どんでん返し 〜伊藤詩織の『Black Box』を読んで(3)〜

1 山口敬之のメール

伊藤詩織の『Black Box』(文藝春秋)についての、今日は3回目である。

伊藤詩織は、米国の大学でジャーナリズムと写真を学び、ジャーナリストの仕事を探していた。
帰国後に就職を餌に、官邸お抱えレイピスト山口敬之に酒の席に呼び出され、薬を酒に混入されて(と詩織もわたしもみている)、意識を失い、強姦される。
やっとの思いで警察に相談し、妹や両親にも打ち明けるところまで書いた。

その後、詩織と山口との緊迫した電話やメールでのやりとりが続く。
また、詩織は弁護士、警察との対応が続く。
そこは一気に読ませるが、山口が、詩織に法的な対応をとられることを警戒していることがありありとわかる。
しかし、何回かの詩織とのメールのやりとりのなかで、ついに山口は尻尾をだしてしまう。

あるとき、山口はこのようなメールを詩織に送ってしまう。

「レイプって何ですか?
全く納得できませんね。

法律的に争うなら、そうしましょう。

私は全く構いません。

次の面会には弁護士を連れて行きます。

あなたが準強姦の主張しても
あなたが勝つ事はあり得ません。

(中略)

弁護士(詩織の弁護士 注 : 兵頭)は、こちらから何も言っていないのに、山口氏が「準強姦」という専門的な言葉を使った点に注目した。
前述のように、薬や酒などなんらかの原因で意識がなかった場合は、この罪状が適用される。

誰もが常識として知っている言葉ではなく、記者とはいえ、このケースがそれにあたると山口氏が認識している事実は注目に値した。

「準強姦」とは詩織がいっていないのに、みずから山口はこのキーワードを出してきた。それも妙であるが、「あなたが勝つ事はあり得ません」も不可解な言葉である。よほど自信があったとみえる。それは安倍晋三や政権上層部との付き合いの深さからきたものだろう。

また、別のメールで、「妊娠の可能性がないと以前断言していましたが、なぜですか」という詩織のメールに対して、山口がこのように返信したのである。

「私はそういう病気なんです」
「何の病気ですか? 私の健康に関わることなので詳しく教えてください」という詩織のメールに対して、山口は「精子の活動が著しく低調だという病気です」と答えてしまう。

語るに落ちるとはこういうことだ。

つまり山口は性交渉があったことを認めたことになる。

しかも「医療的な面で緊急を要する対応があるなら、いくらでもサポートしますから具体的に言ってください。
それから、会って話をしたいという事ならば、その為に日本に一時帰国する事も提案しましたが、その後あなたからは具体的な返答はいただいていません」とまでいっている。

性交渉がなければ、それも強姦でなければ、「いくらでもサポートします」「一時帰国する」などと、3回しか会っていない女性にいうことはあり得ない。

これはもうはっきりしている。
性交渉があったことを山口は認めているのだ。

伊藤詩織は書いていた。

2 どんでん返し

A氏(この事件担当の高輪署の捜査員 注 : 兵頭)は精力的に捜査を進めてくれた。

最後に行った鮨屋を出てから、私たちをホテルまで乗せたタクシー運転手の証言が取れた、と聞いたのはこの頃だった。
正確には5月13日のことだ。

この時に聞いたのは、「近くの駅で降ろして下さい」と何度も言っていたこと、タクシーの中で最初は仕事についての会話があったが、途中から私が静かになり、降りる時には自力では降りられない状態だったこと、降りた後に見たら、私のものとみられる吐しゃ物があったこと、だった。

記憶のない時間帯の自分の行動について語られるのを聞くのは、本当に気が重いものだが、私が何度も「駅で降ろして下さい」と言っていたと知り、ほっとした。
やはり、最後まで自分は家に帰ろうとしていたのだ。

ホテルのハウスキーパーの記録から、シェラトン都ホテルの部屋に吐しゃ物があったという記載はみつからなかったこともわかった。
山口氏は部屋の二カ所とトイレに「ゲロ」を吐かれたとメールで説明していたが、清掃員は、そのような状態に対する特別な清掃をしていないと日誌に記している。

