「特定秘密保護法案」が睨む被曝疾患とTPP

東電が台風の豪雨を利用して、8月に漏洩のあったエリア「H4」の堰(せき)に溜まっている汚染水を海に投棄した。

投棄した後に、東電が堰内部に残留した汚染水を測定すると、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が、1リットル当たり最大17万ベクレルの高い濃度で検出された。

国の排出基準値は6万ベクレルなので、遥かに超えた酷い汚染水だったことがわかる。

ここで、わたしたちが押さえておくべきことは次の4点である。

1 政府が前面に出ないのは、こういうことを東電にやらせるためである。すべてを東電に押し付けて、政府は調査にすら入っていない。

9月16日に、国際原子力機関(IAEA)総会にかこつけて、ウィーンで日本政府主催の福島第1原発汚染水漏れ問題に関する説明会が開催された。

ここで、経産省の担当者が「法的な責任は東京電力にあり、我々はサポーターの立場。東電には資金もアイデアもなく、2年間も良くない状況が続いてしまった」と弁解し、会場から失笑が漏れた。

わが国の政権は、劣悪の極みに達している。国際会議で「我々はサポーターの立場」と弁明してはばからないのである。本人も自分が何をいっているのか、会場から漏れた失笑の意味もわからなかったにちがいない。

2 東電は台風の到来とともに堰に溜まる汚染水の、海への投棄を決めていたのであり、測定値のメディアへの発表は、遙かに低めのものと思った方がよい。

3 今回は、流入する地下水に、台風という自然現象が加わったのであり、東電も追い詰められている。もはや東電任せは不可能である。

「H3」「H2」と呼ばれるエリアの堰内にたまった雨水からも、それぞれ1リットル当たり4600ベクレル、3700ベクレルを検出している。つまりあちこちのタンクから汚染水が漏れ出ている。

4 安倍晋三は「政治が前面に出る」といったが、劣悪な官僚政治に任せても同じである。

ここは世界の科学者、技術者、哲学者、ジャーナリスト、宗教家といった異種の英知を集め、国際的な組織を立ち上げて、戦略を立て直すべきである。

そのときのポイントは、内外の原子力マフィアを組織に入れないことである。かれらは原発の維持・推進を目的としており、かつ経済的な利権でしか動かない。

根本でかれらは、汚染水を希釈して海洋投棄すれば良いと考えている。原子力規制委員長の田中俊一委員長が、東電に先立って海洋投棄を認めているのはそれを物語っている。

原子力マフィアは、日本国民と近隣諸国民の健康・生命を放射能汚染から守る、世界の海洋汚染を防ぐ、といった基本原則とは全く正反対の利権集団である。組織に入れても時間と精力の無駄である。

わが国の福島第一原発事故対策は、菅直人が東電を破綻処理せず、税金での救済を決めたことから、無能・無気力・無責任なシステムが走り出した。

それは野田佳彦の「収束宣言」につながっていった。そして安倍晋三によるオリンピック招致のための、「福島第一原発コントロール」 、「汚染水ブロック」という真っ赤な嘘を生むことになったのである。

福島第一原発事故は「収束」どころか、放射能汚染が拡大している。

最初のボタンをかけ間違ってしまったのだから、それを直さなければならない。すなわち、

1 東電の破綻処理

2 「収束宣言」の撤回

3 原発再稼働の停止

4 原発輸出の停止

以上の4点の政策に切り替えるべきである。

日本が、「世界一安全な原発の技術を提供できる」(安倍晋三)国である、といった宣伝文句は、ブラックユーモアにすぎない。福島のみならず関東と東北の放射能汚染は深まっており、汚染水による海洋汚染も深まっている。

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ところで、「特定秘密保護法案」が、秋の臨時国会で成立する。

この「特定秘密保護法案」の成立によって、「その漏えいが我が国の安全保障に著しく支障を与えるおそれがある」と判断した情報が、「特定秘密」に指定される。

この悪法の目指すもののひとつは、これから激増してくる被曝疾患であろう。すでに医療機関の情報隠蔽が著しい。すでに「収束宣言」を出し、「福島第一原発もコントロール」し、「汚染水もブロック」と政府が宣言した手前、この国は安全なのであり、それを打ち消す情報は、「特定秘密」に指定されるだろう。

国民は、どこで何が起こり、死者と病人が福島を中心に激増しているのが、わからなくなる。

現在、報道機関をこの「特定秘密保護法案」の対象から外す案が出ているが、それは御用メディアなど、監視しなくても安全なので、外すことにしたのであろう。

さもあれ、「特定秘密保護法案」の成立によって、消費税増税による自殺者の激増、放射能被曝による死者の激増。これらの情報はすべて「特定秘密」に指定できる。

まさに植民地の奴隷状況は、情報隠蔽によって保たれるのであり、国民は個々に分断され、情報に基づく横の連帯は消えるだろう。

もう1点。「特定秘密保護法案」が急がれる理由は、年内に合意が確定的なTPP参加のためだろう。

TPP参加は人間を侮蔑する精神に溢れている。ISD条項。ラチェット条項。スナップバック条項。NVC条項などがそれである。

4年間の「守秘合意」もそのひとつである。TPP交渉では、協定発効後4年間は交渉内容の秘匿が義務づけられている。つまりTPPは、知ったときは後の祭りの、売国の交渉なのだ。

これはよほど国民に知られては困る重要な売国の内容が含まれているためだ。おそらく外部に漏れたら、政権が吹っ飛ぶような内容なのだろう。

そのために先手を打って、情報漏洩を防ぐために「特定秘密保護法案」を急ぐのである。

交渉に参加した官僚は、厳罰を恐れて、たとえ国家国民のためとはいえ口を紡ぐ。そうなると、残る方法は、国会議員による情報開示請求しかない。ところが、これも出来ないのである。

こうなると、真の愛国の公務員による、懲戒免職覚悟、厳罰覚悟の、いきなりのネット上への漏洩しかない。

その可能性は限りなくゼロに近いであろう。

「特定秘密保護法案」成立後は、わたしたちは極端に少なくなった情報から、真実を見つけ出す情報リテラシーが求められることになる。

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