ロシア制裁の失敗

3月17日に、プーチンは、シリアで殊勲を立てた軍人と専門家たちに国家賞を授与した。その席でシリアにおける軍事作戦は、シリアの合法政権、シリア大統領の依頼によってなされたと語った。

プーチン演説の要点は以下のとおりだ。

1 シリアにおけるロシア軍事作戦の主な目的は、グローバルな恐ろしい悪を食い止めることであり、テロリズムをロシアへ移動させることではない。

2 ロシアの軍人たちの行動は、状況を根本的に変えた。テロリストのアジト、かれらの武器・弾薬庫が破壊され、テロリストの石油の密輸ルートが遮断された。

3 ロシアは、シリアの合法政権と国家体制を強化し、シリア軍を強化した。

4 ロシアは、和平プロセスを開始するための条件をつくった。

5 有事の際には数時間で在シリア部隊を拡大できる。

6 今後もシリアの合法政権への支援を続ける。

7 ロシアのMDは、ロシアの軍人たちにとって脅威とみなすあらゆる標的に対して使用されることを、全てのパートナーに警告済みである。(「ロシアの軍事作戦はシリアの平和への道を開いた」『Sputnik日本』3月20日)

以上であるが、実はここに米国のロシア制裁の失敗が如実に表れているのである。もともと米国の包括的な経済制裁に遭って、弱っている国なら、シリアまで軍隊を出して対テロ戦争に乗り出したりはしない。少なくとも政治的軍事的には、ロシアはまったく米国に対して引いてはいないのである。

このプーチンの強気の背景には何があるのだろうか。また、米国のどんな失敗を、わたしたちに教えているのだろうか。

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エマ・アシュフォードは、「対ロシア経済制裁の失敗を認めよ」のなかで、次のように書いている。
(エマ・アシュフォードは、ケイトー研究所客員研究員。専門はロシア、サウジ、ベネズエラ、イラクを含む産油国の政治)

ロシアに政策変更を強いるという、最大の目的に照らせば経済制裁は完全に失敗だった。ロシアはウクライナから手を引いていないし、近く手を引くとも思えない。むしろ制裁は、アメリカの経済的利益や地政学的利益にもダメージを与えている。

ウクライナ危機を解決し、ロシアの無謀な行動を抑止したいのなら、欧米の指導者たちは、効果のない制裁中心のアプローチを捨てて、ウクライナ経済の支援や、ロシア軍の近代化阻止、ヨーロッパのロシアエネルギーへの依存率を低下させるための措置をとるべきだろう」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.3)

ロシアへの経済制裁には、日本も荷担している。米国が失敗だったように日本も必然的に失敗だった。それも日本の方が米国より政治的コストは高くついた。安倍晋三は、すでに決まっていたプーチンの訪日さえ延期させられてしまった。これでロシアには、日本が米国の傀儡国家であることが明確にわかった。

日本が払った代償は大きい。なぜなら米国覇権と対峙するロシアにとって、日本が米国のいうなりになるということは、軍事的な危険性を意味しているからだ。これで北方四島の返還は、交渉自体が消えたも同じである。

最近になって、安倍晋三はロシアとの関係改善に鈴木宗男を使おうとしている。しかし、その程度のことで打開される甘いものではないだろう。自分の考えをもたない、膨大な米軍基地を駐留させる米国の傀儡国家が、極東に存在していて、いざとなったら米国に常に付きしたがうということをロシアは見てしまった。

これで北方四島は、軍事的カードに変質したため、返還はほぼなくなったと見た方がいい。

日本は、意味のないロシア制裁にいつまでも関わることをやめるべきだ。米国のロシア制裁をやめさせ、北方四島返還交渉にロシアをつかせるべきである。

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エマ・アシュフォードは、同じ論文でこうも述べている。

「そんなはずではなかった。現在の限定的制裁は、1990年代にイラクに対して行われた包括的制裁への反省を基盤としている。当時の包括的制裁は、皮肉にもサダム・フセイン体制を潤し、市民の暮らしに打撃を与えた。

こうした教訓を踏まえて、ワシントンは、対ロ貿易を全面的に禁止するのではなく、特定の政治家と企業だけを対象に資産凍結と金融取引の制限を課した。

(中略)

実際には、経済制裁はアメリカとヨーロッパの同盟国の政治経済に、大きなコストを強いている。

その最大の被害者はヨーロッパだ。欧州委員会は、2015年の欧州連合(EU)の国内総生産(GDP)は、対ロ制裁によって0.3%縮小するとの見方を示している。オーストリア経済研究所(WIFO)によれば、対ロ制裁が続けば、今後数年間で900億ユーロ超の輸出収益、200万を超える雇用が失われる危険がある。

特に大きなダメージを受けているのは、ロシアとの貿易関係が大きかった諸国だ。ヨーロッパ最大のロシアの貿易パートナーだったドイツでは40万近くの雇用が失われる恐れがある。

また、フランスのソシエテ・ジェネラルやオーストリアのライファイゼン銀行など、ロシア企業に多額の融資をしている多くの銀行は、制裁によって経営難に陥る懸念が高まっている。ロシアの借り手がデフォルトに陥れば、これらヨーロッパの銀行が政府に救済を求める可能性もある」

ここで「1990年代にイラクに対して行われた包括的制裁への反省」というくだりは関心を惹かれる。それは、「包括的制裁が、皮肉にもサダム・フセイン体制を潤し、市民の暮らしに打撃を与えた」という反省だった。

それで、ワシントンが採った手法は、「対ロ貿易を全面的に禁止するのではなく、特定の政治家と企業だけを対象に資産凍結と金融取引の制限を課」すというものだった。

しかし、この手法もうまくいかなかった。イラク制裁と同様に、米国とその同盟国に大きなコストを支払わせている。問題はそのことが世界の共通認識になってしまったことだ。米国に逆らえば包括的制裁が加えられる。しかし、それはそれほど効果を生まない、という共通認識だ。

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オーストリアでは200万を超える雇用が失われ、ドイツも40万近くの雇用が失われるというから、この制裁政治は間違っているのだ。また、ロシア企業に多額の融資をしている西側銀行には、制裁による経営難に陥る懸念が高まっているというから、逆効果だったわけだ。

しかも包括的制裁が逆効果を生むと知られただけではなく、世界は次第に米国の包括的制裁への免疫措置を講じ始めた。それはBRICSの設置やドル建て貿易の変更などである。ますます米国の包括的制裁は実効性を失いつつある。

しかも冒頭に挙げた、3月17日のプーチン演説では、ロシアのシリアにおける軍事作戦は、シリアの合法政権、シリア大統領の依頼によってなされたと、プーチンは語っている。米国に包括的制裁を加えられたロシアに、軍事作戦を依頼する国がいるのだ。これほど米国の凋落を物語るものはない。

しかも演説で、プーチンは、シリアにおけるロシア行動の主な目的は、グローバルな恐ろしい悪を食い止めることであり、ロシアは、シリアの合法政権と国家体制を強化し、シリア軍を強化したとまで堂々と語っている。

プーチンは正義を体現しているのだ。ここには、米国の制裁の影響など何もない。

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「ブロック政治」と米中ロ

世界は米中ロ三国関係をめぐって展開している。この構造はしばらく変わらないだろう。

米国のデフォルトは時間の問題になっている。しかし、それによって米国がG7から外されたり、二流三流国に転落することはありえない。いずれ体勢を立て直すことになると思われる。ただ、そのプロセスで、ワン・ワールド政府の樹立に向けて、内戦に近い騒乱が起きるかもしれない。

米国と、日本のような実質的な植民地、傀儡政権との支配関係は、変わらないだろう。日本の官僚・政治家が堕落しているからだ。

ただ、米国のデフォルトによって、相対的に中ロが世界の政治・経済の両面において指導的な位置を占めることになろう。

また、ドイツ・英国が米国のくびきから脱し、自立を強めることになるだろう。

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傅瑩(中国外交部副部長)は、「中国とロシアの関係 ―― 中国がロシアとの同盟を模索しない理由」のなかで、次のように書いている。

北京は、国内経済と社会整備に今後長期的に焦点を合わせていかなければならず、国内の課題に専念するためにも、安定した平和な国際環境が維持されることを重視している。中国は自国の利益を守ることを決意しており、挑発、領土主権の侵害、そして自国の権利と利益を脅かす脅威には毅然と対応して行くが、主要な目的は地域環境の平和と安定を維持することにある。

中国はグローバル化した世界への統合を深めていくだけでなく、国際秩序、アジア太平洋の地域秩序を守ることにコミットしている。

(中略)

もちろん、北京とワシントンは、今後も南シナ海、台湾、人権、貿易政策その他をめぐって立場の違いを埋められないかもしれない。特に、2011年にワシントンがアジア重視路線を発表して以降、中国はアメリカのアジア太平洋における軍事同盟の行方を警戒しつつ見守っている。

