日本はすでに破綻国家なのだが、それは自民党という破綻政党によって運営されている。

公明党の高木陽介選対委員長が5月2日に、BSの収録でしゃべったことが物議を醸している。それは夏の参院選で「公明党が敵に回ったら、自民党は政権を取っていない」と自民党を牽制したためである。

高木は「自民党が連立を組み替えてまで(改憲を 注:兵頭)やれば、次の衆院選で自公の選挙協力はない」と語り、その結果、自民党候補者は1選挙区2万~4万票がなくなる、という見通しを述べた。こうなると多くの自民党立候補者が落選する。

2012年12月の衆議院選挙で、自民党は、大敗した前回選挙より、さらに小選挙区、比例とも得票数を減らしている。比例では議席を2議席増やしただけだ。小選挙区の勝利は、小政党の乱立と公明党の支援のせいである。

自民党政治は、伝統的に愚民観に基づいている。愚民観が期待しているのは、選挙で寝ている国民、投票を棄権する国民である。

自民党の期待は、マスメディアによって実現され、この国の投票率の低さはすでに常態化している。2012年12月の衆議院選挙の投票率は59.3%であった。

このとき、比例代表選挙で自民党が獲得した票は全有権者のわずか16.4%である。しかしこのわずかな投票で、自民党は衆議院の6割を超える議席を獲得し政権を奪還した。

それも選挙区で公明党の支援があったからこそなのだ。

したがって自分たち公明党の支援がなければ、自民党が政権につけないという見通しは、公明党のいうとおりである。つまり我が国の政権を担っている自民党は、公明党の推薦と支援がなければ政権につけない政党なのだ。

選挙に関して、自民党は公明党に死命を制されている。政権に就くのも下野するのも公明党次第という、不完全政党、破綻政党なのだ。

さらに自民党は官僚に隷属している。90%近い法案が官僚によるものであるが、その官僚は日米安保条約や日米地位協定、「対日超党派報告書」、「対日政策提言」、「日米経済調和対話」の忠実な実現者にすぎない。

選挙後の自民党は官僚に隷属している。つまり米国(「ジャパン・ハンドラーズ」・CSISやヘリテージ財団などのシンクタンク・米国企業のグローバルエリート)→官僚→自民党といった指示系統の中で、すでに水資源までが民営化されようとしている。

TPP参加後に、いずれわたしたちは食物と水といった、文字通り命の源を米国に握られることになる。

我が国の権力の中枢は「ジャパン・ハンドラーズ」や米国のシンクタンクや米国のグローバルエリートなのであり、その下に日本の財務省を中心とした官僚が自民党を支配下に置きながらそびえ立っている。

官僚主導から政治主導への転換は、米国と官僚との支配関係を断ち切ることを意味する。だから危機感を覚えた米国は、政治主導をとなえた小沢一郎を、司法官僚を使って政治裁判にかけ、鳩山政権を潰したのである。

さて、自公両党は、すでに切っても切れない構造的な関係になっており、公明党が憲法改悪をめぐって自民党から離れて行くこともない。

それが権力の旨味であり、この旨味をいちど知ったからには、現世利益の公明党が離れて行くことはないのである。

憲法改悪に関する公明党の役割は、中間派で迷っている国民を、憲法改悪に引っ張っていくことであろう。

さて、東京都の猪瀬直樹知事が、NYタイムズ紙のインタビューで、オリンピック立候補のイスラム国を侮蔑して物議を醸している。その発言は次のようなものだ。

「アスリートにとっていちばんよい開催地はどこか。インフラや洗練された競技施設が完成していない、二つの国と比べてほしい」

「イスラム諸国に共通するのはアラーだけで、あとはいつも喧嘩ばかりしている。それに彼らには階級制度がある」

「トルコは日本よりも平均年齢がはるかに若く、貧しいので子供がたくさん生まれる。日本は人口増加も止まり、高齢化が進んでいるが健康的で落ち着いた生活を送っている。

トルコの国民も長生きしたいと思っているのは同じだろう。彼らは早死にしたくないのなら、日本と同様の文化を創造すべきだ」
(引用終わり)

これらの記事が載って、あわてた猪瀬は、4月29日のツイッターで次のように弁解した。

「NYタイムズ記事の件。「他の立候補都市を批判する意図はまったく無く、このようなインタビューの文脈と異なる記事が出たことは非常に残念だ」コメント全文はFacebookをご覧ください」
(引用終わり)

しかし舌の根も乾かぬうちに4月30日には、発言の撤回と謝罪会見を行った。

立候補都市のイスタンブールを、「イスラム教国は互いにけんかしている」などと批判した件で、「不適切な発言で撤回する」、「イスラム圏の方に誤解を招く表現でおわびします」と謝罪した。

日本の政治家がよくやる収拾策である。猪瀬は「誤解」など招いてはいない。わたしたちは猪瀬の発言を正確に理解したまでだ。もしNYタイムズの記事が不正確なら、猪瀬は抗議して闘わないといけない。それをしないで撤回と謝罪をしたのだから、記事は正確で、読者も記事を正確に理解したのである。
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なにしろ人間の器が小さいので、猪瀬は5月1日には次のようにツイートしている。

「今回の件で誰が味方か敵か、よくわかったのは収穫でした。またNYTのおかげでこの時期のガイドラインの線引きがわかり貴重な体験となりました。五輪招致、ますますいき盛んん(ママ)です」
(引用終わり)

「今回の件で誰が味方か敵か、よくわかった」 。このツイートがまた物議を醸すと、同日のツイートに「私のフォロワーのことです。温かく叱咤激励してくれる人と、悪意をもつ人と」とごまかした。

浮き上がってきたのは猪瀬なる人物の、政治家としての未熟と、人間としての器の小ささ、そして不勉強である。

猪瀬のこの暴言で東京オリンピック開催は、ほぼ絶望的となった。ここは潔く立候補を辞退し、イスタンブールの推薦に回るべきだ。そのほうが猪瀬のためにいいし、何よりも日本のためになる。

20年の開催を目指す東京五輪招致委員会は、オリンピック開催の経済効果を東京都だけで約1兆6,700億円,全国的には約2兆9,600万円になると公表しているが、こんな数字を信用する国民はよほどのお人好しである。

オリンピック招致はそれほど儲かるものではなくなっている。むしろ、2004年アテネ五輪開催後に、ギリシャは財政危機となっている。また、ロンドンオリンピックでは、開催後4年間の経済効果を130億ポンド(約1兆6000億円)と見積もっていたが、開催費用の93億ポンド(約1兆1400億円)の元が取れるのかという話にトーンダウンしている。

猪瀬と違って、他国の立候補都市の首長は賢く、かつ紳士であるので、東京都の放射能汚染などは口にしない。

しかしこのままずるずると最終決定まで行って、東京都が選から漏れると、誰もが放射能汚染との因果関係を考える。

猪瀬の立場に立ってアドバイスするとしたら、むしろ自分から辞退した方が賢明だろう。

猪瀬のことだから、これからも前任者の石原慎太郎並みに大名行列をあちこち繰り広げるだろうから、東京都の財政負担は深まるばかりである。

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