江戸が蘇る

今日はこれまでのメルマガとは趣を変えて、江戸と明治について書く。江戸と明治は、現在の政治状況を語るときに折に触れて出てくる。重要な概念である。なぜ重要なのか。さしあたって3点を指摘できる。

1 明治も江戸も、政治的にも文化的にも現在に生きている。

2 現在の日本の政治は長州汚職閥の政治である。

3 長州には李氏朝鮮の影響が深く影を落としている。

遅れた江戸に、開明の明治。そして「維新」という言葉自体がもつ洗脳力。これによって、明治は善であり、近代であり、文明開化ということになった。これは戊辰戦争に勝った薩長史観であり、司馬遼太郎や犬HKによって作られた史観だ。薩長にはそうしなければならない理由があったのである。

明治維新は、薩長の下級武士たちによって起こされたクーデターであった。それは革命ではなかった。だからかれらは維新後に政権をたらい回しにし、明治時代になんと14人の総理のうち、8人が長州人であった。

明治維新によって中央集権化され、長州汚職閥の政治が権力を握ることで、太平洋戦争敗戦後の日本の植民地が決まった。なぜなら長州汚職閥の政治(岸信介)は戦犯免責と売国を取引したからである。

現在は小選挙区比例代表並立制と内閣人事局によって、岸の孫のアホぼん三世こと安倍晋三が独裁を築いてしまった。日本は、米・朝支配の実質的な植民地になってしまった。

こう考えると、悪としての後れた江戸に、善としての開明の明治というのは、どうも捏造のようである。

江戸時代を知るのに、もっともいいのは、来訪した外国人の言説を辿ることである。驚くべきことは、外国人の国も年齢も性も違っても、一様に江戸の民度の高さに感嘆していることだ。

かれらの多くは母国で日本を紹介し、書物にもした。それを読んで日本に来る者もいたのだから、いい加減なことは書けなかったはずだ。それが絶賛に近い書き方をしている。

わたしたちには黒船でなじみのマシュー・カルブレイス・ペリーも、次のように日本を認識していた。

実際的および機械的な技術において、日本人は非常に器用であることが分かる。道具が粗末で、機械の知識も不完全であることを考えれば彼らの完璧な手工業技術は驚くべきものである。日本の職人の熟達の技は世界のどこの職人にも劣らず、人々の発明能力をもっと自由にのばせば、最も成功している工業国民にもいつまでも後れをとることはないだろう」(『ペリー提督日本遠征記』)

日本人の器用さ、その器用さから生まれる「完璧な手工業技術」。それにペリーは驚いている。「日本の職人の熟達の技は世界のどこの職人にも劣らず、人々の発明能力をもっと自由にのばせば、最も成功している工業国民にもいつまでも後れをとることはない」と断言していることは、さすがである。この江戸時代の徳川政権のままに、長州に任せずに進んだ方が日本は幸せだったのである。少なくとも長州の暴力主義と対外膨張策による日清、日露、大東亜戦争はなかっただろう。

またペリーは、江戸の教育の高さにも驚嘆していた。

下田でも函館でも印刷所を見かけなかったが、本は店頭に並んでいた。たいていは安価な初歩的実用書、通俗物語や小説だった。人々は全般的に読み方を習っており、情報収集に熱心なので、明らかに本の需要は大きかった。(同書)

アジアにやってきて、本屋を見つけたことは衝撃だったにちがいない。なぜならそれは庶民が本を読めることを物語るからだ。「人々は全般的に読み方を習っており、情報収集に熱心なので、明らかに本の需要は大きかった」と冷静に書いているが、心中穏やかではなかったはずだ。それはこれから交渉する幕閣の見識の高さを予想させるからだ。さらには日本を植民地化することの困難さを物語るからだ。

本といえばこのような証言もある。デンマークの海軍士官のエドゥアルド・スエンソンは幕末に日本にやってきた。そして見聞録を書き上げた。

(日本の 注 : 兵頭)科学の分野が幼児期の段階にあるなどとは決していえない。ひとつには日本人自身の努力のおかげで、またオランダ人によって日本へもたらされ、日本語に翻訳された数多くの西洋科学書に関する知識がそなわっていたことが理由としてあげられる。