アメリカの地域同盟国の一部は、中国の領土主権を脅かす領有権を主張し、海洋主権を犯し、ワシントンに取り入り、自国と中国の領土論争にアメリカを巻き込んでいる。これは、冷戦期の東西ブロック対立を思わせる危険なやり方だ。

中国その他の研究者のなかには、「アメリカがアジア太平洋地域でブロック政治を展開するつもりなら、中国とロシアは独自のブロックを形成することで対抗すべきだ」と考える者もいる。だが中国の指導層は、そうした議論を受け入れていない。

中国が政治ブロックや同盟、そして自国の政治文化にフイットするアレジメントを模索することはありえない。中国とロシアは、同盟を形成するのではなく、パートナーシップの原則を擁護して行くだろう。

中国とアメリカについては、新しい大国間関係のモデルを模索し、対話と協調を続け、立場の違いを管理していくことに努めることになるだろう」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.1)

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「北京は、国内経済と社会整備に今後長期的に焦点を合わせていかなければならず、国内の課題に専念するためにも、安定した平和な国際環境が維持されることを重視している」というのは、中国の国家戦略からきている。

中国のGDPは2020年までに斜陽の米国と並ぶといわれている。これは米国がデフォルトに至らず、このまま状態で移行した場合の話だ。

米国が青息吐息の状況で、中国が戦争に向かう戦略を選択するはずがない。少なくとも米国との関係においては、平和と安定を望むというのは間違いない。

中国と米国は、「南シナ海、台湾、人権、貿易政策その他をめぐって立場の違いを埋められないかもしれない」としているが、そのなかに尖閣諸島が入っていない。米中にとって、東シナ海・尖閣は、すでに米中間の問題ですらなくなっている可能性が高い。つまり、安倍晋三の中国脅威論や御用メディアの反中国は、本気では相手にされていない。

この論文で注目すべきは、「ブロック」という視点を出していることだ。中国から見ると、米国と日本などの地域同盟国が、冷戦期のような「ブロック」を組んで、中国の領有権や海洋主権を犯していると見ている。

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これに対して「中国その他の研究者のなかには、「アメリカがアジア太平洋地域でブロック政治を展開するつもりなら、中国とロシアは独自のブロックを形成することで対抗すべきだ」と考える者もいる」という。今のところ、中国の指導層は、そうした議論を受け入れていない。

中国は、例えばロシアと「ブロック」を組んで同盟を形成するのではなく、パートナーシップを組んでやるのだという。米国との関係についても、「新しい大国間関係のモデルを模索し、対話と協調を続け、立場の違いを管理していくことに努める」という。

これは日本的な建前を語っているように聞こえるかもしれないが、そうなのではない。これが中国の国益に適っているのである。放っておいても米日ともデフォルト寸前で倒れかかっている。待てばいいだけになっているのだ。

ウクライナ紛争も、中ロを離反させることはなかった。中国は、ロシアとの関係で反米に走ることはないので、逆に米国との関係で反ロに走ることもないのだ。

「ブロック」を組まないというのは、中国の戦略的国益から来ている。国力は落ちてきているが、いずれ抜いてしまう米国と、ことを構えるのは愚かである。

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プーチンを読み切れない米国

ローマ教皇のフランシスコ1世が、昨年12月17日に、ミサに集まった多くの信者を前にして、次のように語った。

The Third Last War

現在の人類は、もはや末期的状況にあり、このままでは来年は見るも無残な有様となるでしょう

各地で戦争が続いています。世界は飢え、焼け焦げ、混沌へと向かっているのです。もはやクリスマスのお祝いなど、今年で最後になりそうです

平和への道が拓けない限り、日々増え続ける罪のない犠牲者たちのために涙を流さなければなりません。そして許しを請うのです。神やイエス様とともに涙を流すのです

真実は東京の大手(「記者クラブ」)メディアが語るものと勘違いされている日本で、第三次世界大戦といえば、まだトンデモ論や陰謀論の類いと見做される。しかし、日本とは違って、世界では何億の信者に影響を与える指導者のなかで、すでに差し迫った可能性として警戒されている。

トンデモ論や陰謀論は、与党と東京の大手(「記者クラブ」)メディアの方である。原発再稼働ひとつをとってもそれがわかる。

前号でも書いたように、今年の世界は、次の3点をめぐって展開する。

(1)プーチンがどのようにシリア問題を治めるか

(2)プーチンの中東政策に米国の新大統領がどのように切り込み、崩すか

(3)欧州の危機(ギリシャ問題、難民問題、英国のEUからの離脱など)をメルケルがどのように裁いていくか

大きく分けると、この3点を巡って展開する。

前回のメルマガでは、「(2)プーチンの中東政策に米国の新大統領がどのように切り込み、崩すか」を採り上げて、新大統領として米国の奥の院(イルミナティ)が推しているヒラリーを採り上げた。

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今日のメルマガでは、「(1)プーチンがどのようにシリア問題を治めるか」を考えてみる。ただ、今回は、米国から見たプーチンに絞って見る。その方が第三次世界大戦の前哨戦が透けて見えるからだ。

アンジェラ・ステントは、「プーチンの中東地政学戦略 ―― ロシアを新戦略へ駆り立てた反発と不満」のなかで、次のように書いている。
(アンジェラ・ステントは、ジョージタウン大学教授。政治学。同大学のユーラシア、ロシア、東ヨーロッパ研究センター所長)

オバマ大統領は、ロシアのことをもはや地域パワーに過ぎないとみているかもしれないが、シリアへの軍事介入が示唆するように、モスクワは「再びグローバルプレイヤーとして世界に受け入れられ、主要な国際的決定のすべてに参加したい」と考えている。

これは、任期を全うするまでのオバマ政権にとってだけでなく、アメリカの次期政権にとっても、頭の痛い問題になるだろう。

(中略)

アメリカが2016年の大統領選挙へと舵をとるなか、ワシントンはロシアにどう対処するかを決める上で二つの中核的課題に直面する。

一つは、シリアとウクライナにおけるロシアの目的を見極めること。もう一つは、ロシアの政治が指導者の意向に大きく左右されるだけに、プーチンとの関係をいかに管理していくかを特定することだ。米大統領選挙キャンペーンの政治圧力があるだけに、後者については特に難しい判断を迫られるだろう。

次期大統領がアメリカの利益をうまく包み込めるようなモスクワとの関係を望むのなら、核兵器や通常兵器の軍備管理問題のような、両国がともに取り組むべき分野に焦点を絞り込む必要がある。

ロシアを孤立させる政策を続けても、うまく機能しない。むしろ、次期政権は、アメリカの利益と価値が何であるかを明確にモスクワに伝える一方で、ポスト冷戦秩序を解体しようとするロシアの試みを、同盟諸国とともに阻止する必要がある」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.1)

シリア問題を考えるとき、体制側の米知識人が、おしなべて沈黙(無視)する三つの領域がある。

1点目。

『Sputnik日本』(2016年01月02日)が、「米元外交官「我々はまるで殺人民族、国内でも外国でも」」というタイトルで採り上げた次の視点が、最初の視点だ。

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「米国の元外交官で一連の国々の大使を務めた経験を持つダン・シムプソン氏は「米国が、武器取引を続け、戦争を引き起こしている間は、地上に平和は訪れない」と語った。

新聞「Pittsburgh Post-Gazette」は、「地球の平和?
 米国が武器取引を止め、戦争を始めている間は無理」というタイトルのシムプソン元大使の発言を掲載した。

記事の内容を抜粋して、以下お伝えする。

「2015年末の段階で、米国について述べるならば、次のような結論に達する。それは『我々は、まるで殺人民族だ。自分達の家の中でも。外国でも人を殺している』というものだ。

国内で、米政府は、規制することもなく武器を売らせ、その事は、教会や学校も含め、あらゆる場所での殺人行為を引き起こしている。一方国外で、米国人は、殺し屋とみなされている。

他の国々は、米国が自分達に己の意思を押し付けないよう、自分の神、あるいは神々に祈るしかない。彼らは、米国が、己の目から見て相応しい統治形態を、自分達の元で確立しようとしないよう、また爆弾を投下したり、指導者を殺害するために無人機を飛ばしたりするための口実として何らかの自分達の違反行為を利用したりしないよう、ただ祈るしかない。

イラクやアフガニスタンから、リビアまで米国により破壊され、イエメンは、米国の援助のもとサウジアラビアが破壊している。

外国人の大部分は、米国は、世界共同体に脅威をもたらす狂人のように思っている。

米国の所謂『同盟国』のいくつかは、殺人をよしとする我々の傾向をいくらか抑えようとするだけだ。例えば、英国がそうだ。

米国が、自分達の武器の巨大市場にしたいと欲しているインドが、米国とでなくロシアと関係を持つことをよしとするのも偶然ではない。

米国は、自分達の軍部隊を祖国に戻さなくてはならない。我々が、それをしないうちは、この地上に平和はない。

さあ米国よ、人殺しを止めようではないか!

