知られているように、わが国はこれまで武器輸出三原則にしたがって、以下の国への武器輸出を禁じてきた。

1 共産圏諸国向けの場合

2 国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合

3 国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合

これは、1967年に、当時の佐藤内閣で決められたものだった。それが1976年に三木内閣によって、その他の国にも輸出を「慎む」として全面禁輸へ拡大した。

1 三原則対象地域については「武器」の輸出を認めない。

2 三原則対象地域以外の地域については憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする。

3 武器製造関連設備の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。

いずれも自民党政権によって決められたものであり、今から考えると隔世の感がある。

この後、民主党政権時代に野田佳彦が、武器輸出三原則の見直しに積極的であり、野田内閣で、2011年に官房長官談話を発表している。

1 平和貢献・国際協力に伴う案件は、防衛装備品の海外移転を可能とする。

2 目的外使用、第三国移転がないことが担保されるなど厳格な管理を前提とする(目的外使用、第三国移転を行う場合は、日本への事前同意を義務付ける)。

3 わが国と安全保障面で協力関係があり、その国との共同開発・生産がわが国の安全保障に資する場合に実施する。

民主党というのは、野党時代と与党時代とでは、まったく立ち位置を変える政党である。本質は第二自民党なのだが、それを露骨に現したのが上記の野田内閣の官房長官談話である。

2月23日に、野田佳彦が、「中道リベラルや穏健な保守の担い手がなくなったのが日本の最大の課題だ。中核になり得るのは民主党だ」と語った。

これはまったく筋金入りの嘘吐きの言葉であり、政権に返り咲けば、野田は、中国との開戦に安倍以上に前のめりになる可能性が高い。

今回、安倍晋三がやろうとしている武器輸出の新たな三原則(案)とは、以下のものである。これまでの原則である「3 国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合」を削除してしまった。( )内は兵頭の注である。

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1 国際的な平和及び安全の維持を妨げることが明らかな場合は輸出しない

(これは最近、珍しいほどの間抜けが作った原則である。武器の輸出自体が、「平和及び安全」を破壊し、戦火を拡大するのである。これだと永久に武器の輸出はできないことになる。

百歩譲って考えたところで、「国際的な平和及び安全の維持」は、日米が決める、都合のいい平和と安全になるだろう。

「積極的平和主義」の美名のもとに、紛争の一方の当事者に、戦争を終わらせるために「積極的」に武器を輸出するといった、屁理屈が横行することになろう

ちなみに安倍晋三の「積極的平和主義」とは、憲法9条の「積極的非武装平和主義」に対抗した、ふざけたキーワードで、その正体は「積極的武装戦争主義」である)

2 輸出を認め得る場合を限定し、厳格審査

(これも霞が関文学の死語である。霞が関文学で「限定」「厳格」といったときは、何もしないと語っているのと同じである。

どのように「限定」し、どのように「厳格審査」するのか、それが出てきて初めて議論になるのだが、たとえ出てきても、経済産業省が最終的に輸出の許可・不許可を判断するのだから、三菱などの軍需産業の意向に逆らう筈がない。

難しい案件はNSCで審議することになるが、その座長は三菱と縁戚関係のある安倍晋三なので、首相の一存で、簡単に輸出が了承されることとなろう)

3 目的外使用及び第三国移転について適正管理が確保される場合に限定

(これは笑い話の類いの原則である。「目的外使用及び第三国移転」など、輸入したがっている相手が、日本の条件に逆らう筈がない。もみ手をして丸呑みするであろう。

また戦争の現場では、負けた側の大量の兵器が、勝った側の戦利品となる。一度輸出した武器は、輸出国の「管理」など離れて戦場で拡散してゆくのである)

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この新たな武器輸出の三原則は、与党の公明党との協議にかけられる。文字通り、公明党の正念場になる。

