このページの要旨

外務副大臣になった元自衛隊の佐藤正久が気張っている。
いまは滅私奉公の主は、天皇から米国に変わっている。
米国のグアム沖に北朝鮮がミサイルの試射をする。
それを米国製のバカ高い欠陥兵器で撃ち落せというのだ。
撃ち落とせば、北朝鮮と日本との危機が一挙に高まる。
つまり日本国民の安全などは毫も考えられていないのだ。
佐藤は、もっと日本の国益を考えて発言してほしいものだ。

米国で2度目の内戦の危機が迫っている。
最近の米国のデモでも、全員が武器で重装備したデモ隊が見られる。
米国ではトランプの権力乱用が心配されている。
国家権力の乱用といえば、日本ではそれを遙かに超えて、国家国政の私物化にまで突き進んでいる。
やはり実質的には植民地であって、宗主国と政治家は歩調を合わせる。
しかし、ホワイトハウスで少数派のトランプは追い詰められつつあり、権力をふるえるのは、せいぜい人事であろう。
トランプが登場して、はじめて米国は分裂し、内戦の危機にまで突き進んでいるのではない。
それは遙か以前に準備され、オバマによって強化された土台のうえにトランプが立たされている。

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1 日本は米国の人身御供ではない

外務副大臣になった元自衛隊の佐藤正久が気張っている。

『朝日新聞デジタル』(2017年8月15日)が「グアムへのミサイル「自衛隊は撃ち落とさなくていいのか」 佐藤正久・外務副大臣」として次のように報じた。

北朝鮮から日本の上空を飛び越えてグアムの方へ(ミサイルが)行く。
そういう時、日本の自衛隊は本当に撃ち落とさなくていいのか。
日米同盟の真価が問われている。
リスクを共有しない同盟はない。
もしも(北朝鮮からのミサイルが)日本の上空を飛び越え、(日本が)撃ち落とせるのに撃ち落とさず、グアムに被害が出たら、日米同盟はどうなると思うか。

皆さんの商売でも、自分が本当に苦しい時に親友と思った人間が背を向けたら、もはや親友とは言えないかもしれない。
まさに今、同盟国・日本の覚悟が問われている。
(「英霊にこたえる会」と「日本会議」が主催した「戦没者追悼中央国民集会」のあいさつで)

いやはや、恐れ入った挨拶だ。
まるで時代がタイム・スリップしたような感じだ。
しかし、いまは滅私奉公の主は、天皇から米国に変わっている。
それを露骨に証明したような挨拶だ。

米国のグアム沖に北朝鮮がミサイルの試射をする。
いまはわざと「グアム攻撃」などと言い換えているが、それなら開戦だ。
北朝鮮がいっているのはミサイルの発射実験である。

「北朝鮮から日本の上空を飛び越えてグアムの方へ(ミサイルが)行く」というが、ここでユニークなのは、日本の危険ではなく、あくまで米国の危険が訴えられていることだ。

もし米国製のバカ高い欠陥兵器で撃ち落としたとしよう。
すると北朝鮮と日本との危機が一挙に高まる。
つまり日本国民の安全などは毫も考えられていないのだ。

「リスクを共有しない同盟はない」というが、かりに尖閣で偶発的衝突が起きても、日中の領有権争いに米国が軍事的に乗りだすことはあり得ない。
そんなことは佐藤も知っているだろう。
米国はやらないが、日本はやるべきだ、と主張するところに、日本の植民地としての悲惨さがある。
佐藤は、もっと日本の国益を考えて発言してほしいものだ。

それにしても外務副大臣が、ミサイルを撃ち落とせ、などと凄まじい日本になったものだ。

地上配備型で、イージス艦と同様の能力がある新型の迎撃ミサイルシステム、「イージス・アショア」を導入することを政府は決めた。
北朝鮮危機を煽ったひとつの帰結がこれである。
日本は米国製欠陥兵器の最終処分場になっており、こういう形で米軍産学複合体を支えさせられている。

さらにイージス艦も、当初の計画を前倒しして、ことし中に5隻態勢とする。

その米国の現実は、非常に厳しいものになっている。

『Pars Today』(2017年8月16日)が「アメリカメディアが内戦の勃発に警告」として、次のように報じている。

2 米国の分裂と内戦の危機

アメリカのメディアが、アメリカでの内戦の勃発に警告を発しています。

アメリカの雑誌ニューヨーカーは、16日水曜、現在、900の人種主義団体やヘイト団体がアメリカで活動しており、アメリカで2度目の内戦の危機が迫っているとしました。

ニューヨーカーはまた、バージニア州のシャーロッツビルの事件や、ファーガソン、チャールストン、ダラス、ボルチモア、アレキサンドリアで発生した死亡事件に触れ、現在アメリカで進行している危険性とは、アメリカの一連の暴力事件の勃発を超えるものだとしました。

ニューヨーカーのアナリストは、10年から15年の間にアメリカで内戦が起こる確率は60%だとして、「トランプ大統領は、選挙戦の中、あるいはその後で、暴力を政治的な目的の推進のためのモデルだとしている」と述べました。

シャーロッツビルで発生した人種差別的運動の中で、若者一人が車で人種差別反対者の抗議デモに突入し、これにより女性1名が死亡、19名が負傷しました。(「アメリカメディアが内戦の勃発に警告」

