小保方晴子バッシング祭りも終わったところに、理研調査委員会の石井俊輔、山中伸弥の論文不正疑惑が出てきた。これに止めを刺された形で、バッシング神輿(倫理)を担いでいた連中は、神輿を放り出して一散に逃げ出した。

ところが、石井の辞任で終わるような理研の調査委員会ではなかった。4月下旬になって、新たに論文不正疑惑が出てきた。不正の仲間入りをしたのは、理研の古関明彦(はるひこ)グループディレクター、真貝(しんかい)洋一主任研究員、東京医科歯科大の田賀哲也の3人である。

これで理研の調査委員会は、すでに5人のメンバーのうち4人に論文不正疑惑が指摘されたことになる。

小保方晴子の代理人弁護士の三木秀夫は、委員の入れ替えを要求し、このメンバーのままの調査は受け入れられない、とコメントした。

それは当然である。今の理研調査委員会は、この者は泥棒だと決めつけた者たちが、同様の泥棒の嫌疑が浮上した状態で、二審でも同じメンバーで同様の結論を出そうとしているからだ。

いや、調査委員会は、実際は前と同じ結論を出さねばならなくなってきている。なぜなら、もし前回とは違う結論を出せば、自分たちの不正を糊塗するために小保方晴子を切れなくなったため、と批判される可能性が新たに出てきたからだ。

バッシング祭りは、元々、大学知の現在について無知であったものによって行われた。大学の教師たちが一部の良心的な教師を除いて、現在の大学の退廃を隠蔽するものだから、バッシングは異常に盛り上がってしまった。

大学知の退廃は、3.11後に原子力村お抱え御用学者への批判が、大学教師からも学生からもほとんど起きてこなかったことからも、わかるではないか。

ノーベル賞をとる発見・発明の能力と、その人物の人格、総体的な知性の深さとは切り離さないといけないのだ。それを、バッシング祭りの神輿を担いだ者たちと世間は、地続きで扱っていた。

ノーベル賞受賞者が、組織への金を獲得するためにトカゲのしっぽ切りをやる。自分のことは棚に上げて研究ノートの大切さを国会で得意満面にしゃべる。ふたりとも「未熟」という言葉が大好きだった。

理研の野依良治理事長、理研の調査委員会の石井俊輔委員長、京大教師の山中伸弥ら無思想な連中が恐れたのは、倫理を振りかざす世間の空気であった。だから、自分は倫理的に問題がない、と強弁しつつ、とりあえず世間様に向かって頭を下げて謝罪する、という極めて日本的な儀式が行われたのである。

ここに共通しているのは、学者としてのおのれへの厳しさと、人間としての倫理が欠如しているということだ。自明のことを述べるが、人に、盗むなというためには、盗んでいない自分が前提になければならない。

だからイエスは、「汝らのうち、罪なき者、まず石を投げ打て」と究極の倫理で、姦淫の女を殺そうとした信者を諫め、教え諭し、自らも石を投げなかったのである。イエスが姦淫の女にいった最後の言葉は、「二度と姦淫をするな」という諭しであった。

軽薄な現在の日本では、組織も世間も一丸となって石を投げ続ける。そのなかでも「世に倦む日日」こと田中宏和(1957-)は際立っていた。わたしが田中宏和を採り上げたのは、次の7点の理由による。

1 バッシングの対象にされた小保方晴子が、一介の研究者であって、いかなる意味においても権力者ではないこと。

2 田中宏和のツイッターとブログを使ったバッシングが長期にわたり、執拗であり、人権問題になっていること。(1日のツイートもただのツイートではない。執拗で、長い連続ツイートである)

3 バッシングの文章に、「諭旨免職」とか、小保方晴子を辞めさせる動機が語られていること。

4 田中宏和のバッシングがマスメディアを煽っていること。

5 田中のバッシングの方法自体が、顔と本名を隠して行われるという、無責任なものであること。

6 田中のバッシングが表層的な無知に基づくものであり、それがネット大衆に影響を与え続けていること。

7 田中宏和のバッシングが小保方晴子に限定されることもなく、母親にまで拡大されたこと。

以上の7点であるが、田中宏和の正体については、ここに詳しい。

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この男の卑劣さは、イエスの諭しの現場に、ひとりの覆面の男がいて、周りの信者を煽り、女に石を投げる場面を想像したらよい。

誤解のないように述べておくが、わたしは匿名そのものを否定しているのではない。

ただ、上記の7点に挙げたように、明確に職を奪う動機に貫かれて、バッシングが長期にわたり、執拗に権力なき個人に繰り返され、その内容が事実無根の人権問題に抵触し、母親にまでバッシングが拡大するとなったら、それは最低限度、本名で、覆面をとって、小保方晴子と同じ条件でなされないといけない、と考えたのだ。

ここで同種の問題に司法の判断が出た。

慶大の元准教授が、ネットで中傷した教え子を、名誉を傷付けたとして訴え、横浜地裁が賠償命令を出したものだ。

賠償命令を出された男は、教え子で、慶応在学中に、元准教授のゼミに所属していた。卒業後に、「2ちゃんねる」の掲示板に、元准教授がパワハラやセクハラを繰り返している書き込みをした。

判決では「書き込みは元准教授が資質や能力に欠けるとの印象を与え、社会的評価を低下させた」と認定した。

「世に倦む日日」こと田中宏和のやったことは、「資質や能力に欠けるとの印象を与え、社会的評価を低下させた」どころの騒ぎではない。明確な人権問題であり、小保方晴子から職を奪う動機に貫かれたバッシングである。

田中には、理研調査委員会の石井俊輔委員長、山中伸弥などを追及する気はないらしい。田中は、満身創痍で反撃不可能の小保方晴子ばかりを打たずに、もっと強大な敵を批判したらどうか。消費税増税やTPP、それに原発再稼働や集団的自衛権はやらないのか。その理由をぜひとも聞きたいものだ。

その集団的自衛権であるが、自民党は今国会中に成立させるつもりだ。

5月3日の『NHK NEWS WEB』が、「高村氏『集団的自衛権の限定容認を』」と題して、次のように述べている。

「NHKの憲法記念日特集で、自民党の高村副総裁は、集団的自衛権の行使について、国の平和と安全を維持し、存立を全うするための必要最小限度の範囲内であれば認められるとしたうえで、政府はこうした憲法解釈の変更を今の国会の会期中に閣議決定するのが望ましいという考えを示しました。

(中略)

公明党の北側副代表は『集団的自衛権の限定容認論は、限定する基準が明確でなければならない。具体的な事例を通して議論すれば個別的自衛権や警察権で対処できるものが多いと思う。憲法解釈の見直しは、絶対だめだと言っているわけではないが、従来の解釈との論理的な整合性などをきちんと説明できるようにしなければならない』と述べました」

こういうゲームにも、すでに国民は慣れてしまった。種明かしは簡単だ。「必要最小限度の範囲内」と小さく産んで、大きく育てる。これにマスメディアが荷担して国民を洗脳する。

公明党は、「限定容認論は、限定する基準が明確でなければならない」とブレーキを踏むフリをして、「基準」を自民党にいわせた後に成立のアクセルを踏む。公明党がやっていることは、消費税増税、特定秘密保護法と、これの繰り返しだ。

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