小泉純一郎にだまされるな、の裏側

『福島民報』(2月16日付)に「只浦義弘さん最高賞 東京”粋な”ごはんグランプリ」という記事が載っている。

「東京都民の好みに合うコメを決める第1回「東京”粋な”ごはんグランプリ」で、喜多方市の農業只浦義弘さん(66)が出品したコシヒカリが最高賞のグランプリ賞に輝いた。

都米穀小売商業組合の主催。全国から390点の応募があった。日本米穀小売商業組合連合会が定める資格「お米マイスター」を持つ都内の米穀店主が、水加減やコメをとぐ時間など一定の炊飯条件で味、香り、粘りなどを評価した。4段階の審査でグランプリ賞など入賞25点を決めた。

(中略)

東京電力福島第一原発事故に伴う風評で、出荷量と価格は原発事故前より2、3割低い水準のままだ。状況は厳しいが、就農当初から信条とする「安全・安心」を胸に刻み、低農薬のおいしいコメ作りを心掛ける。 「東京の人に喜多方のコメを評価してもらえた。より多くの人に食べてほしい」と只浦さん。受賞による風評払拭(ふっしょく)効果に期待している」 http://bit.ly/1jofKVS

「東京都民の好みに合うコメ」は、フクシマ米という言葉が、皮肉に響く。どうしても先の都知事選の、舛添要一の圧勝と結びつく。

全国390点の応募から選ばれたらしい。上位の何十点に差はなかったと思われるから、最終段階で、舌に「食べて応援」の政治的味覚が働いたのだろう。

とにかく放射能汚染地帯にオリンピックを「おもてなし」するほどの図々しさだから、「食べて応援」など、この国の支配層にとっては、それこそ朝飯前なのだろう。

一方、東京都小平市の三田茂医師は、3月いっぱいで岡山に引っ越す。内部被曝を心配する都民から、もっとも信頼されてきた東京の医師のひとりだった。

ご自分にも子供がいることから、閉院して岡山に移住する。これはやむを得ないだろう。かれも自分と家族を、凶悪な既得権益支配層から守らねばならないのだから。その三田茂医師がvice.com のインタビューに答えている。(『カレイドスコープ』)

「日本は、商品の流通が発達しています。放射能に汚染された食品のいくらかは、確実に東京に来ています。

多くの人々が、経済を維持するために地方で生産されたものを、みんなが食べなければならないと言っています。しかし、それは、どんなものでも徹底的に検査されなくてはならないし、少なくとも、子供にだけは、どんな汚染のリスクのある食べ物も選り分けてから与えるべきです。

(中略)

東日本で暮らす人々は明らかに心配しています。

それゆえ、放射能の危険性から目をそらそうとしているのです。

市民は、問題を真面目に受けとめようとしていないようです。

一方、西日本に住んでいる人々は、東日本の人たちより合理的です。

西日本の人たちの多くは、東日本から移動してくる人たちを助けています」http://bit.ly/1jow5tL

心配しているから、放射能の危険性から目をそらす。その心理もあるにちがいない。しかし東京の、都知事選で舛添要一に投票した人たちの心理は、ひとつの大きな虚ろ、何も考えていない奴隷根性のようなものだ。

自分や家族の健康と生命よりも、何も考えずに、長いものには巻かれる、奴隷根性の多くが、舛添要一に投票したのである。

masuzoe

『南ドイツ新聞』が、都知事選の結果について、次のように論評している。

「日曜日に、ふたりの元日本首相、小泉純一郎と細川護煕が、東京都知事選で脱原発のために自民党と闘い、惨敗した。

小泉に応援された細川護煕候補者は、多くの日本国民に支援されたが、第3位になり、安倍首相と自民党に支援された舛添が、東京の新知事に選ばれたのである。

安倍は、かれの政治政策が都知事選で立証されたと思い、原発再稼動を早急に開始させるつもりだ。日本の原発政策は逆戻りしたのである。

都知事選で、原発反対派は、深刻な敗北をした。東京の有権者たちは、都知事選で原発に対して賛成の立場をとり、福島原発事故後、初めて、日本政府はこの春にも原発の再稼動を始めようとしている。

福島原発事故で、何も学ばなかったのである」(Emi Kiyomizu 訳)

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世界史でもっとも深刻な事故を起こしながら、「何も学ばなかった」この奴隷根性を軽く見てはならない。

知が論理を武器に深化するように、奴隷根性も情念を武器に肥大するのだ。

この寄る辺ない無知、小さなニヒリズム、奴隷根性は、いずれ巨大なファシズムに育ってゆくだろう。

それはすでに緒に就き、安倍晋三が国のトップに就き、田母神俊雄は都知事を目論んで62万票近くを獲得し、百田尚樹(ひゃくた・なおき)は犬HKの経営委員に上り詰めた。

tanogami hyakta

無知が、奴隷根性が、この国を支配し始めたのだ。

大学教師たちは、すでに大衆の遙か後方に逃げている。連合は既得権益支配層の一角を占めている。

犬HKの経営委員に百田尚樹が就き、犬HK会長に籾井勝人(もみい・かつと)といった無知が就任したことは、様々な意味で象徴的だ。マスメディアがこの国の不幸の元凶であるのだが、それはさらに加速されるだろう。

犬HKを元締めとするわが国のマスメディアは、

(1)内閣(行政)に対しては世論を捏造し、

(2)国会(立法)に対しては選挙を操作し、

(3)裁判所(司法)の判決にも影響を与える。

つまり、民意はマスメディアに奪われているのが、この国の現実である。

奴隷根性の最たるものは、わが国で実現される政策や法の核心的なものが、宗主国のための政策であり、法であることに露出している。

消費税増税、原発維持推進、 TPP参加、ACTAなどの様々なネット監視法案、これらは植民地の国会から生まれたものではない。

「対日改革要望書」、「日米経済調和対話」、「日本経団連政党評価表」 、「ジャパン・ハンドラーズ」やヘリテージ財団などの、宗主国のシンクタンクの指南と指示に基づいて、わが国の官僚が作成し、生まれたものである。

したがって、この国の権力構造の最上位に位置するネイティブは、官僚である。

なぜなら官僚には、政治家と違って、選挙がなく、売国奴のミッションを揺るぎなく果たせるからである。宗主国と官僚の支配に隷属し、指示を忠実に実行した吉田茂、池田勇人、中曽根康弘、小泉純一郎といった政治家は長期政権を保障された。

ここで小泉純一郎の名前が出たところで、都知事選と奴隷根性との絡みで、小泉純一郎を信じていいのか、という問題を考えてみる。この問題意識の発生源を辿ってゆくと共産党に辿り着く。

setouchi 2

小泉憎しを煽って、細川護熙を落とし、結果的に舛添要一を勝たせる。これに類する共産党の行動は幾つも見てきたから、わたし自身は、またやっていやがる、程度のことだった。

立候補者ならともかく、立候補者の支援者に過ぎない小泉純一郎を信じていいのか、という問いかけ自体が異様なのだ。

立候補しているのは、あくまで細川だった。小泉ではない。選挙期間中、そのことをいくらいっても、共産党的に小泉純一郎を問題にする。

こんな選挙はわたしは初めてだった。

そんなに信じられないのだったら、選挙期間に限定して、小泉純一郎を使えばいいのである。

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吉本隆明と小沢一郎

都知事選が終わって、舛添要一が当選したことで、安倍晋三は自分の原発維持推進政策が信任されたとみて、これから再稼働へと動く。

原発は、これまでに人類が生み出した、もっとも愚かな生産物である。最終処分場がないのに、再稼働させて、さらに核のゴミを増やす。明日なき、その場しのぎの、無責任な政治が続く。

これを許した一点をもってしても、今回の都知事選の敗北は重いものがある。

細川護熙はなぜ敗れたか。

hosokawa snow 9 decision

細川選対の惨状が、現場を実際に見た鎌田慧によって書かれている。「「地上戦なしの空中戦」が、選挙責任者の方針だった」など、読むと細川が気の毒になってくる。

『朝日新聞デジタル』の記事であるが、『大木春子のページ 明日も晴れ』に全文が掲載されている。

http://bit.ly/MicsZi

今回の教訓を挙げると、候補者の一本化は、どうしたら可能か、ということに尽きる。

何よりも、共産党に党勢拡大のための候補者擁立をやめてもらわなければならない。

そのためには、早い段階に、少なくとも宇都宮健児のような「降ろされぬための早出しジャンケン」を防ぐために、市民団体による候補者選定を宣言するのである。そして一本化を市民団体で行い、それを政党が推薦あるいは支援する。