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米国の奥の深いところは、このダン・シムプソンのような愛国の政治家が存在していて、警鐘を鳴らすことだ。「我々は、まるで殺人民族だ。自分達の家の中でも。外国でも人を殺している」「国外で、米国人は、殺し屋とみなされている」。シリア問題ばかりでなく、世界の紛争を考えるとき、体制側の米知識人が、沈黙する領域とはここである。加害者としての米国をほとんど無視する。

2点目。

シリアで、現在戦われているのは言葉の本来の意味において内戦などではない、ということを、知っていて沈黙(無視)する。それは、米国が、アサド政権打倒のために、カタール、サウジアラビア、トルコ、ISIS、FSA、アルカイダのシリア支部(ヌスラ戦線)などを使ってやらせている代理戦争である。

だからこそ世界は米国を嫌い、米国の良心的な政治家は、「我々は、まるで殺人民族だ」と嘆くのである。

これら現実認識を基本に据えない政治外交あるいは論文は、戦争を求めることはあっても、平和を求めない。

オバマがロシアに対してやったことで、取り返しのつかない失敗は、G8からプーチンを排除したことだ。これは、衆人環視のなかでプーチンに対して唾を吐きかけたに等しい暴挙であった。

「大統領は、ロシアのことをもはや地域パワーに過ぎないとみているかもしれないが、シリアへの軍事介入が示唆するように、モスクワは「再びグローバルプレイヤーとして世界に受け入れられ、主要な国際的決定のすべてに参加したい」と考えている」という認識を、オバマがもっているとは思えない。

期待するとしたら、米国の次期政権ということになろう。しかし、ブッシュやヒラリーといったネオコンが次期大統領になれば、オバマ以上の対ロ強硬路線をとるだろう。有力な次期大統領候補ヒラリーに関しては、トランプがミシシッピーの選挙演説で、「ヒラリー・クリントンがISをオバマと一緒に作ったんだ」と暴露している。

ここから前号のメルマガに引用した、ヒラリーのシリア国内への飛行禁止区域設定を考えると、ロシア機の排除とアサド政権打倒が結びつく。非常に危険な状況が出現することになる。

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反グローバリズムのポピュリズム

米国でポピュリストが暴れている。大統領候補のドナルド・トランプである。

(現代のポピュリズム)

(現代のポピュリズム)

かれは確かに、その場で大衆に人気を博しそうなテーマに集中してしゃべる。それが今のところ成功している。

「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」
「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む」
「メキシコは問題のある人間を(米国に)送り込んでいる。彼らは強姦犯だ」
(メキシコに対して)「国境に万里の長城を造る」
「彼(マケイン)は戦争の英雄ではない。私は捕虜にならなかった人が好きだ」「世界は俺を中心に回っているんだ!」
(グラハム議員(共和党)に対して)「ばか」「間抜け」
「おい! そんな小汚い子供より、俺を先に助けろ! 金ならいくらでもやるぞ!」
(共和党候補フィオリーナ氏に対してのコメント)「あの顔を見てみろよ。だれがあんな顔の奴に投票するってんだ?」
「移民なんかくそくらえ」

読んでいるうちに寂しくなる。ただ、メディアや国民の反応も計算したうえでのパフォーマンスなのである。

こんなこともいっているから紹介しておこう。

「日本人はウォール街でアメリカの会社を買い、ニューヨークで不動産を買っている。多分、マンハッタンを自分たちのものにしたいんだな。日本人と競り合っても勝てる見こみはない。どうみても彼らはこちらをコケにするためだけに法外な金額を払っているとしか思えない」

ドナルド・トランプに対する、「今や国家安全保障への脅威」、「トランプ氏の選挙キャンペーンは見せ物」といった揶揄が、さらにかれの人気を煽り立てる。

ポピュリズム(大衆迎合主義)は、状況的なキーワードになっている。

ひるがえって日本の政治状況を見てみると、ポピュリズムにも及ばない劣化した野党を見ることになる。「おおさか維新の会」は、もはや自民党と何が違うのか、探すのが困難なほどだ。橋下徹から安倍晋三批判を聞いたことがない。

最大野党の民主党は、政権与党の自民党と酷似した政策しか打ち出さない。それは右派ポピュリスト政党ですらない。それで自民党に絶望した国民には、奮い立つ夢がないのだ。

それですっかり自民党は民主党をなめきっている。自民党は暴走を繰り返し、民主主義を破壊している状況がある。

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ポピュリズムが席巻する世界的な現象に対して、『エコノミスト』(2015年12月12日)が「恐怖をもてあそぶ」というタイムリーな記事を載せている。

「(前略)米国では今週、「イスラム国」(IS)に忠誠を誓っていた夫婦がカリフォルニア州サンバーナディノで14人を殺害した事件の後、ドナルド・トランプが、米国の国境をイスラム教徒に対して「全面的かつ完全に」封鎖するよう呼びかけた。この共和党大統領候補指名争いの先頭走者はその前に、モスクの閉鎖と米国のイスラム教徒の登録を提案していた。「他に選択の余地はない」と彼は言った。

フランスではトランプ氏の相手方は極右の国民戦線(FN)(党首はマリーヌ・ル・ペン 注 : 兵頭)である。先月、ISがパリにテロ攻撃をかけた後、12月6日に行われた地域圏選挙の第1回投票で、FNは、僅差で一般投票の最大シェアを獲得した。FNは13選挙区のうち6選挙区で第1位だった。FNの指導者マリーヌ・ル・ペンとその姪は、それぞれ40%余を獲得した。

トランプ氏とル・ペン氏だけではない。米国および欧州の一部での右派ポピュリストへの支持は、第2次大戦後その比類を見ない。テロを背景にして、これらの「恐怖利用者」は、西側社会が当然のものとしてきた開放と寛容に対して重大な脅威を投げかけている。

怒れる老人たち

最近のテロ攻撃の前でさえも、右派ポピュリストは実績を残していた。10月以降、トランプ氏およびテッド・クルーズ、ベン・カーソン――攻撃性はやや少ないが過激性ではほとんど劣らない――はみんな一貫して世論調査で、共和党有権者の合わせて50%以上の支持を得ていた。

欧州ではポーランドとハンガリーでポピュリストが政権を握っており、スイスとフィンランドでは連立の形で政権に入っている(ギリシャのシリザ=急進左派連合=のような左派は含まない)。彼らはフランスとオランダで世論調査のトップを占め、その支持率はスウェーデンでは記録的水準にある。

ル・ペン氏は2017年のフランス大統領選挙で決選投票にまで進みそうだ。ひょっとすると彼女はそこで勝つかもしれない。

ポピュリストはそれぞれ異なるが、彼ら全ての基盤は、経済的、文化的な不安感である。欧州での失業そして米国での賃金の停滞が、中高年の白人労働者階級を傷つけている――彼らの雇用はグローバル化とテクノロジー進歩で脅かされている。

彼らの下には移民および「たかり屋」がいて、福祉給付を奪い、犯罪に手を染め、現地の慣習を軽蔑している――と彼らは不満を持っている。彼らの上にはワシントンとブリュッセルに利己的なエリートがいて、先の金融危機と欧州の経済停滞の責任者であるのに、決して自分たちの間違いの責任を取るようには見えない。

ジハーディスト(聖戦士=イスラム過激派)のテロが、こうした憤まんの火に油を注いでいる――テロは、ポピュリズムの「魅力」を広げる可能性さえある。ISが残忍なテロ攻撃に霊感を与え、あるいは攻撃を組織するときはいつも、移民および外国人の恐怖が増大する。テロリストが成功すると(時にはそれが避けられない)、エリート支配層の不適格性が浮き彫りになる

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この記事は状況的ですばらしい。しかし、イスラム教徒の移住やテロへの恐怖に限定して、政治家や政党を見るのは危険である。

わたしは米国のトランプと、フランス国民戦線(フランス語: Front National; FN)の、マリーヌ・ル・ペンとは、同列に右派ポピュリスト政治家として括ることはできないのではないかと思う。

(国民戦線党首 マリーヌ・ル・ペン)

(国民戦線党首 マリーヌ・ル・ペン)

たしかにマリーヌ・ル・ペンには、極右らしき政策もある。しかし、多くは、2012年以前の政策から印象づけられた誤解である。

今は福祉の充実や弱者保護、中小企業への減税、製造業を守るための関税の徹底などを政策として掲げている。日本の安倍晋三などよりも、遙かに魅力的な政治家である。右派だけでなく左派にも支持者がいるのは決定的だ。トランプとは政治の質が違っている。

面白いのは、マリーヌ・ル・ペンが、ロシアのプーチンを評価していることだろう。ウクライナ問題のとらえ方も冷静であり、ウクライナ政権を米国の傀儡政権とみている。米国・NATOの反ロシア路線も批判している。

フランスの国家主権を取り戻すため、EUの基本条約の見直し、ユーロ圏からの離脱、フランス独自の農業政策の構築、EUの共通農業政策からの離脱といった政策を見ると、むしろ英国最大野党である労働党の、党首ジェレミー・コービンに似ている。