私の日本滞在中、あるフランスの将校が江戸の本屋で、ナポレオン一世に関する詳しい書物を発見した。それはオランダ語から翻訳され、うまく活写された皇帝の肖像で飾られていたという」(『江戸幕末滞在記』)

日本人には「オランダ人によって日本へもたらされ、日本語に翻訳された数多くの西洋科学書に関する知識がそなわっていた」。もっとも驚くのは、「私の日本滞在中、あるフランスの将校が江戸の本屋で、ナポレオン一世に関する詳しい書物を発見した」という証言だ。オランダ語から日本語に翻訳された書物だった。

これは日本人の、外国への好奇心の強さと、ある程度の外国情報を得ていたことを物語る。鎖国といっても、武士はもちろん庶民までもがある程度、外国の事情まで知っていたのである。

日本人が情報に敏感なこと、熱心なことは、いろんな外国人が書いている。その前提の識字率が江戸で8割ほどもあり、武士たちに限れば10割だった。文武両道といって、武は文(知性)と一体のものと考えられていたのである。

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トップが反国家の島

窓を開けていると、室温が27度から28度。ほどよい温度だ。秋になったのだと思う。

夏の終焉で、昨年と違ったのは、蝉の鳴き声がピタリと止まった日に気付かなかったことだ。昨年は何かを懐かしむように外に出てまで確かめた。今年は蝉の終わりの日に気付かぬまま、秋に接することとなった。

自民党は少数支配の政党である。野党がもっと賢く、ヘタレでなかったら前回の衆議院選挙で下野していた政党だ。それも偶然権力を維持しているのか、必然の産物なのか、不思議な政党である。

自民党は、宗主国の日本支部として、日本支配のために作られた。だからトップは反日を宿命づけられている。その強度において長期政権を保証される。アホぼん三世の9年という長さは、かつて日本に存在したことのない、異様な売国政権であることを物語るものだ。

アホぼん三世は、その自民党員のなかでも少数支配の権力者である。何とも愚かしいシステムのなかで、日本国民はどんどん貧困に追いやられている。アホぼん三世は、メディアがまともだったら、とっくに倒れている政権だ。あるいは地検がしっかりしていたら、すでに逮捕されていた政治家である。

それが三選を果たした。三選とは9年間の超長期政権ということだ。それがプーチンや習近平ほどのスケールをもっていて、国民を幸せにしてくれるリーダーだったら、わたしは文句はいわない。しかし、アホぼん三世がバカであることは、もはや世界的に定着した月旦だ。それはロシアの新聞が、総裁選の後に「無敵のアホ」と嘲笑したことでもわかる。

他の国だったら見られない現実が日本で起きている。バカに9年間の政権を与える。それはそれほど日本の政治民度が低いということだ。国民ばかりではない。政治家も官僚もメディアも低いのである。

総裁選のあとにこんなツイートが目についた。

総ての自公議員にモリカケ疑惑の怒りを!

総裁選。国会議員の公認権と人事差別を、一方の陣営だけが握り込んでいる時点でフェアな選挙ではなかった。そうした中で徹底的に避けられた論戦と、安倍有利だけを囃し立てるメディア。こうした不公平な状況を考えれば、石破が安倍を上回る存在感を得たのは僥倖。安倍の大敗北と言って差し支えない。

Dr.サキ

「石破氏が次の総裁選に出られないくらいに徹底的に惨敗させる」安倍氏がそのような思いを秘めていることは何人もの側近が口にした。再選ではなく石破氏の政治生命を絶たせる程の圧倒的勝利が安倍陣営の目標だった。結果は石破氏は想像以上に大善戦した。安倍陣営の大誤算。

飯塚盛康/デイーセントワークへの扉

安倍氏は、総裁選後の記者会見で「6年前の総裁選の2.5倍、35万票を上回る得票をいただくことができました」と言ったが、前回は5人が立候補したのだから、得票数が増えるのは決まってる。この人は、こんなふうに数字は正しいが、背景を語らないというズルさを持っている。ヒトラーの手口だ。

国家国政の私物化、縁故主義と人治主義、陰湿な秘密警察の文化、ファンタジー化する史実、「干す」「冷遇」といった「九族皆殺し」の政争、格差社会容認という点で、李氏朝鮮とアホぼん三世の奴隷政治は共通している。これはまた、長州汚職閥の政治とも重なるものだ。