政党に任せておいたら、同じ間違いを延々と繰り返すだろう。

さて、5日ほど経つが、まだ都知事選の論争がツイッターでは続いている。

それも細川陣営と宇都宮陣営の論争だ。

それを「世に倦む日日」が、こうツイートしていた。

2月11日

「ネットの中を見ると、宇都宮健児の選挙で熱狂している粗暴な左翼が、鎌田慧の著書をゴミ箱に棄てよと扇動している。遂に焚書運動にまで発展した。恐ろしい。獰猛な野獣のように目を血走らせ、鎌田慧に「総括」を迫っている。澤地久枝や瀬戸内寂聴にまで「焚書」と「総括」が及ぶのだろうか」

2月13日

「新自由主義者の脱原発は信用できんと、宇都宮健児を支持した左翼は言うのだが、例えば、米国での脱原発の動きは、きわめて市場原理主義的な論理と動機に媒介されている。事故時のコストが大変とか、福島の影響で保険金が高騰してとか。新自由主義と脱原発が併存する形もあるかも。古賀茂明とか見ても」

2月14日

「ネットの中の宇都宮健児支持者の声というのは、まるで新興宗教の信者のようだ。すべて、仲間から伝え聞いた断定フレーズ(それはデマだとか、こいつは反共だとかの宣伝文句)を、自分で検証もせず、鵜呑みにして、TWで拡散しまくっている。拡散ロボットの左翼工作員。文革の紅衛兵そのもの」

状況が見事にくっきりと切り取られている。「拡散ロボットの左翼工作員」とはうまく表現したものだ。ただ、「文革の紅衛兵そのもの」というのは褒めすぎだろう。紅衛兵は本気で信じ、本気で行動していたが、現在の古い左翼を信じている者たちは、「左翼もどき」であり、一過性のものだ。

「拡散ロボット」がやっていることは、この者たちの思い込みとは違って「赤狩り」であり、放っておけば、すぐに静かになり、ナショナリズムに迎合して、いずれ右翼と一体化する。

右翼は、安倍晋三や田母神俊雄が引っ張るのは荷が重すぎるだろう。

いずれ、もっと若い、冷静で頭のいい、魅力的な右翼が出てきて、対米自立、格差社会の解消、「脱原発」、安保条約の廃止などを訴えたとき、4月からの消費税増税で飢餓との闘いに追い込まれた国民は、なだれ込む可能性が高い。

そのときが、ほんとうに日本が滅びに向かって走り出すときだ。

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最近、ツイッターのTLに、わたしを誤解して、決めつける「拡散ロボットの左翼工作員」のツイートが出てきたので、ここでわたしの思想的立場を明らかにしておきたい。

わたしは右翼でもなければ、左翼でもない。

このあたりは、わたしの書くものによって、誤解は少ないものと思われる。

また、わたしは生活の党の党員でもない。これも誤解は少ないと思われる。

誤解があるのはここからだ。わたしは生活の党のサポーターでもない。現在もそうでないが、過去にそうだったこともない。

さらにわたしは小沢一郎の信者でもない。過去、吉本隆明の主義者だったこともない。

吉本隆明と小沢一郎。このふたりは似ているところがある。

ふたりとも原理原則、論理への嗜好が強いこと。商業ジャーナリズムを信じていないこと。強力な味方と敵に囲まれていること。そして強者のイメージで語られることが多いが、実はとても繊細な人物であること。

わたしは、若い頃に吉本隆明の『試行』誌に寄稿していた。若い皆さんはご存知ないと思うが、『試行』に作品を載せただけで、通用するという時代があった。それで載せたとたん、わたしは吉本主義者のひとりに見られ、多くの敵に囲まれることになった。

yoshimoto takaaki 4

わたしの側にいる人間は、わたしが吉本を評価もすれば批判もすることを知っていたので、主義者などという存在でないことをわかっていたが、『試行』の寄稿者はほとんど主義者扱いされたのではないかと思う。

それだけ吉本隆明が大きな存在だったということだ。

yoshimoto takaaki 6

ただ、『試行』誌の寄稿者は、ひとりも主義者といわれるような表現者はいなかった。

吉本隆明には論壇の敵が多く、毎月、雑誌に吉本批判の載らない月はなかったといっていい。そのうち、わたしは面白いことに気付いた。反吉本主義者が実は吉本主義者なのだ。

反吉本主義者は、吉本の、一挙手一投足を、毎日追い続け、実によく知っていた。誤解を怖れずいえば、わたしよりよく知っていた。

yoshimoto takaaki

かれらの吉本批判を読んで、何日前にどこで講演して、吉本がどういうことを喋った、と知ることも少なくなかった。

小沢信者なるものの実態もそうではないかと思う。小沢のまわりには多くの政治家がいるが、信者はひとりもいないのではないか。

ozawa ichirou 2

それぞれ自立しており、知られているように小沢と袂を分かつ政治家も少なくない。

小沢の政敵や論敵が、実は小沢の一挙手一投足を追い続ける信者であって、生活の党の政治家たちは、自立しているのだと思う。

ozawa ichirou

現実とは得てしてそういうものだ。わたしは、ひとりの人間を信仰にまで深める(貶める)ことができない種類の人間である。

学生時代に多くの宗教書を読んだが、信仰心にまでいたることはなかった。バイブルも初めから文学として読んでいた。

それではなぜわたしが小沢一郎を支援するのか、ということだが、それは、なぜ小沢一郎を支援しないのか、と切り返した方が、問題の核心に早くたどり着く。

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政治と広告業とメディア

ジャン・ボードリヤールは、『消費社会の神話と構造』のなかで書いている。

「ジャーナリストと広告業者はモノや出来事(イベント)を演出し筋書きを考え出す神話的世界のオペレーターである。彼らはそれらを「解釈しなおして」人びとに引き渡し、極端な場合には捏造することもある。

だから、客観的判断が要求されるなら、広告とニュースを神話のカテゴリーに分類しなくてはならない。神話は、真実でも偽りでもなく、信じる信じないは問題ではないからだ」

ジャン・ボードリヤールがこれを書いたのは、1970年である。44年前のことだ。

「「解釈しなおして」人びとに引き渡し、極端な場合には捏造することもある」ジャーナリストと広告業者は、今はさらに深化し、堕落し、首相と堂々と会食し、それを大手新聞が恥ずかしげもなく掲載する。金のために権力に魂を売り、洗脳と誘導を繰り返す。

つまり今日では、ジャーナリストが広告業者と一体化し、新聞・テレビは政府の広告機関と化したのである。

その力関係は、第5権力としての電通・博報堂などの広告代理店が、むしろ第4権力としてのマスメディアを支配し、管理している。

選挙へのメディアの介入は、広告の民意への介入といってよい。政府と一体化して、第5権力が民意を支配するのだ。

その現象が、前回のメルマガ「東京ゆりかご総括」で分析した次の3点である。

1 「都民の関心の薄い都知事選」というマスメディアの棄権誘導

2 マスメディアの「脱原発」の争点隠し

3 舛添要一圧勝というマスメディアによる選挙中の世論操作

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事前の捏造に基づく洗脳と誘導の結果、都民がこれを信じて、棄権し、あるいは勝ち馬に乗って舛添要一に投票し、神話を現実化たらしめるのである。

あるいは、ことはもっと深刻な状況に陥っている可能性がある。

選挙期間中にマスメディアが繰り返し報道した支持率調査、舛添の得票に、「脱原発」の細川と宇都宮の合計票が、及ばないという神話、「脱原発」より都民は原発維持・推進だという神話にそって、ムサシが数字をだしてきたのである。

これは、かりに「脱原発」で一本化しても勝てなかったばかりか、「脱原発」候補一本化のために、しきりに降りることを勧められた宇都宮健児を細川より上位にして、決定的な反目・分裂を「脱原発」陣営に固定化するものだ。

いずれにしても、広告業者たちのいう通りの結果が出ている。

急がれるのは、次の改革である。

1 ムサシによる集計作業の廃止

2 選挙期間中の支持率調査発表の禁止

3 供託金制度の廃止

4 平日を投票日にして、その日を休日に改める

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さて、今回の都知事選には、さまざまなことを考えさせられた。皆さんも同じだろう。

わたしが考えたことのひとつは、若い人たちの左翼に対する無知である。特に共産党に対する無知である。

共産党の末端の党員には、素晴らしい人も少なくない。かれらはよく勉強していて、論の構成が緻密であり、戦術も巧みである。

しかし、この政党に権力を取る気などはなく、少数野党の現在に十分に満足している、というのが、わたしの見方だ。

第一、もし労働者が立ち上がり、資本の鎖を断ち切って自由になったら、前衛の存在理由もなくなる。

それでも革命後の社会に位置を保とうとするなら独裁を敷くしかない。

Lenin Stalin

民衆への弾圧と党中央反対派への粛清を繰り返し、前衛としての既得権益を守るしか術はなくなる。

それでも打ち倒されたのが、ソ連共産党や東欧の共産党であり、経済を資本主義化しながら、辛うじて共産党が独裁の支配階級として踏みとどまっているのが中国である。

資本家階級を打ち倒したら用済みになる。労働者を解放することこそ怖ろしいことはない。前衛が打ち倒される。権力を握ってはならない。これこそが、世界の共産党が陥った自己否定の悪夢である。

