今日は超格差社会を政治に見ることにする。
それは政治と金の問題を見てゆくのと同義である。もうどうしようもない日本政治の劣化が目に飛び込んでくる。
選挙が終わったばかりだが、半年後にはまた参議院選挙がある。
かりに現在の政治状況に義憤を感じて、出馬しようとしても、まずお金の問題に突き当たる。国民の政治参加を阻止するシステムが立ちはだかる。
まず供託金を払えと要求される。その額が、外国と比べて異常な高額なのだ。
日本
選挙区300万円
比例区600万円
イギリス
約11万円
オーストラリア
下院約5万円
上院約10万円
アメリカ・フランス・ドイツ・イタリアなどは供託金なし。
これでは政治参加できないではないか。
日本の場合、もちろん異常に高い供託金を課すことで、国民の自由な政治参加を阻止しているのである。
小泉純一郎のときの司法改革でも、司法試験が金持ちしか法曹人になれないような試験制度に改悪されたが、わが国は確実に富裕層が既得権益を占有し続け、世襲的に支配層に留まる構造が完成しつつある。
そのひとつの典型を、民主党の落選議員に見てみよう。
『毎日JP』の今年(2013年)1月19日付けが、「民主党:衆院選落選者に「お年玉」 前職200万円、新人100万円 離党阻止狙いも」と題して、次のように報じている。
「民主党が昨年12月の衆院選で落選した候補者に対し、選挙費用や当面の政治活動費として、臨時交付金を支給していたことが18日分かった。
支給額は前職候補200万円、新人候補100万円。
党勢低迷の中で衆院を解散した野田佳彦前首相らに対する落選議員の不満は根強く、党本部からの「お年玉」には離党や他党からの夏の参院選出馬を防ぐ狙いもありそうだ。
昨年末に開かれた落選者らの意見聴取会で、出席者からは「早く支援しないと、落選者はちりぢりになる」と離党を示唆する意見も出た。
席上、細野豪志幹事長は「早急に対応したい」と応じており、落選議員は「この時期は新年会などで出費がかさむ。助かった」と話している。
ただ、衆院選大敗により、民主党が受け取る13年分の政党交付金は約86億円で、12年の約165億円からほぼ半減する。民主党は衆院選の公認候補者に月70万円の活動費を支給してきたが、支出抑制のために次期衆院選の公認決定は参院選後にずれこむ見通しだ」
(引用終わり)
落選議員が「早く支援しないと、落選者はちりぢりになる」と離党を示唆するなど、まるで離党をネタに、たかっているのと同じだ。民主党は上から下まで腐っている。
民主党の党勢低迷といったところで、菅直人や野田佳彦を選出したのは議員たちである。こういうのを自業自得、身から出たさびというのだ。
それに在職中に一言でも菅や野田を批判したのか。黙って蓄財に励んでいたとしか思えない。
落選議員のお年玉が200万で、月の手当が70万円。これでは民主党の議員が、離党しない筈である。夢のような話だ。
これはわたしたちが失職したときに、月70万円の失業手当で出るのと同じである。以前の給料の2、3倍の高額だ。
貧困率が、2006年データによると、わが国は15.6%である。西欧諸国の大半の貧困率が10%以下であるから、いかに日本が凄まじい超格差社会になっているかがわかる。
しかも、自殺率は英国の3倍、米国の2倍である。西側先進国でぶっちぎりの1位であるうえに、今後、その自殺者を激増させる消費税増税の追い打ちがかかる。
このような悪政を行って、落選しても民主党議員は左うちわだ。
庶民の生活感覚からはかけ離れている。わが国は理不尽なまでに完全な超格差社会に入っている。
落選議員が200万円のお年玉をもらって、「この時期は新年会などで出費がかさむ。助かった」などふざけるなというのだ。
何を宴会場など、物欲しげな顔をして回っているのだ。
ハンドマイクをもって、街頭に立ち、消費税増税賛成、原発維持・推進、TPP参加賛成を訴えたらいいではないか。
落選議員は、失職して月70万円ももらえるのだったら、次の参議院選挙はパスして、3年後の衆議院選挙を目指した方がいいかもしれない。
この原資も、政党交付金(政党助成金)だから、国民の税金ではないか。
わたしたちは爪に火をともすような生活をしながら、わたしたち国民への増税を決めて落選した議員を、250円ずつ出して支援し続けることになる。
まったく国民をバカにした理不尽なシステムだ。これなら消費税増税に反対して、法案を通した政治家を落選させた選挙の意味がない。
(その後の情報では、月50万円に減額したようだ。世間の批判を気にしたのだろう。しかし、いずれ70万円を超えるとわたしは見ている)
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