たとえば明治時代の長州政治を見てみると、露骨なほどの私物化をみることができる。

長州の国家私物化の一例として明治の歴代総理を順に見てみよう。

1 伊藤博文(山口
2 黒田清隆(鹿児島)
3 山縣有朋(山口
4 松方正義(鹿児島)
5 伊藤博文(山口
6 松方正義(鹿児島)
7 伊藤博文(山口
8 大隈重信(佐賀)
9 山縣有朋(山口
10 伊藤博文(山口
11 桂太郎(山口
12 西園寺公望(京都)
13 桂太郎(山口
14 西園寺公望(京都)

なんと14人の総理のうち、8人が長州である。

これが明治維新は革命ではなく、また開明の近代でもなく、単なる私欲の権力闘争であったことを証明している。戊辰戦争を闘った奥羽越列藩同盟の姿はどこにもない。

また、長州政権は長いのも、その特徴のひとつである。伊藤博文などは、その回数もさることながら、第二次伊藤政権では4年ほども政権についている。そう考えると、アホぼん三世の9年という長さは、明治にもなかった異様な長さであり、自民党の腐敗と劣化によって可能になった長さだ。また、バカしか日本の総理にはしないという宗主国のお眼鏡にかなったのであろう。

ロシアの新聞からアホぼん三世は「無敵のアホ」とバカにされたが、わたしたちは、世界史的に見てもきわめて異様な政治状況のもとに暮らしている。政権が日本民族をいじめ抜く反日であり、日本破壊を繰り返す反国家の政権なのだ。

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戊辰戦争と原発

こんなツイートが目についた。

asuka

中国大使館が自国民の救出にバス手配した事に対して、なんと日本人は「関西空港から自国民だけ脱出させやがって」と怒ったのですか…まぁ 台湾人の人達の事でデマが広がった様ですが、いい加減に気がつけよ。日本政府は、日本国民の事なんかどうでも良いのです! 自己責任なんだよ。

2017年の診療のまとめ。『新ヒバクシャ』に『能力減退症』が始まっている! 患者さんたちの体調の変化に気付き、首都圏住民を中心に約4000人の検査、診療を行ってきた。(1)記憶力の低下 (2)疲れやすさ (3)集中力、判断力、理解力の低下 (4)コントロールできない眠気 (5)病原菌に対する防御力の低下。

台風が関西に、地震が北海道に深刻な被害を与えた。まだお花畑の日本人は気象兵器や人工地震を知らない人が多い。もしかすると永田町でも半分ほどは知らないのかもしれない。知っている者たちは黙っている。それは操作の主体が、もし喋れば自分の政治生命を奪えるほどに力をもっているからだろう。

アホぼん三世こと安倍晋三の政権になってから、政治が国民を助けなくなった。幸せになるのは1%だけでよく、99%はそのための使い捨ての奴隷として扱われている。アホノミクスのトリクルダウンも、最初からただ1%をさらに富ませるための方便だった。富の再配分は行われなかった。今後も行われることはないだろう。要は最初からだましだったのである。

東京シロアリンピックも儲けるのは1%のシロアリたちであるが、これは99%をボランティアとして「ただボラ」させるというから露骨である。

自然災害も基本は新自由主義の自己責任になってきた。国が乗り出さないのは、99%にカネを使いたくないからだ。税金は自分たちのものだと勘違いしていて、貧乏人や被災者、社会的弱者のためには使いたくないのである。

ただ、福島第1原発の呪いは、1%も99%も分け隔てなく襲ってくる。結局、思考力を犯されて、この島は終わることになるのかもしれない。

今日のメルマガでは、その原発と明治維新以来の長州汚職閥の政治との絡みについて書く。

実は二日前にこのテーマは有料メルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』で採り上げた。とても関心を持たれたようなので、再度、採り上げることにする。

明治維新に対して、わたしたちは間違った教育を受けている。それは勝てば官軍の官軍史観であり、とりわけ長州史観である。それを司馬遼太郎が文学的に美化した。それを犬HKがさらに虚構化して国民を洗脳した。それでわたしたちは遅れて封建的な江戸と、開明的で近代的な明治という二項対立で江戸と明治を認識してしまったのである。学校教育もまたそういうものだった。

