年金の減額、南スーダンの「駆け付け警護」、TPP、憲法審査会と、重要な政治問題があるのに、東京の大手(「記者クラブ」)陰謀メディアが、ほとんど報じない。韓国の朴大統領の話題ばかりだ。

とにかく外国の不幸は詳しく報じる。日本の不幸は隠し通す。その結果、外国に比べたら日本はいい国だ、と信じ込む愚民ができあがる。

安倍晋三とメディアは、昨日はヒラリー、今日はトランプと、手のひら返し外交、朝貢外交の自画自賛に忙しい。

手のひら返しといえば、オバマからトランプへもそうだし、TPPもそうだった。選挙では99%に寄り添う嘘をつき、選挙後は1%に奉仕する。手のひら返しは、与野党を問わず、劣化した日本政治の常態になっている。

この『エコノミスト』誌の風刺漫画は、安倍晋三はわざわざニューヨークまで来なくても、日本でソニーのテレビに映ったトランプを見て握手すればよいだけだ、と安倍を笑っている。
こういう見方は日本のネットの見方と一致している。

キッシンジャーにトランプとの会談をセットしてもらう。世界で日本が最初に次期米大統領に会ったとはしゃぐ。ニューヨークでは、日本から、モルモットの首相が来るそうだ、と冷笑されていたらしい。

同時間にドイツでは、メルケルがオバマをねぎらっていた。品格の違いは比べようもない。やるとしたらこちらが先だろう。

安倍晋三の失礼な振る舞いに、オバマ側から、「米国にふたりの大統領はいない、安倍と会うとしても短時間で、食事は抜きで、テレビも入れるな」といった要請がトランプ陣営にあった。当然のことだ。祝電まではいいが、就任式前に会う段取りをつけるから、モルモットなどといわれるのだ。

何をしたら侮られるか、何をしたら敬意を払われるかが、まったくわかっていない。民族的矜恃は、安倍晋三だけではなく、日本人が戦後見失ったものだ。

ジャパンハンドラーのマイケル・グリーンが「わたしは安倍がトランプと親密な関係を築くとみている。安倍は聞き上手なうえ、世界の独裁者とウマが合う。インドのモディ首相・ロシアのプーチン大統領・イスラエルのネタニヤフ首相・トルコのエルドアン大統領など、ワンマンタイプと相性がいい」といった。「世界の独裁者とウマが合う」のではない。強い者には言い返せず、直立不動で聞くばかりなので、こいつはバカかとその場が丸く収まるのだ。

安倍晋三の卑屈な朝貢外交について、こんなツイートが目についた。

「きむらとも

「トランプ次期大統領とは、じっくりと、胸襟を開いて、率直な話ができた」と官邸公式発表。それが事実なら、トランプ氏の過去の差別発言を話題にしないことはあり得ないが、もしその話題を避けて「信頼できる指導者」と言ったなら、「日本は差別主義を拒絶しない国」との国際的評価が下る。大失態だ。

渡辺輝人

トランプ-安倍会談で一番ビックリしたのは、開催場所が「トランプタワー」だということ。日本の総理大臣は、まだ就任前とはいえ米国の大統領になるべき人間との会談について、私邸に呼びつけられて、のこのこ応じたのか?

名もなき投資家

というか、ネトウヨとかメディアが、安倍晋三が次期大統領候補にあったとか、一番目に会ったとかいうだけで馬鹿騒ぎしてるって、どんだけポチなんですか。むしろ”トランプから日本に安倍晋三に会いに来た”くらいじゃないと本来ダメなんじゃないの。まだ大統領じゃないんですよ。民間人でしょ

『英国エコノミスト』(2016年11月12日号)に「どのようにしてそれが起こったのか」が載っている。

『英国エコノミスト』の、トランプ勝利以降のまとまった記事である。同紙は一貫してヒラリーを支援してきた。トランプに対してはとても辛辣だった。その点も考慮して、読者の方はお読みいただきたい。十分に読み応えのある記事で、示唆に富んでいる。

