兵庫県宝塚市と、伊丹市の市長選が、昨日(4月14日)に投開票された。
結果は、大阪以外の関西の都市で立候補者を立てた維新が、2市長選とも敗れた。
投票率も低く、宝塚市長選が40.94% 、伊丹市長選が41.92%だった。
両市とも、維新候補は前市議で、みんなの党の推薦も受けていた。
維新は7月の兵庫県知事選にも候補者擁立を検討中だった。しかしこれで見直しは必至である。もともと日本維新の会は橋下徹の個人商店であり、これまで橋下の名前だけで多くのミーハー政治家を当選させてきた。
その橋下も、テレビのバラエティー番組人気で風を吹かせてきただけの存在である。いわばテレビが作った政治家であり、賞味期限が切れれば終わるのである。
昨年末の衆議院選挙でも、日本維新の会は54議席を得たとはいえ、大阪以外の小選挙区で当選したのは、橋下人気とは関係のない平沼赳夫、園田博之のベテランふたりのみであった。しかもこのふたりは旧太陽の党所属の政治家であった。
わたしは、昨年の衆議院選挙のときから、日本維新の会に吹く風は1度だけと繰り返してきた。いくらマスメディアが、生活の党隠しに日本維新の会を利用しようとしても、維新の正体が第二自民党であり、橋下徹の正体が自民党安倍派であることが明確になった以上、風を吹かすことはもはや無理だろう。
今回のふたつの市長選が注目されるのは、大阪の隣の兵庫で、いくらみんなの党が推薦しても、橋下徹の影響はないということである。
橋下の影響は、大阪だけのことであったが、それも度重なる維新議員の不祥事で消えていきつつある。完全に消える前に、橋下としては東京に逃げださなければならない。
安倍晋三のもとに逃げ込むわけだが、東京にも問題はあって、それは日本維新の会内部の対立である。
わたしには橋下徹に旧太陽の党の侍たちを使いこなせるとはとても思えないが、本人は自分を知らないので、平沼らに向かって角をつきたてるに違いない。
すると橋下の将来は、ますます自民党に接近し、安倍派に変質することしか道はないであろう。
この日、青森でも市長選が行われた。そしてここでも与党ではない、無所属の脱原発市長が、自民、公明推薦候補に打ち勝って当選した。
保坂展人銀が4月15日に次のようにツイートしている。
「青森市長選挙に再選された鹿内博さんは、厳しい戦いを草の根選挙で制して約2万の大差で勝った。一方、宝塚市長の中川智子さんも維新候補を約2万の大差でふりきったようだ。→青森市長選 鹿内氏が再選/東奥日報
http://bit.ly/Zk1aGJ 」
「風の強い1日でした。大きな政治の流れは、いつも小さな出来事から始まると言います。東西(青森・宝塚)で親しい脱原発派市長が、大きな組織に頼ることなく相手候補を2万票差で制したというニュースは、これから2013年4月14日の記憶として、大切に生かしていくこととしたい」
(引用終わり)
橋下徹ほどアグレッシブではないが、今、旬の人物として風を起こしそうなキャラクターがいる。犬HKを実質的にはクビになった堀潤である。
同情もあってネット上での人気は高いが、ここに来て冷水を浴びせるような問題が起きてきた。堀潤がみんなの党から次の衆議院選挙に出馬するというものである。
私はこの情報を『神奈川新聞』から得た。ここでは、堀潤を知るために、『堀潤のテレビでは言えない話』を見てみよう。
「パブリックアクセスの実現にむけ、市民発信をどうやってマスメディアのインフラにのせていくのか、日々営業活動中です。
嬉しい事に、大手出版社や新聞社、そしてとある放送局から「堀さんが言う、市民発信とマスメディアの融合について協力できることがあれば、一緒にやりたい」と申し出がありました。
やはり、ネットメディアとマスメディアがいつまでもパラレルな関係を続けていてはいけないと思うんですよね。
僕がハブになって、両者を何とか結びつけたい。
市民とマスメディアが一緒になってニュースを創る試みを日本でも!頑張ります。心あるメディア人達が手をあげてくれて嬉しいです」
(引用終わり)
世間知らずの、無知に基づいた、夢のような話である。
「市民発信とマスメディアの融合」。「市民とマスメディアが一緒になってニュースを創る試み」。もっとましなことをいうかと思ったが、犬HK元職員のレベルはこの程度なのである。
堀潤には、この3年以上にわたって小沢一郎に加えられたメディアバッシング、メディアリンチ、メディアテロについて、ぜひ見解を聞きたいものだ。
我が国のマスメディアこそ、国民を不幸に導く元凶である。日本が米国から自立できる可能性が芽生えると、あるいは官僚支配の脱却を唱える政治家が現れると、必ず我が国ではマスメディアが攻撃を始める。そして、カレル・ヴァン・ウォルフレンが『誰が小沢一郎を殺すのか?』(角川書店)で展開した「人物破壊」を始め、社会的に葬ってしまう。
この同時代に生きながら、「市民発信とマスメディアの融合」とか、「市民とマスメディアが一緒になってニュースを創る試み」と、はしゃぐなど馬鹿げているのである。第一、それができなくて犬HKを辞めさせられたのではないのか。
マスメディアとは違った、市民の立場に立った情報発信としては、すでに岩上安身や神保哲生らの考えうる限り最も良質で優れた試みがある。
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