原田伊織は『明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』のなかで書いていた。

テロリストの多くは、「会津」を正しく「あいづ」と読めなかったという。天下の親藩の名さえも読めず、それがどこにあるかも分からぬ者が多くいたのだ。彼らはそういう知的レベルの集団であった。つまり、正真の武家集団ではなかったのである。そういう輩(やから)が、訳も分からず「攘夷!」を叫び、自らを正義の「志士」と自称し、「天誅」と称して殺戮の限りを尽くしたのである。

これは長州の末裔アホぼん三世が、「云々」を「でんでん」と誤読し、官僚や側近の作った答弁書の類いにすべてルビを付させる現実と酷似している。この知的レベルで、しかも保守でも右翼ですらない集団が、現在、わけもわからず改憲に走り、戦争に向かっている。

森田健司は、「戦い(戊辰戦争 注 : 兵頭)が終わった後、城下には会津の人々の遺体が散乱していた。しかし新政府軍は、遺体の埋葬を強く禁じた。そのため、遺体は野犬に喰われ、烏に啄(ついば)まれ、最低限の尊厳さえ奪われた上で朽ちていった」(『明治維新という幻想ー暴虐の限りを尽くした新政府軍の実像』)と書いている。これが新政府軍が会津軍に対しておこなった戦勝者としての仕打ちだった。

このならず者を多く含んだ新政府軍の残虐行為、無差別殺人に対して、戊辰戦争中の1868年(慶応4年/明治元年)5月6日に奥羽越列藩同盟(おううえつれっぱんどうめい)が成立した。

それは、陸奥国(奥州 陸奥は現在の福島県宮城県、岩手県、青森県、秋田県の一部)、出羽国(羽州 山形県、秋田県)、蝦夷地(北海道)、越後国(越州 越前:福井県から石川県 越中:富山県 越後:新潟県)の諸藩が、新政府軍に対して立ち上がったものである。

その戦いは品格があり、それゆえに悲しいものだった。

森田健司は同著のなかで、こうも書いていた。

新政府軍は道徳的水準が極めて低く、会津戦争の際などは、会津の女性に恥辱の限りを尽くしたことが語り継がれているが、庄内軍は、この真逆だった。略奪や暴行を一切許さず、幹部は兵士を厳しい軍規で律していた。特に、非戦闘員の人命は、何より尊重するところだった。

玄蕃(酒井玄蕃 注 : 兵頭)は、この庄内軍を象徴する有徳の士だったとされる。戦闘となると、まさに「鬼」と化すが、それが終わると、わずかな休息時間を使って、彼は詩作に勤(いそ)しんだ。非常時であろうとも、文化的であることをやめなかったのである。

酒井玄蕃は敵の亡骸も手厚く葬り、墓標まで建てたといわれる。敵兵の亡骸に対して、埋葬を禁じ、野犬や烏の餌食にした新政府軍と比べるとき、その品格の違いは決定的だった。

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確かに、わたしはテレビなど晴れがましい舞台には出ておりません。

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長州汚職閥の政治と原発

福島第1原発が破壊されたのは、2011年(平成23年)の3月11日だった。もうそれから7年半ほど経つ。この時間を長いと感じるか短いと感じるかは個人差があろう。

わたしはとても短く感じる。まるで昨日のようだ。いや昨日という感じすらしない。ずっとこの日から夜は来ず、日は明けたままだ。

この事件のことを日本人は軽く考えすぎる。それは廃炉費用を含めて経済的な地獄を何十万年にわたって強いられるばかりではない。健康被害は民族の存続を危うくするレベルのものだ。この国の為政者はそれもあって移民大国として180度の転換を謀ったのである。自分たちが支配者でいさえすれば、99%はネイティブの日本人でなくてもかまわないのだ。

今日のメルマガでは、フィリップ・パトー・セレリエの書いたルポルタージュ「福島原発事故から7年——日常になりつつある悲劇」(ル・モンド・ディプロマティーク 仏語版2018年4月号)を切り口に福島第1原発破壊の現在を考える。これまでとは違って、明治維新との絡みで原発を考えてみたい。

(フィリップ・パトー・セレリエはジャーナリスト、この文章の訳は川端聡子が手がけている。[訳注1]などの表現は兵頭の方で割愛して引用してある)