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コービンの政策は、富裕層に対する課税強化。企業トップの報酬に上限を設ける。所得の再配分に社会保障の支援強化、企業への優遇税制撤廃。法人税を引き上げる。NATOからの離脱。中東でのISIS空爆反対。国防予算の縮小。授業料の無償化などで、これをポピュリズムと呼ぶことはできない。むしろ反グローバリズムと呼んだ方が、より剴切であろう。

こうして見てくると、日本の野党がいかに魅力がないかが、わかる。日本の極右はまるで1%の下僕のようであり、経済思想はグローバリズムである。

「トランプ氏とル・ペン氏だけではない。米国および欧州の一部での右派ポピュリストへの支持は、第2次大戦後その比類を見ない。テロを背景にして、これらの「恐怖利用者」は、西側社会が当然のものとしてきた開放と寛容に対して重大な脅威を投げかけている」という。しかし、「西側社会が当然のものとしてきた開放と寛容」に大きな疑問が投げかけられている。

たとえばイラク、アフガニスタン、リビア、シリアなどが、「西側社会が当然のものとしてきた開放と寛容」という価値観を肯定するだろうか。

あるいは、わたしたちの日本である。日米地位協定ひとつとっても、それは開放でもなければ寛容でもない。徹底した民族差別であり、不寛容である。

欧州のポピュリズムにあるのは、「恐怖の利用」といった政治技術よりも、「反グローバリズム」と捉えた方がいいように思われる。グローバリズムへの、経済的、文化的な不安感が根底にある。多くの場合、欧州のポピュリストはナショナリストであり、ワシントンやブリュッセルの締め付けや要請に反発を示している。

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中東での米国の肩替わり

メディアが嘘をついている。

欧米日のメディア情報は、ほとんど物語になってきた。

サダム・フセインの大量破壊兵器、アサドの化学兵器使用、イランの核兵器開発計画、そしてロシアのウクライナ侵略。これらはすべて嘘だった。

「ひるおび!」を初め、東京の大手(「記者クラブ」)メディアの報道は、ロシアの空爆で一般市民に被害が出ており、プーチンがどうしてこんなに怒っているのかわからない、といった扇動的なものが目につく。これはすべて現状の責任をロシアに押し付けるものだ。

百歩譲って、かれらの報道姿勢を認めるとしても、それは米国・NATOの空爆にも公平公正に適用されるべきだ。これまでドローンの空爆でいかに市民に被害が出ても、それを日本の大手メディアが批判することはなかったのだから。

また、ようやくトルコがISISを支援していたことを認めた御用メディア、御用知識人も、「公然の秘密」などと開き直っている。これまでひた隠しにしていた真実の、プーチンによる暴露から、逃げ回っている。しかし、今でも米国・英国・イスラエルなどが支援していたことには絶対に言及しない。

御用メディアの、ロシアがシリアでの対テロ戦争を始めたのは、ウクライナを忘れさせるためだといった論調も、米国・NATOを代弁するものだ。ウクライナは、国家主義者にして反ユダヤ主義者、反ロシア主義者、ネオナチが率いている。このウクライナ問題を、ロシアが、米国・NATOに忘れさせる筈がない。これはまったく無知に基づく扇動である。

11月22日夜にも、ウクライナのヘルソン州で、送電線が爆破された。そのためロシア・ウクライナ間の契約に基づいたクリミアへの電力がストップした。クリミア半島で多くの公共施設や経済施設が停電になった。

米国の傀儡ポロシェンコ大統領は、クリミアへの貨物輸送を禁止する政府令を発令した。このようにロシアにとってウクライナは状況的な問題であり、世界から忘れてもらっては困るのである。

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歴史的に見ると、ウクライナ問題では、米国・NATOの拡張主義、旧ソ連への裏切りに非があり、米国は政策を誤ったということは、米国の良心的な政治家・識者も書いている。

初代ブッシュも、東ヨーロッパからソ連軍が撤退してもそれにつけいることをしない、というゴルバチョフとの約束を破った。

もっともひどかったのはビル・クリントンだった。クリントンはNATO拡大を自慢した。1999年には、チェコ共和国とハンガリーを正式加盟国にし、10年後には、更に9か国を加盟させ、NATO加盟諸国を冷戦中の倍に増やした。

冷戦封じ込め政策の創始者、ジョージ・ケナンでさえ、「冷戦後時代のすべての時期を通じて、米国政策上、最も決定的な過ち」と呼んだものである。

クリミア問題も、82%という高い住民投票率で、民主的合法的に、96%の市民がロシアへの編入に賛成したものである。

220万のクリミア市民のうち、150万人がロシア人であることを忘れてはならない。その大半にとって母語はロシア語である。

ロシアの認識は、1954年のロシアからウクライナへのクリミア移管決定は、フルシチョフがクリミアをウクライナへプレゼントしたものであり、違法というものだ。

ソ連崩壊後にクリミアがウクライナに留まったことを、ロシアは「奪われた」とこれまでも感じてきた。その歴史と事実を無視して一方的にロシアを悪者にするのは、米国・NATOの策謀にはまる。

今後、米国は中東で、どのように動くのだろうか。そしてそれは日本にどのような影響を与えるのか。

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スティーブン・サイモン(前ホワイトハウス シニアディレクター(中東・北アフリカ担当))と、ジョナサン・スティブンソン(米海軍大学教授)は、共同執筆の「パックス・アメリカーナの終わり ―― 中東からの建設的後退を」のなかで、次のように書いている。

「アメリカの中東における主要な利益は地域的な安定を保つことにある。少なくとも現状では、アメリカのパワーの限界、複雑で相互依存型の中東における利益、さらに、アメリカの戦略的関心をアジア・太平洋へと向かわせている中国とのライバル関係などから考えても、アメリカにとって最善の中東政策とは、国際関係の専門家が「オフショアバランシング」と呼ぶ戦略に準じたものになる。

これは、外国での軍事活動を控え、帝国紛いの国家建設活動への関与を回避し、選択的な関与を通じて影響力を維持し、国益を守るためにその資源と手段を選択的に用いる戦略だ。

ワシントンは、地域的同盟国が物理的な脅威にさらされない限り、中東での武力行使を控えるべきだが、そもそも同盟国がそのようなリスクに直面する可能性は低い。このコースをとるのなら、ワシントンはこれ以上中東に軍事力を投入すべきではないし、イスラム国との戦闘のために地上軍を投入してはならない」(『Foreign Affairs Report』2015 NO.12)

退潮の帝国とはいえ、米国の影響力は今もって世界最強である。その米国に『Foreign Affairs Report』は重要な影響力をこれまで与えてきた。世界の優れた指導者でこの情報に目を通さない指導者はいないといっていい。

スティーブン・サイモンと、ジョナサン・スティブンソンの論文も、これからの米国政策を知るのに、重要な手がかりを与えてくれる。

ここで注目すべきは、論文が米国の最善の中東政策が、「オフショアバランシング」戦略に準じたものになるとしている点だ。これは軍事的に制圧するブッシュ路線の総括であり、否定につながる。

これは、外国での軍事活動を控え、帝国紛いの国家建設活動への関与を回避する戦略だ。もちろん中東での米国益、影響力は維持するのだが、そのために日本の自衛隊が使われる可能性が高い。

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前号のメルマガで、わたしは自衛隊を極東のISISだと、いささか刺激的な書き方をした。米国の傭兵という意味では、ISISと自衛隊は酷似している。

1 ともに米国の国益・戦略に基づいて行動する。

2 ともに国連で敵国扱いをされている。(日本の場合、まだ敵国条項が削除されていない)

3 ともに経済的な、軍事的な死活問題を米国に握られている。

4 ともに米国から兵器を与えられている。

5 ともにアサド政権打倒といった共通目的で動かされる。ISISの場合は、明確なジハード主義によるアサド政権打倒である。自衛隊の場合は、表向きはISISとの戦いの形をとりながら、深層では米国と同じアサド政権打倒になる。

以上の5点であるが、米国にとっては、金を出さなくていいだけ、ISISよりも遙かに自衛隊の方が傭兵として優れている。

この論文では、明確に「中東での武力行使を控えるべきだ」とし、「ワシントンはこれ以上中東に軍事力を投入すべきではないし、イスラム国との戦闘のために地上軍を投入してはならない」と言い切っている。

しかし、米国が戦略的に引こうとしているシリアはどうなっているのか。

「やのっち」のツイートを見てみよう。

ロシア空軍はアレッポ北部等で複数のIS石油タンクローリーを撃破。有志連合の空爆では、資金源を断つための空爆は一切ありませんでした。ロシアと異なり、有志連合はペテン師の極み。金儲け・侵略のためにどれだけ多くの人々が犠牲になったことか。

プーチンは、ロシア軍に対しISを攻撃しているクルド人部隊を援助しつつ、トルコのエルドアンが引いたレッドラインを越えるよう命令しました。また、ロシア軍に対し、黒海のロシア領土付近まで接近したNATOの軍艦を撃沈するよう命じました」

