2015年にノーベル文学賞を受賞したスベトラーナ・アレクシエービッチが日本にきている。

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11月28日に、東京外国語大学で講演して、「日本には抵抗の文化がない」と発言した。福島第1原発破壊の福島を視察して、被災者から国の責任を追及する声が少ないことに驚いたものである。

福島で目にしたのは、日本社会に人々が団結する形での『抵抗』という文化がないことです。祖母を亡くし、国を提訴した女性はその例外です。同じ訴えが何千件もあれば、人々に対する国の態度も変わったかもしれません。全体主義の長い文化があったわが国(旧ソ連)でも、人々が社会に対する抵抗の文化を持っていません。日本ではなぜなのでしょうか

「全体主義の長い文化があったわが国(旧ソ連)でも、人々が社会に対する抵抗の文化を持っていません」という言葉をそのまま受け取るわけにはいかない。ロシアは、世界史に残るロシア革命を成し遂げ、またその革命が裏切られると、ソ連邦をも倒した

日本人は抵抗しない。人体実験に供されても抵抗しない。抵抗しないことを美徳にさえしている。諦めと忍従。

奴隷根性が民族のDNAとして深く刻み込まれている。米日の既得権益支配層にとって、これほど有り難い、宝物はない。

今回のトランプの登場も、対米独立の絶好の機会だった。しかし、安倍晋三は、トランプの就任式前にすでに奴隷として仕える誓約をするありさまだ。しかも日本だけ会ってもらえたと有り難がる始末だ。

日本では、国のためになる人間には、後ろから石が飛んでくる。小沢一郎や小保方晴子を見ていると、それがよくわかる。主人を超える奴隷には、傘をささないのだ。

集団的自衛権の本質は、自衛ではなく、他衛(米国防衛)なのだ。これも異様な奴隷根性の賜物だ。

それが、とうとう南スーダン派兵に現実化した。

今井高樹(JVCスーダン現地代表)の書いた「アフリカの紛争地から、集団的自衛権「駆けつけ警護」」(『JVC 日本国際ボランティアセンター』)を読んだ。

この記事の更新は2014年7月11日である。ちょっと古いが、本質的なことは何も変わっていない。優れた情報なので、メルマガで採り上げることにする。今のところ、現地から、安倍政権の愚かさを対象化しながら、生々しい情報を知らせてくれるのは、今井高樹ぐらいだろう。

「私は、国際協力NGO「日本国際ボランティアセンター」の職員として、「紛争国」と呼ばれる南スーダン(当時はスーダンの南部自治領)及びスーダンに7年間にわたり駐在し、現地での人道支援活動に従事しています。

その間、2011年6月にはスーダン、南コルドファン州カドグリ市で武力紛争に遭遇、国連職員などとともに市街戦からの緊急退避を経験しました。また、昨年12月に勃発した南スーダンの内乱では、元同僚をはじめ現地住民が巻き込まれる様子を耳にしてきました。

そうした経験から、「駆け付け警護」については「一体そんなことができるのか」というのが率直な感想です。

首相が記者会見で示した図は、「テロリスト」を想起させるような武装集団が日本のNGOや国連職員を攻撃し、そこに自衛隊が駆け付けて救出するという、善悪観がハッキリして誰にでも分かりやすい構図が描かれています。しかし現代の紛争の現場は、それほど単純なものではありません。

私が緊急退避を行った際の状況は、政府軍と反政府軍とがともに民兵を動員し、正規兵・非正規兵の区別が曖昧な中で戦闘が行われていました。明確な指揮系統はなく、市内では戦闘と同時に、「兵士」が商店や住宅に押し入り「敵兵」を探索しながら、破壊や略奪行為が行われていました。誰が破壊・略奪をしているかもよく分からないまま、危険はNGOや国連の施設にまで迫っていました。

私たちは相互連絡を取りながら、市郊外に展開する国連平和維持軍が派遣する救出部隊を待っていました。しかし平和維持軍は戦闘に巻き込まれることを恐れ、部隊の派遣を躊躇したのです。最終的に国連は、軍ではなく非武装の救援隊を市内に送り込む決断を下し、私たちは白い四輪駆動車の車列で無事に郊外の国連施設に退避することができました。非武装の車両による救援は奏功したのです。(「アフリカの紛争地から、集団的自衛権「駆けつけ警護」」)」

現在の自民党の中心は、戦争を知らない、幼児期から生活的にも恵まれた世襲議員によって構成されている。それが問題なのは、国民の窮状に冷酷な政治になって顕在化するからだ。それは、11月29日、年金のカットとなって現れた。