北海道は19世紀に日本人[和人]によって征服されたが、そこには先住民のアイヌが住んでおり、本州でもっとも広い面積を有する東北地方も彼らの土地だった。東北地方は長いあいだ世界の果てのようにみなされ、皇居のある都(かつては京都、今日では東京)から軽蔑を持って寒冷な辺境と位置付けられていた。古くは「みちのく」(道を越えた奥深くにある地)と呼ばれた東北地方は、権力の中枢から遠く離れ、蛮夷(未開の人々)やつまはじき者、あるいは山形県の寒さ厳しい山中を遍歴する山伏のような修験者しか住むことのない地域だと考えられていた。

原発のお伽噺

1960年代以降、国はこの東北地方にいくつもの原発を建設しようと考えた。[そこでつくられる電気の]主たる利用者は首都に住む人たちではあったが、それは地元住民に文字通り、また象徴的な意味でも光をもたらすものだった。東京とその近郊都市(人口およそ4000万人)にしてみれば、開発の進んでいない広大な東北(約6万7000平方メートル)は、その[原発建設という]厄介ごとを受け入れるのにふさわしい、ありがたい存在だった。高校・大学を卒業した福島の若者は、漁業や農業、そして発展途上にある旅行業以外に仕事を求めて地元を離れるのがほとんどという状況だったのだ。

東北6県は、天から降ってきたこの原発という利益を奪いあった。本州最北端に建設された六ヶ所原子核燃料サイクル施設もまたそうだった。この施設にはウラン濃縮工場、放射性廃棄物貯蔵管理センターそして再処理工場が収容され、再処理工場についてはラ・アーグ[フランス北西部にある再処理工場]の技術をモデルにフランスのアレヴァ社より協力を得ている。事業指定申請からほぼ30年が経ち、今年[2018年]1月で設備投資額は160億ユーロを越え、施設の完成は23回延期されている。この工場は2021年に稼働が予定され、その翌年には、極めて異論の多いMOX燃料(使用済み燃料の一部を再利用した二酸化プルトニウムと二酸化ウランの化合物)製造施設が完成する予定だ。

全国的にみて原発に重要な河川・水路網が不足しているため、原子炉の冷却に適した海岸部を擁する福島県は、福島市、大熊町や双葉町などの自治体の後押しを受け、候補地に手を挙げた。東京から北東に225キロメートルという距離も、電力供給に優れた立地条件とされた。こうして6基の原発が1967~1979年に次々と建設された。誰もが福島第一原発のことを考え、もはや作家の谷崎潤一郎がたたえた「陰影」のことなど人々の頭の中から消えてしまった。複合的かつ重要な国家的支援(補助金交付、税金の優遇措置など)が電力のお伽噺によってもたらされ、地域経済を潤した。市長や市議はこの巨額な予算の恩恵を享受し、選挙での得票へとつながる人気取りの材料になった。福島駅の正面には威圧的な「TEPCO」(原発運営会社である東京電力の略称)の文字が見える」(「福島原発事故から7年——日常になりつつある悲劇」

いまの日本に起きていることは、外国人の書いたものの方がわかりやすいし、深いものがある。とくに政権が隠そうとしているもの、象徴的には原発がそうだ。

フィリップ・パトー・セレリエのルポルタージュが優れているのは、原発と、日本における東北という土地柄のもつ意味に踏み込んでいることだ。こういうのは、日本人の場合、東北に遠慮して、書くことは滅多にない。また編集者もいろいろと計算して書かせないだろう。

「東北地方は長いあいだ世界の果てのようにみなされ、皇居のある都(かつては京都、今日では東京)から軽蔑を持って寒冷な辺境と位置付けられていた。古くは「みちのく」(道を越えた奥深くにある地)と呼ばれた東北地方は、権力の中枢から遠く離れ、蛮夷(未開の人々)やつまはじき者、あるいは山形県の寒さ厳しい山中を遍歴する山伏のような修験者しか住むことのない地域だと考えられていた」。だから原発のニンジンをぶら下げられて飛びついたと言う認識は、まだ浅い。東北の原発はけっして善意のプレゼントではなかったからだ。