権謀渦巻く中東に、安倍晋三が出て行く。うまく利用され、大きな厄災が、中東ではなく、日本本土にもたらされることになる。

米国の後方支援などというのは、安倍晋三の頭のなかにしかない物語になろう。米国が中東の前線から引こうとしているのだから、必然的に残された自衛隊が前線を任されることになる。

そのとき、複雑な政治的軍事的絡み合いのなかで、アサド政府軍か、ロシア、イラン、イラク、クルド族、ヒズボラのいずれかとぶつけられたら、日本は破局の道を歩むことになろう。

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キッシンジャーの言葉を巡って

99%は棄民の対象。1%だけ幸せになればよい。安倍晋三はそのように考えているのだが、これは外国にも適用される。

これまでシリアからの難民は約400万人にも及ぶ。難民に冷たい日本の悪評は世界に知れ渡っていて、たった60人ほどしか難民申請がなかった。しかも認定されたのは1家族3人だけ。ほんとうに弱者に冷たい国である。

(シリア難民は約400万人。難民に冷たい日本へは、たった60人ほどが難民申請。認定されたのは3人だけ。それでもこのバッシング。企業が宣伝のために渡したのでは? 効果は大いにあったわけだ)

(シリア難民は約400万人。難民に冷たい日本へは、たった60人ほどが難民申請。認定されたのは3人だけ。それでもこのバッシング。企業が宣伝のために渡したのでは? 効果は大いにあったわけだ)

難民に認める場合も、数年待ちにしたりする。とにかく難民に冷たい悪評を立てて、申請希望者が出ないようにしているようだ。

『毎日新聞』によると、「日本政府が昨年認定した難民は11人。審査件数に対する認定率は0・3%で先進国で最低水準。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、昨年の世界平均は27%」ということだから、極端に冷酷である。

はすみとしこの、ヘイトイラストも出るべくして出てきたといえよう。

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広義の難民問題については、とりわけ日本の被曝難民が、すでに多くの国で受け入れてもらっている。その数は増加の一途を辿っている。日本は外国難民を受け入れないが、あなたの国では日本難民を受け入れて、という傲慢と無知に気付くべきだ。

それに今後、自衛隊の海外での戦争が、国内原発への反撃を招き寄せ、大量の難民を生み出す可能性がある。難民問題には、明日はわが身、といった想像力が欠かせないのである。

今日は、中東を背景にしたキッシンジャーを採り上げてみる。

『The Liberty Web』に「対立するアメリカとロシアに、キッシンジャーが苦言」が載っている。

「中東のシリアでは、現在、「アサド政権」「一般市民を含む反アサド武装勢力」、そして「イスラム国(IS)」などが入り乱れて戦闘を繰り広げ、多くの犠牲者が出続けている。

このシリア問題をめぐって、立場が異なるアメリカとロシアに関して、国際政治学者ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官がこのほど、米ナショナル・インタレスト紙上で興味深い考えを示した。

(中略)

米露関係がここ数年悪化している原因の1つに、ウクライナにおける対立がある。

2014年2月、当時、親ロシアだったウクライナのヤヌコビッチ政権が、親欧米派の人々の手によって倒された。その後、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)への加入を提唱する、親欧米政権が誕生したことに対して、ウクライナ南東部に住む親ロシア派の住民が反発。ロシアはこれらの住民を支援するために軍事介入を行った。

これを見たアメリカ側は「プーチン氏は、ウクライナ内戦を口実に『旧ソ連』を再建しようとしている」と分析した。

(中略)

しかし、キッシンジャー氏は米ナショナル・インタレスト紙で、こうした見方に対して異を唱えている。

プーチン氏は『ロシアは西洋文明の一部である』ことを証明するために600億ユーロを使ってソチ・オリンピックを成功させた。そのわずか一週間後に、プーチン氏が率先してウクライナ紛争を作り出したと考えるのは不自然すぎる」「プーチン氏はウクライナ情勢に引きずられて反応したに過ぎない

また、こう指摘する。「問題は、欧米側がウクライナをEUやNATOに加入させようとしたことだ。ナポレオンやヒトラーに侵略されたロシアにとって、ウクライナは重要な緩衝地帯である。ウクライナがNATOに加入し、ロシアの国境までNATOの影響力が及ぶことは、ロシアにとって許容できないことなのだ」。

そしてキッシンジャー氏は、「米露は協力し合うことができるはずだ」という。たとえば、ウクライナを軍事的に「どっち付かず」にすることで、「ロシア軍のウクライナ撤退」と「ロシアの安全保障」を両立させ、なおかつ、ウクライナの主権を尊重することができるというのだ。

また、米露両国とも、イスラム国を脅威と見なしているため、共闘は可能であり、いずれはアサドの退陣を視野に入れた交渉も可能だという。

確かに、アメリカは、いまだに米ソ冷戦時のロシア観を引きずっており、ロシアが取る自衛行動すら脅威と見なす傾向がある。しかし、ウクライナにおけるロシアの行動を「自衛」と見なすことで、両国が協力し合える可能性が出てくる。

米露が、新たな考え方で歩み寄ることは、世界の安定のために必要なことだろう」

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ここでキッシンジャーがいっていることは、すでにわたしがメルマガで展開してきたことと基調は同じだ。

ロシアが、強制的に軍事力でクリミアを併合したというのも、ウクライナへ領土的野心があるというのも、西側の創った物語にすぎない。

キッシンジャーは、米露の、対ISIS共闘も、そして将来のアサド退陣を視野に入れた交渉も可能だという。

しかし、それをいう前に、ロシアの、シリア領内におけるISIS攻撃は、シリア政府の許可を受けた合法的なものだということを押さえておく必要がある。しかもロシアは米軍にまでISIS攻撃を予告している。

それに反して、米欧のシリア領内のISIS攻撃は、シリア政府の了解を得ていない無法なものである。西側のメディアは、そしてキッシンジャーも、そのことには触れない。

ロシアは、わずか3日間の空爆で、ISISの40%近い軍事力を破壊した。それは米軍が1年半もかかって実現できなかった成果である。これは、もちろん米軍のISIS攻撃が、攻撃するフリをしたアサド攻撃であり、ISIS支援だったためである。

つまり今回のロシアによるISIS攻撃は、本気の、本物の攻撃であった。その戦果によって、米国のISIS攻撃は偽物の攻撃だったことが暴露されてしまったのである。

ウクライナ紛争を作り出したのも米国であり、ウクライナをEUやNATOに加入させることで、ロシアを追い込んでいったのも米国である。ウクライナがNATOに加入することは、たとえば米国と国境を接したカナダやメキシコに、米国を睨んだミサイルが林立する現実が出現するのと同じである。けっして米国は許容しないだろう。

「米露は協力し合うことができるはずだ」というキッシンジャーの発言を首肯したいが、そうもならないようだ。
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米国には三つの頭がある。

ひとつは大統領と国務省を中心とした、ハレ(晴れ)の頭である。これは対中、対露戦争を忌避する頭であり、米露協調の可能性を語るキッシンジャーもこの頭である。

ふたつ目の頭もハレ(晴れ)の頭であり、それは「米国軍産複合体・イスラエル」である。ジャパンハンドラーはこの頭の日本における手足であるが、このふたつ目の頭に軍事国家の日本も入りつつある。

三つ目の頭は、ふたつの頭の背後にあって、米国を陰で支配し、操っている。それはケ(褻)の頭であり、国際金融資本であり、具体的には、ロスチャイルドやロックフェラーら、シオニズムのグローバリスト、ワン・ワールド主義者、世界統一政府の樹立を志向する頭である。

キッシンジャーの語る、ウクライナを軍事的に中立の状態にして、「ロシア軍のウクライナ撤退」と「ロシアの安全保障」を両立させ、なおかつ、ウクライナの主権を尊重する、という考えを、ふたつ目と三つ目の頭が首肯するとはとても思えないのである。なぜなら、この第二と第三の頭は、ともに戦争をビジネスと捉え、経済を回していく頭だからだ。

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日本の明日はウクライナ

5月29日に、FIFA(国際サッカー連盟)で開いた会長選挙で、ブラッター会長が5選を果たした。

しかし、その直前、米国の司法当局が、FIFA幹部に賄賂などの受け渡しがあったとして、FIFAの関係者9人と関連会社の幹部ら5人を組織的不正の罪などで起訴した。

これに対してプーチン大統領が怒っている。

モスクワオリンピック、昨年のソチ冬季オリンピック、そして今回のW杯の開催と、これまで米国はロシアの世界的な催し物をことごとく妨害してきた。

2018年のワールドカップはロシアでの開催がすでに決まっている。この決定には現職のブラッター会長の意向があったと報じられている。

これは、会長選挙の直前に逮捕されたことから、現職のブラッター会長の5選を妨害するためのものであろう。

5選は果たしたものの、これで2018年のワールドカップロシア開催はどうなるか、混迷してきた。

ロシアのプーチン大統領は、「ブラッターFIFA会長の再選を妨げようとする明らかな試みだ」
「問題が起きたとしても、米国の領土内で起きていない問題は米国には関係がない」「自国の司法権を他国に適用しようとする(米国の)露骨な試みだ」
と述べ、FIFAへの強制捜査を批判した。

