『いかにして、アメリカは失われたか』という魅力的なタイトルで 元経済政策担当の財務次官補で、多数の大学で教鞭を執るPaul Craig Roberts が、2013年11月7日に記事を書いている。
http://bit.ly/1i0mmuh

衰退する帝国とはいえ、米国の政治的軍事的パワーはまだ十分に強力である。おそらくまだ数十年にわたって世界に影響を発揮し続けると思われる。

その観点から米国の動向は注意深く分析しておかなければならない。とりわけわが国の場合は、ジャパン・ハンドラーズを通じて米国が宗主国として振る舞っている。重要な法案は、その指示に基づいているといっても過言ではない。

したがって、米国について透徹した認識を持っていることは、わが国の状況を正確に掴むうえでも重要なのである。

今日のメルマガはこの Paul Craig Roberts との対話を試みている。

Paul Craig Roberts は書いている。

「(中略)“国家安全保障”というのは、アメリカ政府が決して説明責任を負わずに済むようにする為に使う、行政府の隠れみのだ。

説明責任を負う政府無しには、かつてソ連でおこなわれ、今はアメリカに存在している、いかさま選挙を除いては、市民的自由も、民主主義も存在し得ない。

(中略)

法律には、一般的には“占拠者の権利”として知られている、不法占有という概念があり、ある財産や、他人の権利を、一定期間、排除されずに占拠するのに成功した非所有者は、所有権がその人物に引き渡されることになるのだ。論拠は、自分の権利を擁護しなかったことで、所有者は無関心であったことを示し、事実上、その権利を手放したというものだ。

アメリカ国民は、アメリカ憲法によって規定されている自分達の権利を、三人の大統領の任期中、守ろうとはしなかった。クリントン政権は、セルビアに対する違法な攻撃の責任を問われなかった。ブッシュ政権は、アフガニスタンとイラクへの違法な侵略の責任を問われなかった。オバマ政権は、アフガニスタン攻撃再開や、リビア、パキスタンやイエメンや、代理人達によるシリアへの違法な攻撃の責任を問われなかった。

(中略)

もし三人の大統領の任期中におこなわれた、アメリカ政府による、こうした無数の犯罪行為が、問題にされない出来事として、歴史に残ってしまえば、アメリカ政府は、違法ということにおいて、「占拠者の権利」を得てしまうことになる。アメリカ憲法は、ジョージ・W・ブッシュ大統領が“紙屑”だと言ったと報じられている通りになるだろう」

わたしが笑ってしまったのは、ここには日本のことが書かれていると思ったからだ。「一定期間、排除されずに占拠するのに成功した非所有者は、所有権がその人物に引き渡されることになるのだ」とは、敗戦後に、占領を継続し、日本に居座ってしまった米国のことをいっているのである。

セルビア、アフガニスタン、イラク、リビア、パキスタン、イエメン、シリアなどと同様に、いや、もっと過酷にわが国は占領を継続されているのである。

確かに、のんきで奴隷根性の日本政府は、「自分の権利を擁護しなかったことで、所有者は無関心であったことを示し、事実上、その権利を手放した」のである。

米国は米国の法に基づいて、敗戦国があまりにも従順でおとなしいものだから、永遠に占領し、植民地にしてしまうことを決意したのである。日本をTPPに参加させることは、その最後の仕上げである。

さらに目から鱗が落ちるのは、「“国家安全保障”というのは、アメリカ政府が決して説明責任を負わずに済むようにする為に使う、行政府の隠れみのだ」と明言していることだ。

おわかりだろうか、TPP参加が売国だと理解している自民党の政治家を説得するために、安倍晋三ら賛成派が使ったのが、この“国家安全保障”のカードである。中国や北朝鮮の脅威から日本を守ってもらうためには、TPP参加もやむを得ないという理屈である。米国は米韓FTAの締結でもこのカードを使っている。

しかしほんとうに米国が日本を守ってくれるのだろうか。

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これはすでに何度もメルマガで様々な根拠を挙げて論じてきた。ここでは結論だけいうが、米国は中国と一戦を交えてまで日本を守る気などまったくない。

第一、米国議会が参戦に反対するし、米国民が反対する。それは最近ではシリア攻撃の頓挫を見ると明らかだ。

米政府のカードの嘘が Paul Craig Roberts によって明言されていることは貴重だ。“国家安全保障”のカードは「行政府の隠れ蓑」なのだ。もし尖閣で中国との間に戦端が開かれ、日本から参戦の要請があったら、大統領は米議会にかけたらいいだけの話だ。

結論は明確だ。反対の決議がなされ、せいぜい仲裁役でお茶を濁す。戦火が広がれば日本に大量の武器弾薬を売りつけ、一挙に米国の景気を回復する。

もしかしたら第三国経由で、米国は仲良しの中国にも武器を売るかもしれない。のんきでお人好しの日本が馬鹿を見るのである。

「(中略)法律は無辜の人々を保護するものだという概念が、時とともに、次第にむしばまれ、9/11によって作り出された、脅威という雰囲気のおかげで、テロリストから我々を安全に守るという名目によって、保護をするという法律の機能に対する最終的な破壊が、素早く達成されてしまったのだ。

我々は、自らの政府から安全ではないという事実は、最早存在していない。

自由はこうして失われたが、アメリカも、それとともに失われたのだ。

(中略)

兵器査察官達は、ブッシュ政権に、イラクには大量破壊兵器など存在しないと語っていた。この既知の事実にもかかわらず、ブッシュ政権は、でっちあげた証拠を持たせて、コリン・パウエル国務長官を国連に派遣し、サダム・フセインは“大量破壊兵器”を保有しており、世界に対する脅威だと世界を説得させた。

たとえ、そのような兵器がイラクに存在していたとしても、アメリカやイスラエルを含め多くの国々がそれを保有しており、ニュルンベルク原則の下では、兵器の存在は、兵器を所有する国家に対する、挑発されていない武力侵略を正当化するものではない。

ニュルンベルク原則の下では、多くの国々が所有している兵器の所有ではなく、挑発されていない軍事侵略が戦争犯罪なのだ。

サダム・フセインではなく、アメリカとその“有志連合”こそが戦争犯罪を行ったのだ」

米国の優れたジャーナリストの書いた米国の状況論を読むと、まったく日本の状況と同じだという思いを強くする。そうでない場合もこれから日本が米国のようになっていくという示唆に富んでいる。

ただ決定的な日米の違いは、米国が9.11後の必然性に沿って警察国家になっていったのに対して、日本の場合は、必然性なしに、米国の指示で警察国家になっているという違いがある。

日本が今日の警察国家に向けて壊れていったのは、自民党長期政権の末期からである。それは、日本人としての矜持を失った責任放棄の政治として、小泉政権下で徹底した形をとった。

小泉はイラク戦争に加担しても何の総括もしなければ、責任もとらない。小泉「改革」で、国民に塗炭の苦しみを与えながら、これにも責任をとらない。

小泉は、最近では、「脱原発」などと今度もにわか仕込みの言葉を使い始めた。その前に、小泉はイラク侵略の総括が先なのだ。

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