それなのに「東北6県は、天から降ってきたこの原発という利益を奪いあった。本州最北端に建設された六ヶ所原子核燃料サイクル施設もまたそうだった」。明治も江戸もまだ生きている。この認識が何よりも重要なのだ。とりわけ暴力によるクーデターで政権を幕府から奪い取った長州汚職閥の政治が、現在も理想を明治維新においていることでも、江戸と明治は重要なのである。明治、大正、昭和、平成と区切ることには、あまり意味はない。江戸から現代までは、貫かれている政治の一本の線がある。それが長州汚職閥の政治である。

明治維新以後、長州汚職閥の政治は、幕府側についた藩に対して徹底した弾圧を加えた。朝敵・賊軍とされたのは、次の6藩である。( )内は、現在に長州によって持ち越された厄災である。

1 会津藩(現在の福島県。福島第1原発とその破壊。計6基の原発)

2 桑名藩(現在の三重県。原発を押しつけられそうになったが、反対運動が強力で現在は中止されている)

3 高松藩(現在の香川県 四国電力の原子力本部は香川県高松市の本店内にある。伊方原発の管理・運転計画をやっている)

4 伊予松山藩(愛媛県 伊方原発 加計の獣医学部)

5 備中松山藩(岡山県 加計の本部 岡山理科大学 倉敷芸術科学大学など)

6 大多喜藩(千葉県 千葉科学大学)

以上であるが、原発がまるで懲らしめの武器のように設置されていることに一驚する。また、長州のアホぼん三世の腹心の友・加計孝太郎が、経営する学校を、明治以来、長州の敵として弾圧されてきた県に、まるで狙ったかのように進出していることにも驚かされる。

このほか、奥羽越列藩同盟(おううえつれっぱんどうめい 戊辰戦争中の1868年(慶応4年 明治元年)5月6日に成立した同盟。陸奥国(奥州)・出羽国(羽州)・蝦夷地(北海道)・越後国(越州)の諸藩が、薩長の新政府の弾圧に抵抗して結成された)の諸藩には、蝦夷地(北海道)には泊原発、越後国(越州)は新潟、福井などだけでもまさに原発が林立している。

明治も江戸も昨日のことなのだ。さまざまな利権、怨念はそのまま現在に生きている。軍事クーデターを起こした薩長の官賊の末裔たちと提灯持ちは、戊辰戦争の敵たちの地へ原発を設置した。その象徴として狙われたのが、会津(6基の原発)である。会津だけではない。戊辰戦争後、敗北した会津藩主松平容保(まつだいらかたもり)の嫡子・松平容大(まつだいらかたひろ)が流された斗南藩(となみ 現在の青森県東部)には、現在、六ヶ所村の再処理施設がある。まさに原発は悪魔の放つ刺客なのだ。

また、新政府に対して、西郷隆盛を中心に西南戦争で逆らった薩摩(鹿児島県)にも、江藤新平を中心に佐賀の乱を起こした佐賀(佐賀県)にも、懲罰としての原発が建てられている。

例外的な土地もあるが、ほぼ明治の長州汚職閥の政治に逆らった土地に、あるいは徳川親藩の土地に原発が懲罰として建設されていると思ってまちがいない。

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この『試行』自体が、そのような問題意識に貫かれた同人誌でした。
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政治による防衛戦略が重要(2)

こんなツイートがあった。まずアホぼん三世こと安倍晋三が無知を武器にツイートし、それへの反応がとても鋭い。

安倍晋三

我が胸の燃ゆる思ひにくらぶれば煙はうすし桜島山

筑前の志士、平野国臣の短歌です。大きな歴史の転換点を迎える中、日本の明日を切り拓いて参ります。

大神@肉球新党

「薩長で新たな時代を切り開いていきたい」と言った安倍首相が、薩摩の志の低さを嘆いた平野国臣の歌を持ち出すとか何のギャグですか。その歌は「私の燃えるような思いに比べて、薩摩は何て冷淡なんだろう」って内容だぞ。

内田樹

誰かスピーチライターが書いたんでしょうけれど、それを校閲して「これ、ちょっとまずいんじゃないですか」と言える人間が官邸まわりに一人もいないということの方が絶望的だと思います。この政権の中枢部は「教養がない」というより「教養が嫌い」な人たちで埋め尽くされているようです。