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この問題はFIFAの汚職問題という側面も確かにある。しかし、新冷戦の現象として捉えることが何よりも大切である。

ロバート・レグボルド(コロンビア大学名誉教授)は、「ロシアとの新冷戦を管理するには」のなかで、「20世紀の冷戦と現在のそれが大きく違っているとはいえ、新冷戦はかつての冷戦と特質の多くを共有している」として、次の5点を挙げている。

「<新旧冷戦の共通項>

第1に、現在のロシアと欧米の指導者たちは、20世紀の冷戦初期にみられたような非常に強い調子で対立を描写している。スターリンは1946年2月に、イギリスのチャーチル首相はその1か月後に、両陣営の対立がもはや避けられないことを明確に表明する演説を行っている。

同様に、現在のプーチンも2014年3月のクリミア編入を擁護して、次のように強弁している。アメリカとヨーロッパの同盟国は、国際法ではなく銃の掟を指針としている。自らの「例外主義」ゆえに主権国家に対して国際法を踏みにじってでも武力行使ができると考え、「われわれの側に付かなければ、われわれに敵対している」とみなす強引な原則を基に連帯の形成を試みている。

一方、同年5月にはNATOの ヴェルシボウ副事務総長も、もはやロシアは「パートナーではなく、敵とみなすべきだろう」と表明した。

第2に、かつての冷戦初期同様に、双方は「相手国の特質、あるいは行動」のせいで、現在の対立がもたらされたと一方的に考えるだけで、現在の冷え込んだ関係が複雑な相互作用によってもたらされていることに目を向けようとしない。

相手に責任のすべてを押しつけようとするこの態度は1950年代末から1960年代初頭の米ソ関係を想起させる。当時の米ソは相手を本質的に相容れない異質な存在とみなしていた。

(中略)

第3の共通点は、20世紀の冷戦期同様に、互いに相手との関係に多くを期待しなくなっていることだ。特定のアジェンダをめぐって双方の利益が重なり合うときには、一時的に協調する機会が浮上するかもしれない。だが、関係全般を変化させるために、全面的に協調できるとは双方とも考えていないし、その方向に向けた第一歩を先に踏み出すつもりもない。

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第4に、モスクワにペナルティを課し、さらなる侵略の代価を示唆する現在のアプローチも、冷戦期の報復スタイルと似ている。すでに2014年3月以降、軍部間の交流もミサイル防衛に関する交渉も中断されている。

(中略)

第5に、ヨーロッパ中枢での安全保障をめぐる対立が20世紀の冷戦の震源となったのと同様に、中央・東ヨーロッパにおける安定の不透明化が今回の冷戦対立のメカニズムを形作っている。1990年代以降、バルト諸国を含むNATOの東方拡大によって、ヨーロッパの政治的・軍事的境界は旧ソビエト国境と隣り合わせになり、ベラルーシ、モルドバ、ウクライナを新たな東西の境界国家にしてしまった。

かつてポーランドやオーストリア=ハンガリー帝国が支配したこの地域は、19―20世紀に大国が攻防を繰り広げ、悲劇的な結末に直面した地域だ。いまや、モスクワはロシアの西部軍管区の戦力を強化し、NATOもロシアに焦点を合わせている。その動員解除に冷戦後の20年を要したヨーロッパ大陸におけるかつての対立状況が、いまやヨーロッパの東端で再現されつつある。(『Foreign Affairs Report』2014 NO.8)

新冷戦は進捗している。安倍晋三は、そのことを理解していないようだ。イスラエルに続いて、安倍はウクライナとの関係強化に赴こうとしている。おそらく米国指示の行動だろう。

安倍は、6月5、6日にウクライナを訪問し、ポロシェンコ大統領と会談する。間違いなく日本国民の巨額の血税がばらまかれることになろう。

イスラエル、ウクライナとも、米国世界戦略の最前線の国である。とりわけウクライナは、新冷戦の最前線に位置する国だ。劣化した日本の政治では、火中の栗を拾うことになるのは目に見えている。

今後のウクライナの推移によっては、日本はロシアにぶつけられるかもしれない。ほんとうに情けないほどの家畜の国だ。

(戦争の正体は、99%の若者の死を代償にした、1%の金もうけ)

(戦争の正体は、99%の若者の死を代償にした、1%の金もうけ)

安保法制審議が始まって、自衛隊員の不安が高まっている。当然である。どこに行って、何をやるのか。それがわからないのだ。しかも必要性も必然性もない戦争になる。

せいぜい米国の要請とか米国の救済、あるいは日米同盟の深化といった、抽象的な「大義」が突きつけられるだけだろう。

何のために死ぬのか。これがわからない兵士の死は、総家畜化した日本の、象徴的な死になる。

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この日本の危険な政治状況について、『Sputnik 日本』(スプートニク日本)(2015年5月28日)に「集団的自衛権関連法の防衛的側面:米国は日本を犠牲にする、ウクライナをそうしたように」という題で、モスクワ国立国際関係大学軍事政治問題センターのアレクセイ・ポドベリョスキンへの独占インタビューが載っている。

長いので、ポイントを兵頭の方で箇条書きにまとめた。

1 日本がここ数年、自らの軍事力を、防衛的なそれから攻撃的なそれへ変身させているということは、まったく明らかだ。背景には2つのことがある。

(1) 軍国主義の根は日本では伝統的に非常に強い。日本人は、ナショナリズムに、そしてミリタリズムへと世界観を一新し、イデオロギー的に、また政治的に、生まれ変わろうとしている。

(2) 米国は自らの海兵隊を使用しなくてよい国家として、東アジアでは、日本にその課題を負わせようとしている。

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メルケルが残したもの

鳩山由紀夫がクリミアに入った。

この問題は鳩山由紀夫を止める方がおかしい。あの国には行くな、この国はよろしいと、いったい外務官僚や政治家は自分を何様だと思っているのだ。

わが国の外交を、対米隷属以外に何も知らない外務省や自民党に一任できるはずがない。

(戦略は踊る)

(戦略は踊る)

これから世襲のボンボン安倍晋三のもと、日本はますます世界で孤立していく。安倍は孤立に比例して世界に金をばらまく。鳩山由紀夫を政治家として評価しているわけではないが、この状況裏で、ロシアとも中国とも民間外交が大切になってくる。

米国にばかり顔を向け、米国のいいなりになっておれば、「戦争のできる国」とやらに堕落していく。愚かなことだ。

しかも実質的な植民地が、このままずっと続くことになる。劣化した官僚・政治家の外交は、もう要らないのだ。かれらには能力も民族の誇りもないのである。もっとも良くないのは、意欲がないことだ。

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ラジャン・メノンとキンバリー・マルテンは、共同執筆の論文「ウクライナを救うには ― 武器支援ではなく、経済援助を」のなかで、次のように書いている。

(ラジャン・メノンはニューヨーク市立大学教授(政治学)。専門は米国の外交、国家安全保障戦略。キンバリー・マルテンはコロンビア大学・バーナード・カレッジ教授(政治学)。専門はロシアの外交、安全保障政策)

「さらに、(米国がウクライナに 注 : 兵頭)武器を提供すればロシア経済をさらに追い詰めると主張する人々は、ウクライナ経済がロシア経済以上に深刻な状態にあることを忘れているようだ。ウクライナは経済破綻の瀬戸際にある。

その債務は2015年だけで110億ドルに達し、 2014年10月に163億ドルだった外貨準備はいまや2か月分の輸入さえも十分にカバーできない64億ドルへと減少している。ウクライナの通貨フリヴニャは急速に崩壊しつつあり、対ドルで見ると、この1年でその価値は半減している。

このため中央銀行は金利を19.5%へと引き上げたが、投資と消費を刺激して経済を一気に再生させたいウクライナにとって、この措置は全く逆効果だ。ウクライナ中央銀行のゴンタワレ総裁の言葉を借りれば「第二次世界大戦以降、これほど苦しい事態に直面したことはない」

ウクライナに武器を提供すれば、紛争は長期化する。紛争の長期化が、経済危機に直面する国の助けになるだろうか。ロシアに懲罰を与えようと、武器を提供してウクライナを苦しめるとすれば、プーチンの仕事を彼に成り代わってするようなものだ。

政治指導者は会計士ではない。政治にとってプライド、恐れ、憎しみ、感情は、経済的計算同様に重要だ。実際、経済危機に直面しているにも関わらず、プーチンはウクライナにおけるロシア軍の役割をさらに拡大している。ウクライナ経済が崩壊する前に、プーチンは果たして屈服するだろうか。

アメリカはウクライナを助ける手段を数多く持っているし、特に経済の再生を助けることはできるだろう。しかし、アメリカが武器を提供すれば、ウクライナを助けるのではなく、傷つけることになる」(『Foreign Affairs Report』2015 NO.3)

