ヒラリーが、米大統領選で語った、「トランプ候補の支持者の半数は人種差別主義者や性差別主義者、同性愛嫌悪者、外国人嫌悪者、イスラム教嫌悪者といった嘆かわしい人々(deplorables)だ」という言葉が、いまの状況でも反トランプの原点になっている。

オバマはノーベル平和賞を受賞し、またメディアの偏向報道のお陰で平和の使徒のように錯覚されている。しかし、オバマの素顔は大統領在任期間に7か国を爆撃したネオコン派の大統領だった。

イスラム圏7か国からの入国制限の大統領令も、もともとオバマ政権が始めたものである。

オバマは、テロの危険性を避けるため、6回もイスラム圏からの入国を禁止する措置をとった。そのときは、米国はもちろん、世界のメディアは何もいわなかった。ところが、トランプが大統領令を出したとたん、蜂の巣をつついたような騒ぎになった。

特にトランプの入国禁止大統領令に対して連邦地裁が差し止め命令を出したときなど、拍手喝采で、浅薄な日本メディアは米国の司法の健全さを称賛する始末である。

大統領令を否定したのは、ブッシュ元大統領に指名された判事であって、判事も政治的に動いているにすぎないのである。米国では熾烈な権力闘争が起きているのだ。

ネットでも、トランプ叩きからトランプ支持者叩きへとエスカレートする始末である。犬HKを初めとする地上波メディアの偏向報道に完全に洗脳されているのだ。

それがちょっと下火になったのは、トランプの入国制限措置に関する世論調査が米国で発表されたときだ。

ロイターではトランプの大統領令への賛成が49%で、反対は41%だった。また、ラスムッセンでは賛成が57%で、反対は33%、FOXでは賛成が66%で、反対は24%だった。

2015年以降にシリア難民の受け入れを拒否した州知事は過半数以上に及んでいたのだから、トランプは米国世論の多数派に応えた大統領令を発していたのである。

日本にいると、虚報の波に呑まれて、ほんとうに間違う。

ジェフ・コルガンが、「リベラリズムを脅かす「他者化」メカニズム ―― 2017年をとらえるもう一つの視点」を書いている。

(ジェフ・コルガンは、ブラウン大学准教授。専門は国際安全保障の政治経済学、国際関係論)

「2016年に起きたイベントをどう理解すべきか。そのための枠組みの1つが社会心理学の「他者化(othering)」理論だろう。

(中略)

他者を特定することで、誰が仲間で、誰がそうでないかを区別する心理的ルールが育まれることで集団は結束する。

(中略)

だが、国家アイデンティティとなると、他者を区別するやり方はかなりの危険を伴う。政策決定者は、他者を区別することの必要性と帰結をともに過小評価しているようだ。

(中略)

国家にとっての「他者」が突然消失すれば、(それまで結束を保ってきた社会に)内的な不和が生じ、社会が機能不全に陥ることもある。これが数年後あるいは数十年後に現実になることも多い。

その証拠をみてみよう。第二次世界大戦後に「国際的な他者」が消失した大きなケースが2つ存在する。1つは脱植民地化による宗主国の消失だ。英仏その他の植民地宗主国が撤退すると、民衆を団結させてきた共通の敵である「他者」がいなくなったために、旧植民地は、新しい敵を内部で探すようになった。こうして新生独立国家の統合が揺るがされ、多くの場合、民族・宗派ラインに即して分裂していった。

(中略)

もう一つの異質な「他者」が突然消失したケースは、ソビエトの崩壊に他ならない。その結果、アメリカでは特に反共政党だった共和党が短期的にも長期的にも政治的に困難な状況に陥った。ソビエトが崩壊した以上、「民主党は共産主義と国家安全保障に弱腰だ」と嘲笑することの政治的意味はなくなった。

(中略)

ソビエト崩壊の全面的な帰結、そしてそれが共和党にとって何を意味したかが、いまになってやっと具体化しつつある。ソビエトの崩壊とともに脅威が消失すると、共和党が毛嫌いする「他者」の対象は「共産主義者」から「ワシントンのエリート」に置き換えられた。

