デートレイプドラッグ 〜伊藤詩織の『Black Box』を読んで(6)〜

1 伊藤詩織の『Black Box』が問いかけたもの

米カリフォルニア州サンフランシスコ市(市長はエドウィン・M・リー)が、慰安婦像と碑文を公共物化したことについて、姉妹都市の吉村洋文・大阪市長が、24日に、年内に姉妹都市関係を解消することを明言した。

率直な感想をいわせてもらえば、短気は損気である。
大阪もサンフランシスコもいずれは市長が代わる。
大阪に慰安婦について吉村とは違う考え方の市長がなるかもしれず、また、サンフランシスコも同様である。

吉村のような若造の短慮で、60年も続いた姉妹都市関係を解消するようなことがあってはならない。

喧嘩したから仲良くなれるということもある。
我慢強い話し合いで臨むのがいい。

けっして姉妹都市を解消などしてはならない。

こんなツイートが目についた。

立川談四楼

サンフランシスコとの姉妹都市解消は大阪市長さん、短慮にして狭量というもんですぜ。
粘り強く交渉すべきところ、地元市議に4回も「恥を知れ」と言われるなんて、活動家は何を言ったのかね。
つまり怒らせ嫌われたわけだ。
さあ踏ん張りどころだ。
60年の親交が水泡に帰すことだけは避けてくれ。
頼む。

ブルドッグ

これねぇ…。

本来は中立で日本政府や大阪の立場にも理解を示していたサンフランシスコ市が、以後完全に日本の一部活動家を毛嫌いするようになり、慰安婦像の設立が決定的になった瞬間。

それほど彼らは無礼で支離滅裂で見るに堪えなかった。
議論以前の問題。

結果がこれですよ。

さて、伊藤詩織の『Black Box』については、5回で終わりにするつもりであった。
しかし、『朝日新聞』がデートレイプドラッグの問題を特集するなど、さらに『Black Box』の影響は拡大深化している。

ただ、朝日の取り組みは腰が引けている。デートレイプドラッグを採り上げるのはいいが、3回連続して採り上げながら、肝腎の、山口敬之の「準強姦」もみ消し事件については一切触れない。これはどういうことだろうか。

きむらゆい

デートレイプドラッグを3日連続特集、25日夕刊にはハリウッドの性被害にも紙面を大きく割いた。
なのに、肝心の詩織さん事件、安倍氏友人山口敬之氏のドラッグレイプに関しては言及なし。
なぜ腰が引けているのか?
朝日に今回の特集への応援と、詩織さん事件報道要請を。
03-3545-0131

大学の紀要ではないのだ。
ジャーナリズムがデートレイプドラッグを特集しながら、肝腎の山口敬之の「準強姦」もみ消し事件を問題にしないとなると、国会よりも週刊誌よりも腰が引けていることになる。
権力の監視がきれいにそぎ落とされているではないか。

わたしも最後は駆け足になったところがあり、ここにきて6回目を書くことにした。

伊藤詩織の『Black Box』は不思議な本である。
本人はおそらく意識していないのであるが、次のような状況的な位置を占めている。

(1)山口敬之の「準強姦」もみ消し疑惑事件は、安倍晋三による、国家・国政の私物化、身内びいき・縁故主義(ネポティズム)の、象徴的な事件になっていること。

(2)この「準強姦」もみ消し事件によって、この国の男性優位、女性差別の現実を剔抉したこと。

(3)性被害者に対する警察の様々な対応の仕方を問題にしたこと。

伊藤詩織は、おそらく(1)に関しては、意識していなかったと思う。
そういった意味では、彼女の立ち位置は、自分で主体的に選んだものではない、強いられたものだ。

2 デートレイプドラッグを使った性犯罪

伊藤詩織は書いている。

先生のリサーチは、患者のMさんに出会ったことから始まる。
Mさんは仕事が終わってから会社の上司2人、女性の同僚1人と飲みに出かけた。
意識が戻った時にはホテルで裸にされ、上司2人から性的暴行を加えられていたという。
アルコールに強い彼女は、記憶を亡くすほど飲んでいなかったにもかかわらず、記憶を失っていた。

長井先生は、これをきっかけにアメリカや日本の文献などを調べ、デートレイプドラッグの問題を深く認識するようになる。
アメリカの強姦救援センターなどの調査を読んだ際、先生の目にとまったのが、「被害者から学ぶ」というコラムだ。
ソコにはおおよそ、次のようなことが書かれていたという。

(1)事件はレストランとかパーティーとかクラブといった場所で起こる。
そこで何者かが飲み物に薬物を入れ、彼女らが飲み物を飲んだ後、気分が悪くなったり感覚を失ったような感じになる。
しかし、彼女らが数時間後に目が覚めたときには別の場所にいる。
つまり、薬物を入れた場所と強姦が行われた場所は異なっている。

(2)彼女らが再び意識を取り戻したとき、自分が強姦されたのかどうかはっきりしないことがある。
服を脱がされていたり、衣服や体に精液が付着していたり、あるいは膣や肛門に裂傷やひりひりした痛みを伴う傷を受けたりということで痕跡を見出すこともある。

しかし、すべての被害者が重大な記憶の欠落を報告している。
何人かの被害者は、短くてとぎれとぎれの覚醒した時期を覚えているが、それでも彼女たちの意識がないとき、彼女たちに何がなされたのか、誰がかかわっていたのか、何人の人がそこにいたのか思い出すことができない。

(3)被害者がこうした犯罪を警察に訴えても、記憶がはっきりしないという理由でほとんど却下される。

ある被害者は次のようにいわれたと語った。
「相手の記憶はしっかりしている。
なのにあなたは何も覚えていない。
証拠もない。
これでこの件は終わりだ」と。

被害者からも犯罪現場からも決定的な物的証拠は得られない。

ここに、薬物を利用した強姦事件の問題点が凝縮されている、と先生は感じた。

この文章を読んだだけで、いかにデートレイプドラッグを使った性犯罪の立証が困難であるか、逆にいうと卑劣な男たちが使いやすい犯罪であるかがわかる。

まとめるとこうである。

(1)デートレイプドラッグを飲まされた被害者は、一時的に記憶を失ってしまう。
犯行場所はレストランとかパーティーとかクラブといったアルコールが出る場所である。
犯罪者はそこから気を失った女性をホテルなど別の場所に運ぶ。
つまり薬物を飲ませた場所と強姦が行われた場所は異なっている。