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現在の日本の外務省・安倍政権の姿勢は、オバマと対立する米国軍産複合体・イスラエル・国際金融資本(米金融ユダヤ)の側に立っている。それはさしあたってウクライナに武器を与えようとするものだ。

しかし、武器を与えても、現在のウクライナは、その武器がどこに行くか、誰に渡るか、わからない状態にある。しかも戦争をするにはウクライナの経済がもたない。

「第二次世界大戦以降、これほど苦しい事態に直面したことはない」(ウクライナ中央銀行のゴンタワレ総裁)。またしても米国が侵略して傀儡政権を作った国は、破綻の瀬戸際にある。イラク、アフガニスタン、リビア、シリアと、以前より確実に悪くなるのだ。

「ウクライナに武器を提供すれば、紛争は長期化する」。それはウクライナのためにならず、まして米国のためにも日本のためにもならない。いずれ日本にも支援の要請がくるだろう。それはロシアと対決する選択になる。その結果、北方四島の返還は、少なくとも数十年にわたってなくなるだろう。

abe shinzou (2)

今の日本は、米国がウクライナの経済支援に舵を切りやすいように、環境整備に努めるのがよい。そのためにはロシアとのパイプが重要であり、鳩山由紀夫のような存在を大いに活用すべきである。

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さて、メルケルが、今年のG7先進7か国首脳会議の議長国として、議題などを事前協議するために来日した。1泊2日の短い滞在だったが、強い印象を残して帰っていった。

彼女が、来日して語った言葉を中心に、次の3点を考えてみよう。

1 第二次世界大戦後の敗戦国としての総括の仕方

abe shinzou (24)

ドイツは、真摯に侵略戦争を総括した。その真摯さがあって、周辺国はドイツを許したのである。

メルケルは語った。

「戦後、ドイツが何をしてきたかについて、ドイツでは非常に突っ込んだ議論が行われてきた。どのように過去の総括を行うのか。つまり、ナチスが行った恐ろしい所業、ホロコーストといったことに対して、恐ろしい罪に対して我々が担わなければならない罪に対してどのように対応したらいいか(について議論を重ねてきた)ということだ。すなわち、過去の総括というのは和解のための前提になっている

「過去の総括というのは和解のための前提になっている」。この総括というのを、日本人はほんとうにやらない。だから失敗や間違いを教訓化できないのである。たいていのことはうやむやですませる。それが福島第1原発事件でも露出した。

もっとも良くないのは、総括しようとする者を、敬遠する。あるいは逆に悪者にして排除する。責任者を庇い、責任をとらせないようにする。これは、天皇から末端の職域に至るまで、日本中に蔓延している。

ドイツは総括を真摯にやったので、それがEUという形に結実し、今やドイツがEUの盟主である。ドイツもたいしたものだが、それを認める周りの国の民度も、非常に高いものを感じる。

日本の場合、村山談話や河野談話が出ても、すぐに自民党の大臣クラスから、それを否定するコメントが出て来る。それの繰り返しである。だから、いつまで経っても周辺国の警戒心が解けない。つまり「信頼」されないのである。

安倍晋三の70年談話も、世界の「信頼」がいかに日本の支配層に対してないかを証明することになろう。

安倍晋三が本音を語れば、中韓のみならず、米国を含めた世界から総スカンを食う。逆に、「村山談話」と同じ姿勢、近い姿勢を見せれば、嘘をついているのである。

基本的に日本政治は「信頼」を失っているので、タカ派の70年談話になれば世界から叩かれ、ハト派を装えば侮蔑されるということになろう。

2 脱原発

abe shinzou (25)

メルケルは語った。

私の考えを変えたのは、やはり福島の原発事故でした。この事故が、日本という高度な技術水準を持つ国で起きたからです。そんな国でも、リスクがあり、事故は起きるのだということを如実に示しました。このため、本当に予測不能なリスクというものがあり、私たちが現実に起こりうるとは思えないと考えていたリスクがあることが分かりました。

だからこそ、私は当時政権にいた多くの男性の同僚とともに脱原発の決定をくだしたのです。ドイツの最後の原発は2022年に停止し、核の平和的利用の時代が終わって、私たちは別のエネルギー制度を築き上げるのだという決定です」

メルケルについては、多くのツイートがあった。黒田小百合も次のようにツイートしている。

「メルケルおばちゃんに同行している独国の旅行社幹部は言うだろう「日本への全てのツアー企画を撤退して良かった!」と。→NHKnews: 比較的高濃度の汚染された雨水 約750トン流出

メルケルおばちゃんに同行している独国メディアが最も注視しているのは、やはりフクシマだ。某記者は「ドイツが放射能汚染によって東京五輪を拒否すれば、全てのEU諸国も参加せずEU独自の大会を検討するだろう」

実際、東京オリンピック実施については、2020年までにクリアーしなければならない様々の難関がある。

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状況への呟き(2月18日・19日 太平洋戦争・ウクライナ・シリア)

状況への呟き

(今日は、2月18日~19日のツイートをまとめました。
文章はブログ用に加筆・編集してあります。
また、「状況への呟き」では、ここで新たに作った呟きを入れることがあります。

投稿サイト、あるいはご自分のブログへの引用・転載等は、ご自由にどうぞ。

投稿サイト『阿修羅』などに、上手わたしのツイートを編集して投稿してくださる篤厚の方がいて、1位にランクされているのを何度も見たことがあります。
また、ブログ『晴耕雨読』に、ツイートをうまく編集して掲載していただいております。
感謝しております)

2月18日

ウクライナが険しくなっている。
NATOとロシアの武力衝突を止めているのはドイツとフランスだ。
日本は、いくら背伸びしても、フランス並み、イギリス並みの国にはなれない。政治力が違いすぎるからだ。
軍事力は政治力の延長である。いかに軍事力が優れていても、それを使う政治家が凡庸であれば、戦争には勝てない。太平洋戦争でそれが証明された。
しかし、政治家がおのれを知らないから背伸びする。

安倍晋三を批判するのはISISを利する。これほど愚劣な意見は珍しい。
ぜひこの言葉は残したいものだ。
戦争に向かう日本が、いかに単純で、幼稚で、愚かな連中に引っ張られていたか。その証拠になる。
今は、誰がほんとうに人間として強いか、弱いか。実によくわかる状況になってきた。

正木ひろしは『近きより』で、次の3点により、日本国民は太平洋戦争を反省しないと考えた。
(1)日本人は、戦争は不可避なものだと考えている。(2)日本人は戦争の英雄的であることに酔う。(3)日本人は国際的知識がない
この3点は、敗戦後70年ほどたった現在の日本国民に当てはまる。
現在の政治家で、日本国民をバカばかりと思っていない者はいないだろう。
ただ、かれらはバカのお陰で政治家になれたバカである。口にするときは、国民を褒めることになっている。政治家が国民を叱らないから、いつまで経っても、日本国民は賢くなれない。

日本人の戦争観は、人道的な憤怒が起きないようになっている」(正木ひろし)
太平洋戦争が終わっても、支配層に怒った人はごくわずかだった。
日本に進駐したとき、日本民族を知って、いかにマッカーサーが喜んだか、わかりますよ。「12歳の少年」という評価に侮蔑だけ見ては間違う。
マッカーサーは驚喜して、絶対、留まり続けると思った筈だ。

太平洋戦争で、日本の支配層が敗戦を引き延ばしたため、国民の死者が急激に増えていった。
「高級職業軍人や憲兵や検事の大部分」が、引き延ばした理由は、「敗戦になれば、戦勝国の手による刑罰の必至であったため、(中略)絞殺されるよりは、国を焦土と化し、全国民と無理心中するため」だった。(正木ひろし『近きより』)
日本人は、突撃と玉砕、焦土の無条件降伏ばかりで、途中での賢い引き方、幕の下ろし方を知らない。

自民党のダメなところは、国民がお花畑のバカばっかりと知って、そこで止まったこと。
これは政治の責任であって、この民度を上げようとしなかったこと。
GHQの政策のままに国民を放置したこと。
そこから大量の世襲議員が生まれ、今、劣化した政治が戦争に向かい始めた。

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2月19日

9.11と、3.11は、黒い霧に覆われている。
9.11に関しては、ほぼハイジャックされた飛行機によるビル倒壊でないことが明確になっている。
3.11の謎は人工地震の問題だ。これは国会でも採り上げられている真面目な問題なのである。
世界の諜報機関は知っていて、日本国民だけ知らないことが多すぎる。

シリアは狙われている。その最大の理由は、シリアにはロスチャイルドに買われた中央銀行がないことである。
つまり、アサド体制を倒し、ロスチャイルドの中央銀行を作るために、シリア攻撃がなされている。
この理由はリビアと同じだ。
ロスチャイルドの中央銀行がない国は滅ぼされるのである。

シリアはなぜ狙われるか。大きな理由のひとつは、シリアには世界通貨基金(IMF)から借金がないことだ。
だからシリアは新世界秩序(New World Order、略称:NWO)に抵抗できる。そのため逆に攻撃されるのだ。
IMFの支配下におき、ロスチャイルドの中央銀行をおくのが、シリア侵略の最大の狙いだ。

