14日告示、21日投開票の滋賀県彦根市長選が、政治家の門地(出自)で揉めている。

なんと153年前の「桜田門外の変」の因縁が露出してきたのだ。

わたしにいわせると、別世界の夢のような話である。

桜田門外の変で暗殺された井伊直弼の城下町に、暗殺に参加した薩摩浪士の一族の子孫有村国知(ありむらくにとも 38)が、昨年の10月に彦根市長選に立候補するために彦根市に転入し、立候補した。これが騒ぎの始まりである。

通算4期目を目指す現職の獅山向洋(ししやまこうよう 72 )は、薩摩浪士の立候補は容認できない、井伊家のまちを守る、と批判した。

残念ながら日本の政治のレベルは大方このようなものだ。

日本国憲法の第14条は、法の下の平等(平等権)を規定し、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」としている。

ここでいう「門地」とは、家柄ないしは血統を意味する。市長選の争点に「門地」を持ち出すなど、日本の政治はここまで劣化しているのである。

かつてこの彦根市長職は、9期36年間に渡って直弼のひ孫の故・井伊直愛(いいなおよし)が務めた。10選というから、実質的には彦根の殿様として「門地」が36年間君臨したわけだ。これを89年の市長選で拒んだのが現職の獅山である。

つまり獅山は、井伊直弼の末裔を倒した自分の過去は忘れて、現在、彦根市のB層の劣情におもねっているわけだ。 「井伊直弼様の由緒ある、おらが城下町の市長に、桜田門外の変に参加し浪士の末裔は許されねぇ」

その浪士の末裔有村の「門地」がまたものすごい。

彼は有村治子・自民党参院議員の弟である。母の実家がある同県愛荘町の出身で、父は元県議長、兄も県議である。政治が家業の、華麗な政治家一族だ。

「門地」(出自)には裏バージョンがあって、その代表的な政治家といえば、やはり橋下徹であろう。

彼が共同代表を務める日本維新の会が、早くも末期症状だ。有り体にいえば石原慎太郎の率いる旧太陽の党と、橋下徹の率いる旧大阪維新の会との対立だ。

対立とはいっても内情は一方的に旧太陽の党が旧大阪維新の会を睥睨し、やりたい放題に振る舞っているということだ。

日本維新の会の内部分裂の原因のひとつは、旧太陽の党と、旧大阪維新の会との、政治的力量があまりにも違いすぎることである。

旧大阪維新の会系の国会議員は、大半が橋下ベイビーズの新人議員である。逆に旧太陽の党系は一騎当千の古兵からなっている。最初から対等な合流など望むべくもなかったのである。

その橋下徹が『週刊朝日』を訴える。「賞味期限切れ」の橋下徹としては、なんとか話題を盛り上げて、参議院選挙に繋ぎたいのだろう。モチーフはそのようなものだと思われるので、ここでは橋下の訴えの内容は取り上げない。

橋下徹の実態が自民党安倍派だと国民にわかってしまった現在、いくら話題作りに奔走しても、前回の衆議院選挙のような風はもう吹かないだろう。

風が吹かないのは、橋下のお膝元、大阪の現状が雄弁に物語っている。

丹野壮治市議がブログで他党の市議を、「お前はもう死んでいる」と子供じみた中傷を書く。

井戸正利市議は 、震災がれき受け入れ反対の陳情書を、ゴミ箱に捨てた写真を撮り、ブログに載せて問題になる。

浅田均政調会長は、同党の大阪都構想に言及し、「周辺の10市くらいを合併し、尼崎や西宮を越えて、神戸まで特別区に」と暴言を吐く。

馬場伸幸衆議院議員らが、自民党堺市議時代に党の支部に寄付したうえで、支部からは自分の後援会に寄付して資金を迂回させ、税金の還付を受けていたことが発覚して顰蹙を買う。

橋下徹は、彦根市長選の「門地」騒ぎと違って、全国政党の共同代表である。これまでは「門地」が騒がれるたびに、逆差別で切り返してきた。「門地」(出自)の裏バージョンながら、「門地」(出自)の使い方は結構巧みでたくましい。

しかし、大阪のお膝元の政治家たちの不祥事は、橋下徹が巧みに利用してきた「門地」(出自)とは関係がない。

有効な反撃ができないままに、劣悪な子分たちを大阪に残して、橋下は東京に行こうとしている。

東京では、ますます日本維新の会が第二自民党であり、橋下徹が自民党安倍派に過ぎない事実が明確になるだろう。
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その点、安倍晋三は文字通りの「門地」(出自)の正統派である。詳しく書けばきりがないほどの閨閥である。

簡単に大枠だけ記すと、祖父が岸信介、岸の弟は佐藤栄作、父は安倍晋太郎、叔父が佐藤信二、養子に行った弟が参議院の岸信夫。まさに政治で飯を食っている一族であり、閨閥である。

これまで、安倍礼賛の御用メディアのおかげで、安倍首相は世論調査で、高い支持率を確保している。

ところで現代の「門地」(出自)は、安倍晋三も 、裏バージョンの橋下徹も、グローバリズムに行く。

かれらのミッションは、国家を超えて、グローバル企業の利益に奉仕することだ。売国は必然であり、見返りは保身と資産である。

3·11の危機は、グローバリストにとっては最大のチャンスだったのであり、それは消費税増税とTPP参加で成功裏に実現されようとしている。

日本をTPPの檻に封じ込めた後、米国は尖閣などという価値のない無人島のために中国と一戦を交えることなど決してしない。なぜなら新しい秩序の支配者は国家を超えているからだ。

新しい支配者にとって領土をめぐる戦争など意味のないことである。大切なのはあくまでもグローバル企業の利益なのであり、そのための秩序を維持することである。

米国内での警戒心は、中国よりもむしろ中国との一戦に米国を巻き込もうとする日本に対して高まっている。

米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は4月4日、「東シナ海と南シナ海での中国の海洋紛争」と題する公聴会を開いた。

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