(2)被害に遭った女性は、自分が強姦されたのかどうかはっきりしないことがある。
しかし、強姦の痕跡は見出すこともある。

(3)被害者がこうした犯罪を警察に訴えても、記憶がはっきりしないという理由でほとんど却下される。
被害者からも犯罪現場からも決定的な物的証拠は得られない。

つまりデートレイプドラッグは、犯罪者にきわめて都合のいい薬なのだ。

日本の取り組みはきわめて遅れている。
たとえば米国では次のように取り組まれている。

アメリカでは、政府機関がインターネット上に「デートレイプドラッグ」についての警告サイトを展開して久しい。
現在では、司法省、保健福祉省、FBI(連邦捜査局)NIH(国立衛生研究所)、州政府、教育機関などのパブリックサイト、Wikipediaや医療関係の民間サイトが警告啓蒙サイトを立ち上げている。

日本でも、現在の『朝日新聞』のように、時々、啓蒙警告に努めてほしいものだ。
また、教育現場でも、中高で年に一度は指導していく必要があるだろう。
卒業までに3回頭に入れたら、いざというときに何も知らないのとでは、だいぶ対応の仕方が違ってくる。

さらに国会でもこの問題の検証に立ち上がったので、事件の究明のほかに、上記の米国の例を参考にしながら警告啓蒙の具体化を図ってほしい。

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『Black Box』とネット監視

1 「安倍官邸 — 電通 — ネット監視会社 — ネトウヨ(アルバイター)」のシステムが起動

伊藤詩織の『Black Box』を採り上げて、考えたことを5回のメルマガで配信した。
また、その都度、メルマガの一部ではあるが、ブログ『兵頭に訊こう』にも掲載した。

11月10日 狩りの日 (1)

11月12日 伊藤家の誇れる長女 (2)

11月13日 どんでん返し (3)

11月15日 中世の日本司法 (4)

11月17日 「準強姦」と安倍側近との接点 (5)

11月12日(日曜)は、無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』でも配信し、またわたしのブログ『兵頭に訊こう』にもその都度アップしていたから、わたしが伊藤詩織の『Black Box』を書いていることは多くの人が知っていた。

そして11月15日に次のツイートをした。

横綱の日馬富士の傷害事件。
これは横綱の権威を汚したとか、進退の問題ではない。
態度が気にくわないとビール瓶で頭を殴り、さらに素手で30発、マイクに灰皿でも殴り続け、骨折・入院させた傷害事件である。
6週間の診断。
横綱を辞めたら一件落着ではない。
安倍政権下で無法者が増えている。

新聞記事の情報を元に書いた、このなんでもない普通のツイートが、14時間で7600リツイート。
11月19日の段階で1万回のリツイートを超えていた。
もちろん日馬富士の暴行事件に関心があってリツイートしているわけではない。
お仕事の人たちを使って、その筋が指示して、わたしをくさすためにリツイートしていたのである。

ちょうど東京の大手(「記者クラブ」)寿司友メディアに広告費を支払って懐柔していく手法のネット版である。

1万回というと、驚くムキがあるかもしれないが、ワンクリック○円のアルバイトを稼いでも仕方がないから、複数のアカをもった個人が何百回もリツイートしまくっているのである。
あるいはその手のソフトを使っているのかもしれない。
すると荷担した人数はごく少数になる。

わたしにこの事象を採り上げられる方が、よほど影響力は拡大するので、こんな浅はかなことはやめるがよい。

中央で最初に指示した者は、日馬富士の暴力事件を「安倍政権下で無法者が増えている」と結びつけたことにいきり立った(喜んだ)のである。
ここに飛躍があるというのである。

人を批判するときは、その最深の高みで批判しなければならない。
こんな低みで批判すれば、バカにされるだけだ。
よほどわたしが苦手だったとみえる。

それで少し総括しておくことにする。

(1)140字のツイッター制約のなかで、ある種の省略、抽象化、飛躍は仕方がない。
さらにいえば、たとえ長大な論文でも、自明の前提が執筆者にあって、いちいち頭の空っぽな連中に、このエビデンスは、といった書き方は誰もしないのである。
また、日本の短詩型の文学は、この省略、抽象化、飛躍の卓抜によって輝いている。

(2)「安倍政権下で無法者が増えている」という状況については、わたしは森友・加計学園事件を中心に、伊藤詩織の『Black Box』も含めて、これまで何百のメルマガを書いてきている。

安倍晋三による国家・国政の私物化、身内びいき・縁故主義(ネポティズム)は、必然的に無法者の跋扈する泥棒国家・マフィア国家を実現する。
これがわたしの認識の原点にある。

ツイッターでは、わたしは原則的に、自分のフォロワーに向かって書いており、そこでは「安倍政権下で無法者が増えている」は自明の前提なのだ。

日本が人権無視の無法状態にあるのは、世界的な認識になっている。
おりしも、国連人権理事会の作業部会は、11月16日に、日本に対して3回目の、218項目もの勧告を発表した。
そのなかに、福島第1原発破壊に関する言及があって、安倍政権の被災者の命を守らない政策が批判されていた。

それを受けて、「国際環境NGOグリーンピース」が「2017/11/14 国連人権理事会の対日人権審査で、福島原発事故被害者の人権問題に懸念 ーー日本政府は勧告の受け入れを」という声明を出した。

2 官邸が恐れる伊藤詩織の『Black Box』

グリーンピース・ジャパンのシニア・グローバル・エネルギー担当のケンドラ・ウルリッチは「ドイツとベルギーは、原発事故の被害を受けた女性と子どもの権利の保護について、日本政府に対して厳しい質問をしましたが、日本政府はきちんと答えませんでした。