今回の都知事選の2日後、『日本経済新聞』(2月11日)に「民主は反省、共産「大健闘」 都知事選を総括」と題する記事が載った。

「民主党の海江田万里代表は10日、東京都知事選で実質支援した細川護熙氏の落選について「もっと早い段階でオーダーが来ていればいろんなことができた」と述べた。出馬表明が遅れたこともあり十分な支援ができなかったとの反省だ。幹部は支持団体の連合と足並みがそろわなかったことに触れ「関係修復が今後の課題になる」と語った。

共産党の志位和夫委員長は10日、同党が推薦した宇都宮健児氏と党本部で会談し「大健闘だ」と総括した。宇都宮氏は「元首相連合に勝った。達成感がある」と伝えた」

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志位和夫は「大健闘だ」と総括し、宇都宮健児は「元首相連合に勝った。達成感がある」と胸を張る。つまり、敗北した悔しさなどは微塵もないし、まして核武装の軍事国家に向かう状況への危機感などはないのである。

細川護熙と小泉純一郎に勝った、2位だった、大健闘。

これが敗北必至の候補者と、その候補者を担いだ政党トップの総括である。

宇都宮健児には人間的魅力がない。それはかれが喋っている動画を見ればわかる。実際に付き合わなくてもわかるのだ。2012年の都知事選で、かれに投票したのは、ほとんど組織票だった。

もっと身近で、かれを見た人も、人間的な魅力のなさを指摘する。『澤藤統一郎の憲法日記』に、澤藤統一郎の息子の澤藤大河が貴重な体験を書いている。

これは2012年の都知事選の体験記である。かれは、「宇都宮選対で候補者の随行員として働き、不当な任務外しを受けた「被害者」の一人」という父親澤藤統一郎の紹介がある。読んでみよう。

「宇都宮候補について

・候補者としての魅力に欠けること

私が、宇都宮さんの随行員を買って出た動機のひとつには、宇都宮さんから多くのことを学ぶことができるだろうとの思いがあったから。きっと、魅力的な人物なのだろうとの期待が大きかった。

しかし、一緒にいて、その期待が崩れるのに、たいした時間はかからなかった。その後は、宇都宮さんの魅力に感じてではなく、任務として頑張った。

候補者には、人と話をして魅了する資質が必要である。ところが、彼はそもそも話をしない。話しかけても膨らませて会話が弾むことがない。私も、最初は頻繁に話しかけたのだが、話に乗ってくることがなかった。

彼の演説は毎日聴いたが、聴衆を魅了する憲法訴訟の経験談や、人権擁護の熱意がほとばしるという魅力に溢れた演説は一度も聞いたことがない。

私の期待が、そもそも無い物ねだりだったのだ。人を感動させたり引きつけたりする内容のある話ができないのは、候補者として不適格というしかない。そもそも政治家としては向いていないのだと、どうして誰も言わないのだろうか」

http://bit.ly/1iNiZXs

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東京ゆりかご総括

最近は時の経つのが早い。まるでジェットコースターに乗っているように時間が過ぎてゆく。

わたしがいっているのは状況の時間だ。この都知事選の総括でも、今日・明日くらいが限度で、明後日ではもう発表が遅すぎる。新たな問題、新たな状況が生まれていて、それと取っ組み合わなければならない。

特にネットの住民、ソーシャルメディア村の感度は鋭いので、先にいかないとすぐにおいていかれる。

今回の都知事選は激しかった。小泉純一郎の最後のツイートは、次のようなものだった。

koizumi hosokawa

2月7日

「過ちを改むるに憚ることなかれ。これが僕の座右の銘。原発の安全神話、低コスト神話、クリーン神話を信じて疑わなかったのは大きな過ち。これを黙っていることはできなかった。しかし、僕は自分の不明の責任を認め、過ちを改め、原発ゼロに向かって全力を尽くすため敢えて立ち上がった」

「今日は寒かったなぁ。新橋にちょっと早く着いたからその辺を走っちゃったよ。まだ体力があるんだな。細川さんは4つ上だけど元気だね。明日は東京や日本の運命がかかってるから死に物狂いでやる」

2月8日

「いよいよ最終日。細川さんは朝から雪の中で街頭に立っている。今は池袋東口のはずだ。僕は細川さんと合流して、15時から銀座数寄屋橋、19時に新宿東口アルタ前。最後のメッセージを現場で、或いはインターネットを通して是非是非聞いて欲しい」

「打ち上げの新宿はすさまじかった。上から見ていると雪で覆われた傘、傘、傘。その傘がどんどん増えて東口の外を埋め尽くした。猛吹雪の中での街頭演説。こんなことが過去にあっただろうか。生涯忘れられないものとなった。細川さんも力が入るし、僕も張り切った」

「最後は、聴衆からホソカワコールが起きて、胸が熱くなった。駅前に集まった幾千もの皆さんがこれで一体となった。このエネルギーが明日の投票日に爆発することを信じる。皆さん、ホントにご声援ありがとう!」

2月9日

「写真は僕が記者さんに配布した都知事選の結果についての自筆のコメント。慣れないツイッターを続けることができたのは皆さんの励ましやスタッフの協力のおかげ。本当に有り難う。皆さんのご健勝を祈りつつ、これでツイッターを閉じさせていただきます」

これで、小泉純一郎はツイッターを去った。最初から選挙期間中に限定したツイッター開設だった。

都知事選は、投票率46・14%の低水準で、2012年の前回(62.60%)を大幅に下回り、過去3番目の低水準だった。これには、次の4つのゆりかごが影響している。

1 「都民の関心の薄い都知事選」というマスメディアの棄権誘導

2 マスメディアの「脱原発」の争点隠し

3 舛添要一圧勝というマスメディアによる選挙中の世論操作

4 8日から9日未明にかけて降り続いた大雪

election

その結果、組織票が堅い舛添要一が当選し、宇都宮健児が次点、組織(政党)に頼らない選挙を展開した細川護熙は、3位だった。

宇都宮は連続しての都知事選立候補だったにも関わらず、共産党と社民党の組織票に上乗せしたのは微々たるものである。いかに魅力のない、敗北必至の候補者であるかを、またぞろ証明してしまった。

かれに降りることを勧めた市民活動家たちの見識が、まったく正しかったことも証明された。

本日(2月11日)の『日本経済新聞』によると、宇都宮は「元首相連合に勝った。達成感がある」と語ったという。

これは勝ちに行った人の言葉ではない。最初から2位狙いの、都民を欺く動機を物語るものだ。負けて「達成感がある」とはよくもいったものだ。

細川の場合、上に挙げた4つのゆりかごの影響をもっとも強く受けてしまった。ただ、政党の推薦を断り、2週間だけの闘いで100万票近くとったのは、驚異的といわねばならない。せめて雪さえ降らなければ、と悔やまれる。もちろん雪のゆりかごで投票を止める都民が悪いのだが。

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開票結果は以下の通りである。

舛添要一(無所属・新)、当選、211万2979票

宇都宮健児(無所属・新)、98万2594票

細川護熙(無所属・新)、95万6063票

田母神俊雄(無所属・新)、61万865票

家入一真(無所属・新)、8万8936票

ドクター・中松(無所属・新)6万4774票

マック赤坂(諸派・新)、1万5070票

鈴木達夫(無所属・新)、1万2684票

中川智晴(無所属・新)、4352票

五十嵐政一(無所属・新)、3911票

姫治けんじ(無所属・新)、3727票

内藤久遠(無所属・新)、3575票

金子博(無所属・新)、3398票

松山親憲(無所属・新)、2968票

根上隆(無所属・新)1904票

酒向英一(無所属・新)、1297票

鈴木達夫のような優れた人物が、1万2684票というのには、ぞっとする。ほとんどの都民が、日々、ゆりかごのなかで眠り、何も考えていないことがよくわかった。

以下、今回の都知事選の問題点を3点に絞って採り上げてゆく。

1 メディア

都知事選では、犬HKからIWJにいたるまでメディアの堕落が深刻化した。

この国の不幸の中心にはマスメディアがいる。これが24時間、365日、国民を既得権益支配層の利権擁護のために洗脳し、誘導し続ける。

そこにカウンターとしてのIWJの存在理由があり、リベラル左派の、良心的なネット住民の支持もあった。

しかし、今回の都知事選で状況は一変した。IWJは「脱原発」陣営が分裂選挙に及ぶと、明確に社・共といった政治権力の側に就き、宇都宮健児を支援し、細川護熙を攻撃した。

うかつなことだが、選挙に入っても、わたしは「うつチャンネル」という言葉を知らなかった。これは今や完全に宇都宮健児大本営と化したIWJを揶揄した言葉だったのである。

