2020年東京五輪の野球・ソフトボールの試合会場として森会長らが推進している福島での五輪野球。これに世界野球・ソフトボール連盟(WBSC)のフラッカリ会長が難色を示した。フラッカリは「土のグラウンドでトップレベルの試合をするのは日本ぐらいで、国際標準は内外野ともに芝。福島県内の球場が五輪にふさわしいのか、疑問符がついた」と語った。

これで福島開催は頓挫するという。

もちろん、芝でないというのは、建前だろう。あと4年もあるのだから、芝に変えたらいいだけの話だ。放射能汚染が原因である。日本ではスポーツ界が何も主張せずに、唯々諾々と支配エリートの決めたことに従うが、外国はそういうわけにはいかない。

ダグラス・マレーが「エリートを拒絶した英米の有権者たち ―― ブレグジットからトランプの勝利まで」を書いている。

(ダグラス・マレーは、イギリスのジャーナリストで、英ヘンリー・ジャクソン協会のアソシエート・ディレクターである)

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ブレグジット、そしてドナルド・トランプの米大統領選挙での勝利という、2016年の世界の選挙における二つのビッグイベントは、今から思えば、イギリスが欧州連合(EU)からの離脱を国民投票で決めた瞬間から、一体化することが運命づけられていたのかもしれない。

2016年6月のイギリス有権者による歴史的な選択は、アメリカの有権者も、機会さえ与えられれば、支配エリートたちを、あらゆる理由から可能な限り叩きつぶすことを選択するかもしれないことを示す前触れだった。イギリスの大衆にとってのエリート主義のシンボルは欧州委員会だったが、アメリカの大衆が選挙でターゲットにしたエリートは民主党大統領候補のヒラリー・クリントンだった。

二つの選択が引き起こした政治的大混乱は、企業のアウトソーシングによって国内雇用の見通しがたたなくなり、グローバル化を機会ではなく、厄介な問題とみなす集団を英米双方の社会が抱えていたことに派生している。

長期的に見て、もっとも重要な共通項は(エリートの無策の結果である)ブレグジットとトランプの勝利によって、急進右派と急進左派が国内政治領域で新たに融合する可能性があることだ。実際、生ぬるい移民対策と経済政策の余波から教訓を学べば、そうなるかもしれない。

(現状を)伝統的保守派による市場経済路線の失敗だったとみなすこのハイブリット連合は、貿易をめぐる国際主義よりも保護主義を好ましいと考え、近年における伝統的右派・左派の自制的な常套句の一部をかなぐり捨てて、外国との経済競争に対する恐怖や移民に対する社会懸念を正面から受け止めていくだろう。

キャメロンとクリントン

伝統的な政治的主流派が現状に適切に対応していくとは考えにくい。英米における伝統的な右派・左派の政治家たちは、対立政党の政治家に対してだけでなく、自分たちの支持者にさえ語りかけるのに苦労している。

実際、キャメロン前英首相がイギリスの自動車産業の中心地サンダーランドにおける右派の有権者を取り込めなかったように、クリントンもミシガンのラストベルト地帯における左派の有権者の支持をとりつけられなかった。2人は、大衆の不満や不安に相槌を打ちつつも、その不安がいかに深刻かを理解していなかった。

一方で、左と右から中道へと歩み寄ったクリントンとキャメロンは、自分の政党の欠陥を認めることも、対立政党の失敗を批判することもなかった。2人は、現在の経済政策が多くを犠牲にして一部の人にだけ恩恵を与えていることに対しても、満足のいく解決策を示せなかった。

英米の左派は、有権者が右傾化していることにも適切に対処しなかったし、人々が国家アイデンティティ危機や移民の流入を懸念していることに言及するのを避け、逆になぜ大衆がそう感じるのが間違っているかを説明しようとさえした」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.12)

ブレグジットとトランプの勝利は、来年のフランス国民戦線党首のマリーヌ・ルペンの勝利に繋がるかもしれない。新自由主義の国籍無き政治・経済は、グローバリズムを引き寄せ、反グローバリズム、反ワン・ワールドのナショナリズムの流れを作ってきた。それが沸点に達しようとしている。

日本の安倍・ジャパンハンドラー政権の狼狽ぶりは、これが日本にも波及するのではないかという怖れからきていた。

実は、日本の支配エリートは、敗戦後、ずっと「米国第一」の売国路線を貫いてきた。それは支配エリートの利権と繋がっていたので、持続したのである。

ダグラス・マレーの「イギリスの大衆にとってのエリート主義のシンボルは欧州委員会だったが、アメリカの大衆が選挙でターゲットにしたエリートは民主党大統領候補のヒラリー・クリントンだった」という指摘は正しい。ふたつの共通したターゲットはグローバリズムだ。

さらに長期的に見ると、急進右派と急進左派が融合するハイブリット連合の可能性が出てきた。

ここで注意せねばならないことがある。「左翼」といい、「右翼」という概念は、限りなく意味を喪失し、溶融してきているということだ。むしろ1%か、それとも99%か、というキーワードの方が本質に迫りやすい。サンダースはヒラリーよりもトランプに政治的情念は近いのである。そのトランプはプーチンへの尊崇の念を示している。さらにマリーヌ・ルペンもトランプやプーチンへの評価を表明している。「右翼」や「左翼」ではないのだ。

1%と99%とに分断された経済、格差社会が、ハイブリット連合の現実的基盤だ。

政治の劣化した日本では、トランプの勝利に慌てた安倍晋三が、自由貿易を声高に叫んだ。世界の動きがわかっていないのである。そして常軌を逸したTPPの批准にまで突き進んだ。それは1%の利権確保が危機に瀕した恐怖を物語っていた。

自公・維新は、この大きな世界のうねりに対応できないだろう。

トランプの勝利を受けて安倍がやったのは、TPP、年金カット、カジノ法案の、衆院での強行採決である。何も考えないで済む対米隷属路線の踏襲であった。

戦後、最大の、それも向こうからやってきた対米独立のチャンスは、どうやら安倍晋三の無能によってドブに捨てられそうである。

かれらに都合がいいのは、急進左派も急伸右派も日本には存在しないという、日本の政治民度の低さである。この国では、対米隷属に反対する者には「テロリストの同調者」といっておれば通じるのだ

クリントンもキャメロンも、自分の政党の欠陥を認めることをしなかった、とダグラス・マレーは語る。さらに対立政党の失敗を批判することさえしなかった。これは同じ1%に仕える政党として、批判がわが身に返ってくるからだろう。

もっともよくないのは、グローバリズムが極端な格差社会を作ったことを採り上げなかったことだ。つまり臭い物に蓋をして選挙を闘おうとしたのである。最後まで裸の王様であり、ポリティカル・コレクトネスの、だましの根底が国民に見破られていることに気付かなかったのである。

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わたしのようにどの組織にも属さず、辛口の政治評論が中心で、どの政党も遠慮せずに批判し、既得権益支配層を批判するばかりか、だらしのない国民をも叱咤し続けて、3千部達成というのは、珍しいのです。

たまにお便りで読者を知ることがあるのですが、わたしの読者は粒よりで、一騎当千のつわものばかりです。これが何よりのわたしの誇りです。

なにぶん歳なので、いつまで書けるかわかりません。それ以上に、狙われているので、ネットから追放される可能性もあります。皆さんのなかにもわたしのツイートをリツイートして、妨害された方がおられるでしょう。共産党からネトウヨまで、幅広い妨害に遭っております。つまり公認左翼と右翼とに怖がられております。

毒にも薬にもならない言葉ではないわけで、妨害はわたしの栄光だと思っております。

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