日本政府は、自らが署名している国際的な人権条約を守らず、福島の女性と子どもたちを犠牲にしています。
女性と子どもは、社会的、経済的な弱者であるだけでなく、放射線の影響を受けやすく、日本政府は、今すぐに、被害者とりわけ女性と子どもの人権侵害の状況を是正すべきです」と訴えました。

福島原発事故によって、国際的な公衆被ばく限度である年間1ミリシーベルトを上回る量の放射能に汚染された地域への帰還は、多くの人権問題を伴います。
日本政府は、2017年春にいわゆる「自主避難者」への住宅支援を打ち切り、2018年3月には、避難指示が解除された地域の賠償も打ち切ります。

これにより被害者は、経済的な理由によって、汚染された地域に自らの意思に反して戻らざるを得なくなる可能性もあります。
このような方針は、日本が締結している複数の人権に関する条約に違反しています。

ポルトガル、オーストリア、ドイツ、メキシコは、日本政府に対して、原発事故被害者への経済面、健康面そのほかの支援の継続を正式に勧告しました。
ドイツは、年1ミリシーベルト基準を帰還政策で採用するよう求めました。
これは2012年に来日した健康の権利特別報告者の報告にも沿っています。

国際民主法律家協会(International Democratic Lawyers)代表で、国連人権理事会担当の弁護士ミコル・サヴィア氏は「国際社会は日本政府に対し、原発事故被害者の人権、特に女性や子どもの権利侵害に対処するよう要請しています。

私たちは、日本政府が勧告を受け入れ、その帰還政策を改めるよう強く求めます。
被害者は、住宅支援や賠償の打ち切りによって、汚染地に帰るか、貧困に直面するかという選択を迫られています。
これは国際的に見ても人権侵害にほかなりません」と語りました」(「国際環境NGOグリーンピース」)

これが安倍政治に対する世界の共通認識だ。
福島に対して恐ろしい人権侵害、人体実験が行われている。
それを東京の大手(「記者クラブ」)寿司友メディアが批判しないために、国民は無知の加害者にされている。

(3)わたしに、もっとも関心があったのは、わたしに対して「安倍官邸 — 電通 — ネット監視会社 — ネトウヨ(アルバイター)」のシステムが起動したタイミングである。
それは、間違いなく、伊藤詩織の『Black Box』を書き始めたからだろう。
それだけ官邸お抱えレイピスト山口敬之の「準強姦」もみ消し事件は大きいのだ。

ここでは無法者は山口だけではなかった。
政治・検察・警察・「記者クラブメディア」といった権力が、打って一丸となって山口無罪に動いていた。
「記者クラブ」メディアが関わらないわけだ。

政権とメディアといえば、『Black Box』には、知人のジャーナリストが詩織に対して、「政府サイドが各メディアに対し、あれは筋の悪いネタだから触れないほうが良いなどと、報道自粛を勧めている」と語るのが紹介されている。

また、伊藤詩織は、「検察審査会の結果が出た後、何人かのジャーナリストから、次のような「噂」を聞いた。

防犯ビデオの映像を見たけれど、彼女は普通に歩いていた。
タクシー運転手の証言には、彼女が自分で吐いたものを自分で片付けていた、とあった。
だから、彼女には最後まで意識があったんじゃないか」。
そういう声があって不起訴相当の議決が出たのだ、と話している新聞記者がいる、と」書いている。
要は合意を洗脳しているのだ。

もう5回も書いたので、ここでは細部は語らないが、『Black Box』を読んだ者は、タクシー運転手がその逆のことを語っていることを知っている。
まったくのデマである。
官邸サイドとメディアとが一体となって、不起訴相当の正当化をデマによって謀っているのだ。

以上の3点を総括しておけば、いまのところ十分だろう。ここで兵頭をやっつけておかないと、国会で伊藤詩織の『Black Box』でも取りあげられたら適わない、と思ったにちがいないのである。

日米両国とも極端な格差社会に向かっており、それを批判する力もメディアから奪われている。

メディアの退廃と国民の不幸とは、同時並行して進んでいる。

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「準強姦」と安倍側近との接点 〜伊藤詩織の『Black Box』を読んで(5)〜

1 真のジャーナリストとして楽しみな伊藤詩織の今後

伊藤詩織の『Black Box』(文藝春秋)についての、今日は5回目、最終回である。

前回でも書いたが、この著作は、安倍政権下の腐敗した司法私物化の状況、無法者が跋扈する状況を的確に抉っていた。

彼女は左翼ではない。
総じてイデオロギー色のない人である。
ところが、現代日本の、もっとも深刻な問題、彼女自身が被害者だった準強姦事件を切り口に鋭く迫っていく。
それが安定していて的確だった。

状況を的確に判断するのに、イデオロギーは必要不可欠なものではないのかもしれない。
大切なのはセンスなのだろう。

このことは政党に入っている人の言動を見ていて、わたしがいつも感じることだった。
職場に生起する状況というのは、どのひとつとして同じものはない。
しかも刻々と変わる。
それを的確に判断して状況の深部にあるものを洞察し、判断していく。
これにはセンスが必要なのだ。

これは、おそらく持って生まれたものである。
党にあっても間違う者は常に間違い続ける。
その大切なセンスが伊藤詩織には備わっている。

いま読み終わって、けっして心は穏やかではない。
しかし、ひとつの確かな希望を与えてくれる本である。
それは望月衣塑子と並んで、わたしたちは伊藤詩織という、優れたジャーナリストをもったという、ある種の安堵感である。

犬HKを筆頭にダメな日本の東京の大手(「記者クラブ」)寿司友メディアであるが、しかし、若い優れた真のジャーナリストが確実に育ってきている。

これまでのまとめ

(伊藤詩織は、米国の大学でジャーナリズムと写真を学び、ジャーナリストの仕事を探していた。
帰国後に就職を餌に、官邸お抱えレイピスト山口敬之に酒の席に呼び出され、薬を酒に混入(詩織とわたしの見方)されて、意識を失い、強姦される。
やっとの思いで警察に相談し、妹や両親にも打ち明ける。