この他者化のメッセージが、イラク戦争の失敗と2008年の金融危機とともに、政治的熱狂を生み出したのが2010年だった」(『Foreign Affairs Report』2017 NO.2)

ここでジェフ・コルガンが「2016年に起きたイベント」といっているのは、米大統領選のことである。その現実を理解するために、社会心理学の「他者化(othering)」理論をもってきたのは秀逸である。

「他者」(政敵あるいは軍事的な敵といったケースを適用すればわかりやすい)を特定することで、集団は結束するのだ。

日本の場合、中国・北朝鮮がこれに当たる。連日、東京の大手(「記者クラブ」)陰謀メディアが中国・北朝鮮敵視の洗脳・誘導を繰り返す。それで、日本の1%はアンシャン・レジームを維持する。軍事予算を大幅に増やし、大儲けを持続している。

ここで重要なのは、ジェフ・コルガンが「国家アイデンティティとなると、他者を区別するやり方はかなりの危険を伴う。政策決定者は、他者を区別することの必要性と帰結をともに過小評価しているようだ」と書いていることだ。

確かに安倍晋三は、無思慮に中国・北朝鮮の脅威を煽っている。それがどういった影響を国民に与えているか。日本国民が危険な方向に走り出す未来には、安倍はまったく無頓着である。現在に、未来の危険を予知する能力が皆無なのだ。

逆のケースも考えられる。日本にとっての「他者=中国・北朝鮮」が突然消失すれば、日本国民の混沌が生まれ、社会が機能不全に陥ることもある。

ジェフ・コルガンは、第二次世界大戦後に「国際的な他者」が消失した大きなケースとしてふたつを挙げている。

1 脱植民地化による宗主国の消失

2 ソビエトの崩壊

このふたつのケースとも「他者」を失って、新たな「他者」を求める動きが生まれたのだった。

ジェフ・コルガンは、政治にとっての他者は、次の3つの特徴を備えていなければならないとする。

1 相手の行動を反面教師としてアイデンティティと正しい対外行動への認識が育まれるように、「他者」は外交領域で十分な存在感をもっていなければならない。

2 他者は「敵」か「劣った存在」でなければならない。

3 指導者が米国の課題と機会に他者がいかに関係しているかのストーリーを描くことで、これを強化していく必要がある。

こうして見てくると、日本にとっての中国・北朝鮮は、この3つの特徴をもって、日々、敵性の「他者」として国民に浸透していることがわかる。

特に「2 他者は「敵」か「劣った存在」でなければならない」という特徴を満たすために、随分と現実とは違った虚像を国民は植え付けられている。

現在の日本は、トランプの登場によって、米国からの独立・自立の絶好の機会だったが、東京の安倍奴隷政権が選んだのは奴隷国家の継続だった。

日本の場合、宗主国は民衆を団結させるための共通の敵ではなかったのである。これほど奇怪で情けない現実はない。実質的な植民地状態でありながら、この国の1%は宗主国に貢ぎ続け、あろうことか隷属の利権を確保しているのである。

日本では、表向きは中国・北朝鮮を敵性の「他者」としながら、自国の99%をも「他者」として扱っている

米国の場合、ソビエト崩壊後、共和党の「他者」は「共産主義者」から「ワシントンのエリート」に置き換えられた。こう考えると、トランプの選挙戦略は、ぴったりと共和党の戦略と一致し、かつ米国の99%に寄り添っていたことがわかる。

この選挙戦略は、選挙に勝利しても終わりがないものだった。権力闘争は引き継がれ深まることを意味していた。トランプを受け付けない米国の司法は健在だといったのんきな問題ではないのである。

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たまにお便りで読者を知ることがあるのですが、わたしの読者は粒よりで、一騎当千のつわものばかりです。これが何よりのわたしの誇りです。

なにぶん歳なので、いつまで書けるかわかりません。それ以上に、狙われているので、ネットから追放される可能性もあります。皆さんのなかにもわたしのツイートをリツイートして、妨害された方がおられるでしょう。共産党からネトウヨまで、幅広い妨害に遭っております。つまり公認左翼と右翼とに怖がられております。

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