一国の政治は、トップによって大きく変わる。それは日本の安倍晋三を見ればよくわかる。まるで国家がおもちゃのようにもてあそばれ、壊されている。

トランプ勝利を受けて、情勢が大きく変わってきた。ロシア制裁は解除されるかもしれない。これもトップの交代で起きる変化のひとつだ。

『Sputnik日本』(2016年11月20日)が「ポリティコ:トランプ氏は年末までに対露制裁を破壊できる」と題して、次のように報じている。

トランプ氏が米大統領選挙で勝利したことは、氏が大統領職に正式就任する前にも対露制裁崩壊に繋がる可能性がある。米政治メディアポリティコが報じた。

記事の著者によると、トランプ氏が予期せず勝利するまで、欧州首脳らは12月のサミットで制裁を延長する予定だった。

「オバマ政権は、制裁問題における環大西洋諸国の一体性を支持するためにEUと緊密に協力し、彼らが抑制に重要な役割を担っていると示していた。しかし、トランプ氏の勝利は懐疑的なムードの欧州諸国に対し、制裁措置延長に反対するための『トランプ氏はどの道、米国による制裁を解除する』という重みのある論拠を与えるので、トランプ氏勝利はこの脆い合意を脅かしている」とポリティコは伝える。

先にIMFが、対露制裁によるロシアへの影響はゼロに近づいていると伝えた」(「ポリティコ:トランプ氏は年末までに対露制裁を破壊できる」)

このように米露の和解は進む。世界は米露中の、多極化した新時代に進む可能性が高い。

そこに大きく割り込んでくるヨーロッパのふたりの女性がいる。ひとりはドイツのメルケルであり、もうひとりはフランス国民戦線党首のマリーヌ・ルペンである。

メルケルは、20日、与党キリスト教民主同盟の幹部会で、来秋、首相四期目に挑戦する意向を表明した。メルケルは、トランプ次期米大統領の人種差別、女性差別に警戒心を抱いている。もし彼女が四期目の首相になると、米独関係は緊張すると思われる。

メルケルは、トランプ勝利の祝辞のなかで、「ドイツにとって、EU以外の国の中で、米国ほど共通の価値によって緊密に結ばれている国はありません。その共通の価値とは、民主主義、自由、権利の尊重、全ての個人の尊厳を重んじることです」と述べた後、こう続けた。「人権と尊厳は、出身地、肌の色、宗教、性別、性的な嗜好、政治思想を問うことなく守られなくてはなりません」。

奴隷外交を繰り広げて世界の顰蹙を買ったわれらの安倍晋三と比べるとき、ドイツ国民への羨望さえ覚える。政治に対する真面目さが根本的に違っている。いい加減に済まさない。これだからドイツは敬意を払われ、日本は侮られるのだ。

マリーヌ・ルペン フランス国民戦線党首は、来年のフランス大統領選で勝利する可能性がある。

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ルペンは同じポピュリズムの視点からトランプへの連携を表明している。またEUからの離脱を巡って国民投票をやるつもりなので、メルケルとの関係も緊張したものになろう。

つまりこの3人の関係は、トランプとルペンとの折り合いがよく、メルケルはこのふたりに対して警戒心を抱いている。

ルペンへのインタビュー「マリーヌ・ルペンとの対話 ― フランスの文化、独立と自由を取り戻す」を読んだ。彼女の発言には納得できることが多く、日本では「極右」のレッテルが必ず貼られて、多分に誤解されていると感じた。

「 ―― 国民戦線を含む、反エスタブリッシュメント政党がヨーロッパ全域で台頭している理由はなんだろうか。

すべての人は自由になることを望んでいると思う。(だが現実には)欧州連合(EU)加盟国の市民たち、そしておそらくはアメリカ市民も「政治指導者は市民の利益ではなく、むしろ圧力団体の利益を守ろうとしている」とこれまで長く感じてきた。

いまやそこにあるのは市民のためではなく、体制(あるいは現状)を擁護するためのシステムで、これに対して民衆がある種の反乱を起こしている。

―― アメリカにおけるドナルド・トランプの成功とフランスでのあなたの成功に共通点はあると思うか。

あると思う。特にドナルド・トランプとバーニー・サンダースの台頭には共通点がある。2人は、人々の期待を置き去りにしている利己的で自己中心的なシステムを拒絶している。2人は似ているし、ともに成功している。

もちろん、バーニー・サンダースは民主党の大統領候補にはなれなかったが、彼がここまで健闘するとは当初考えられていなかった。

(フランスやアメリカを含む)多くの国で、国家にこだわり、無節操なグローバル化に反対する流れが生じている。グローバル化は全体主義的だと見なされている。いかなる代価を払ってでもそれを受け入れるようにわれわれは強要されてきた。これは、少数の人々が利益を得るために、他のすべての人を犠牲にする戦争のようなものだ」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.11)

「政治指導者は市民の利益ではなく、むしろ圧力団体の利益を守ろうとしている」「いまやそこにあるのは市民のためではなく、体制(あるいは現状)を擁護するためのシステムで、これに対して民衆がある種の反乱を起こしている」という状況認識など、ポピュリストの言説は、昔の左翼の言説に近いものがある。

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ただ、かれらは人間を疎外する資本主義という認識をしないまでだ。

それを別の角度から表現したこんなツイートがあった。

「bandeapart72

フランスにおいて、力のある労働者階級を有する市町村での数字に表れています。かつて共産党に票を投じてきた労働者階級が、現在破壊的な経済危機の真っ直中で、(マリーヌ・ルペンの 注 : 兵頭)国民戦線に投票しているのです

共産党を支持してきた人々が、マリーヌ・ルペンの国民戦線に投票している。資本主義社会の課題は、否定と止揚の対象ではなくなった。反グローバリズム、反格差、反移民が課題になったのである。

これはフランス国民戦線党首のマリーヌ・ルペンだけに限らず、ドナルド・トランプにも見られる状況認識である。

マリーヌ・ルペンは、ドナルド・トランプとバーニー・サンダースの台頭にも共通点を見ている。「人々の期待を置き去りにしている利己的で自己中心的なシステムを拒絶している」と。

ルペンが、グローバル化を全体主義的だと見なし、「少数の人々が利益を得るために、他のすべての人を犠牲にする戦争のようなもの」と語るとき、その認識は新しい。注目すべきは、彼女がしきりに「全体主義」というキーワードを否定の対象として使っていることだ。

これは、現在、通俗的なトランプ批判が、かれを「全体主義」として認識するのを否定するものだ。この通俗的な「全体主義」批判は、かつて左翼運動にも投げつけられたものだ。つまり、世界の1%は、99%に寄り添う政治思想に、「全体主義」のレッテルを貼り、攻撃するのである。

現在の全体主義は、間違いなくTPPであろう。TPPは、ISD条項を使ったグローバリストの独裁である。その権力は国家をも支配する。

選挙も投票も意味が希薄化する。選ばれた政治家が法律を作っても、日本で商売がうまくいかなかったグローバル企業あるいは株主に訴えられると、損害賠償を払わされた挙げ句、国内法は作り替えられていく。憲法の上にグローバリストの利害がそびえ立つのだ。

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