また、これは当時、調書に取られなかったものだが、そのフロアを担当したハウスキーパーは、「ベッドは片方しか使われていなかった。もう一つのベッドには血がついていた」と証言していることも聞いた。

その後、詩織はドイツで仕事をする機会を得る。
日本にいて、山口に似た人間を見ただけでパニック症状を起こしていたので、日本人の比較的に少ないベルリンは精神的によかったのである。

そこへ日本のA(高輪署の捜査員)から電話がかかってくる。

山口氏の帰国に合わせ、成田空港で逮捕する、という連絡が入ったのは、6月4日、ドイツに滞在中のことだった。
「逮捕する」という電話の言葉は、おかしな夢の中で聞いているような気がして、まったく現実味を感じることができなかった。
8日の月曜日に(山口が 注 : 兵頭)アメリカから帰国します。
入国してきたところを空港で逮捕する事になりました
A氏は、落ち着きを見せながらも、やや興奮気味な声で話した。
逮捕後の取り調べに備えて、私も至急帰国するように、という連絡だった。

(中略)

この電話から4日後、逮捕予定の当日に、A氏から連絡が来た。
もちろん逮捕の連絡だろうと思い、電話に出ると、A氏はとても暗い声で私の名前を呼んだ。

伊藤さん、実は、逮捕できませんでした。
逮捕の準備はできておりました。
私も行く気でした。
しかし、その寸前で待ったがかかりました。
私の力不足で、本当にごめんなさい。
また私はこの担当から外されることになりました。
後任が決まるまでは私の上司の〇〇に連絡してください」
驚きと落胆と、そしてどこかに「やはり」という気持ちがあった。
質問が次から次へと沸き上がった。

なぜ今さら? 何かがおかしい。

「検察が逮捕状の請求を認め、裁判所が許可したんですよね? 一度決めた事を何故そんな簡単に覆せるのですか?」
すると、驚くべき答えが返ってきた。

ストップを掛けたのは警視庁のトップです
そんなはずが無い。
なぜ、事件の司令塔である検察の決めた動きを、捜査機関の警察が止めることができるのだろうか?
「そんなことってあるんですか? 警察が止めるなんて?」
するとA氏は、
「稀にあるケースですね。本当に稀です」

(中略)

「全然納得がいきません」
と私が繰り返すと、A氏は「私もです」と言った。
それでもA氏は、自分の目で山口氏を確認しようと、目の前を通過するところを見届けたという。

何をしても無駄なのだという無力感と、もう当局で信頼できる人はいないだろうという孤独感と恐怖。
自分の小ささが悔しかった。
今までの思い、疲れが吹き出るかのように涙が次から次へと流れ落ちた。

これが日本である。

日本で警察や検察が正義の味方と信じる人がいたら、その人は政治も状況も、いや文学も語ってはならない。

ずいぶん前から三権分立は幻想だと書いてきた。
日本では司法も行政の支配下にある。
安倍晋三のオトモダチであれば準強姦も無罪なのだ。

もちろん末端の捜査員は真面目に仕事をしており、正義感もある。
だからA捜査員は、空港で目の前を通り過ぎる山口を確認している。
おそらく怒りと無念の混淆した思いでにらみつけたのであろう。

・・・・・・・・・━━━━━━☆

※メルマガのご案内

こんにちは!

有料メルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』を配信している兵頭と申します。

2011年10月1日より『兵頭正俊の優しさ出前』(月額:864円(税込)/配信サイト:まぐまぐ)を配信開始しました。

月・水・金・それに、ほぼ週に1回の号外を配信しております。
実質、週に4回の配信になります。

わたしの強みは、商業ジャーナリズム、「記者クラブ」メディアから自立していることから、政権にも企業にも遠慮なく真実を語る位置を確保していることです。

わたしは若い頃に吉本隆明の『試行』に作品を発表していました。
この『試行』自体が、そのような問題意識に貫かれた同人誌でした。
位置のとり方の大切さはわかっております。