「しかしながら批評家が公然と非難するもの<彼(トランプ 注 : 兵頭)の保守政党主義の軽視、反ユートピア的ビジョン、偏狭な考え、反知性主義、異常な自己中心主義など>は、今では、完全に形作られて驚異的に成功した選挙運動のように見える。それらは、選挙運動のルールを書き換えはしなかったにしても、ルールの大部分をあざけり、うまくやり過ごした。

トランプ氏はクリントン女史より集めた資金は少なく、選挙運動のインフラも少なく、考えぬかれた政策も少なく、ほとんどの新聞に支持されず、共和党の指名候補としてボブ・ドールを除いて、前任者の誰からも支持されなかった。そして、助言者たちの助言に従って放縦な言動を抑えるのではなく、彼は成り行きに任せてぶちかませたのだ。

(中略)

チャンスと、他の候補者たちの自己満足が、その役割を一部果たした。ほとんどの共和党の予備選挙を通じて、大勢が出馬していることが、トランプ氏を利した。良識派の保守派であるジョン・カーシックやマルコ・ルビオ上院議員を含む17名の競争相手が、投票を分散させたが、特に移民者と自由貿易に対して悲観的な見方と敵意を共有するブルーカラー労働者などの不満を抱く投票者の間で、安定したリードを保った。

トランプ氏が過半数を獲得したかどうかは、<彼自身のニューヨーク州>にあたる36番目の州で勝ちが判明するまでわからなかった――そして、次第に恐怖を感じた共和党の指導者達は、彼を止めようと考えを巡らせた。それでも彼は候補者指名を手に入れたが、彼はその他の優位性も享受した。

低い給与の伸びに傷つけられ、共和党支配の議会で政治的暗礁を強いられるのがほとんどであった民主党政権の厳しい挫折の8年間の後で、投票者達は変化を望んだのだ」

英字原文

『英国エコノミスト』の、トランプに対する冷笑的な姿勢は変わっていない。これはこれでいいのである。日本のように政権もメデイアも、昨日はヒラリー、今日はトランプと変わる手のひら返しを見せつけられるよりも、よほど信頼がおける。

『英国エコノミスト』も、ようやく「批評家が公然と非難するもの<彼の保守政党主義の軽視、反ユートピア的ビジョン、偏狭な考え、反知性主義、異常な自己中心主義など>は、今では、完全に形作られて驚異的に成功した選挙運動のように見える」と気付いてきた。

その戦略の中心にいたのが、娘イヴァンカの夫ジャレッド・クシュナーである。かれがポピュリズムの戦略を練った。

米国の貧困白人層に依拠し、その怒りに火を付ける。移民の流入を阻止して雇用を回復し、テロリズムへの強力な阻止策を公約する候補者は勝てるのだ。

さらに既成政党、既成政治家のポリティカル・コレクトネスに米国貧困層は絶望していた。その中心にいたのがオバマである。ノーベル平和賞を貰い、広島原爆ドームを訪れながら、一方で核兵器予算を増やし、ISISを育て、戦争状態を継続する。黒人の大統領でありながら、8年の任期中に黒人の人権を確立させなかった。これこそ究極のポリティカル・コレクトネスである。

だからトランプは選挙中、ポリティカル・コレクトネスを一切口にしなかった。「メキシコと交渉して、不法移民を止めてもらう」とはいわない。「メキシコとの国境沿いに壁を築く」と「ぶちかませた」のである。

トランプが、出身母体の共和党から敵視され、元大統領を含む多くの有力議員から支持されなかった現実こそ、トランプには追い風だった。連日のメディアと共和党のバッシングこそ、トランプに対する最高の選挙支援だった。

見捨てられた米国のブルーカラーにとって、トランプを襲った現象は、これほど叩かれるのは、もしかすると自分たちの味方かもしれない、という信頼に結びつくものだったのである。皮肉なことにその土壌をオバマとヒラリーが作ってきたのである。

そうしなければ、「トランプ氏はクリントン女史より集めた資金は少なく、選挙運動のインフラも少なく、考えぬかれた政策も少なく、ほとんどの新聞に支持されず、共和党の指名候補としてボブ・ドールを除いて、前任者の誰からも支持されな」いという、背水の陣で勝利をもぎ取ることはできなかった。

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