戦争には相手がいる。それは考える相手である、作戦を練ってくる、という認識すらかれらには希薄である。

敗戦から70年余が経った。日本の政界を嚮導している政治家たちには、すべて戦中体験がない。これは以前にも指摘したものだが、新しい読者もいるので、再度指摘する。日本政界の中枢にいる数人をあげつらってみると、

菅義偉 1948年(敗戦から3年後に誕生)

山口那津男 1952年生まれ(敗戦から7年後に誕生)

安倍晋三 1954年生まれ(敗戦から9年後に誕生)

よくメディアに登場してエラそうな口を叩いて国民をだます小池百合子、小泉進次郎、橋下徹は、それぞれ、

小池百合子 1952年生まれ(敗戦から7年後に誕生)

小泉進次郎 1981年生まれ(敗戦から35年後に誕生)

橋下徹 1969年生まれ(敗戦から24年後に誕生)

安倍晋三、山口那津男は敗戦から7~9年後の誕生である。かれらはそれからさらに7、8年たって、小学校に入ったわけだ。日本の復興は早く、その時代になると、少なくとも表面上、日本に敗戦の痕跡はなくなっていた。

もちろん、人の思想は体験のみで形作られるものではない。しかし、経済的に恵まれた生活体験者が、貧困の苦しみや、貧困故にあらかじめ決まった人生を歩まされる人々を、思いやることは希である。

多くの場合、石原慎太郎的な、冷たい牙を磨く。弱肉強食、優勝劣敗、優生学の道を歩む。その方が楽だからだ。

と同時に、かれらには民主主義を尊重する姿勢は希薄である。これが日本では政治の私物化、独裁への道を開いている。

深刻なのは、これが世界的な趨勢と一致していることだ。

「データによれば、個人独裁、つまり、権力者個人に権力を集中させる政治システムは、冷戦終結以降、顕著に増加している。1988年当時、独裁制国家のなかで個人独裁体制を確立していたのは23%だったが、いまやその40%が1人の強権者によって支配されている」(アンドレア・ケンドール=テイラー、エリカ・フランツ、ジョセフ・ライト共同執筆「新しい独裁者たち―なぜ個人独裁国家が増えているのか」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.11))

南スーダンへの自衛隊派兵には国民的合意はない。安倍とジャパンハンドラーが、国家を私物化し、独裁的に派兵を決めたものである。

ここで今井高樹が述べていることは非常に重要である。

政府軍と反政府軍とがともに民兵を動員し、正規兵・非正規兵の区別が曖昧な中で戦闘が行われていました」。これが中東やアフリカでの戦争だ。軍服を着た戦闘集団が、市民のいない戦場でぶつかるのではないのである。

しかも、「明確な指揮系統はなく、市内では戦闘と同時に、「兵士」が商店や住宅に押し入り「敵兵」を探索しながら、破壊や略奪行為が行われ」るのである。そこでは「誰が破壊・略奪をしているかもよく分からないまま、危険はNGOや国連の施設にまで迫って」くる。

国連平和維持軍の救出部隊も、戦闘に巻き込まれることを恐れ、部隊の派遣を躊躇するような状況なのだ。考えた末に、「国連は、軍ではなく非武装の救援隊を市内に送り込む決断を下し、私たちは白い四輪駆動車の車列で無事に郊外の国連施設に退避することができ」た。これはきわめて象徴的だ。

軍用車ではなく、民間の白い車に乗ったから、逃げおおせたのである。

もし自衛隊が軍用車で突っ込んでいたら、おそらく生きては帰れなかったであろう。

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5年ほどかかりました。テレビにでも出ていたら、桁が違っていたでしょうが、出なかったおかげでほんとうのことを書き続けてこれました。

わたしのようにどの組織にも属さず、辛口の政治評論が中心で、どの政党も遠慮せずに批判し、既得権益支配層を批判するばかりか、だらしのない国民をも叱咤し続けて、3千部達成というのは、珍しいのです。

たまにお便りで読者を知ることがあるのですが、わたしの読者は粒よりで、一騎当千のつわものばかりです。これが何よりのわたしの誇りです。

なにぶん歳なので、いつまで書けるかわかりません。それ以上に、狙われているので、ネットから追放される可能性もあります。皆さんのなかにもわたしのツイートをリツイートして、妨害された方がおられるでしょう。共産党からネトウヨまで、幅広い妨害に遭っております。つまり公認左翼と右翼とに怖がられております。

毒にも薬にもならない言葉ではないわけで、妨害はわたしの栄光だと思っております。

いくら妨害に遭っても、明察の支持者がいて、11月8日にはツイッターのフォロワーが3万人を超えました。感謝しております。

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