また、教師をやっていたことから、わかりやすく表現することには通じており、多くの読者の方からわかりやすいという声を聞いています。

優れた情報と、新しい状況の分析・とらえ方を提供します。
そして、「記者クラブ」メディアの情報操作と国民洗脳を対象化し、あなたを現在とは違うステージに招待します。

確かに、わたしはテレビなど晴れがましい舞台には出ておりません。

しかし、わたしの書いた文章は、グーグルの検索でもあちこちで上位に出ております。

ツイッターでは3万を超えるフォロワーに支持されており、無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』は殿堂入りを果たしております。

価格以上の価値があると自信があります。
ぜひ購読のご検討をお願い申し上げる次第です。

なお、別に無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』PC用と、内容は同じ 携帯用 を2011年8月29日より、「まぐまぐ」から配信しております。

無料で、ほぼ週刊です。
(体調を崩したとき、それに正月や5月の連休、お盆には、お休みをいただきます)

携帯の送受信の制限を考慮して、分割して送信するように改善しました。

ご登録をよろしくお願いします。

なお、メルマガはテキストファイルであり、このブログ掲載の画像などはありません。

また、このブログ掲載の文章は、メルマガの一部であり、ブログ用に編集してあります。
© GIHYO

伊藤家の誇れる長女 〜伊藤詩織の『Black Box』を読んで(2)〜

1 権力の準強姦

伊藤詩織の『Black Box』(文藝春秋)についての、今日は2回目である。

前回のメルマガでは、米国の大学でジャーナリズムと写真を学び、ジャーナリストの仕事を探していた伊藤詩織が、就職を餌に、酒の席に呼び出され、薬を酒に混入されて、意識を失い、ホテルに抱え込まれて強姦されるところまで書いた。

読んで見てわかったのだが、この本にはどうでもいいようなこと、割愛できるようなことなど何もない。
すべての言葉が、必死の思いで紡がれており、とても1回や2回のメルマガでは終われそうにない。

前回のメルマガで、この事件の背景には、次の5点の背景が存在している、とした。

(1)若者の就職難

(2)司法の私物化(森友・加計学園事件、山口敬之の「準強姦」もみ消し事件)

(3)縁故主義(ネポティズム)(安倍晋三 — 菅義偉 — 杉田和博(元警察庁警備局長) — 北村滋(元警察庁長官官房総括審議官) — 中村格(いたる)(事件当時は警視庁刑事部長) — 山口敬之)

(4)安倍政権の棄民策(福島・沖縄 ? 籠池夫妻・伊藤詩織)

(5)御用メディアの無視

今回、次の2点を加えておきたい。

(6)世界最悪の女性差別国家

(7)性犯罪教育の皆無

この7点が背景にある。
そういう意味では、きわめて状況的社会的な事件である。
また必然的な事件だった。

わたしは性犯罪とか女性差別の専門家ではない。
「準強姦」という言葉の概念も、意識のない人に対するレイプ犯罪だということを、この事件を通じて初めて知った。

レイプされた後の詩織の精神状態は、読むのも辛くなってくる。
混乱、自虐、後悔、苦悩。
その葛藤のひとつは次のようなものだ。

山口氏はTBSのワシントン支局長だ。
その上、長い間政治の世界で仕事をしてきたため、有力な政治家たちだけでなく、警察にも知り合いが多いと聞いていた。

それだけではない。
私が毎日通って働いていたロイター通信の主な業務は、マスコミ各社への情報配信だ。
もちろんTBSは大事なクライアントで、しかもロイターのオフィスは、赤坂のTBS本社のすぐそばにあった。

もし私が一人で警察に相談したり、彼を告発したりしたら、果たしてこの先、同じ業界で仕事を続けることができるのだろうか。
TBSが山口氏の盾となり、逆に名誉毀損で訴えてくるかもしれない。
そうなったら、一体どうやって身を守ったらいいのだろうか。

