11月22日、福島を中心とした大きな地震があった。地震が起きて、日本で誰もがすぐに気になるのは原発のことだ。犬HKも民放も、東京の寿司友メディアは、津波がくるからすぐ高台か遠方に逃げて、と報道し続けた。それより先に、現在フランスでも問題になっている日本製の、低技術の原発情報を伝えなければならない。

今回の地震でも、22日午前6時10分ごろ、福島第2原発3号機の使用済み核燃料プールの冷却機能が自動停止した。

もし原発が破壊され、放射性物質が漏れていたら、風向きによっては通常と異なった避難先を考えなければならない。ところが、原発の情報が、住民のことなどまるで考えていない、最初から保身に裏付けられた官僚的作文だった。

今のところ原発に問題はない」

「当面は直ちに危険な状態に陥るとは考えにくい」

お前たち下々の者に真実を教えるとパニックになる、といった自己保身の裏返しは、3.11とまったく変わっていなかった。

テレビ画面では、車が走っていた。大きな地震の後では、道路は陥没し、倒壊した家屋や立木が道路を防ぐ。道路は交通渋滞に陥る。避難途中の多くの車が津波に呑まれたのが、3.11であるが、それも徹底していなかった。

日本は現在、アフリカで戦争をやっている。しかし、国民の関心はないのに等しい。メディアが大きく伝えないからだ。

日本のメディアがスクラムを組んでいっせいに報道するときは、官邸の指示があったときである。小沢一郎や小保方晴子へのメディアバッシング、メディアリンチはそうである。

また、気をつけねばならないのは、或る重要なことを隠蔽するためのスピン報道があることだ。

さらに最初から報道を押さえるというメディアコントロールもある。現在のアフリカ戦線がそうである。これは、かりに戦死者が出ても、真実を報道しないだろう。国民がパニックに陥るからといった、安倍・ジャパンハンドラー政権の自己保身が働くからである。

これはまことに日本が異様な国家になったことを物語る。こっそりと国民の目から隠れて、米国のための戦争を外国でやらされているのだ。

11月20日、陸上自衛隊の約130人が、南スーダンの首都ジュバに向けて青森空港を出発した。先発隊である。南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)で、新任務「駆け付け警護」という奇怪な名前のついた戦争が始まる。

(「ジュバで入手した地元新聞。「新任務を帯びた自衛隊がジュバ到着。自衛隊は、PKOの他国軍と同様の、より危険な任務につく」との論調。日本でどう議論していても、現地ではこのような受け止め方です。(南スーダン/今井)」)
(「ジュバで入手した地元新聞。「新任務を帯びた自衛隊がジュバ到着。自衛隊は、PKOの他国軍と同様の、より危険な任務につく」との論調。日本でどう議論していても、現地ではこのような受け止め方です。(南スーダン/今井)」)

30日には主力1波の約120人、12月14日に2波の約100人が現地に向かう。これはこれではおさまらず、ずるずると日本はアフリカの戦争に巻き込まれていく可能性が高い。

南スーダンは、2013年からは内戦状態だ。すでに数万人が死亡し、250万人以上が避難民になっている。11月16日には、ついに国連の潘基文事務総長まで、「大規模な残虐行為が発生する非常に現実的な危険がある」と述べた南スーダンである。愚かとしかいいようがない。

1992年に成立したPKO協力法に盛り込まれたPKO参加5原則もなし崩しになっている。

これは、日本がPKOに参加する際に満たすべき条件を決めたもので、次の5項目のしばりがある。

(1)紛争当事者間で停戦合意が成立

(2)現地政府や紛争当事者の受け入れ同意

(3)中立的立場の厳守

(4)これらの条件が満たされない場合に撤収が可能

(5)武器使用は防護のための必要最小限に限る

もっともまずいのは、(4)の「これらの条件が満たされない場合に撤収が可能」というしばりである。これほど日本にできないことはない。

太平洋戦争がそうであった。一度始めたら、いくら敗色濃厚となっても、途中でやめることができないのだ。ずるずると続け、とうとう広島・長崎への原爆投下までいった。

今の安倍晋三のTPPへのこだわりを見ていると、一度介入した南スーダンから撤退することは、メンツにこだわって出来ないだろう。

なんちゃって防衛相の稲田朋美は「人道的な見地から(自衛隊が)対応できる人を見殺しにしないのが駆けつけ警護だ」「隊員のリスクは高まることはない」と、相変わらずのド素人ぶりを発揮している。

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もともと彼女は、「戦争が地上に時として出て来るのは地上に生れた霊魂進化の一過程として、それが戦地に赴くべき勇士たちにとっては耐え得られるところの最高の宗教的行事である」とする、生長の家の谷口雅春を師と仰いでいる。戦死は否むものではないのだ。

