「特定秘密保護法」について、10月10日(木)に、参議院議員会館講堂で、超党派の議員の呼びかけで勉強会が開催された。

この勉強会で、元毎日新聞記者の西山太吉が講演を行なっている。大変貴重な講演であった。そのポイントは以下の通りである。

1 自民党は国家機密に触れる資格のない政党である。吉野文六元アメリカ局長が、2006年に1972年から始まった沖縄返還密約を認めた。しかし、密約を結んだ当事者の吉野証言があったにも関わらず、当時の外務大臣だった麻生太郎は国会で「沖縄返還協定が全てであります。一切、密約などございません」と答弁した。

どんな客観的資料が出ても密約はなかったといい続けた。こんな国は世界で日本だけである。

2 外務省が出したイラクレポートはわずか2、3ページのものだった。肝心要のことは国民に嘘をついていて書けない。当時、航空自衛隊は難民救済という人道支援のためといっていたが、69%以上がアメリカの武装した兵隊を運んでいた。これはイラク戦争に直接、介入していたことを物語る。

日米同盟に関する限り、建前と実際はまったく違っている。日米同盟の中身が出るのが怖いのである。すでに情報操作などといったものではない。情報犯罪なのだ。これが秘密保全なのだ。嘘吐きが、秘密をいう。国民に信頼されていない自民党政権が秘密保全法制を出すといっても、国民との間に信頼関係を持った形で秘密保全法制ができる筈がない。

3 情報公開法は2011年に民主党によって国会に出された。しかし、民主党は菅直人・野田佳彦の政権時に、具体的に法案化の道筋をつけることなく、何の審議もされないまま廃案となった。

しかも民主党は情報公開法と真逆な「特定秘密保護法案」を準備して採決しようとした。これはまったく二律背反の動きである。これで情報公開は死文化された。その結果、今日に至るも日本は世界で一番情報公開が遅れている国である。日本の国内状況は、情報公開というのを圧殺し、機密だけが動いている。

4 「特定秘密保護法案」など作る必要はない。これまで1回も日本の官僚が情報を公開したことなどはない。日本の機密情報は、米国の情報開示でわかったものだけである。

5 日本のメディアには国家の機密をとるだけの能力も技術もない。現在も外務省には「部内秘」の外交情報があるが、2 、3人しか知らないその秘密は鉄壁であり、日本のメディアなど近くにも寄れない。

以上、西山太吉の講演のポイントを紹介してきたが、ここでまたひとつ、菅と野田の罪深さが明らかにされた。かれらの罪深さは、やったことだけにあるのではない。やらずに放置したことが、今日、この国を深く棄損しているのである。

さて、現在の日本の政治言語は、現実を根拠として生まれるものではない。まず目的があって、それに向かって数字や理屈がつけられる。現実に雨が降っていても、目的の晴れに向かって今日はいい天気だ、とうそぶくような政治が続いている。

自民党の石破茂幹事長なども、その種の政治家のひとりである。石破は、10月14日、茨城県常陸太田市で講演した。そこで「特定秘密保護法案」について「本当の情報を手に入れ、国家の独立を守るためにやらなければならないことだ」と述べた。

「日本に何か教えたらあっという間に皆にばれてしまう、となればどの国も本当のことを教えてくれない」、「これから先、世界のあちこちでテロリストやテロ国家が出てくる危険性がある。そのときに一番大事なのは情報だ」と。

「国家の独立を守るために」「特定秘密保護法案」が必要だ、といっている本人が、日本が独立国家でないことをもっともよく知っているであろう。

第一、この法案自体が宗主国の指示によって成立されようとしているものだ。

かてて加えて、日本の官僚が重大な国家機密を暴露して、世界が震撼した、といったようなことはないのである。官僚自体が政権与党を支配しており、この法案自体が宗主国の指示のもとに官僚が作っている。官僚が取り締まりの対象にしているのは、国民であり、主として野党の国会議員である。

石破によると、「これから先、世界のあちこちでテロリストやテロ国家が出てくる危険性がある」ということだ。世界最大最強の暴力国家は米国である。それに隷属して世界の紛争地に軍事的に介入し、日本を危険な攻撃目標にしようとしているのは、石破ら政権与党である。

テロリスト、といえば、石破らはすぐ思考停止に陥る。日本が何も攻撃しないのに、面白半分に日本を攻撃するテロリストなど世界にひとりもいない。自国が攻撃され、同胞が殺され、弾圧されて、初めて反撃は行われる。繰り返すが偶然に日本を自爆テロの対象に選ぶ人間などひとりもいないのである。

それに米国の尻馬に乗ってはるばるとやってきて、自国を占領した日本に対して、相手の民衆が日本をテロ国家と見ることぐらいは知っておいたほうがいいだろう。

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ところで、「特定秘密保護法案」について『しんぶん赤旗』(2013年10月14日)が新たな情報を紹介している。『しんぶん赤旗』によると、この法の成立によって、「適正調査」と称した「身辺調査」が実施されることが明らかである。目的は、国民の思想信条・活動の監視である。

記事の「秘密保護法案Q&A6 身辺調査で国民監視」は、この危険な動きを次のように伝えている。

「Q 秘密保護法案では国民への身辺調査を行うのですか?

A 政府の原案では、「秘密」にたずさわる人物が漏えいする恐れがないかを調べる「適性評価」として、身辺調査を行うとしています。

○民間人も対象に

(中略)

適性評価は、行政機関の職員だけでなく、民間人も対象となります。例えば軍事や原子力にかかわる企業の社員や、共同研究などを請け負った大学の研究者らに対しても身辺調査が行われることが考えられます。

政府原案では、

(1)特定有害活動及びテロリズムとの関係に関する事項

(2)犯歴や懲戒歴

(3)情報の取り扱いについての非違歴

(4)薬物の影響

(5)精神疾患

(6)飲酒

(7)信用情報や経済状況

―について身辺調査するとしています。

身辺調査は、本人にとどまらず家族や父母、子ども、兄弟、配偶者の親族、同居人も対象としており、多くの市民のプライバシー情報を侵害します。調査のために、例えば病院や金融機関などに照会することも可能です」

「身辺調査は、本人にとどまらず家族や父母、子ども、兄弟、配偶者の親族、同居人も対象」とするということになると、実質的には国民の監視調査が目的だということになる。

何を大げさな、と思わないでほしい。すでに女優の藤原紀香が「特定秘密保護法案」に批判的なコメントをブログに発表したことで、公安が紀香の背後関係を調査した。有名人だから明らかになったが、無名の庶民に対してもすでに行われていることだ。

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