その後、詩織と山口との緊迫した電話やメールでのやりとりが続く。
また、詩織は弁護士、警察との対応が続く。
山口が、詩織に法的な対応をとられることを警戒していることがありありとわかる。
しかし、何回かの詩織とのメールやりとりのなかで、ついに山口は性交渉があったとの尻尾をだしてしまう。

そんなとき、捜査員のAから、山口を帰国した空港で逮捕するとの連絡を受ける。
詩織は喜ぶが、4日後には、それが警視庁トップ(のちに中村格(いたる)と判明)の指示で不可能になったことを知らされる。

捜査は警視庁捜査一課が担当することになり、警察が不起訴に向かって政治的に動き出す。
山口の弁護士が示談交渉をしたいといっているので、示談の弁護士を紹介すると捜査官がいう。

数日後に、警察車両で弁護士事務所まで送られた。
衝撃の展開が続く。

その後、伊藤詩織には、自分で選んだふたりの優れた女性弁護士がつく。

しかし、7月22日に不起訴が確定し、伊藤詩織は弁護士からその旨、伝えられた)

その後、伊藤詩織には『週刊新潮』から取材の申込みがある。
この仕事で画期的だったのは、編集部が、中村格から自分が捜査中止を命令したと聞きだしたことだ。
ここではじめて安倍晋三の近くから、捜査中止を指示した具体的な名前が出てきたことになる。

2 接点が浮かび上がった安倍の側近

『週刊新潮』編集部は中村氏本人に、「トップの意を受け、あるいは忖度して捜査を中止したのか」と問うと、
「ありえない。(山口氏の立場に)関係なく、事件の中身として、(逮捕は必要ないと)私が決裁した。
(捜査の中止については)指揮として当然だと思います。
自分として判断した覚えがあります。
事件が最後にどう評価を受けているかを見てもらえば……」
と答えた。(「週刊新潮」2017年5月18日号)

(中略)

当時刑事部長だった中村格氏が自分の判断で逮捕を差し止めたと認めたこと、山口氏が以前から「北村氏」(北村滋内閣情報官 注 : 兵頭)に私のことを相談していたこと、この2つの事実がわかったのは、本当に大きな進展だった。

『週刊新潮』のインタビューに対して、中村が逮捕は必要ないと自分が決裁したと語ったのは、もちろん口を滑らしたのではない。
官邸の指示を隠して自分が泥を被ることで出世の糸口を掴んだものである。
実際、かれはその後に出世している。

それでも、当時刑事部長だった中村格、それに北村滋内閣情報官という、安倍晋三側近と、官邸お抱えレイピスト山口敬之とに接点があることが明確になったのは大きい。

たんなる揣摩憶測の類いではないことがわかった。

ここで、山口敬之も認める事実を整理しておこう。
(番号は兵頭の打ったもの)

あの日の出来事で、山口氏も事実として認め、また捜査や証言で明らかになっている客観的事実は、次のようなことだ。

(1)TBSワシントン支局長の山口氏とフリーランスのジャーナリストである私は、私がTBSワシントン支局で働くために必要なビザについて話すために会った。

(2)そこに恋愛感情はなかった。

(3)私が「泥酔した」状態だと、山口氏は認識していた。

(4)山口氏は、自身の滞在しているホテルの部屋に私を連れて行った。

(5)性行為があった。

(6)私の下着のDNA検査を行ったところ、そこについたY染色体が山口氏のものと過不足なく一致するという結果が出た。

(7)ホテルの防犯カメラの映像、タクシー運転手の証言などの証拠を集め、警察は逮捕状を請求し、裁判所はその発行を認めた。

(8)逮捕の当日、捜査員が現場の空港で山口氏の帰国を待ち受けるさなか、中村格警視庁刑事部長の判断によって、逮捕状の執行が突然止められた。

以上の8点であるが、「レイプ被害で手記 伊藤詩織氏「ブラックボックスに光を」 注目の人 直撃インタビュー」(日刊ゲンダイ)では、次の項目が加えられている。

(9)山口氏に会ったのは3回目で、2人きりで会ったのは初めてだった」(番号は兵頭の打ったもの。なお、本とインタビューとでは順序が変わっており、文章も若干異なっている)

レイプでなかったとしても、彼女が受けたと同レベルの肉体的さらには精神的苦痛を受けて、彼女のように忍耐強く闘える人が、どのくらいいるだろうか、と考える。
それはとても少ないのではないか。

彼女の最初の記者会見、例の司法記者クラブでの記者会見のあと、この本の読者は、彼女が帰宅途中に倒れて病院に行ったことを知る。

この記者会見ひとつをとっても、彼女を心配する家族や友人などの反対があり、どれほどの葛藤があったことか。

会見では自覚していた以上に気が張っていたのか、終わったらどっと疲れが出た。

会見直後にオファーのあったいくつかのインタビューに対応した帰り道で、私は倒れた。
幸い友人がつきそっていてくれ、すぐに病院に連れて行ってもらえた。

それから数日間、体が動かなかった。
咀嚼する力もなく、お腹も空かない。

固形物は1週間以上、喉を通らなかった。
息が深くできず、体は死人のように冷たくなっていた。

すべてをシャットダウンして、このまま終わりにしたいと願った。

会見から10日経ち、やっと少しずつ、ものを咀嚼して食べられるようになった。
体も動き出した。

あの司法記者クラブ会見のあとに、このような苦しみが彼女を襲っていたのだ。
要は、10日間寝込んだということである。
これは語られない限り、想像もつかないことだ。
この精神力の強さには敬服するばかりである。

人間の強さには様々な形がある。
キッとにらみつけて対峙する強さもあれば、その場は穏当にやりすごして、何かの機会にやりかえす強さもある。
相手にへりくだって逃げ回り、しかし、けっして忘れていずに、機会を捉えてやり返す強さだってある。
柳に雪折れなしというが、彼女の強さは、しなやかな折れない強さだ。