ファシズムというのは古今東西、教養が嫌いな人たちで作られていく。少しでも教養が好きだったら、とてもバカバカしくてファシズムなどにのめり込めないだろう。

それにしても恥ずかしい首相である。これが長期政権に及んでいる。その過程でさまざまなことが露出してきた。

明治維新で長州が作ったのは、権力を金儲けに使う「長州汚職閥」である。その悪しき伝統をアホぼん三世が引き継ぎ、日本破壊に邁進している。これは観念であるが、さらにその底流に血として怨念の李氏朝鮮があり、自民党清和会(統一教会)を使って李氏朝鮮型の奴隷社会を目指している。李氏朝鮮と長州汚職閥の政治。これが一体化しているので、日本の地獄は、アホぼん三世が権力に留まる限り、どんどん深まっていく。

前号で、エリック・ヘジンボサムとリチャード・サミュエルズの共同執筆である「日本の新しい防衛戦略―― 前方防衛から「積極的拒否戦略」へのシフトを」を採り上げた。投稿時間が来たので、やむなく筆をおいたが、今回、残りの部分を採り上げる。そして日曜日の号外(9月2日)では日本における移民問題の深層を書くつもりである。

(エリック・ヘジンボサムは、マサチューセッツ工科大学国際研究センター 首席リサーチサイエンティスト

リチャード・サミュエルズは、マサチューセッツ工科大学教授(政治学))

冷戦初期の日本は「盾と槍の戦略」をとった。これは、米軍(槍)が到着するまで、自衛隊(盾)が持ち堪え、侵略国を苦しめることを前提とする戦略だった。
1970年代に、日本は前方防衛戦略を重視し始めた。冷戦が終わる頃までには、世界有数の防衛予算をもつようになった日本は、直接的軍事対決という状況下のいかなる潜在的侵略国にも対峙できるような、大型の軍艦、充実した基地を拠点とする大規模な航空部隊など、伝統的な機動戦力の維持に投資するようになった。

2010年に(戦力の存在そのものよりも活動量を重視した)動的防衛力(dynamic defense concept)を採用しつつも、日本はいまも前方防衛戦略を重視している。実際、潜在的な敵対勢力が東シナ海の島嶼を占領した場合に、直ちに反撃策をとる戦略をとり、コストのかかる水陸両用戦の能力を整備することで、前方防衛戦略に実質的にかけている。

前方防衛戦略は、日本が潜在的な侵略国に対して五分かそれ以上の見込みでうまく対応できると想定できた冷戦期、あるいは冷戦終結直後の国際環境においては合理的だったかもしれない。しかし、中国の台頭で、すでにこの前提は崩されている。中国の長距離精密攻撃能力は、日本の防衛インフラにとって深刻な脅威を作り出し、自衛隊の部隊もある程度脅かしている。

尖閣諸島や琉球諸島南部での侵略行動に迅速な対抗策をとれば、日本は壊滅的な敗北を喫する恐れがあり、政府が戦闘を続ける意思と能力を失う恐れがある。一方、ミサイル防衛システムはハイコストであるだけでなく、このシステムで信頼できる、隙のない解決策を期待できると考えるのは無理がある。(『Foreign Affairs Report』2018 NO.9)

エリック・ヘジンボサムとリチャード・サミュエルズは、日本の前方防衛戦略は、「尖閣諸島や琉球諸島南部での侵略行動に迅速な対抗策をとれば、日本は壊滅的な敗北を喫する恐れがあり、政府が戦闘を続ける意思と能力を失う恐れがある」。ここでは、日本の政治家、国民とは違って、どこにも支援する米軍のことは書かれていない。前号で説明したように、島嶼での戦闘は自衛隊のみでやることを、自民党は米国に承諾させられているからだ。

尖閣諸島や琉球諸島南部での戦争で日本が壊滅的な敗北を喫すると、米国は困るのである。なぜなら中国の日本本土上陸となって、こうなると米国の同盟国に対する約束のすべてが世界中から検証されることになる。

もし米議会が中国との核戦争を拒否すれば、米国との安全保障など意味がないことを世界が知ることになる。

膨大な税金を米軍駐留に払ってきた意味は、まったくなかったことになる。

米国は、本音では日本を純粋に植民地と見ている。植民地に米軍の維持費用を肩代わりさせているのである。したがって尖閣諸島で日中が軍事衝突すると、その本音が白日の下にさらけ出されることになる。

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