ひたすら怖かった。

それまでになんどかのぞき見た日本の報道現場は、完全な男社会だった。

私が甘いのかもしれない。
こんな風に踏まれても蹴られても、耐えるべきなのかもしれない。
そのくらいでなければ、この仕事は続けて行けないのかもしれない。
魔が差したように、そんな考えが頭をよぎった。

2 教育現場のBlack Box

「山口氏はTBSのワシントン支局長だ。
その上、長い間政治の世界で仕事をしてきたため、有力な政治家たちだけでなく、警察にも知り合いが多いと聞いていた」。
これがレイプ犯山口の巧妙で用意周到な伏線になっている。
このことを狩りをする前に獲物に吹き込んでいるのだ。
「カリニ警察ニ訴エタトコロデ無駄ダ。
オレノ背後ニハ安倍晋三ガイル」

「それまでになんどかのぞき見た日本の報道現場は、完全な男社会だった。
私が甘いのかもしれない。
こんな風に踏まれても蹴られても、耐えるべきなのかもしれない。
そのくらいでなければ、この仕事は続けて行けないのかもしれない」。
実際、パワハラ、セクハラに遭った多くの女性がこのように考え、泣き寝入りしている。
警察沙汰になるのは氷山の一角だ。

詩織は友達の女性に相談する。

何よりも、彼女は私が初めてお酒を飲んだ日にも一緒にいた幼馴染だ。
私の飲める酒量や酒席での様子もよく知っていた。
彼女は、私がたった数杯と二〜三号のお酒で意識を失うことはありえない、と強く言った。
また、私の性格からも、目上の人と仕事の話をする席で、私がそこまでお酒を飲むとは思えない、と。

彼女も私と同じ時期にニューヨークに住んでいたことがあった。
「デートレイプドラッグの可能性はあるかな」と言う私に、彼女は「あるかもしれない」と同意した。

そして、いつもそうしてくれるように、これからどうするべきか、親身に考えてくれた。
その後、警察に行った時も、深夜に一人暮らしの自宅へ帰るのが怖くなった私を駅まで迎えに来て、実家まで送ってくれた。

しかし、彼女もレイプ事件に遭遇したらどうすれば良いか、という知識を持ち合わせていなかった。
私たちは、誰からもそういう教育を受けてこなかった。
そしてそれ以上に、政治と深く繋がっている人物を告発した時に、警察や司法が本当に守ってくれるのかわからず、二人とも恐れていたのだと思う。

彼女は、デートレイプドラッグだったとしても、一回の仕様ではすぐに体内から出てしまうと言った。
私は「とにかく、早くその場から離れたくて飛び出してしまったけれど、ホテルから110番すべきだった」と後悔した。
今からでもすぐ警察に行くべきかどうか、二人で悩んだけれど、結論は出なかった。

伊藤詩織は、現実にあったことをそのまま正直に書いている。
詩織は、ここに登場してきた友達とか、妹、そしてあとで出てくる両親、警察に事件の内容を告白して相談している。
こんなことを、人は他人を貶めるためにのみできるものではない。
これは実際に起きたことである。

読めば、真実が語られていることがすぐにわかる。

ここに登場してくる友達が次の2点を断言しているが、この内容は非常に重要だ。

(1)詩織は酒が強く、「たった数杯と二〜三号のお酒で意識を失うことはありえない」こと。

(2)詩織の性格からして、「目上の人と仕事の話をする席で、私がそこまでお酒を飲むとは思えない」こと。

この2点は、本を読む前から、わたしには気になっていたことだった。

前号のメルマガでも書いたが、酒の強い人は、「たった数杯と二〜三号のお酒で意識を失うことはありえない」のだ。
わたしも若い頃は酒が強かったが、もうこのあたりが限度、という自制は常にできた。
一度も人前で酔いつぶれたことはない。
それが酒に強いということだ。
酒に強い同僚も皆そうだった。

また、就職を頼む年配の男性を前にして酔いつぶれるまで飲むことはあり得ない。
詩織がトイレに立ったときに、薬を混入されたのだとわたしもみている。
トイレから席に戻って、残りの酒を飲んだ直後から急に意識を失っている。