ひとりの人間が、意図しなかったのに、状況の象徴的な位置を占めることがある。

伊藤詩織の場合、レイプされた男がたまたま安倍晋三のオトモダチであったことから、「記者クラブ」メディアは逃げ回り、外国人特派員協会も最初は不可解な態度をとった。しかもすでに執行されていた逮捕が、直前に警視庁のトップによって政治的に止められることになった。検察審査会まで不起訴相当の議決を出した。誰が見ても司法の私物化がここに露出しているのだ。

わたしがこの事件に注目するのは、国家・国政が私物化された状況の象徴的事件とみるからだ。今後は民事に舞台を移すが、引き続き注視し、伊藤詩織を応援し続けるつもりである。

 

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中世の日本司法 〜伊藤詩織の『Black Box』を読んで(4)〜

1 安倍司法に追い込まれる

伊藤詩織の『Black Box』(文藝春秋)についての、今日は4回目である。
思ったより長くなったのは、平易な言葉で書かれた内容が示唆に富み、現在の腐敗した司法私物化の状況、無法者が跋扈する状況を的確に抉っていたからだ。

この本をまだ読んでいない方は、ぜひ読まれることをお勧めする。
彼女はまだ28歳であるが、実によく考えており、事件を通じて語ることが日本の暗部を剔抉していた。

これまでのまとめ

(伊藤詩織は、米国の大学でジャーナリズムと写真を学び、ジャーナリストの仕事を探していた。
帰国後に就職を餌に、官邸お抱えレイピスト山口敬之に酒の席に呼び出され、薬を酒に混入(詩織とわたしの見方)されて、意識を失い、強姦される。
やっとの思いで警察に相談し、妹や両親にも打ち明ける。

その後、詩織と山口との緊迫した電話やメールでのやりとりが続く。
また、詩織は弁護士、警察との対応が続く。
そこは一気に読ませるが、山口が、詩織に法的な対応をとられることを警戒していることがありありとわかる。
しかし、何回かの詩織とのメールやりとりのなかで、ついに山口は性交渉があったとの尻尾をだしてしまう。

そんなとき、捜査員のAから、山口を米国から帰国した空港で逮捕するとの連絡を受ける。
詩織は喜ぶが、4日後には、それが警視庁トップの指示で不可能になったことを知らされる)

伊藤詩織は、ニューヨークでジャーナリズムを学んでいたときに、ハウスメイトだった友人を訪ねてイスラエルにいた。
そこへ事件を担当していた輪署のAの上司から、電話がある。

これからは警視庁捜査一課が事件を担当するという。
このあたり、すでに警察が不起訴に向かって政治的に動き出したことをうかがわせる。
捜査態勢の政治的な格上げである。

日本に帰国すると、警視庁に呼ばれる。
そしてこの件について4、5名の陣容で動いていくという。
「もう任意でできる捜査はすべてしたはずなのに、輪署とはずいぶん違う陣容だった」。
わたしも同じ感想をもった。
明らかに不起訴に向かって格上げされたのだ。

これから驚くべきことが起こる。
相手の山口の弁護士が示談交渉をしたいといっているので、示談の弁護士を紹介すると捜査官がいったのだ。

これはただのアドバイスですが、あなたが直接交渉しない方がいい。
弁護士を通して話をするべきです。

(中略)

一気に話してすみませんが、弁護士は誰かに相談していますか? 被害者専門の弁護士がいて、その先生に頼むと基本的にはタダでやってくれます。
国費が出るので。

もし不安だったら捜査官が一緒に行きますし、お願いしてから選任するまで時間がかかるから、今日お返事をもらって進めてしまっていいですか?

(中略)

無料の弁護士に頼める制度があるなら、と思い、次回に会ってみることを承諾した。
警察が熱心に示談の斡旋をすることに不思議を感じないではなかったが、逮捕状について警視庁に聞きに行くためにも、ともかく弁護士は探さなければならない。
当時、それ以外のことにまで気が回らなかった。

(中略)

数日後、この時に取った調書の文章を確認するため、警視庁へまた行った。
確認作業には時間がかかった。
そこで一旦中断して、前回ここで紹介された弁護士のところへ出かけることになった。

(中略)

警察車両で弁護士事務所まで送られた。
自分一人で面会に行くものだと思っていたが、なぜか捜査員も数名、車に乗り込んだ。

(中略)

紹介された女性弁護士のところでは、また事件のことを聞かれた。
しかも、一から経緯を話している間、捜査員がずっと同席していた。
これでは「逮捕状がどうなったか聞いてもらえないか」などと頼めるはずもなく、捜査員には途中で断って席を外してもらった。

弁護士は、やはり示談専門の人らしかった。
捜査員がいなくなった後、私が警察の捜査に感じている疑問について少し話してみたが、あまり反応はなかった。

これ以上ここで警察への疑問や、逮捕状について話さないほうがいいと確信した。
警察車両で彼らの推薦する弁護士のところまで連れて行かれ、席を外してくださいとお願いするまでぴったりと捜査員が寄り添いながら示談の話を一緒に聞くなんて、ちょっとおかしい、という考えが浮かんだ。

2 中世の日本司法

ここはとてもショッキングなところだ。
被害者の詩織は明らかに監視下におかれている。
不起訴にするための示談を警察が勧め始めた。
「これはただのアドバイスですが、あなたが直接交渉しない方がいい。
弁護士を通して話をするべきです」。

弁護士にもいろいろいる。
優れた弁護士もいれば、依頼人よりも相手方あるいは示談にもっていきたい警察や裁判所のために動く弁護士もいる。

事件にもよるが、わたしなら警察が紹介する弁護士はまず断る。
敗北のレールに乗せられることはまず間違いないからだ。

数日後に、「警察車両で弁護士事務所まで送られた。
自分一人で面会に行くものだと思っていたが、なぜか捜査員も数名、車に乗り込んだ」。
まるで映画のようだ。
というか、よほど優れた脚本家でなければここまで想像できないだろう。
まさに事実は小説より奇なり、である。

しかも紹介された女性弁護士のところで話すときは、捜査員が同席していたというから、被害者が監視の対象になっていたわけだ。

詩織は、捜査員に席を外すように頼む。
ここは本来、弁護士がいうべき言葉だ。

詩織は、捜査員がいなくなった後に、警察の捜査に対する疑問を少し話してみるが、弁護士の反応はない。
そこで、「これ以上ここで警察への疑問や、逮捕状について話さないほうがいいと確信した」。
この判断は正しい。
とにかく日本の司法は中世にある。
弁護士だからと信じていたら、とんでもないことになる。