それから注意深く岩上安身を見るようになったが、揶揄はまったく正しいことがわかり、少なからぬショックを受けた。

IWJの岩上は、ご存知のように、しきりにIWJが危機的である、経営資金が底をついた、と支援をネットで呼びかけてきた。

かれを数少ない日本のジャーナリストと評価していたわたしは、乏しい年金を割いて会員になって応援していた。それで現在の偏向した報道姿勢には、すっかり幻滅してしまった。

メディアに放送法が求めているのは「放送の不偏不党」と「政治的公平」である。「なりふり構わぬ」というのは、選挙期間中のIWJの姿をこそいうものなのだろう。

IWJはまったくの社・共の御用メディアと化してしまっていた。

選挙期間中に、岩上の宇都宮健児へのインタビューを見たが、これで他の立候補者は、もう絶対にIWJには出ることはない、と思った。岩上は、宇都宮健児を盛んに持ち上げて他の候補者への批判を誘導していた。これは犬HKでもやらないことだ。

これなら、宇都宮健児以外の候補者は出てこない、と思った。岩上が自分で出てこれなくしているのである。候補者にもメディアを選択し、司会に公平を要求する権利がある。出て来ないからと、岩上にいきり立つ資格はないのだ。

名護市長選で、なぜ「ストップ・ザ・アベ」が成功したか。健全で、金のために魂を売らないメディアが存在したからである。

東京のメディアは、犬HK(自民党)からIWJ(社・共)まで、政治権力と結託し、「放送の不偏不党」と「政治的公平」をかなぐり捨てていた。

選挙期間中に、IWJの岩上が、わざわざ関西にまで行って、小出裕章にインタビューした動画も見た。そこでは小出を巧みに誘導して宇都宮健児支持をいわせていた。

著名人を利用して、メディアが特定候補を支援する。これは犬HKよりひどい偏向報道である。これなら他の候補者がIWJに出演する筈がないのである。もはや、それも承知で、岩上安身は突っ込んでいた。

今後、岩上安身には「記者クラブ」批判など語る資格はないだろう。

「記者クラブ」は、本音は原発推進の舛添要一支援だった。岩上安身は「脱原発」の宇都宮健児支援である。

どちらのメディアにも公平・中立がない。だから討論会を呼びかけても警戒される。

IWJの岩上は、自民党を監視すると同時に、社・共も監視しなければならなかったのである。それがメディアが権力を監視するという意味であり、ジャーナリズムの使命なのだ。岩上は、古い社・共のゆりかごで眠ってしまった。

岩上安身は2月10日のツイッターで、「やめます、という方もいるので、来月はごそっと減るのではないかと」とツイートしている。そうなのだろうか。わたしは辞める会員よりも新規会員の方が多いのではないかと想像している。ぜひとも会員には報告してほしいところだ。

もはや日本のメディアに立候補者を呼んで議論をさせる資格などはない。立候補者は街頭で、ネットで、集会で、直接に国民に訴える時代になったようである。

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2 「脱原発」の分裂、あるいは制度としての古い左翼

『しんぶん赤旗』(2013年8月1日付)は、「参院選躍進 国会が変わる 共産党 広がる活動の舞台」と題して、次のように伝えている。

「参院選で躍進した日本共産党が11の常任委員会すべてに委員を配置し、予算委員会と決算委員会、憲法審査会には各2人の委員を出せることが31日、確実となりました。

あす(2日)召集される臨時国会で確定します。日本共産党は、参院で11人となったことで議案提案権を獲得しており、国民の声を国政に反映させる発言力と活動の舞台が広がることになります。

また、内閣、農林水産、経済産業、環境の四つの常任委員会で理事を獲得。憲法審査会では幹事を得ることになりました。委員会や審査会の運営を協議する場に正規のポストを得たことは重要です」

参院選では、「脱原発」を掲げて闘った「生活・社民・みどり・新党大地」などは惨敗した。共産党だけが躍進を果たした。

余勢を駆って、共産党が一本化に乗る筈はなく、2年半後の衆参選挙に狙いをつけて、都知事選を党勢拡大の絶好の機会と捉えたことは想像に難くない。

共産党は、その目的通りに一定程度の成果を上げたものと思われる。しかし、深刻なのは社民党である。

社民党は大失敗した、というのが、わたしの見方だ。第一、参院選の比例区で1議席と惨敗した社民党が、躍進した共産党と「脱原発」で組めば、共産党のひとり勝ちになる。社民党は食われるだけだ。

民主党の菅直人、野田佳彦、自民党の安倍晋三と悪政が続けば、庶民の期待は共産党にゆく。社民党には決して向かわないのだ。

それを参院選と同じ「脱原発」のテーマで共産党と組んでしまった。しかも担いだ宇都宮健児は敗北必至の候補者だった。人間的な魅力がないのだ。それで前回の都知事選で、都民は4倍差で猪瀬直樹を支持した。

これなら参院選で惨敗し、責任を取って党首を辞任した福島瑞穂の純化になる。代わった党首の吉田忠智の存在理由がない。

この宇都宮推薦の間違いは、社民党のみならずにリベラル左派の分裂をもたらしてしまった。

細川護熙支持に回った部分の、社民党との決別を招いたことは深刻である。かれらは、社民党にとっては虎の子であり、もっとも良質でコアな社民党支持者たちであった。この離反は決別といっていいほどの決定的な意味をもっている。それほど今回の分裂劇が激しかったからである。

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社民党の、選択間違いの罪の深さは、まさにそこにある。社民党さえ細川護熙の、勝手連的な支援にまわっていたら、リベラル左派の分裂と対立はほとんどなかったと思われる。

社民党が宇都宮の推薦に回ったために、細川支持のリベラルとの激しい論争と対立を招いてしまった。

これは修復不可能なような激しい対立だった。

共産党は新党員の獲得など、多くの成果を得ただろう。社民党はいったい何を得たのか。失ったものばかりではないか。戦略なきゆりかごのなかで、何か得たものがあれば、ぜひとも教えてほしいものだ。

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「脱原発」候補一本化の失敗のわけ

今日は雪だ。雪のなかで細川護熙と小泉純一郎の最後の訴えが、東京を駆け抜ける。

表舞台に出てこない小沢一郎を含めて、70歳を過ぎた、かれらの「脱原発」は、おそらく最後の巡礼になる。

人間、誰しも間違う。間違って、非を詫びる。それは許されるべきだし、それを許さない社会は、きわめて貧しい社会だ。

個人としても、人の謝罪を許さない人は、それならお前さんは間違わないのか、と問われるだろう。

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かれらの先は長くはない。遺言と贖罪の旅にかれらは出た。せめてかれらの最後の言葉を静かに聞きたい。信じる、信じないは各自の勝手だ。しかし、保守の「脱原発」こそが、もっとも有効なのだ。強大な原子力村と闘うには、かれらの力を使うのがいいのである。

hosokawa koizumi 11 decision

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日本人の政治的民度は低い。これは残念ながら認めなければならない。

選挙がある。すると、立候補者の政策を見る。ツイッター上でもほとんどこのレベルに留まっている。

これはそれなりのレベルの高い有権者なのかもしれない。しかし、政策だけで投票先を決めてはならないように思われる。

ましてわが国のように政権与党が、公約を反故にするのみならず、公約とは逆のことをやって、何とも思わない劣化した政治文化のもとでは、危険である。

ツイッターで、「細川護熙 応援団」が、1月6日に、細川護熙のこんな発言を紹介していた。

「直下型地震対策や防災・介護・障害者福祉・雇用などさまざまな問題があるが、都の職員の方々がずっと練り上げてこられた『2020アクションプログラム』というすばらしいものがある。さすが都の職員の方々は優秀。ほとんどこれに付け加えることはない。このスピードアップを図りたい」(細川護熙)

「リーダーに求められていることは大きな方向を示すこと。トップが重箱の隅をつつくようなことをいうと、みんな萎縮し組織がうまく回らない。大きなビジョンを示し、職員の方々にやる気をもっていただく。17万人都職員の方々のモチベーションを高め、都庁という組織が都民のために動く」(細川護熙)

つまり、当たり前のことであるが、都政は止まっていて、新知事が決まってから動き出すのではない。石原慎太郎、猪瀬直樹と動き、選挙中の現在も動いている。

細川護熙や小泉純一郎が、「脱原発」以外は誰が知事になってもそんなに変わらない、と至る所で繰り返しているのは、現実を語っているのである。

hosokawa koizumi 3

こんな当たり前のことの、わかっていない人が非常に多いように思われる。

200、300のいかに詳細な政策を掲げても、その多くはすでに都政に組み込まれて機能している。その改革をやろうとしたら、都の与党(自民党と公明党)との交渉・対決になろう。

大切なのは「脱原発」といった大きな政策を実現するための知事の政治力であり、経験、知恵、人脈である。

さて、やはり、というべきか、当然というべきか、ルポライターの鎌田慧(さとし)ら19人でつくる「脱原発都知事選候補に統一を呼びかける会」による、細川護熙と宇都宮健児の、一本化はならなかった。

