 兵頭)は、すでに他国が模倣できるような非自由主義的な民主主義モデルを確立している。人々の意思を反映させることは理解しているが、彼らは人気のない少数派の権利や独立した司法や国際機関などの対抗する機関の干渉によって行動を制約されるべきではないと考えている。

つまり、リベラルな民主主義は、1930年代のファシズム、1950年代の共産主義のような、イデオロギー上のライバルに再び直面している。

2017年に国連安保理を主導するのはトランプ、プーチン、習近平 、イギリスのテリーザ・メイ、これにフランスの国民戦線の大統領候補マリーヌ・ルペンが加わる可能性もある。これが国際外交と紛争解決にとって何を意味するかを考える必要がある」(『Foreign Affairs Report』2017 NO.2)

米国のリベラリストが、よく警戒心をもって民主主義の消滅を語るようになった。大統領選での敗北が、それほど痛かったのだろう。ただ、そういった論者は、その民主主義がどういった民主主義なのかは語らない。多くは米国の民主主義をグローバルスタンダードとして語っているにすぎない。米国に対しては疑うことを知らないかのようなのだ。

絶対普遍の民主主義なるものは存在しない。民主主義には、時代と国とによって、様々なバリエーションがあっていい。また民主主義は、時間とともに成熟する。やがて腐敗し、変革していかねばならないものなのだ。

民主主義について「中国やイランのモデルを模倣したいと考える国はほとんどなかった」というのは、そうであろう。しかし、中国やイランに米国の民主主義を押し付けてもうまくいかない。むしろ悲惨な暴動と多数の死者を生むことになろう。

中国やイランには米国とは違った長い歴史があり、現在の民主主義にも生まれた理由がある。そこから、中国やイランの民衆が変革していけばいいのであって、米国が政治的軍事的に介入すべき問題ではない。

「プーチンとオルバンは、すでに他国が模倣できるような非自由主義的な民主主義モデルを確立」した。

「人々の意思を反映させることは理解しているが、彼らは人気のない少数派の権利や独立した司法や国際機関などの対抗する機関の干渉によって行動を制約されるべきではないと考えている」としても、だからプーチンらが悪いということにはならない。

なぜなら、CIAの介入・干渉が先にあって、それで国家を守るために「少数派の権利や独立した司法や国際機関などの対抗する機関の干渉」を排除するとしたら、その民主主義は正しいのである。

米国の干渉・介入のために、民主主義が用心深い、規制する民主主義に変質させられるケースがあまりにも多すぎるのだ。

「リベラルな民主主義は、1930年代のファシズム、1950年代の共産主義のような、イデオロギー上のライバルに再び直面している」とするが、ここでも米国例外主義の傲慢が顔を出している。

「2017年に国連安保理を主導するのはトランプ、プーチン、習近平 、イギリスのテリーザ・メイ、これにフランスの国民戦線の大統領候補マリーヌ・ルペン」が加わるというのは、いいことだ。少なくとも、これで第2のフセインやカダフィ大佐はなくなるだろう。

2月4日のFOXニュースの番組で、司会者のビル・オライリーが、「でも、プーチン氏は人殺しです。彼は人殺しなのですよ?」とトランプに向かって発言した。それに対して、トランプは、「アメリカにもたくさんの殺人者がいる。私たちの国が無罪だと思うか?」と答えている。

ここにトランプの登場の大きな意味があるのだ。米国の邪悪に対して、これまでの米大統領はあまりに無知で傲慢であった。まるで米国以外の国家の指導者や国民の命など、虫けらのように扱ってきた。

米国の歴史とは何か。それは絶えざる外国侵略・破壊と支配・収奪の歴史である。これは民主主義ではあるまい。

その荒ぶる歴史をトランプは変えていこうとしている。

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たまにお便りで読者を知ることがあるのですが、わたしの読者は粒よりで、一騎当千のつわものばかりです。これが何よりのわたしの誇りです。

なにぶん歳なので、いつまで書けるかわかりません。それ以上に、狙われているので、ネットから追放される可能性もあります。皆さんのなかにもわたしのツイートをリツイートして、妨害された方がおられるでしょう。共産党からネトウヨまで、幅広い妨害に遭っております。つまり公認左翼と右翼とに怖がられております。

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