その後、伊藤詩織には、自分で選んだふたりの優れた女性弁護士がつくことになる。
ふたりの弁護士は口を揃えて、「逮捕直前に現場で突然ストップがかかったのは、絶対におかしい。他の弁護士や、警視庁に詳しい人に聞いても、皆そんな話は聞いたことがないと言っている」と語る。

2016年1月、K検事は山口氏の聴取を行った。

山口氏は、検事による聴取から4ヶ月ほど経った2016年5月30日、TBSを退社した。

ひと月後、安倍首相について書いた『総理』(幻冬舎)という本を上梓し、コメンテーターとして、盛んにテレビに登場するようになった。

こうしたことを私は、友人から聞いたのだが。

新しいアパートに、テレビは置かなかった。
極力、彼の顔を見ないで済むように。

彼が今後どのような人生をおくろうと、私に関係はなかった。
日本の法律がきちんと機能することを願うだけだ。

ここには興味あることが書かれている。
時系列に沿って書くと、

(1)2016年1月、K検事が山口の聴取をおこなう。

(2)検事による聴取から4ヶ月ほど経った2016年5月30日、山口はTBSを退社。

(3)ひと月後、安倍晋三へのヨイショ本『総理』(幻冬舎)を出版。
コメンテーターとして、テレビに登場し、森友学園事件に関して、安倍擁護の論陣を張る。

この流れを見ていくと、不起訴獲得のための運動ととれなくもない。
あまりに山口のテレビでの安倍擁護が臆面も無いので、先輩筋の「政府御用達田崎スシ楼」にちなんで「小僧寿司」とわたしはツイッターで揶揄していた。

いま考えると、かれなりに逮捕から逃れるために必死だったのだろう。

それにしても、なぜ急に山口がテレビに出まくったのかという疑問だ。
わたしは官邸からそのような指示がテレビ各局にあったのだと思っている。

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どんでん返し 〜伊藤詩織の『Black Box』を読んで(3)〜

1 山口敬之のメール

伊藤詩織の『Black Box』(文藝春秋)についての、今日は3回目である。

伊藤詩織は、米国の大学でジャーナリズムと写真を学び、ジャーナリストの仕事を探していた。
帰国後に就職を餌に、官邸お抱えレイピスト山口敬之に酒の席に呼び出され、薬を酒に混入されて(と詩織もわたしもみている)、意識を失い、強姦される。
やっとの思いで警察に相談し、妹や両親にも打ち明けるところまで書いた。

その後、詩織と山口との緊迫した電話やメールでのやりとりが続く。
また、詩織は弁護士、警察との対応が続く。
そこは一気に読ませるが、山口が、詩織に法的な対応をとられることを警戒していることがありありとわかる。
しかし、何回かの詩織とのメールのやりとりのなかで、ついに山口は尻尾をだしてしまう。

あるとき、山口はこのようなメールを詩織に送ってしまう。

「レイプって何ですか?
全く納得できませんね。

法律的に争うなら、そうしましょう。

私は全く構いません。

次の面会には弁護士を連れて行きます。

あなたが準強姦の主張しても
あなたが勝つ事はあり得ません。

(中略)

弁護士(詩織の弁護士 注 : 兵頭)は、こちらから何も言っていないのに、山口氏が「準強姦」という専門的な言葉を使った点に注目した。
前述のように、薬や酒などなんらかの原因で意識がなかった場合は、この罪状が適用される。

誰もが常識として知っている言葉ではなく、記者とはいえ、このケースがそれにあたると山口氏が認識している事実は注目に値した。

「準強姦」とは詩織がいっていないのに、みずから山口はこのキーワードを出してきた。それも妙であるが、「あなたが勝つ事はあり得ません」も不可解な言葉である。よほど自信があったとみえる。それは安倍晋三や政権上層部との付き合いの深さからきたものだろう。

また、別のメールで、「妊娠の可能性がないと以前断言していましたが、なぜですか」という詩織のメールに対して、山口がこのように返信したのである。

「私はそういう病気なんです」
「何の病気ですか? 私の健康に関わることなので詳しく教えてください」という詩織のメールに対して、山口は「精子の活動が著しく低調だという病気です」と答えてしまう。

語るに落ちるとはこういうことだ。

つまり山口は性交渉があったことを認めたことになる。

しかも「医療的な面で緊急を要する対応があるなら、いくらでもサポートしますから具体的に言ってください。
それから、会って話をしたいという事ならば、その為に日本に一時帰国する事も提案しましたが、その後あなたからは具体的な返答はいただいていません」とまでいっている。

性交渉がなければ、それも強姦でなければ、「いくらでもサポートします」「一時帰国する」などと、3回しか会っていない女性にいうことはあり得ない。

これはもうはっきりしている。
性交渉があったことを山口は認めているのだ。

伊藤詩織は書いていた。

2 どんでん返し

A氏(この事件担当の高輪署の捜査員 注 : 兵頭)は精力的に捜査を進めてくれた。

最後に行った鮨屋を出てから、私たちをホテルまで乗せたタクシー運転手の証言が取れた、と聞いたのはこの頃だった。
正確には5月13日のことだ。

この時に聞いたのは、「近くの駅で降ろして下さい」と何度も言っていたこと、タクシーの中で最初は仕事についての会話があったが、途中から私が静かになり、降りる時には自力では降りられない状態だったこと、降りた後に見たら、私のものとみられる吐しゃ物があったこと、だった。

記憶のない時間帯の自分の行動について語られるのを聞くのは、本当に気が重いものだが、私が何度も「駅で降ろして下さい」と言っていたと知り、ほっとした。
やはり、最後まで自分は家に帰ろうとしていたのだ。

ホテルのハウスキーパーの記録から、シェラトン都ホテルの部屋に吐しゃ物があったという記載はみつからなかったこともわかった。
山口氏は部屋の二カ所とトイレに「ゲロ」を吐かれたとメールで説明していたが、清掃員は、そのような状態に対する特別な清掃をしていないと日誌に記している。