細川陣営は「生まれたムーブメントを今後につなげるやり方もある」、「政策の優先順位も異なる」などと説明した。

宇都宮陣営は「告示後であり期日前投票も始まっている」、「原発以外の多くの政策が一致していない」のを理由とした。

まず、鎌田らの善意の仲介をねぎらいたい。

しかし、わたしがメルマガやツイッターで何度も述べてきたように、もともと一本化は無理であり、選挙戦に突入した段階でするべきものでもなかった。

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第一 、宇都宮健児の背後にいる共産党が、宇都宮健児に降りることを許すはずもなかった。

その理由は2点ある。

1 ここで宇都宮健児に降りられたら、共産党の党勢拡大の機会が奪われることになる。

共産党にとって「脱原発」は手段であり、目的はこの都知事選をとらえての党勢拡大にある。

baby performance

それなら選挙戦に突入する前の一本化は可能であったか、といえば、それも不可能だったと思われる。

もし、選挙戦の前に宇都宮が細川との話し合いで降りるとなったら、共産党は別の候補者を立てただろう。

都知事選の後、小泉純一郎が「脱原発」候補を支援に行くといっていた山口県知事選は、2月6日に告示され、投票日は、2月23日である。安倍晋三のお膝元で、ここで自民党が負ければ、安倍の基盤は大きく揺らぐ大切な選挙になる。

ところが、ここでも生活の党推薦の候補者とともに、共産党も立って、「脱原発」を分裂させる。結果として自・公推薦候補が非常に有利になる。

これをずっと共産党はやってきている。つまり勝利よりも党勢拡大の機会として選挙は捉えられているので、一本化などとんでもないのだ。

鎌田らは、その辺の共産党の、理解の仕方が不十分なように思われる。

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もともとこの会の名称に首をかしげる。「脱原発都知事選候補に統一を呼びかける会」というのだが、言葉の本来の意味において共産党推薦の宇都宮健児は、「脱原発」候補ではない。

もっと本質的なことをいえば、細川護熙や小泉純一郎のいう「脱原発」などが実現したら、共産党は困るのだ。

「脱原発」での両候補の一本化は、最初から宇都宮への誤解に基づく要請なのだ。これが次の2番目の理由になる。

2 日本共産党は福島第1原発事故が起きるまでは、核エネルギーの平和利用の可能性を積極的に肯定してきた。

国会等で共産党の議員が、政府に対して原発の安全確保策を迫るものだから、一般に共産党が以前から原発を危険なものとして否定してきたと誤解されがちである。

しかし、これは大きな間違いで、共産党は、日本における原発の存在そのものを否定してきたわけではないのである。

第22回大会第7回中央委員会総会(2003年6月)において、不破哲三議長(当時)は以下のように発言している。

「現在、私たちは、原発の段階的撤退などの政策を提起していますが、それは、核エネルギーの平和利用の技術が、現在たいへん不完全な段階にあることを前提としての、問題点の指摘であり、政策提起であります。

しかし、綱領で、エネルギー問題をとりあげる場合には、将来、核エネルギーの平和利用の問題で、いろいろな新しい可能性や発展がありうることも考えに入れて、問題を見る必要があります。

ですから、私たちは、党として、現在の原発の危険性については、もっともきびしく追及し、必要な告発をおこなってきましたが、将来展望にかんしては、核エネルギーの平和利用をいっさい拒否するという立場をとったことは、一度もないのです。

現在の原子力開発は、軍事利用優先で、その副産物を平和的に利用するというやり方ですすんできた、きわめて狭い枠組みのもので、現在までに踏み出されたのは、きわめて不完全な第一歩にすぎません。

人類が平和利用に徹し、その立場から英知を結集すれば、どんなに新しい展開が起こりうるか、これは、いまから予想するわけにはゆかないことです」

ところが、共産党は福島第1原発事故と、その後の大きな国民の「脱原発」運動に慌て、志位和夫委員長が、2011年6月13日に、「原発からのすみやかな撤退、自然エネルギーの本格的導入を――国民的討論と合意をよびかけます」と題した提言を発表した。

ここで、「5~10年以内を目標に原発から撤退するプログラムを政府が策定することを提案」したのである。

宇都宮の「10年で原発を撤廃」という、のんきな政策はここから出てくる。

10年後など、反対声明を出してお茶を濁すといっているのと同じだ。それに10年後に宇都宮はまだ確実に生きているのか。いや、まだ日本社会はあるのか。細川の「原発は即時停止」とは、現状認識と危機感がまったく違う。

いずれにしても「原発ゼロ」を初めてここで打ち出したのだが、これが非常に問題なのだ。

「原発からの撤退後も、人類の未来を長い視野で展望し、原子力の平和的利用にむけた基礎的な研究は、継続、発展させるべき」としたのである。

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戦争をしたがっているのは安倍晋三だけ

ネットで著名な、きっこが、2月4日、5日に次のツイートをして、これまでの細川護熙批判の戦線から撤退した。

2月4日

「都知事選に関するツイートの大半は醜い人間のエゴばかりで、ツイッターがぜんぜん楽しくないので、しばらく都知事選に関してのツイートしないことにしました。都知事選に関するリプライもすべて無視します。不毛な都知事選ツイートで自己満足したい人は、申し訳ありませんが他でやってください」

2月5日

「私は都知事選についてのツイートを控えていますので、ネット上で言い争いをするのなら、すみませんが私のIDを外してからやってください」

彼女のネット上の細川護熙批判は凄まじく、彼女自身が、誰もがビビって自分に何もいってこないと、うそぶくほどのものだった。

ツイッターに詳しくない向きに説明しておくと、彼女は11万余のフォロワーをもつブロガーで、影響力もかなりのものがある。わたしも彼女のツイートを楽しみにしていたフォロワーのひとりである。

つまり、彼女に連日悪罵を投げつけられると、リツイートによる拡散もあるから、細川護熙は相当な打撃を受けたと思ったほうがいい。

しかし、ツイッターでの彼女への反撃もあったと思われる。

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わたしにいわせれば、きっこは、煽りに煽った挙げ句、収拾がつかなくなり、いよいよ投票を5日後に控えて、逃亡を図ったのである。

彼女がやったことは、最悪の場合、細川護熙の落選として結果するかもしれない。その愚かな「成果」も見届けるがよい。

ところが、このきっこが、2月3日には次のようにツイートしていたのである。

「今、小泉純一郎を賞賛してる人たちは、前回や前々回のように小泉のパフォーマンスがペテンだったと分かった時、いったいどんな言い訳をするのだろうか?

あたしは今からすべての著名人の発言を詳細に記録している。「小泉劇場 第三幕のビフォーアフター」の重要なネタとして」

やれやれ、である。自明のことを述べるが、立候補しているのは細川護熙であって、小泉純一郎は細川を支援しているだけだ。

hosokawa 23

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、というが、きっこの場合、憎まれたのは小泉ばかりか、小泉の「脱原発」を信じた人にまで及ぶ。

支援した人物を信じた人が許せない、というのは聞いたことがない。

いずれ叩くために「すべての著名人の発言を詳細に記録している」というのだが、顰蹙を買うだけだから、止めたほうがいい。

こういうのはきわめて日本的な現象である。日本人は論理的合理的に対処するのが苦手な民族である。

感情的、情緒的に対処するので、選挙の支援が怨恨にまで昇華してしまうのである。きっこは、こういう政争に不向きな人物なのだ。

彼女の支持する宇都宮健児は、とにかく今回の都知事選に出たかったのである。この動機は相当に強いものだった。前回の都知事選で大敗しているので、再立候補というのは、尋常でない動機だったと見て間違いない。

したがって、ルポライターの鎌田慧ら19人の知識人が、「脱原発」両陣営の一本化に動いたが、実現することはないだろう。

宇都宮健児が細川へ投票を呼びかけることは100%ない。逆に細川にもない。このまま都民の判断を仰がなければならない。

共産党の分裂選挙は、今回の都知事選が初めてではない。何十年にもわたって全国で展開されている戦略だ。

野党では共産党が絶対に候補者を全国に立てる。負けるとわかっていてもだ。だから常に選挙協力をやる自・公の権力が続くのである。

それが今回の都知事選にも出ている。したがってわたしたちは今回だけ一本化をいっているのではないのである。

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わたしの個人的な印象をいうと、宇都宮健児には人間的な魅力をまったく感じない。かれの話を聞いていると、間違ったことはあまり語っていないのだが、「この人を」というものが沸いてこない。

だから前回の都知事選でも、支援のツイートをしなかった。

このわたしの印象は都民も同じだったらしく、前回の選挙で、かれは猪瀬直樹に4倍の大差をつけられて負けている。

選挙は勝たねばならず、都民の心を掴めない、勝てない弁護士を支持するわけにはゆかないのだ。

かれの話を聞くと、危機感がまるでなく、「脱原発」はこれからもずっと続くのだそうだ。

比喩的にいうと、宇都宮は、日中戦争前夜の都知事選でも、福祉を中心に100の素敵な公約を掲げて、「正義の味方、のんきな父さん、宇都宮健児です」と、にこにこ顔で立候補してきそうだ。

