最近の『東京新聞』がネット上でも賑やかだ。

2013年3月9日には、「TPP後発国に不利条件 首相 説明は後ろ向き」と題して次のような記事を載せている。

「環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加に関連し、後から交渉に参加したカナダとメキシコが著しく不利な交渉条件を求められた問題が、八日の衆院予算委員会で論戦の主要テーマになった。

野党側が事実関係の公表を求めたのに対し、安倍晋三首相らは終始、後ろ向きな姿勢。TPPは国民生活を大きく変える可能性のある重要な課題なのに、首相は説明責任を軽視したまま、交渉参加表明に踏み切ろうとしている。(金杉貴雄、関口克己)

(中略)

問題は、2010年までにTPP交渉に参加した9か国が、11年11月に参加の意向を表明したカナダとメキシコに対し、すでに合意した条文は後発の参加国は原則として受け入れ、再協議も要求できないなどの不利な条件を提示したというもの。

(中略)

また、共産党の笠井亮氏は、七日の予算委で「既に交渉に参加している国と、後から参加する国では条件が違うのか」との質問に、首相が「判然としない部分がある」と答えた点を取り上げた。

笠井氏が「判然としない内容を把握しているのか」と聞くと、首相は「取っている情報もあれば、輪郭がぼやっとしているものもある」と答弁。

笠井氏は「ぼやっとしたものがあって、入ってみたら大変だったら責任問題だ」と情報把握が不十分なまま、近く交渉参加を表明しようとしている首相を批判した。

八日の質疑では、岸田氏が、後発組の国には包括的で高いレベルの貿易自由化を約束し、交渉進展も遅らせないなどの要求があることを明らかにした」
(引用終わり)

安倍晋三が15日にもTPP参加を表明しようとしている。

その数日前にこのレベルの質疑応答ではあまりにも遅すぎる。

しかもこの内容はネット上では早くから指摘されていたことだ。民主党の一部の国会議員(小沢グループ)からはソーシャルメディアを通じて喧伝されていた内容である。

日本は先行した11か国で合意した条約に後から入る。日本がするのは事務的に加入手続きにサインするだけである。そんなことはわかりきったことではないか。

日本と交渉する気がまったくないから、 11か国でさっさと交渉を進めているのである。

条約に合意した10か国は、なぜ米国と日本の合意を最優先しなければならないのか。この日本の与党政治家とメディアの馬鹿馬鹿しさと無責任は、世界がまともに相手にしないレベルのものである。

岸田外相は、8日の衆院予算委員会で、TPPの後発組には、次の3つの条件が課されていることを明らかにした。

(1)合意済みの部分をそのまま受け入れ、議論を蒸し返さない。

(2)交渉の進展を遅らせない。

(3)包括的で高いレベルの貿易自由化を約束する。

これほど舐められ、馬鹿にされてでも、何のメリットもない条約に入るというのは、よほど米国が恐いのである。それしか理由が見当たらない。
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パフォーマンスにすぎない証拠は、それ以外にこの会合には何の意味もないからだ。

自民党は、表向き農家に向かって、コメ、乳製品、砂糖、牛肉といった農産物を守ろうというのだが、そういうことはできないのがTPPなのだ。

1 TPP交渉に2012年12月から参加した後発国のカナダ、メキシコは、過去3年間の先発国の交渉合意の内容に再交渉できないという「同意」を要求され、呑まされている。当然、日本にも「同意」が要求され、呑まされることになる。

2 カナダ、メキシコは、すでに先発国が決定した膨大な項目への新提案を禁じられている。当然、日本も新提案を禁じられる。

3 3月中旬に参加表明しても、日本が交渉のテーブルにつくのは、7月の交渉会合から。つまり、日本に出来るのはTPP参加に黙って事務的にサインすることだけである。

4 パフォーマンスにすぎない決定的な理由は、安倍自民党の要望通りに一部の農産物の関税が守られたにしても、 TPP参加国後に、米国企業によってISD条項や「間接接収による損害賠償」、NVC条項(Non-Violation Complaint条項)、つまり「非違反提訴」などで国際投資紛争仲裁センターに訴えられたらそれまでのことである。

5 「第3次アーミテージレポート」では次のように日本政府は指示されている。

「これら3つのFTA(注:対メキシコ、対カナダ、対米国)は、日本のエネルギー供給を保護するだけでなく、米国、カナダ、およびメキシコの農業製品への自由貿易アクセスも日本に付与し、結果として安定した食物供給を確保することになる。

日本の農業人口は急速に減少しており、日本の人口は老齢化し、農民の平均年齢は66歳を超えた。

このような展望では、日本は農業貿易政策の調整を延期する余裕がない。すべての関係者が、持続不能な防衛的貿易戦略ではなく、真の経済と食物の安全保障という観点で考察すれば、FTAを妨害する残りの農業障壁は容易に克服できる。

大韓民国(ROK)が米国とのFTA交渉で成功できるなら、日本もできる」
(引用終わり)

ここにはすでにTPP参加後の日本農業の未来が暗示されている。「米国、カナダ、およびメキシコの農業製品への自由貿易アクセスも日本に付与し、結果として安定した食物供給を確保することになる」。つまり日本農業が壊滅した後、3国で自由に価格設定した食物を、永久に安定して日本は買い続けねばならない。

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