ネットでは、すでにISISが米国の傭兵であることは常識になっている。
今時、米国とISISとが敵対関係にあるといった論は、お花畑の国会か御用メディアでしか通じない。
ISISにシリアを侵略させ、そのISISを叩くふりしてシリアを攻撃する。
ふたりの人質見殺しのあと、日本もその悪行に手を染める。

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ISISとウクライナはリンクしている

国会での安倍晋三の態度が笑いを提供している。野党の質問の途中に、官僚が作った答弁の練習をしているのだ。

日本は官僚独裁国家である。それを実によく現した光景である。いわば質問と答弁とが同時並行で進んでいる様は笑わせる。

国会は、限りなくセレモニーに劣化してきた。自民党の一強状態なので、米国も官僚も、今のうち、やりたいことをすべてやってしまおうということなのだ。

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しかし、一強とはいっても、実態は有権者の約25%の支持で、70%の議席を確保するという、少数支配である。この少数支配にも関わらず、原発を売り、武器を売り、国まで売る。それが急速に進んでいる。

現在の日本を、深刻な状況が襲っている。それをみておこう。なお( )内の文章は、一部、これまでのメルマガの文章をもとに書き換えたものである。

1 集団的自衛権容認による海外派兵

(これはISISとの対テロ戦争とばかり思ってはならない。米国はウクライナの極右勢力への支援をやめていない。また、ウクライナへの軍事支援も強化している。ISISもウクライナも、支援の中心は米国である。敵対を装う米国のISIS支援は、将来の、ウクライナを舞台としたNATOとロシア軍との戦争にリンクしている

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2 福島第1原発事件の被曝疾患の表面化

(マンクーゾ博士は語った。「被曝はスロー・デス(時間をかけてやってくる死)を招くのです。死は徐々に、20年も30年もかけて、ゆっくりとやってきます。原子力産業はクリーンでもなければ、安全でもありません。それは殺人産業といっていいでしょう」。今年はこのスロー・デスが目に見える形で増大してくる)

3 アホノミクス、円安、消費税増税を中心とした経済政策・金融政策の破綻

(ドルの崩壊が近い。グリーンスパンもドルを「幽霊通貨」と切り捨てた。中国・ロシアは、ドルに見切りをつけ、人民元決済に突き進んでいる。BRICSのほか、イランなど非米的な国も、ドル崩壊に備え、決済の非ドル化を進めている。

世界では金・銀が買われ、銀行預金も、安心できない状況になっている。無能な日本官僚・政治家だけが、ドルとの心中に突き進んでいる

4 沖縄辺野古での闘いと暴力による弾圧

(沖縄は日本に留まる限り、米国隷属の、東京政治の犠牲になり続けるだろう。最近の日本首脳(麻生太郎・菅直人・野田佳彦・安倍晋三)を見ても、沖縄県民の側に立って、米国と交渉するつもりも能力もない。沖縄は独立しない限り、永遠に米軍基地を押しつけられよう。

独立後の、米軍の国外への移転が、唯一の解決策である。

もう一点、沖縄が考えておかねばならないことがある。それは、今後、TPP参加によって、日本の立法府の上に、ISD条項を使うグローバル企業が君臨する現実だ。TPP参加によって、日本の政体が変わる。日本政府の立場は、さらに弱体化する。ますます沖縄の立場は無視されよう。

米国政府にさえ相手にされなかった日本の政治家たちが、さらにその上に立つグローバリストに相手にされる筈がない。独立しない限り、沖縄は永遠の本土の犠牲者になり続ける

5 消費税増税による99%の生活苦

(日米の「新帝国循環」は、以下のようなものになる。

(1) 日本が「財政の健全化」、「社会保障」の名目で国民をだまして、消費税増税をする。

(2) 日銀の金融緩和とGPIFの年金株式運用拡大で、円安(円弱)・ドル高(ドル強・ドル防衛)を実施する。これは実質的な日本破壊である。

自国の通貨を安くするということは、自国の不動産、車、食材などの通貨の価値を下げることになる。したがって物価が上がることになる。給料が上がらないのだから、国民は阿鼻叫喚の状況になる。

(3) 日本の永遠に続く米国債購入で、大量の資金が米国に入ってくる。その金で米国は、破綻した「日本買い」を実施する。その日本買いは次のようなものになる。

(イ)倒産した、あるいは倒産しかけた日本企業を買収する。

(ロ)日本企業の株を購入して株主として日本企業を支配する。

(ハ)日本の不動産を購入して日本資産の権利を獲得する。

米連邦準備理事会(FRB)が、昨年の10月29日に、量的緩和終了を決定した。これは日本のこれまでの「異次元の金融緩和」で日本の国富が数百兆円規模で米国に移転されたことを物語っている。

ここでさらに日本が逆に自国通貨を下げる政策をとったわけである。これは自国を犠牲にした、さらなる米国支援にほかならない。

まさに、日本を安くしましたので、日本から献上したお金で日本を買ってください、といっているのと同じ悲惨な結末になる。これが現在の日米による新帝国循環である

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6 TPP参加

(TPPの本質は、米国系グローバリズムによって構想された新植民地主義である。農業をカモフラージュに使いながら、真のターゲットは、我が国の郵貯マネー約270兆円、医療保険を通じた日本人個人資産700兆円の収奪にある。

TPPは、一部、すでに具体化されている。たとえばわが国の郵貯マネー約270兆円の収奪、それに国家戦略特区がそれである。国家戦略特区の思想は「日本を世界一企業が活動しやすい国にする」ことにある。これは、必然的に労賃の低下を招く。安倍は、賃金の安さで、外国企業誘致を狙い、やがてはそれを日本中に広めようとしている)

さて、今回のメルマガでは、「1 集団的自衛権容認による海外派兵」に絞って、認識を深めることにする。

『マスコミに載らない海外記事』(2015年2月18日)が「欺まん的な‘反ISIS’有志連合」と題して、スティーヴン・マクミランの記事を載せている。

すでに国民の知らないあいだに、日本は有志連合に入っていた。自・公の与党に、「民・維新・次世代」の自民党二軍勢力で、少数野党無視、国民無視、米国・官僚・財界隷属の、実質的な大政翼賛会ができている。

この危険な状況裏に、いったい有志連合とは何か、これに加わることは何を意味するのか、参加によってどういった未来が、わたしたちに待ち受けているのか、それを考えてみよう。

(ブログの紹介によると、「スティーヴン・マクミランは、独立した作家、研究者、地政学的専門家で、The Analyst Reportの編集者で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”にも寄稿している」)

「欧米が生み出し、イラク軍とレバノン政府の一部も、大きく関与しているこの集団と、シリア代理戦争が始まって以来、戦っている主力は、シリア軍とヒズボラとイラン革命防衛隊だ。

国際テロに対する戦いと、反政府集団と積極的に戦っている勢力への支援への、ロシアの姿勢はゆるぎなく、ロシア特殊部隊が、シリア国内で、積極的に対テロ作戦を遂行していると推測する報道もいくつかある。ロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフは、対ISIS有志連合の支持を繰り返し表明したが、その有志連合とは、国連安全保障理事会によって承認され、国際法にのっとったもののことだ。

こうした部隊とは、戦っていると主張している集団に資金を提供し続けている、ISISに対する姿勢が二枚舌の、アメリカが率いる有志連合ではなく、本当にISISと戦っている組織のことだ。

(中略)

バグダッド・アメリカ大使館 - ISIS司令基地

イランのバシジ(志願兵)軍司令官のモハマド・レザ・ナクディ准将は、バグダッドのアメリカ大使館が、ISIS司令基地であり、アメリカは依然テロリスト党派“直接支援している”と述べた。

アメリカは直接イラクのISILを支援し、アメリカの飛行機が、イラクのISILに、必要な支援物資や兵器を投下している

これはもちろん、アメリカが、こうしたものは、投下地域を間違えて、単にうっかり落としたものだと主張しながら、ISIS戦士に、医療用品、手榴弾、弾薬や他の兵器を含む兵器を、空中投下しているというニュースを裏付けるものだ。

捕虜になったパキスタン人ISIS司令官も、パキスタンで、シリア政権と戦う反政府兵士を採用するISIS活動を行う為に、アメリカから“転送された”資金を受け取ったことを最近明かした。

(中略)

アメリカ主導の空爆は“国際法に反する”

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、シリア政府の同意無しのシリアにおける対ISIS空爆に反対しており、ロシアのラブロフ外務大臣は、政府の同意無しの武力行使は“国際法に反する”と強調した。

ラブロフ外相が指摘した様に、もし有志連合が本気でISISを打ち負かしたいのであれば、有志連合がシリア軍、ヒズボラやイラン軍と全面的に協力すれば、数週間の内に、劇的にISISを弱体化できるはずだが、これはテロ集団と戦うという口実で、シリア政権転覆を狙ったものであり、実際この集団を絶滅させることが狙いではないのだ。

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