稲田朋美は、この谷口雅春を「ずっと自分の生き方の根本」においてきた。これから戦地に送り出される自衛隊員は、「肉体の無と、大生命への帰一とが、同時に完全融合して行われるところの最高の宗教的行事」として、少なくとも防衛大臣には戦場に見送られることになる。

もっとも彼女は、「わたしにも大学生の息子がいますが、赤紙で徴兵されるのは絶対に嫌です」と語っているから、わが身や身内は思想の圏外にあるのらしい。なんちゃって防衛相なのだ。

政治家がやるべきことと、軍人がやるべきこととは違っている。政治家がやるべきことは、外交で戦争を止めることだ。それを稲田は宗主国の傭兵のように振る舞っている。

南スーダンのような内戦状態の国に介入して勝利し、以前よりその国を豊かにした外国など存在しない。介入は膨大な戦費に苦しむ現実を招く。やがては国家自体が凋落していく。それは米国が何よりの見本だ。

ケニス・M・ポラックは、「踏み込むべきか、後退すべきか ―― 中東におけるアメリカの選択」のなかで書いている。

(ケニス・M・ポラックは、ブルッキングス研究所中東政策センター・シニアフェロー。専門は中東の軍事と政治)

この論文は、トランプ勝利の前に書かれている。その点は頭の片隅においていただきたい。読者は常に日本の南スーダン介入を念頭においてお読みいただきたい。外国からの必然性なき介入という点で、米国と日本の軍事介入は同じである。

「一般に考えられるのとは逆に、外部勢力が介入すれば、内戦を戦う勢力が燃え尽きる前に、内戦を終わらせられる可能性もある。内戦の研究者たちは、1945年以降の内戦の20%、1995年以降の40%は外部パワーが介入することで、より早い段階で終結に持ち込まれたとみている。もちろん、そうするのは簡単ではないが、アメリカのイラクでの経験ほど、壊滅的なコストを強いられることはないだろう。

内戦を終わらせるには、介入する外部パワーは三つの目的を達成しなければならない。第1に、軍事ダイナミクスを変化させて、内戦を戦うすべての勢力が「軍事的勝利は望めない」と考える戦略環境を作ることだ。特定勢力が「銃を置けば皆殺しにされる」と恐怖を抱かない環境の整備も必要になる。

第2に、さまざまな集団を参加させる権力分有合意をまとめなければならない。これによって、各勢力が新政府に同じ利害をもつようになる。

第3に、すべての関係勢力が上記二つを間違いなく順守するようなメカニズムを導入しなければならない。これは図らずも、NATOが1994―95年にボスニアで、アメリカが2007―10年にイラクで果たした役割に他ならない。

歴史は、このアプローチから逸脱したり、介入目的を支えるために適切な資源を投入したりしなければ、外部パワーによる介入は最終的に失敗し、紛争をさらにせい惨なものへと変化させること、つまり、紛争を長期化させ、封じ込めがうまくいかなくなることを教えている。

イランやシリアへのアメリカの政策が破綻したことに不思議はない。アメリカが唯一機能するアプローチを回避しても、その他の方法が機能するようになると考える理由はない。シリアやイラクのイスラム国勢力に対する空爆作戦は、良くても、アフガニスタンのアルカイダに対する攻撃と同程度の成果を期待できるにすぎない。

アメリカはイスラム国に大きな痛手を強いることができるかもしれない。だが紛争を終わらせない限り、この武装集団はさらに変性を遂げて拡散し、イスラム国がアルカイダの後継組織であるように、その後継集団がイスラム国を引き継ぐことになる」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.4)

ケニス・M・ポラックは、外部からの介入が成功することは「簡単ではないが、アメリカのイラクでの経験ほど、壊滅的なコストを強いられることはないだろう」と書いている。しかし、その根拠は示されていない。

常識的に考えて、その政治力、軍事力、経済力の卓抜からいって、米国が失敗したのだから、日本などが成功する筈がない、と考えるのが正しい。

ここで、ケニス・M・ポラックは内戦を終結させるために、介入する外国が達成すべき三つの目的を掲げている。

1 軍事ダイナミクスを変化させて、内戦を戦うすべての勢力が「軍事的勝利は望めない」と考える戦略環境と、特定勢力が「銃を置けば皆殺しにされる」と恐怖を抱かない環境の整備

2 各勢力が新政府に同じ利害をもつように、さまざまな集団を参加させる権力分有合意をまとめること

3 すべての関係勢力が上記二つを間違いなく順守するようなメカニズムを導入すること

劣化した今の日本政治に、この3点がやれるはずがない。おそらく米国が日本に南スーダンへの介入をやらせたのは、日本に兵士と金を出させ、戦略はすべて米国が仕切るつもりなのだろう。

つまり自衛隊が、もともと米国の指揮下にあるという現実が、南スーダンで現実化するわけである。

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