つまりあまり政治家としてのセンスがない人が、たくさんの公約を掲げて立候補してきた。

それを言葉と距離をおけない、別言すれば状況的にものを考えられない共産党や社民党の一部が支援している。これが、かれを取り巻く現実である。

現在の危機的状況は、日中戦争の危機である。これは日本のマスメディアが採り上げないだけで、欧米のマスメディアは盛んに採り上げている。

今や欧米で安倍晋三は極右のルーピーであり、危険人物扱いである。

New York Times

それで日中戦争に突き進む安倍晋三を取り巻く状況を、米国がどのように見ているかを考えてみよう。

以前にも述べたが、米国からわが国にくる指示は、ひとつは米国の軍産複合体からくる。これはジャパンハンドラーを通じて官僚と自民党で具現化される。

米国の軍産複合体とジャパンハンドラーに割り振られた日本のミッションは、中国と対立し、緊張を高め、戦争のできる国に構造改革し、米国の兵器を大量に購入し、実際に中国と戦争をすることである。

そのために安倍晋三は、原発輸出から始まって、消費税増税をやり、NSC法案、特定秘密保護法案と通してきた。

今後、共謀罪法案、国家安全保障基本法案、防衛大綱の見直しと進み、自衛隊の海兵隊化を図るだろう。

解釈改憲で集団的自衛権を確立する。新ガイドラインで戦争準備は整う。改憲もTPP参加もやるだろう。

軍国化に日本はふたつに分かれて向かうことになる。

日本の1%は、無責任な対米隷属として向かい、99%は、マスメディアに煽られて反中国のナショナリズム高揚として向かうのである。

これらの準備を日本にやらせながら、米国の双頭のアジア戦略は、オバマ政権を中心に中国との緊密さを深めている。そして米国からは、中国が日本との戦争を望んでいない、という見方が強く出てきている。

つまり安倍晋三の日本が、一方的に好戦的で悪いのだ。このことは非常に重要な視点である。

たとえば、オリエンタル・エコノミスト・アラート誌編集長のリチャード・カッツは、日本のマスメディアの論調とはまったく異なる次の論文を書いている。

「日本に対してどのような路線をとるべきかについて、中国は分裂しているようだ。東シナ海の尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題を意識して防空識別圏(ADIZ)を新たに導入するなど、安全保障問題をめぐって中国は強硬路線をさらに強めている。

だが、日本からのパーツ輸入から日本による投資にいたるまで、経済関係についてはますますハト派的になりつつある。

要するに、中国は政治対立から経済を切り離そうと試み始めている。

2012年当時は、「日本が中国市場に依存していることを利用して、東京から領土上の妥協を引き出せる」と北京が考えていたことを思えば、これは中国側の大きな路線見直しとみなせる。

日本の実効支配下にあるが、中国も主権を主張している尖閣諸島の一部を、野田佳彦首相(当時)が民間所有者から買い上げ、事実上の国有化に踏み切ると、2012年の夏から秋にかけて対日デモ、対日製品のボイコットが中国全土で広がりをみせた(その一部については中国政府が扇動していた)。

中国がこの戦略を見直しつつあることは、2013年11月に日本のハイレベルの経済代表たちが北京を訪問した際の中国メディアの報道にも現れていた。

中国の国営TVネットワークCCTV(中国中央テレビ)は「外交的膠着状況は脇に置いて、日中両国はより堅固な経済的絆を形作ろうと模索している」と伝えた」(『Foreign Affairs Report 2014 NO2』)

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もの言えば唇寒し都知事選

佐高信が、都知事選で、前回は宇都宮健児を支持したが、今回は細川護煕を支援することを表明した。

『一撃筆殺仕事人:佐高信先生追っかけブログ』が次のように書いている。

「ホントはね、あの猪瀬に負けちゃったんだから、ちょっと別の人をってのが普通なんだけれども。あの猪瀬に負けたからと宇都宮さん成仏してないから、また出てきちゃった。さっき握手してきた。俺本当は握手したくなかったんだけれど」

http://amba.to/1erD1pm

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前回は宇都宮健児を支持した佐高が、今度は細川護熙に代えたというのは重要である。

理由は、佐高の危機感からきていることは間違いない。のんびりした宇都宮健児には危機感などないし、また、当選可能性もないように思われる。

佐高信のように、支援する立候補者も、状況によって代えなければならないのである。

宇都宮は、前回の都知事選ですでに都民にとって魅力のない人物として否定された男だ。知事になりたかったのは間違いないが、少しは全体を見たらどうだろう。

選挙は厳しいし、難しい。昔でいえば、これは敵を殺さなければ、こちらが殺されるいくさである。今でも負けたら社会的に葬られる人がいる。

audience 32

立候補した当人たち、選対、支援者たち、メディア関係者と、その人物・組織の良さとダメさ、深さと浅さが赤裸々にあぶり出されている。

以下、現在の状況から、次の3つの問題を採り上げてみよう。

1点目は、政治家たちの沈黙と保身の問題であり、2点目は、政党と立候補者の問題である。3点目は、立候補者の何を見て投票するか、という基準の問題である。

わたしはできるだけ率直に自分の考え方を述べることにしている。それでないと有料メルマガを出している意味がないからだ。

1 もの言えば唇寒し、という状況があり、それへの政治家たちの保身が、今回の都知事選では際立っている。

2月2日に「世に倦む日日」が次のようにツイートしていた。

「左翼の壊死。こんな言葉を私が使うのは初めてだ。これまで、左側に対しては、共産党は名前を変えろとか、社共は選挙で共闘しろとか、ずっと言ってきたが、「左翼の壊死」の言葉を言うのは初めて。終わったと思う。左に続きはなく、再出発はない。市民はバラバラとなり、戦争へ突入する一部となるだけ」

「細川陣営をdisるのはやめましょうと言いながら、実際にはネガキャンの嵐で、脅迫と圧力の袋叩き。表向き取り繕っているだけ。二人の候補で健闘しましょうと言うのは、実際には、仲良く共倒れしましょうという意味だ。勝つのは舛添要一だから。欺瞞だと思いませんか。こんな欺瞞があるのか」

これはあたう限り正確な状況論になっている。

深い傷跡がリベラル左派に残ってしまった。細川も宇都宮も健闘して、最後の段階で支持率の勝っている方に投票しよう、という論まで出てきている。これは舛添(自民党)陣営にとっては、「脱原発」陣営の理想的な共倒れ論である。

第一、投票日直前の最終段階で、どうやってどちらが優勢だと判断するのか。大手新聞か。最後の段階で御用メディアを信じるのか。いや、もし新聞によって見方が逆になっていたらどうするのか。

今でも支持率が分かれているぐらいだから、最終段階では、「脱原発」派の勢力を分散するために、わざと別々の見方を出すかもしれない。日本の御用メディアは腐っており、それぐらい平気でやるだろう。

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例えば、現在、マスメディアが、しきりに舛添要一の圧倒的な優勢を伝えている。これは、

(1)都民の勝ち馬に乗る劣情を組織し、舛添への投票を促す。

(2)白けた「脱原発」派都民の棄権を誘導する。

このふたつの理由のためである。

また、細川と宇都宮との、抜きつ抜かれつの物語で誘導するのは、分裂と遺恨を「脱原発」陣営に持ち込むためだ。

ズタズタにされたリベラル左派に対して、政治家や選対は「おはようございます」と挨拶には極めて熱心で、ツイッターに立候補者のイラストばかりを延々と投稿したり、演説会場の案内だけを投稿したりする姿勢に終始している。つまり論争に絡んでこないのだ。

選挙で政治家も思想家も評論家も鍛えられるのだが、これを注意深く避けて保身に走っている。

せっかくの機会なのに、利口ぶって保身に走っているのだが、これで外国に隷属する政治家しか生まれてこないのがよくわかる。交渉術も磨かれないだろう。

2 都知事選の状況があぶりだしている2点目の問題に、政党と推薦された立候補者の問題がある。

社民党が、宇都宮健児を推薦したのは、失敗であったとわたしは考えている。

共産党と一緒になって、宇都宮健児という敗北必至の立候補者を担ぐ。共産党はもともと票の拡大と党員の獲得が戦略的な目的なのだから、それなりの成果を上げるだろう。

しかし社民党がその同じ成果をあげることはできないのである。なぜなら組織的な力量は、共産党の方がはるかに上であり、成果はほとんど共産党が奪ってしまうからだ。

今回の都知事選では、社民党も十分に受け容れ可能な細川護熙が立候補した。この選択をなぜ排除したのか。まさか小泉純一郎が支援するから嫌だ、と子供のようなことを思ったのではあるまい。