米国の『ニューヨーカー』によると、8月16日時点で、米国では900の人種主義団体やヘイト団体が活動している。
その結果、米国で2度目の内戦の危機が迫っているという。

「ニューヨーカーのアナリストは、10年から15年の間にアメリカで内戦が起こる確率は60%」というから衝撃的だ。

最近の米国のデモでも、全員が武器で重装備したデモ隊が見られる。
日本ではけっして見られない光景だ。
いずれ外務省の国・地域別の危険情報に米国が登場することになるのかもしれない。

内戦の危機まで語られはじめた米国を、今日のメルマガでは「アメリカ政治の分裂と民主体制の危機 ―― ドナルド・トランプと競争的権威主義」を叩き台として考えてみよう。

ただ、この論文のトランプ評価は、わたしの認識とは違っていることを最初にお断りしておく。

この論文を共同執筆したのは、ロバート・ミッキー(ミシガン大学准教授(政治学))とスティーブン・レヴィツキー(ハーバード大学教授(政治学))、ルキャン・アハマド・ウェイ(トロント大学教授(政治学))の3人である。

「ドナルド・トランプが大統領に選ばれたことで、アメリカは権威主義に傾斜していくのではないか」と懸念されている。
(プーチンという)独裁者を称賛し、支持者たちの暴力を煽っただけでなく、政治ライバルを刑務所にたたき込むと脅し、主流派メディアを敵と決めつけている。

トランプのアメリカがファシズムに陥っていくと考えるのは行き過ぎだが、彼が大統領になったことで、この国が「競争的権威主義」、つまり、有意義な民主的制度は存在するが、政府が反対派の不利になるように国家権力を乱用する政治システムへ変化していく恐れがある。

もっとも、トランプが政治の舞台に登場するはるか前から、アメリカの民主主義は数十年にわたって課題を抱え込んできた。
1980年代以降、共和党が分裂と右傾化の様相を深めた結果、この国の民主主義を長く支えてきた制度的基盤が損なわれてきた。
それだけに、トランプ大統領が誕生したことに派生するリスクは、数十年前と比べて、現在の方がはるかに大きくなっている。

皮肉にも、アメリカの民主主義を脅かしている社会分裂のダイナミクスは、この国の民主化がごく最近になって達成されたことにルーツがある。
アメリカが完全な民主化を果たしたのは、市民権運動と連邦政府が南部の権威主義を抑え込んだ1970年代初頭になってからだ。

だがこのプロセスが議会の分裂を助長し、民族ラインに即した有権者の再編を促し、共和党はさらに右傾化していった。
その結果生じた政治・社会の分裂がトランプの台頭を促し、その権威主義的行動を阻む制度の力を弱めている。

民主主義の擁護を求める動きは、多くの人が期待する方向からは出てこないかもしれない。
アメリカ社会が民主主義にコミットしているとしても、それで民主主義からの後退を阻止できる保証はない。
憲法で規定された抑制と均衡、官僚たちの抵抗、報道の自由でもそれを阻止できないかもしれない。

アメリカの民主主義の命運は、トランプがどの程度市民の支持を動員できるか、できないかに最終的に左右される。
うまく結果を出せなければ市民の支持は制約されるが、戦争や大規模なテロが起きれば、トランプ政権の支持は大きく強化される。(『Foreign Affairs Report』2017 NO.6)

筆者たちが心配しているのは、「政府が反対派の不利になるように国家権力を乱用する政治システムへ変化していく恐れ」である。
国家権力の乱用といえば、日本ではそれを遙かに超えて、国家国政の私物化にまで突き進んでいる。

やはり実質的には植民地であって、宗主国と政治家は歩調を合わせる。

トランプの権力の乱用であるが、論文の執筆者たちも述べているように、「トランプが政治の舞台に登場するはるか前から、アメリカの民主主義は数十年にわたって課題を抱え込んできた」のであって、トランプひとりに責を負わせることはできない。

しかもホワイトハウスで少数派のトランプは追い詰められつつあり、権力をふるえるのは、せいぜい人事でて、あろう。

最新のホワイトハウス情報でも、ジャレッド・クシュナー上級顧問(トランプ氏の娘婿)とゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長などが、トランプからバノンを引き離そうと必死だ。
もし政権からバノンが去れば、米大統領選で語ったトランプの、米国貧困層に手を差し伸べる魅力的な世界は最終的に消えてしまう。(このメルマガを書き終わってから、トランプがバノンを切ったことを知った。このことについては、別の稿で書く)

トランプが登場して、はじめて米国は分裂し、内戦の危機にまで突き進んでいるのではない。
それは遙か以前に準備され、オバマによって強化された土台のうえにトランプが立たされている。

民主主義の擁護を求める動きは、多くの人が期待する方向からは出てこないかもしれない。
アメリカ社会が民主主義にコミットしているとしても、それで民主主義からの後退を阻止できる保証はない。

米国の民主主義の後退は、「憲法で規定された抑制と均衡、官僚たちの抵抗、報道の自由でもそれを阻止できないかもしれない」と論文は書くが、この問題意識は日本とて同じだ。
憲法も官僚も報道も安倍晋三のもとで蹂躙された。

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