特定秘密保護法案に対して、ノーベル賞学者らが抗議声明を出した。

これは、ノーベル賞を受賞した益川敏英・名古屋大素粒子宇宙起源研究機構長や、白川英樹・筑波大名誉教授ら31人が「特定秘密保護法案に反対する学者の会」を結成し、廃案を求めて声明を出したものだ。

すでに法案が衆議院を通過し、いくつもの優れたブログが閉鎖されているタイミングで、これは遅すぎる、といったようなものではなく、優雅あるいは浮世離れといった次元の行動である。

おそらくTVキャスターなどのアリバイ作りとは違って、純粋な動機で声明を出したのだと思われる。罪がないというか、無邪気といおうか、この国は頭から朽ち果てていくのである。

購読者の皆様は、大学教師なる人種が、一部の例外を除いて、専門以外のことにはほとんど無知である、学生よりものを知らない、状況を知らない、ということを認識しておいていただきたい。

もっと政治に関心を持ちなさいよ、といえば、怒り出すか、こいつは危険人物だとみなして逃げて行くか、のどちらかであろう。

もし論理上の可能性として、忠告を素直に聞く大学教師がいたとしても、新聞も読み始めるか、テレビのニュースを見始めるか、のいずれかだろう。暗い絶望の光景が広がるだけである。

もっとも何の世界にも例外は存在している。本メルマガの購読者にも大学教師がおられるだろう。その方々は、状況認識でわたしと同等か、あるいはわたしより先を走っている方々だと認識している。

そういえば政治の世界にも浮世離れしたような人物がたくさん存在している。

東京都の猪瀬直樹などはそのひとりだろう。わたしたちも、無利子、無担保、返済期限なし(実質的にはもらったのと同じである)で、5000万貸してくれる人が出てきて、「親切な方」と一生に一度ぐらいは優雅につぶやいてみたいものだ。

もちろんわたしには何の利用価値もなく、職務権限もないので、「親切な方」は現れないのであるが。

その後の猪瀬直樹関連の情報をまとめると、以下の通りである。

1 都議会は29日に開会する。ここから都議会の各党が5000万円を追及することになる。

2 共産党は地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)の設置を提案した。この百条委員会は、偽証や資料提出拒否に罰則がある。与党間では百条委ではない特別委員会を設置する案も浮上している。

3 猪瀬が公表した借用証には、猪瀬の名前と事務所の住所、小学生並みの算用数字の金額「5000万円」が手書きされていた。しかし返済日の記載もなく、押印もなかった。

4 猪瀬は、11月22日の記者会見では、「(借用証は)あるかないか分からない」、「(5000万円を借りたことは)わたしと(亡くなった)妻だけが知っていた」と説明していた。しかし11月25日の朝になって借用証の存在が確認されたのだという。スタッフが猪瀬の指示で貸金庫に保管していたと。つまり猪瀬の話は記者会見のたびに変わるのである。

5 猪瀬の説明によると、昨年11月14日に徳田毅衆院議員と会食した。そして「選挙には金がかかる」、「今後の生活に不安がある」という話をしたのだという。ここでも嘘があって、東京都の副知事が、生活の不安を口走っても、それを真に受ける者はいないだろう。

その後、電話で徳田毅衆院議員から5000万円提供を持ち掛けられ「親切な方だなと思った」のだという。そして受け取った。

この辺は、ノーベル賞受賞学者の反対表明と同じで、浮世離れしているといおうか、子供じみている。もちろん徳田毅衆院議員は「親切な方」などではなく、選挙の圧勝が予想されている立候補者の猪瀬直樹に、選挙資金として貸し出したのである。

かりに他のどの立候補者が落選後の生活の不安をこぼしても金は借りられなかったであろう。

それにもし徳洲会側が落選必至の候補者に「親切」に金を出していたら、特別背任になろう。

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猪瀬直樹は「収支報告書」に記載しなかった公職選挙法違反になる。

都知事は病院新設の許認可権を有する。都の中央に進出したい徳洲会としては、便宜供与を受けるために選挙資金として金を出した。そんなことは百も承知で猪瀬直樹は病院の経営母体である医療法人に、金の話を切り出し、5000万円を受け取ったのである。

これで東京地検が逮捕して起訴出来なければ、まさに既得権益支配層側の人間は、何をしてもお目こぼしがあるということになろう。

さらに詳細にお知りになりたい方は、『郷原信郎が斬る』に詳しいのでご覧いただきたい。

http://bit.ly/Ik7oBW

さて、特定秘密保護法案だが、この法案の恐ろしさは、民度の低いこの国民を、さらに何も知らない状態におき、軍国化を進めていくことにある。ある日、国民に赤紙が来て、ぎょっとする状態にもってゆくことである。

要は、麻生太郎が、「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」という発言をそのまま戦略として実施しているわけだ。

国民の安倍晋三への支持の高さを考えると、この戦略の実現は可能である。

映画監督の山田洋次が、「(太平洋戦争で)沖縄が占領されてもまだ、僕たち日本人は日本が勝っていると思っていた。今思えば本当にナンセンスな時代だった。(現政権は)なぜあの歴史に学ぼうとしないのか」と語っているが、特定秘密保護法案の成立とともに、官僚と政府に都合の悪い情報は闇に閉ざされ、日本は軍国化の歩みを早めるだろう。

現在、この法案に賛成しているのは、「自・公+「唖然だ」のみんなの党」になっている。

特定秘密保護法案で、一番馬鹿を見たのが「唖然だ」のみんなの党で、現在、離党者が相次ぎ、分裂の危機に追い込まれている。

渡辺喜美も下手な手を打ったものだ。この法案は筋が悪すぎる。すでに述べてきたのでここでは繰り返さないが、乗りかかった修正協議の結論も幼稚なものだった。

みんなの党のホームページには、「みんなの党 アジェンダ2013 「みんなの政策」」として次の政策が述べられている。

「国家経営に必要不可欠な官僚制度が時代遅れとなっており、民間並みの信賞必罰の効いた制度に直す必要があります。

国家社会主義体制の1940年前後に完成した官僚統制・中央集権システムが、今なお、岩盤のように残っているのが日本の病弊です。

我々は、こうした戦時体制を賛美する勢力とは一線を画して参ります」

特定秘密保護法案は、公安(警察)を中心とした官僚機構を強化し、立法府さえ支配下におくものである。「官僚統制・中央集権システム」を強めるものであり、この法案に賛成することで、「唖然だ」のみんなの党は、「戦時体制を賛美する勢力とは一線を画」すとしたアジェンダを完全に裏切ったのである。

今や自民党の補完勢力としての実態は白日の下にさらされた。中国との開戦に突き進む安倍晋三の、戦時体制に完全に組み込まれた政党に落ちたといってよい。

日本維新の会が奇妙なことに特定秘密保護法案に反対しているが、この政党もまた本質的には自民党の補完勢力であり、第二自民党である。

現在、非常に愚劣で犯罪的な行動をとっている。修正協議で、秘密指定可能期間を「最長60年」に2倍に延ばして自民党を喜ばせた。その後にいちゃもんをつけて採決では反対し、国民の前でいい子のフリをしている。

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