「彼女もレイプ事件に遭遇したらどうすれば良いか、という知識を持ち合わせていなかった。
私たちは、誰からもそういう教育を受けてこなかった」。
中学校から大学の図書館に伊藤詩織の『Black Box』を置くべきだ。
これは図書部長の判断で簡単にできる。
メルマガ読者の子弟に中高生がいたら、図書館の購入希望用紙に書かせてもよい。

中学校、高校では、レイプに遭ったときの対処の仕方を具体的に教えるべきである。
これはほとんどの学校で教えていない。
もっぱら養護教諭が駆け込み寺の役割を押しつけられ、相談のあった生徒のみに個人的に対応している。

養護教諭にもレベルの違いがあり、妥当な指導がなされているとは思えない。
校長やクラス担任に、そして保護者にもレイプ被害を隠す養護教諭がほとんどだ。

生徒がそのように頼むからだ。
まして警察沙汰にする指導は皆無である。
だから学校では性犯罪の問題が、万引きや喫煙、いじめや不登校の問題ほど広がらないのだ。

担任は、レイプに遭った生徒がクラスにいたことなどまったく知らないままに進級させていくのである。
学校自体が性犯罪の『Black Box』になっている。

誤解はないと思うが、わたしは特定の被害生徒の名前を公表して対処しろといっているのではない。
生徒の個人名は出さなくていいから、職員間で問題の周知徹底を図り、性犯罪から生徒を守る方策を検討する。
年に一度は専門家を呼んで職員の研修会を開き、かつ生徒への啓蒙と指導を図る。

文科省の怠慢であり、早速、具体的な指針を検討し、各教育現場に下ろすべきだろう。

「とにかく、早くその場から離れたくて飛び出してしまったけれど、ホテルから110番すべきだった」という知識など、学校で教えない限り獲得することはない。

「政治と深く繋がっている人物を告発した時に、警察や司法が本当に守ってくれるのか」という不信は、いまや国民的なものだ。
警察や司法が恥じるばかりでなく、性犯罪をこれまで放置してきた怠慢を国会が恥じるべき問題である。

・・・・・・・・・━━━━━━☆

※メルマガのご案内

こんにちは!

有料メルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』を配信している兵頭と申します。

2011年10月1日より『兵頭正俊の優しさ出前』(月額:864円(税込)/配信サイト:まぐまぐ)を配信開始しました。

月・水・金・それに、ほぼ週に1回の号外を配信しております。
実質、週に4回の配信になります。

わたしの強みは、商業ジャーナリズム、「記者クラブ」メディアから自立していることから、政権にも企業にも遠慮なく真実を語る位置を確保していることです。

わたしは若い頃に吉本隆明の『試行』に作品を発表していました。
この『試行』自体が、そのような問題意識に貫かれた同人誌でした。
位置のとり方の大切さはわかっております。

また、教師をやっていたことから、わかりやすく表現することには通じており、多くの読者の方からわかりやすいという声を聞いています。

優れた情報と、新しい状況の分析・とらえ方を提供します。
そして、「記者クラブ」メディアの情報操作と国民洗脳を対象化し、あなたを現在とは違うステージに招待します。

確かに、わたしはテレビなど晴れがましい舞台には出ておりません。

しかし、わたしの書いた文章は、グーグルの検索でもあちこちで上位に出ております。

ツイッターでは3万を超えるフォロワーに支持されており、無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』は殿堂入りを果たしております。

価格以上の価値があると自信があります。
ぜひ購読のご検討をお願い申し上げる次第です。

なお、別に無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』PC用と、内容は同じ 携帯用 を2011年8月29日より、「まぐまぐ」から配信しております。

無料で、ほぼ週刊です。
(体調を崩したとき、それに正月や5月の連休、お盆には、お休みをいただきます)