また、これは当時、調書に取られなかったものだが、そのフロアを担当したハウスキーパーは、「ベッドは片方しか使われていなかった。もう一つのベッドには血がついていた」と証言していることも聞いた。

その後、詩織はドイツで仕事をする機会を得る。
日本にいて、山口に似た人間を見ただけでパニック症状を起こしていたので、日本人の比較的に少ないベルリンは精神的によかったのである。

そこへ日本のA(高輪署の捜査員)から電話がかかってくる。

山口氏の帰国に合わせ、成田空港で逮捕する、という連絡が入ったのは、6月4日、ドイツに滞在中のことだった。
「逮捕する」という電話の言葉は、おかしな夢の中で聞いているような気がして、まったく現実味を感じることができなかった。
8日の月曜日に(山口が 注 : 兵頭)アメリカから帰国します。
入国してきたところを空港で逮捕する事になりました
A氏は、落ち着きを見せながらも、やや興奮気味な声で話した。
逮捕後の取り調べに備えて、私も至急帰国するように、という連絡だった。

(中略)

この電話から4日後、逮捕予定の当日に、A氏から連絡が来た。
もちろん逮捕の連絡だろうと思い、電話に出ると、A氏はとても暗い声で私の名前を呼んだ。

伊藤さん、実は、逮捕できませんでした。
逮捕の準備はできておりました。
私も行く気でした。
しかし、その寸前で待ったがかかりました。
私の力不足で、本当にごめんなさい。
また私はこの担当から外されることになりました。
後任が決まるまでは私の上司の〇〇に連絡してください」
驚きと落胆と、そしてどこかに「やはり」という気持ちがあった。
質問が次から次へと沸き上がった。

なぜ今さら? 何かがおかしい。

「検察が逮捕状の請求を認め、裁判所が許可したんですよね? 一度決めた事を何故そんな簡単に覆せるのですか?」
すると、驚くべき答えが返ってきた。

ストップを掛けたのは警視庁のトップです
そんなはずが無い。
なぜ、事件の司令塔である検察の決めた動きを、捜査機関の警察が止めることができるのだろうか?
「そんなことってあるんですか? 警察が止めるなんて?」
するとA氏は、
「稀にあるケースですね。本当に稀です」

(中略)

「全然納得がいきません」
と私が繰り返すと、A氏は「私もです」と言った。
それでもA氏は、自分の目で山口氏を確認しようと、目の前を通過するところを見届けたという。

何をしても無駄なのだという無力感と、もう当局で信頼できる人はいないだろうという孤独感と恐怖。
自分の小ささが悔しかった。
今までの思い、疲れが吹き出るかのように涙が次から次へと流れ落ちた。

これが日本である。

日本で警察や検察が正義の味方と信じる人がいたら、その人は政治も状況も、いや文学も語ってはならない。

ずいぶん前から三権分立は幻想だと書いてきた。
日本では司法も行政の支配下にある。
安倍晋三のオトモダチであれば準強姦も無罪なのだ。

もちろん末端の捜査員は真面目に仕事をしており、正義感もある。
だからA捜査員は、空港で目の前を通り過ぎる山口を確認している。
おそらく怒りと無念の混淆した思いでにらみつけたのであろう。

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伊藤家の誇れる長女 〜伊藤詩織の『Black Box』を読んで(2)〜

1 権力の準強姦

伊藤詩織の『Black Box』(文藝春秋)についての、今日は2回目である。

前回のメルマガでは、米国の大学でジャーナリズムと写真を学び、ジャーナリストの仕事を探していた伊藤詩織が、就職を餌に、酒の席に呼び出され、薬を酒に混入されて、意識を失い、ホテルに抱え込まれて強姦されるところまで書いた。

読んで見てわかったのだが、この本にはどうでもいいようなこと、割愛できるようなことなど何もない。
すべての言葉が、必死の思いで紡がれており、とても1回や2回のメルマガでは終われそうにない。

前回のメルマガで、この事件の背景には、次の5点の背景が存在している、とした。

(1)若者の就職難

(2)司法の私物化(森友・加計学園事件、山口敬之の「準強姦」もみ消し事件)

(3)縁故主義(ネポティズム)(安倍晋三 — 菅義偉 — 杉田和博(元警察庁警備局長) — 北村滋(元警察庁長官官房総括審議官) — 中村格(いたる)(事件当時は警視庁刑事部長) — 山口敬之)

(4)安倍政権の棄民策(福島・沖縄 ? 籠池夫妻・伊藤詩織)

(5)御用メディアの無視

今回、次の2点を加えておきたい。

(6)世界最悪の女性差別国家

(7)性犯罪教育の皆無

この7点が背景にある。
そういう意味では、きわめて状況的社会的な事件である。
また必然的な事件だった。

わたしは性犯罪とか女性差別の専門家ではない。
「準強姦」という言葉の概念も、意識のない人に対するレイプ犯罪だということを、この事件を通じて初めて知った。

レイプされた後の詩織の精神状態は、読むのも辛くなってくる。
混乱、自虐、後悔、苦悩。
その葛藤のひとつは次のようなものだ。

山口氏はTBSのワシントン支局長だ。
その上、長い間政治の世界で仕事をしてきたため、有力な政治家たちだけでなく、警察にも知り合いが多いと聞いていた。

それだけではない。
私が毎日通って働いていたロイター通信の主な業務は、マスコミ各社への情報配信だ。
もちろんTBSは大事なクライアントで、しかもロイターのオフィスは、赤坂のTBS本社のすぐそばにあった。

もし私が一人で警察に相談したり、彼を告発したりしたら、果たしてこの先、同じ業界で仕事を続けることができるのだろうか。
TBSが山口氏の盾となり、逆に名誉毀損で訴えてくるかもしれない。
そうなったら、一体どうやって身を守ったらいいのだろうか。