巷では、社民党が実質的な分裂選挙に陥っているといわれている。ぜひとも、選挙の敗北後には、宇都宮推薦に至った理由と総括を、聞かせてほしいものだ。

共産党の分裂選挙は、今回の都知事選だけではない。何十年にもわたって全国で展開されている戦略だ。

共産党のお陰で、常に選挙協力する自・公の政権が続く。野党では共産党が絶対に候補者を全国に立てる。負けるとわかっていてもだ。それが今回の都知事選にも出ている。それに社民党も乗っているのが客観的な構図だ。

左派で、共産党とは違う独自色を出せなければ、次の選挙で社民党は消えるかもしれない。仮に左派が飛躍する状況が生まれたとしても、全て共産党に食われてしまうだろう。

社民党の宇都宮推薦は、わが国のリベラル左派に大きな分裂を招いた。この状況に社民党が気付いていないとしたら、救いようのない鈍感さである。

audience 20

社民党にとって致命的なのは、リベラル左派が細川護熙支持と宇都宮健児支持とに分裂してしまったことである。社民党にわかりやすいようにいえば 、細川支持のリベラル左派は、社民党の古い体質を見限ったということだ。

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【都知事選】南相馬市の桜井市長による細川候補への応援演説

南相馬桜井市長の細川護熙応援演説。

これは襟を正させる名演説である。

聞いていた人の話では、聴衆には泣いている人がいたという。細川夫人も泣いていたということだ。

今回の都知事選ほど、あれこれ考えさせられる選挙はない。

政府が、1984年に密かにおこなっていた原発事故と災害リスクに関する、外務省委託のレポートがある。

格納容器がミサイルなどで破壊された場合の予想死亡者数を計算したものだ。

それによると、「原発は過疎地へ優先的に配置してある」ということである。

「1機が事故で急性死亡は最大1万8千人」と弾いている。

これは小さく見積もった数字だろう。

それに1機で住む筈がないのである。戦争になれば何十発ものミサイルが一度に飛来してくるわけで、複数の原発がやられ、電力会社はもちろん逃げ出す。

日本は人の住める環境ではなくなるのだ。

姑息な官僚は、このレポートを「原発反対の世論に繋がるので、非公表」にしていた。

この国では、世界から危険視されている極右のルーピー安倍が、中国との趣味の戦争をしたがっている。

もし、現在の都知事選に舛添要一が勝つと、安倍は、自分の政策が信任されたと見做して、一気に日中戦争に向かって走り出す。

sitaito nemuru

今回の都知事選は世界が注目している。

舛添要一を都民が知事に選出することは、福島を壊した一片の謝罪も反省もなく、今度は、原発輸出で世界を壊す道を選択することを意味する。

http://bit.ly/1eRv5eG

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都知事選の一本化は時機を失した

以前、メルマガでお伝えした小泉純一郎のツイッター騒動であるが、その後、二転三転して、結局、始めることになったらしい。

政治家の事務所というのは、相当にアバウトなところらしい。とにかく本人が始めるということだから、覗いて見ると、本日(1月29日)の午前の段階では、まだ次の3つのツイートだけだった。

1月27日

「やっぱり、やることにしました。スタッフを通してですよ」

1月28日

「街頭で聞いていた人が「寒いからダウンジャケットを着て下さい。」と声を挙げた。細川さんが「二人で着ようか。」と言う。大急ぎで銀座に自分で買いに行った。ホントに温かい。次の三軒茶屋も寒くない。皆さん、ご心配ありがとう! 頑張るぞ」

setouchi

「今日は多勢の声援で胸が熱くなった。「初心を忘れず」と言った途端、衆院選に初出馬した時を全身で思い出した。1か月前までは細川さんと一緒どころか街頭に立つことさえ考えたこと無し。これが運命なのなら、初出馬と同じ気持ちで僕は走る。自由が丘の皆さん、時間が遅れてすみませんでした」

1月29日現在、細川護熙のツイッターはフォロワーが2万6000ほど。それに対して小泉純一郎のツイッターのフォロワーは9万ほどだ。3つの呟きで9万だから、ひとつの呟きが3万である。唖然とする、というのはこういうときの言葉か。

細川と小泉とでこれだけの差がつくひとつの理由は、細川のイラストにある。

担当者は誰だろう。同じイラストが延々と投稿されている。担当者は、政治家は言葉が命だということを知らないらしい。

言葉を中心に投稿すべきであって、それができないのなら、みっともないから止めた方がいいだろう。

もし細川がパソコンが苦手だったり、多忙を極めているのだったりしたら、スタッフが細川の話を入力したり、細川の街宣の言葉を載せたり、聴衆の感想を載せたり、幾らでもやり方はあるだろう。

細川は、おそらく、バカげた同種のイラストが投稿され続けていることを知らないのではないか。

このメルマガを購読されている方で、細川護熙と話せる人がいたら、もっと言葉の投稿を増やすように担当者に指示させてほしい。ツイッターのTLで言葉の投稿を増やすように文句も出ているのだから。
(このメルマガを配信した翌日には、細川陣営のネット対策は大幅に強化されたということである。注 : 兵頭)

細川・小泉の演説はどこも盛況である。逆に舛添要一の演説は、閑古鳥が鳴いている。マスメディアの世論調査の嘘は、この現実を見るとわかる。

masuzoe 4

もしかすると、マスメディアによる舛添の圧倒的な支持の高さは、ムサシがその物語を弾く伏線かもしれない。選挙は、現在のところ、細川護熙を、菅原文太、D.キーン、瀬戸内寂聴、吉永小百合らが支持表明している。

yoshinaga sayuri

ところがテレビも新聞もいっこうに採り上げない。この国の一般庶民にとっては、テレビが採り上げないことは、なかったと同じことになる。細川選対の方で、何とかテレビに報道させるようにうまい手を考えるべきだ。

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マスメディアの戦術は、以下のようなものである。

1 圧倒的な舛添要一優位を報道して、「脱原発」の盛り上がりを阻止する。

2 細川護熙と宇都宮健児の票を合計しても、舛添要一に足りない物語を作って、選挙を低調にさせ、有権者の棄権を促す。

3 「脱原発」を選挙争点から外す。

ここへきて、気になる複数の主張が出ている。

それは細川と宇都宮の一本化の主張である。今日は1月29日である。2月9日の投票まで、あと11日だ。

わたしは次の理由で、選挙戦に入ってからの一本化には反対である。

1 もちろん、「脱原発」候補者同士の一本化は望ましかった。様々な働きかけがあり、それが実現しないままに、選挙戦に突入し、中盤に差し掛かっている。もはや一本化の時機は失していること。

2 この段階での一本化といっても、現実味があるのは細川護熙が降りることしかない。共産党推薦の宇都宮健児が降りる可能性は皆無だ。

宇都宮健児は、細川護熙が先に立候補して、その後に自分が立候補したら、またぞろ共産党推薦候補の分裂選挙が始まったと非難されるのを怖れて、真っ先に立候補した可能性が高い。それほどの重い立候補なので、一本化に応じることはないのである。

(その後、「世に倦む日日」が、宇都宮健児の出し抜き立候補の事実を暴露した。裏切られ、出し抜かれたのは、落合恵子である。全文はここにある。「落合恵子への都知事選の出馬打診 – 宇都宮健児のフライング」
http://bit.ly/1gsb6J1  )

その結果、上の者(細川護熙)が降りて、下の者(宇都宮健児)に票を集めるという奇怪な試みになり、不条理であること。

3 日本人の政治民度は低く、一部の有識者が考えた、こんな複雑な試みを、都民が短期間に理解して従うことはあり得ないこと。

4 かりに細川護熙が土下座して降りることを発表しても、マスメディアは舛添を勝たせる好機と捉え、細川を無責任として徹底的に叩くだろう。

素直に細川護熙の心情をくんで報道することなどあり得ない。情勢は「脱原発」陣営の大混乱になり、白けた都民の大量の棄権を生むこと。

5 選挙戦では、すでに「脱原発」陣営の人間的な亀裂が深まっている。ここで細川が降りたからといって、細川票がすんなり宇都宮に行く情勢にはなっていない。

都民は軍人ではない。軍隊のようにトップの命令で、向きを変えて進行することはないこと。

6 すでに多くの有名人が、細川護熙支援の声をあげている。この人たちをどうするのか。二階に上げて梯子を外す結果になる。細川は、ここまで来たら、最後まで闘い、支援者の期待に誠実に応えるべきであること。

7 細川が降りるという奇手は、陣営への不信感をもたらし、他の地方選にも悪影響をもたらすだろう。陣営の関係者は、もはや何をいっても信じてもらえなくなる。これはまれに見る愚行になること。

8 不信感はさらに膨らみ、細川護熙とその関係者たちは、最初から「脱原発」陣営の分裂と敗北の仕掛けだったのではないか、舛添要一を当選させる仕掛けだったのではないか、と疑われる可能性が高い。これは小泉純一郎が支援しているだけに容易に信じられることになろう。