携帯の送受信の制限を考慮して、分割して送信するように改善しました。

ご登録をよろしくお願いします。

なお、メルマガはテキストファイルであり、このブログ掲載の画像などはありません。

また、このブログ掲載の文章は、メルマガの一部であり、ブログ用に編集してあります。
© GIHYO

狩りの日 ~伊藤詩織の『Black Box』を読んで(1)~

1 日本の『Black Box』

伊藤詩織の『Black Box』(文藝春秋)について、今日は書いてみる。

1冊の本との出会い。そこには様々な物語があるものだ。

わたしの場合、戦後最低最悪の総理・安倍晋三をメルマガやブログ、ツイッターなどで批判していくうちに、官邸お抱えレイピスト山口敬之の「準強姦」もみ消し事件に遭遇した。その被害者が伊藤詩織だった。

つまり、この事件は、わたしにとっては横から飛び込んできて、いかにもありそうな、それでいて、詩織には気の毒だが、権力によって無罪があらかじめ決められているような事件であった。

安倍晋三のもとで、国家・国政の私物化が進んでいる。森友・加計学園事件はその典型的な事例だ。身内びいき・縁故主義(ネポティズム)の政治がおこなわれ、籠池夫妻は、すでに3か月を超えて長期勾留されている。わたしたちは、いま正義無き泥棒国家・マフィア国家に生きているのだ。

レイピスト山口敬之(強姦当時、TBSワシントン支局長)の「準強姦」容疑の告訴はもみ消され、昨年(2016)7月、東京地検は不起訴処分にした。山口は逮捕されなかった。

不服な彼女は今年5月に検察審査会に申し立てた。わたしには不起訴相当の結論は見えていた。案の定、9月に不起訴相当の議決が出された。

かほどさように、この国の司法は歪められ、中世そのものの実態にある。

三権分立の幻想が、いや国会の幻想がいまほど明白になった時代はない。この国の最高権力者は米国のディープステート(国家の中の国家)であり、それが敗戦後と同じ軍人に日本を統治させている。その組織が日米合同委員会である。国会はそれを隠すための仮装の主権国家の空間だ。

官邸お抱えレイピスト山口敬之の「準強姦」もみ消し事件。被害者伊藤詩織による告発がなぜ重要かというと、本人にはその自覚はないだろうが、それが安倍政権の負の部分と正面から渡り合っているからだ。

伊藤詩織は書いていた。

私は、ジャーナリストを志した。アメリカの大学でジャーナリズムと写真を学び、2015年の帰国後は、ロイターのインターンとして働き始めた。そんな矢先、人生を変えられるような出来事があったのだ。

これまでおよそ60カ国の国々を歩き、コロンビアのゲリラやペルーのコカイン・ジャングルを取材したこともある。こうした話を人にすると、「ずいぶん危ない目に遭ったでしょう」と訊かれる。

しかし、こうした辺境の国々での滞在や取材で、実際に危険な目に遭ったことはなかった。私の身に本当の危険が降りかかってきたのは、アジアの中でも安全な国として名高い母国、日本でだった。

伊藤詩織の『Black Box』は、そう簡単な本ではない。読者は、読む前から伊藤が山口に乱暴されたことを知っている。だから読むのにある種の辛さがつきまとう。また、現在、彼女がけなげに闘っていることも知っている。漠然とした大枠は知っているのだ。

読むのも辛いが、書くのはもっと辛い。ただの書評ではなく、状況の全体のなかに、この本の意味をおくこと。それがわたしの務めになりそうだ。

米国の大学でジャーナリズムと写真を学んでいた伊藤詩織は、帰国してからもジャーナリストとして働くための就職先を探していた。ニューヨークで面識のあった(といっても2回だけ、それもふたりきりで会ったことはなかった)山口敬之に会う。それまで、就職を斡旋してもらえるようなメールをもらっていたからだ。

2 狩りの日

鮨屋までの道のりで山口氏は、傍らの店を指さしながら、「ここはこの前〇〇さんや△△さんと来た店」と、著名な政治家や、歴代総理大臣の名前を何人か挙げた。そうした言動は、権力の中枢に入り込んでいるジャーナリスト、という印象をことさら強く感じさせた。

二合目を飲み終わる前に、私はトイレに入った。出て来て席に戻り、三合目を頼んだ記憶はあるのだが、ソレを飲んだかどうかは覚えていない。そして突然、何だか調子がおかしいと感じ、二度目のトイレに席を立った。