自民党の安倍晋三は、これまで原発輸出、消費税増税、NSC、特定秘密保護法、と突き進んできた。公明党はそのどれにも賛成してきた。

安倍晋三は、これから解釈改憲で集団的自衛権を確立し、米国の傭兵となった自衛隊が海外へ派兵されることになる。

Japan navy 8

創価学会の「創価学会・概要」によると、「1930(昭和5)年の創立以来、日本では827万世帯、海外にも192か国・地域の会員が日蓮大聖人の仏法を実践し、各国の繁栄と平和を願い、活動しています」ということになっている。

公明党が集団的自衛権に賛成すると、自衛隊が、192か国に広がっている外国の創価学会員を、戦場で殺害するということも起きてくる。

公明党はこれでもいいのだろうか。

公明党はこれまで暴走する自民党のブレーキ役を自認してきた。しかし世間は必ずしもそのように見ていない。消費税増税、特定秘密保護法と、公明党はすべて最後は自民党のアクセルになってきた、というのが世間の見方だ。

言葉の本来の意味において、日蓮の教えを生きるかどうかが、公明党に問われている。

安倍晋三の政治は、金儲けのためには、原発も輸出するし、武器も輸出するという、卑しい、醜い政治である。美しい日本とは言葉だけのものであり、かれが実現しようとしているのは、放射能と戦火に塗れる醜い世界なのだ。

こういうのを戦後レジームの転換というなら、それは愚かな政治で国を滅亡させた戦前への回帰を意味しよう。けっして未来への賢い選択ではない。

外国に輸出した武器は、戦争に使われ、兵士ばかりか、老人や子ども、女性を巻き添えにして殺す。

burial dog

日本は、確かに直接的には戦場に出ない。しかし、間接的な戦争をやるのである。

武器売却の商人が「死の商人」と蔑まれるのは、他国の戦争を煽って、金を儲けるからだ。

ここでわたしたちは、もう一度憲法の前文と、第9条を読み返す必要がある。この国の原点復帰だ。

Nagasaki cremation boy

「焼き場に立つ少年」というこの写真は、報道写真家のジョー・オダネルが、1945年に長崎の爆心地で撮影したものだ。

かれはこの写真を撮ったときの模様を、次のように書いている。

「佐世保から長崎に入った私は、小高い丘の上から下を眺めていました。

すると、白いマスクをかけた男達が目に入りました。

男達は、60センチ程の深さにえぐった穴のそばで、作業をしていました。

荷車に山積みにした死体を、石灰の燃える穴の中に、次々と入れていたのです。

10歳ぐらいの少年が、歩いてくるのが目に留まりました。

おんぶひもをたすきにかけて、幼子を背中に背負っています。

弟や妹をおんぶしたまま、広っぱで遊んでいる子供の姿は、当時の日本でよく目にする光景でした。

しかし、この少年の様子は、はっきりと違っています。

重大な目的を持ってこの焼き場にやってきたという、強い意志が感じられました。

しかも裸足です。

少年は、焼き場のふちまで来ると、硬い表情で、目を凝らして立ち尽くしています。

背中の赤ん坊は、ぐっすり眠っているのか、首を後ろにのけぞらせたままです。

少年は焼き場のふちに、5分か10分、立っていたでしょうか。

白いマスクの男達がおもむろに近づき、ゆっくりとおんぶひもを解き始めました。

この時私は、背中の幼子が既に死んでいる事に、初めて気付いたのです。

男達は、幼子の手と足を持つと、ゆっくりと葬るように、焼き場の熱い灰の上に横たえました。

まず幼い肉体が火に溶ける、ジューという音がしました。

それから、まばゆい程の炎が、さっと舞い立ちました。

真っ赤な夕日のような炎は、直立不動の少年のまだあどけない頬を、赤く照らしました。

その時です。

炎を食い入るように見つめる少年の唇に、血がにじんでいるのに気が付いたのは。

少年が、あまりきつく噛み締めている為、唇の血は流れる事もなく、ただ少年の下唇に、赤くにじんでいました。

夕日のような炎が静まると、少年はくるりときびすを返し、沈黙のまま、焼き場を去っていきました」

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