橋下徹が焦っている。

今のままゆけば、日本維新の会は完全に石原慎太郎に乗っ取られる。

かといって一地方組長にすぎない橋下徹には、東京での国会議員対策ができない。

日本維新の会の国会議員団を、半年間、石原慎太郎に任せるというのは、共同代表たる橋下にとっては致命的である。

そこで考え出されたのが、参議院選挙に向けての基本戦略として、日本維新の会、みんなの党、それに民主の一部で新党を作ることである。

しかしそれがうまく行きそうにない。

みんなの党の渡辺喜美代表は、日本維新の会が、「(先の衆議院選挙で、維新の会は)30近い小選挙区で候補者をバッティング(競合)させてきた。猛省を促したい」と語っている。

日本維新の会との参議院選挙の選挙協力は勧めるものの、合流については、渡辺は、「あり得ない。信頼が崩れている」と否定した。これは1月27日の党大会での運動方針採択に先立っての挨拶で語ったものであり、非常に重いものだ。

渡辺のみんなの党がアジェンダを標榜するまでもなく、日本維新の会と旧太陽の党との合流(実態は選挙で生き残るための野合である)を見れば、どの政党も日本維新の会との合流には二の足を踏むだろう。

旧太陽の党の本音は消費増税賛成、原発推進、TPP反対である。したがって旧太陽の党の国会議員は、TPPに賛成のみんなの党と合流には、消極的である。

渡辺は、旧太陽の党と日本維新の会との合流で「政策がまるで分からなくなった。信頼が崩れている」とまで語っているが、普通の政治感覚をもっていたら、誰でも渡辺と同じ考えをもつだろう。

橋下徹は、渡辺のコメントに、「渡辺氏にももう少し大人の政治家になってもらいたい。こういう発信を続けたら、また(参院選で)バッティングしてしまう」と切り返した。「僕が気にくわないなら(共同代表を)引いても構わない」と述べているが、こういうところにも、政策軽視で政局重視の橋下徹の特徴がよく表れている。

渡辺は、「その言葉は、そっくりそのまま橋下氏にお返しする。選挙の間際に新党を作って、国民をだますようなことは、もうやめた方がいい」とやり返した。

今のところ合流は消え去ったと思われる。

次の参議院選挙に向けての、既得権益支配層の深層の戦略は、日本維新の会とみんなの党とを、2つに分けたまま、第3極の仮想の看板のもとに闘わせることにあるのだと思われる。

つまり、自・公以外の、右寄りの票を日本維新の会へ、リベラリズムの票をみんなの党へ吸い上げることで、いよいよ参議院でも、消費税増税廃止(凍結)、反(脱)原発、TPP参加反対の政党を惨敗させることである。

もちろん中心的に狙われているのは、生活の党であり、それを引っ張る小沢一郎である。

小沢一郎を最終的に葬ること。それが既得権益支配層の参議院選挙の位置づけである、と考えていい。

小沢一郎を葬った後、長期的な既得権益支配層の戦略は、仮想の2大政党制を作り、これで自分たちの既得権益を盤石なものにすることである。

現在、自民党に公明党を足して325議席になる。再可決に必要な3分の2を超える巨大連立政権が出来上がっている。

ここから、既得権益支配層は、自・公が勝ちすぎて不必要になった民主党(57)、日本維新の会(54)、みんなの党(18)に、対米隷属、対官僚・財界隷属の第2自民党を作らせる。これが究極の戦略のように思われる。

その意味では、現在のところ頓挫しているが、橋下徹の日本維新の会、みんなの党、それに民主の一部で新党を作る考えは、既得権益支配層の戦略に完全に沿ったものである。出てくるのが少し早すぎただけだ。
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もちろん、そのことは小沢一郎は十分にわかっている。

小沢の前に突きつけられているのは、次のような状況だ。

国会は自・公で3分の2を超えている。したがって、自・公は参議院で否決されても、やろうと思えば衆議院で3分の2以上の多数によって再議決して、法案を成立させることができる。

これまで民主党政権下で、実質的には民・自・公の3党の大連立が出来上がっていた。そのときに行われた政治は、少数党無視、民意無視の独裁政治であった。

民主党の野田にいたっては、衆議院選挙後の政権交代後には、自・公と連携することもある、とまで語っていた。

政権与党としての矜恃もなければ、民主主義の何たるかもわきまえぬ無茶苦茶な考えである。

維新、民主党のA旧戦犯(野田・岡田・前原・枝野・玄葉・安住・菅)も、実質的には自民党の補完勢力である。

菅・野田政権以上の大政翼賛体制が、衆議院選挙の後にすでに出来上がっていることに、小沢一郎は非常な危機感を持っている。

現在の政治体制を一言でいうなら、軍国主義的な全体主義体制である。海外のメディアも安倍政権に対する右傾化警戒の論調ではおおむね一致している。

選挙後のNHK日曜討論などでも、民主党、みんなの党、維新は、口を揃えて、国会には「是々非々」「何でも反対ではない」「協力してゆく」と語っている。

いよいよ自民党補完勢力の化けの皮がはがれてきたのである。

これから民主党の菅、野田が準備した大連立政権(少数野党無視、国民無視の大増税大政翼賛会)が、日本の米国植民地化を進めてゆくことになる。

それはけっして日本が米国の51番目の州とされることではない。それ以下の存在、つまり日本の植民地化なのである。

それを阻止するためには、自・公と対決する野党候補者一本化を急がなければならない。

ただ、現実問題としてそれが出来そうなのは、民主党の一部、生活の党、みどりの風、社民党の小政党のみである。

次の参議院選挙では121議席が改選だ。「自・公+みんな・維新」なら、53議席とったら過半数(122)に届く。

「自・公+みんな・維新」にとって、これはけっして難しい数字ではない。

これを阻止する、国民主権の側に立った政党にとっての希望は次の6点である。

1 今回の衆議院選挙で自民党は勝っていない。自民党が比例で得た得票率は、全有権者の16.4%にすぎない。それで衆議院480議席のうち、294議席を占めた。これは逆に、乱立した小政党が選挙協力すれば、政権を獲得できることを示している。

2 あまりの民主党政権のお粗末さに、すっかり下野して危機感もなくしてしまった自民党は、野党転落時に党改革を真面目にやっていない。公明党抜きでは闘えない世襲政党に堕落したままだ。

3 今度の選挙で自民党が大勝した原因のひとつは、自・公の実力ではなく、外部要因によるものだ。

それは「記者クラブ」メディアが、「第3極」なる概念を大宣伝したことだ。

その中身は、日本維新の会の宣伝で、日本未来の党を隠した。しかも、みんなの党も宣伝して、慎太郎・橋下以外の票を吸収したことが、さらに日本未来の党の票を減らし、自・公に大勝をもたらした。

4 自・公は低投票率でないと勝てないが、次の選挙では、国民のなかの、自民党に勝たせすぎたという揺り戻しがきて、戦後最低といわれた投票率を上回る可能性が高い。

5 これまで国政選挙で3連勝した政党はない。最近の選挙で、すでに自民党は参議院、衆議院選挙と2連勝してしまった。

6 今回選挙で棄権した国民の投票参加が期待できる。

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