9 細川のように、かつて首相まで務めたような人物の、晩年に、このような画策を強いるのはあまりにも失礼であり、残酷すぎる。

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隠居生活から人を修羅場に連れ出しておいて、あまりも細川護熙が可哀想である。人の道にも外れており、文字通り、細川護熙には晩節を汚す行為になること。

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ダボスでの安倍と都知事選

田中秀征(元経済企画庁長官、福山大学客員教授)が「都知事選ウォッチ」というタイトルでツイートをやっている。

これは、「2014年東京都知事選挙について、想いを綴ります。告示日(1月23日)から投開票までの期間限定です」という短い期間のツイートである。

1月26日(日))のかれのツイートが面白かった。田中は、選挙の潮目が変わりつつあるとしている。

audience

「早くも潮目が変わったか!? 都知事選の潮目が変わるのは次の土日(2月1日、2日)あたりかと思っていたが、この土日の選挙戦の様相は早くも潮目が変わりつつあるような印象だ」

「土曜の立川演説についての小泉さん自身の感想は「スゴイ、ハンパじゃない、イケル」だったが、日曜の巣鴨、池袋東口はその上を行っていて、まるで最終日のような熱気だった」

「神奈川県相模原市からわざわざ来た中年男性は演説後私を見つけると「どうなっちゃったんですか。7、8千人はいましたね」と声を掛けてきた。ところがある大新聞記者は私に「300人ぐらいですか」と言ったのである。これは子供でも間違いだと判ること。なぜそうなるのか、強い不信感を持った」

「私は公正に見て3000人ぐらいかなと思っていたところ、四方を見渡せる遊説カーの上からの「小泉調べ」は私と同じ3000人。正確に言えば「少なくとも3000人」。もちろん動員なしの数字だから驚く。駅前を通行する人たちに迷惑をかけて申し訳なかったと細川候補も小泉さんも心配していた」

「若い人、特に若い女性が多くなったのがこの週末の大きな変化だ。片手の携帯をもう一方の手で叩いて拍手するのだから音を出すのも難しい」

「今日は二人の話にも一段と力が入ってきた。もともと大声の小泉節はさらに大きくなり、穏やかな細川節が日増しに迫力あるものになっている」

「私の近くで若い女の子たちが「二人とも本気なんだネ」と小声で話していたのがうれしかった。ぜひ一人でも多くの人に肉声の演説を聞いてほしい」

面白いのは、かれが、「潮目が変わるのは次の土日(2月1日、2日)あたり」と思っていたことだ。つまり、勝てる選挙だと最初から思っていることだ。

小泉も土曜(1月25日)の段階で、「スゴイ、ハンパじゃない、イケル」と感想を呟いている。

つまり田中だけではなく、小泉も、そしておそらく細川も、勝てる選挙と思って出陣し、その手応えを1月26日の日曜日で掴んだらしい。

日曜の巣鴨と池袋東口は、「まるで最終日のような熱気だった」し、「どうなっちゃったんですか」と聴衆に声をかけられている。

細川・小泉競演の熱気は動画を見てもわかる。それはツイッターのTLと一致している。かれらだけの思い込みなのではない。

ただ、わが国の重要な選挙で問題なのは、マスメディアが政府の広告機関であるのと、ムサシの存在である。これがどのような影響を与えるか。

それと潮目が変わって細川護熙と舛添要一とが互角に並び立ったときに、田母神俊雄が降りて、選挙民に舛添要一に投票するように呼びかける可能性も捨てきれない。

田母神はそのような大芝居が打てる人物である。田母神をバカにしていると痛い目に遭わされるかもしれない。

逆に、田母神がこれをやらなかったら、おそらく舛添要一が単独で勝利するケースだと思って間違いない。

そのときは、結局、よくいわれるように「脱原発」は票にならないし、このテーマを理解できるほど日本民族の民度は高くないということだ。

宇都宮健児は間違っても細川に投票を一本化するようなことはしない。

それで、細川は、終盤に舛添と田母神の合計票を上回っておく必要がある。

そのためには、これから吉永小百合や菅原文太といった、決定力の支援を頼み、どのタイミングで投入するかを、選対で練っておく必要がある。

sugahara bunta
田中のツイートで印象的なのは「私の近くで若い女の子たちが「二人とも本気なんだネ」と小声で話していたのがうれしかった」というくだりだ。

これは動画を見てもわかる。70歳を過ぎて、首相経験者が、都知事選に打って出る。少なくとも細川は本気なのだろう。小泉はわからないが。

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ところで、宇都宮健児支持者のなかに、かれの総花的な公約を見て、感動している向きがある。しかし、これは党員と票を獲得するためにあげているだけで、かりにかれが都知事になったところで、簡単に実現できるものではない。

都議会は、自民党(第一党)と公明党(第二党)に握られている。共産党推薦の知事が乗り込んでも、公約を実現できる条件は少ない。

そこに大きな誤解があるようだ。この点について小泉純一郎が街頭演説でこう述べていて、これが現実なのである。

「都政の問題は原発だけではないと言われる。確かにそうです。防災の問題、医療福祉の問題、待機児童の問題、様々な都市機能の問題、課題はたくさんある。しかし原発の問題以外は、誰が都知事になっても、たいして違いがない。最も大きな違いは原発をどうするかではないですか」

http://bit.ly/L0xVoz

それに、東京都は、宇都宮健児の掲げた公約に関して、これまで何もしていないわけではない。都政はすでに動いており、これを、かりに宇都宮が変えようとすると、すべてにわたって可決されたものを再提案して議決しなければならない。

そんなことは不可能だし、与党を敵に回すバカなことは、宇都宮もしないだろう。小沢一郎への政治謀略裁判を傍観した弁護士であるから、おそらく器用に妥協して、うまくやるだろう。

また、細川護熙を小泉純一郎が個人的に「脱原発」の一点だけで支援するのと、宇都宮健児を政党の共産党が支援するのとでは、まったく違うのである。この勘違いも少なくない。

細川は、新自由主義者としての小泉純一郎を批判しており、支援を仰ぐのは、「脱原発」の一点で、選挙期間のことである。

一方、宇都宮健児と共産党との関係は、立候補者と推薦した政党との関係である。勝利も敗北も一体のものになる。

前回の都知事選で宇都宮を支援した人のツイートによると、選挙事務所は共産党そのものであったという。当然である。

また、宇都宮は共産党員だというツイートも流れていた。これに対して、わたしの知る限り、宇都宮は否定していない。

現在の猛烈な共産党のてこ入れ、ネット上での支援、そして細川支持者への魔女狩りなどは、共産党そのものである。とても政治的で、よく訓練されていて、素人がやっているとは思えない。

そしてかりに宇都宮が当選したら、推薦した共産党との協力関係は続くことになる。今も、これからも、一体なのだ。

さて、この都知事選は、「ストップ・ザ・アベ」の闘いである。

その安倍晋三が、1月22日のダボスで、極右のルーピーとしての世界の評価を確定した。

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安倍晋三は、現在の日・中関係を、第1次世界大戦で戦った英・独関係になぞらえたのである。

「今年は第1次世界大戦から100年目であってですね、イギリスもドイツも経済的には依存度が高かった最大の貿易相手国だったが、戦争が起こった」

この例えに、安倍の無教養ぶりがさらけ出されている。このような例えをすること自体が、欧米では劣悪な政治の証拠なのだ。

戦争をやった英・独の例え自体に、欧米は驚愕するのであって、そのあと、「ですから大切なことはコントロールすることであって、わたしは中国に対してですね、偶発的な事故あるいは衝突が起こらないようにですね、軍同士、あるいは防衛当局同士のですね、コミュニケーションチャンネルを作るべきだということを、これは随分前なんですが、申し入れをしています」と付け足しても、もう駄目なのである。

欧米で日・中関係を尋ねられて語るときは、二国間は平和裏に進展しており、あなた方が懸念するようなことは起きないし、起こさない、といわねばならないのだ。

世界は、日本が中国との戦争を意識している、いずれやるつもりだ、と受け取った。この理解の仕方は正しい。

あとで、通訳のミスとか言い訳をしているが、それだったら正式に撤回せねばならない。国内向けにいくら通訳に責任を転化しても何にもならない。

中国は、安倍のルーピー発言に対して、次のような大人の対応をとった。)」(『ウォール・ストリート・ジャーナル』(2014年1月27日))

「王外相は、安倍首相が日中関係を第1次世界大戦前の英国とドイツの関係に例えたことについて、「時代錯誤のような印象を受ける」と述べ、異議を唱えた。

首相は記者団に対し、100年前にはドイツと英国は経済的に深いかかわりがあったが戦争に至ったと述べた。

王外相は「今の時代と100年前では大きな違いがある」と指摘、「世界で平和の力が育っている。平和が保証されている」と述べた。

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