ひたすら怖かった。

それまでになんどかのぞき見た日本の報道現場は、完全な男社会だった。

私が甘いのかもしれない。
こんな風に踏まれても蹴られても、耐えるべきなのかもしれない。
そのくらいでなければ、この仕事は続けて行けないのかもしれない。
魔が差したように、そんな考えが頭をよぎった。

2 教育現場のBlack Box

「山口氏はTBSのワシントン支局長だ。
その上、長い間政治の世界で仕事をしてきたため、有力な政治家たちだけでなく、警察にも知り合いが多いと聞いていた」。
これがレイプ犯山口の巧妙で用意周到な伏線になっている。
このことを狩りをする前に獲物に吹き込んでいるのだ。
「カリニ警察ニ訴エタトコロデ無駄ダ。
オレノ背後ニハ安倍晋三ガイル」

「それまでになんどかのぞき見た日本の報道現場は、完全な男社会だった。
私が甘いのかもしれない。
こんな風に踏まれても蹴られても、耐えるべきなのかもしれない。
そのくらいでなければ、この仕事は続けて行けないのかもしれない」。
実際、パワハラ、セクハラに遭った多くの女性がこのように考え、泣き寝入りしている。
警察沙汰になるのは氷山の一角だ。

詩織は友達の女性に相談する。

何よりも、彼女は私が初めてお酒を飲んだ日にも一緒にいた幼馴染だ。
私の飲める酒量や酒席での様子もよく知っていた。
彼女は、私がたった数杯と二〜三号のお酒で意識を失うことはありえない、と強く言った。
また、私の性格からも、目上の人と仕事の話をする席で、私がそこまでお酒を飲むとは思えない、と。

彼女も私と同じ時期にニューヨークに住んでいたことがあった。
「デートレイプドラッグの可能性はあるかな」と言う私に、彼女は「あるかもしれない」と同意した。

そして、いつもそうしてくれるように、これからどうするべきか、親身に考えてくれた。
その後、警察に行った時も、深夜に一人暮らしの自宅へ帰るのが怖くなった私を駅まで迎えに来て、実家まで送ってくれた。

しかし、彼女もレイプ事件に遭遇したらどうすれば良いか、という知識を持ち合わせていなかった。
私たちは、誰からもそういう教育を受けてこなかった。
そしてそれ以上に、政治と深く繋がっている人物を告発した時に、警察や司法が本当に守ってくれるのかわからず、二人とも恐れていたのだと思う。

彼女は、デートレイプドラッグだったとしても、一回の仕様ではすぐに体内から出てしまうと言った。
私は「とにかく、早くその場から離れたくて飛び出してしまったけれど、ホテルから110番すべきだった」と後悔した。
今からでもすぐ警察に行くべきかどうか、二人で悩んだけれど、結論は出なかった。

伊藤詩織は、現実にあったことをそのまま正直に書いている。
詩織は、ここに登場してきた友達とか、妹、そしてあとで出てくる両親、警察に事件の内容を告白して相談している。
こんなことを、人は他人を貶めるためにのみできるものではない。
これは実際に起きたことである。

読めば、真実が語られていることがすぐにわかる。

ここに登場してくる友達が次の2点を断言しているが、この内容は非常に重要だ。

(1)詩織は酒が強く、「たった数杯と二〜三号のお酒で意識を失うことはありえない」こと。

(2)詩織の性格からして、「目上の人と仕事の話をする席で、私がそこまでお酒を飲むとは思えない」こと。

この2点は、本を読む前から、わたしには気になっていたことだった。

前号のメルマガでも書いたが、酒の強い人は、「たった数杯と二〜三号のお酒で意識を失うことはありえない」のだ。
わたしも若い頃は酒が強かったが、もうこのあたりが限度、という自制は常にできた。
一度も人前で酔いつぶれたことはない。
それが酒に強いということだ。
酒に強い同僚も皆そうだった。

また、就職を頼む年配の男性を前にして酔いつぶれるまで飲むことはあり得ない。
詩織がトイレに立ったときに、薬を混入されたのだとわたしもみている。
トイレから席に戻って、残りの酒を飲んだ直後から急に意識を失っている。

「彼女もレイプ事件に遭遇したらどうすれば良いか、という知識を持ち合わせていなかった。
私たちは、誰からもそういう教育を受けてこなかった」。
中学校から大学の図書館に伊藤詩織の『Black Box』を置くべきだ。
これは図書部長の判断で簡単にできる。
メルマガ読者の子弟に中高生がいたら、図書館の購入希望用紙に書かせてもよい。

中学校、高校では、レイプに遭ったときの対処の仕方を具体的に教えるべきである。
これはほとんどの学校で教えていない。
もっぱら養護教諭が駆け込み寺の役割を押しつけられ、相談のあった生徒のみに個人的に対応している。

養護教諭にもレベルの違いがあり、妥当な指導がなされているとは思えない。
校長やクラス担任に、そして保護者にもレイプ被害を隠す養護教諭がほとんどだ。

生徒がそのように頼むからだ。
まして警察沙汰にする指導は皆無である。
だから学校では性犯罪の問題が、万引きや喫煙、いじめや不登校の問題ほど広がらないのだ。

担任は、レイプに遭った生徒がクラスにいたことなどまったく知らないままに進級させていくのである。
学校自体が性犯罪の『Black Box』になっている。

誤解はないと思うが、わたしは特定の被害生徒の名前を公表して対処しろといっているのではない。
生徒の個人名は出さなくていいから、職員間で問題の周知徹底を図り、性犯罪から生徒を守る方策を検討する。
年に一度は専門家を呼んで職員の研修会を開き、かつ生徒への啓蒙と指導を図る。

文科省の怠慢であり、早速、具体的な指針を検討し、各教育現場に下ろすべきだろう。

「とにかく、早くその場から離れたくて飛び出してしまったけれど、ホテルから110番すべきだった」という知識など、学校で教えない限り獲得することはない。

「政治と深く繋がっている人物を告発した時に、警察や司法が本当に守ってくれるのか」という不信は、いまや国民的なものだ。
警察や司法が恥じるばかりでなく、性犯罪をこれまで放置してきた怠慢を国会が恥じるべき問題である。

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