トイレに入るなり突然頭がくらっとして蓋をした便器にそのまま腰掛け、給水タンクに頭をもたせかけた。そこからの記憶はない。

鮨屋までの道のりで山口が、しきりに「著名な政治家や、歴代総理大臣の名前」を喋っているのは、すでに狩りははじまっていたのである。自分を高く売っているのであり、自分のいうことを聞けば就職など簡単だとの、強姦の前振りだったのだろう。

伊藤詩織が「二合目を飲み終わる前に」、トイレに立っているが、おそらくこのときに薬(デートレイプドラッグ)を残った酒に入れられたのである。「出て来て席に戻り、三合目を頼んだ記憶はあるのだが、それを飲んだかどうかは覚えていない」。つまり残っていた二合目の酒を飲んだために薬が効いてきた。

「突然、何だか調子がおかしいと感じ」たのは、薬のせいである。わたしも若い頃は酒が強かった。二合というと、ほぼ30分以内で飲み干しており、意識もしらふとまったく変わっていなかった。

飲み過ぎて酒場で酔い潰れたことは一度もない。気分が悪くなると、失礼して先に帰っていた。つまり酒に強い人は、もうここまで、という限度を知っているのだ。酒場で醜態をさらすのは酒に弱い人間である。詩織は自分は酒に強い人間だと書いていた。それが二合で気を失うということはあり得ない。

彼女は無理にタクシーに乗せられた。のちにとれたタクシー運転手の証言では、彼女は「近くの駅で降ろしてください」と何度もいっていた。途中からは喋れなくなり、降りるときには、自力では降りられない状態だったという。

山口が担ぎ込んだホテルの部屋のハウスキーパーは、「ベッドは片方しか使われていなかった。もう一つのベッドには血がついていた」と証言した。

つまり、最初から強姦する目的でホテルに担ぎ込み、ふたつあったベッドのひとつだけを使って強姦したのである。

・・・・・・・・・━━━━━━☆

(メルマガの公開はここまでです。申し訳ありません)

※メルマガのご案内

こんにちは!

有料メルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』を配信している兵頭と申します。

2011年10月1日より『兵頭正俊の優しさ出前』(月額:864円(税込)/配信サイト:まぐまぐ)を配信開始しました。

月・水・金・それに、ほぼ週に1回の号外を配信しております。
実質、週に4回の配信になります。

わたしの強みは、商業ジャーナリズム、「記者クラブ」メディアから自立していることから、政権にも企業にも遠慮なく真実を語る位置を確保していることです。

わたしは若い頃に吉本隆明の『試行』に作品を発表していました。
この『試行』自体が、そのような問題意識に貫かれた同人誌でした。
位置のとり方の大切さはわかっております。

また、教師をやっていたことから、わかりやすく表現することには通じており、多くの読者の方からわかりやすいという声を聞いています。

優れた情報と、新しい状況の分析・とらえ方を提供します。
そして、「記者クラブ」メディアの情報操作と国民洗脳を対象化し、あなたを現在とは違うステージに招待します。

確かに、わたしはテレビなど晴れがましい舞台には出ておりません。

しかし、わたしの書いた文章は、グーグルの検索でもあちこちで上位に出ております。

ツイッターでは3万を超えるフォロワーに支持されており、無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』は殿堂入りを果たしております。

価格以上の価値があると自信があります。
ぜひ購読のご検討をお願い申し上げる次第です。

なお、別に無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』PC用と、内容は同じ 携帯用 を2011年8月29日より、「まぐまぐ」から配信しております。

無料で、ほぼ週刊です。
(体調を崩したとき、それに正月や5月の連休、お盆には、お休みをいただきます)

携帯の送受信の制限を考慮して、分割して送信するように改善しました。

ご登録をよろしくお願いします。

なお、メルマガはテキストファイルであり、このブログ掲載の画像などはありません。

また、このブログ掲載の文章は、メルマガの一部であり、ブログ用に編集してあります。
© GIHYO