以前から、日本国民はかわいそうな民族だと思ってきた。「パナマ文書」の暴露以来、その感が強まっている。

日本国民は、現在の経済力だけでも、もっと豊かな生活を送れるのである。それが老人も若者も、大半の国民が貧苦に喘いでいる。

この国では、99%がいくら懸命に働いても、米日1%に収奪される。そのシステムが、構造的にできあがっている。このシステムを強固に固めたのは小泉純一郎である。小泉の登場以来、日本政治の奥の院は新自由主義者で占拠された。今は安倍晋三、竹中平蔵らによって、働くほど米日1%に収奪されるシステムが起動し続けている。

「熊本地震被災地支援ドリームジャンボ宝くじ」とやらが、発売される。あのメディア脅迫の高市早苗総務相が、4月26日に発表した。

いかにもギャンブル政権らしい企画だ。もっとも被災自治体に入るのは収益の一部にすぎない。要は、99%の苦境は99%同士で助け合え、といっているのである。1%の場合は、たとえ人災であっても、たとえば東電の救済などは、けっして宝くじなどにはしない。税金から手厚く救済するのである。

いくら働いても米日1%に収奪されるシステム。そのひとつに株主への配当金がある。

2013年の投資部門別株主保有割合を見てみると、以下の通りである。

(1) 外国法人等 30.8%

(2) 個人等 18.7%

(3) 金融機関 29.0%

(4) 事業法人その他 21.3%

(3)の金融機関、それに(4)の事業法人のなかにも外国人投資家が入っている。その結果、外国人投資家の割合は全体の半数以上を占めている。換言すれば、株の配当金の半分以上が外国人投資家に献上されているということだ。

現在、日本企業の配当金は15兆円から20兆円である。つまりその半分の約7兆円から10兆円以上が、毎年外国人投資家に献上されているということだ。

消費税1パーセントで約2兆円の税収が増える。ということは、毎年3.5%から5%の消費税分を外国人投資家に献上していることになる。

ここで誤解のないように言っておくが、わたしは配当金をなくせといっているのではない。資本主義の原則に立つ限り、それなりの配当金は必要だろう。

しかし、企業が労働者の賃上げに回すべき利益を、内部留保とタックス・ヘイブン、それに株主への配当金にのみまわすのであれば、99%は幸せにはなれない。格差はますます開く。やがては資本主義そのものの破綻に結びついていくだろう。労働者は奴隷ではないのである。

ちなみに、資本金10億円以上の大企業の内部留保は、301兆6000億円(財務省の2015年7~9月期法人企業統計)にも及ぶ。

反対に、物価上昇を差し引いた実質賃金は、安倍政権が発足した2012年からの3年間でマイナス4・8%である。

今日のメルマガでは、タックス・ヘイブン(租税回避地)の問題を、これまで以上に掘り下げて考える。

志賀櫻は『タックス・ヘイブン―逃げていく税金』のなかで、タックス・ヘイブン(租税回避地)を次の3つのカテゴリーに分けている。

(1) 椰子の茂るタックス・ヘイブン

(2) 群小のオフショア金融センター

(3) ロンドンとニューヨーク

現在、問題になっているのは、(1)の椰子の茂るタックス・ヘイブン、だけである。(2)、(3)を併せると、消費税増税それ自体が消えてしまおう。そればかりか、奨学金はすべて返済無用の給付型に切り替えることができる。待機児童の問題も解決できる。年金も生活保護費も増額できる。

その「パナマ文書」に記された日本企業名と個人名とが、5月10日に公表される。ただ、ほんとうにすべてを公表するのか。一部を公表して、たとえば政治家などを隠して、幕引きを図るのではないか。冷静に受け止めるべきである。

多くの方がツイッターの投稿などでご存知だと思うが、日本の税制は公平ではない。日本の所得税制は、建前は累進課税になっている。したがって貧しき者は税金が安く、富める者は税金が高い筈だ。しかし、これが適用されるのは、所得が1億円(28.3%)までである。

日本の所得税負担率は、1億円を超えると逆進性になり、急激に下がり始める。富める者ほど税金が安くなる。年間所得が100億円になると、13.5%にまで下がる。

ここまでは多くの人が知っている。しかし、わたしたちは認識をその先まで深めねばならない。すなわち現実的には、タックス・ヘイブンによって、税の不公平はさらに拡大し、不公平なばかりか不正なものになっている。

タックス・ヘイブンで税収が減った分を、劣化した政治は、貧しい者への増税と、社会保障の削減によってまかなう。それをさらに富裕層への減税(法人税減税)に充てる。中間層が激減し、社会は貧困層と富裕層とに二極分化している。それでもなお安倍晋三は、貧困層への増税と社会保障の削減とをやめない。

まずはこの認識が、前提として大切である。

それではどのような条件をもつ地域を、わたしたちはタックス・ヘイブン(租税回避地)と呼んだらいいのだろうか。その判断基準として志賀櫻は、OECD租税委員会が1998年に公表した4つの基準を採用する。それは以下の4点である。(『タックス・ヘイブン―逃げていく税金』)

(1) まったく税を課さないか、名目的な税を課すのみであること

(2) 情報交換を妨害する法制があること

(3) 透明性が欠如していること

(4) 企業などの実質的活動が行われていることを要求しないこと

志賀櫻は、そのような地域の特徴を、さらに具体的に3点指摘する。

(1) まともな税制がない

(2) 硬い秘密保持法制がある

(3) 金融規制やその他の法規制が欠如している

その結果、露出するタックス・ヘイブンの悪事として、志賀櫻は次の3点が現実化するという。

(1) 高額所得者や大企業による脱税・租税回避

(2) マネー・ロンダリング、テロ資金への関与

(3) 巨額投機マネーによる世界経済の大規模な破壊

志賀櫻は『タックス・ヘイブン―逃げていく税金』のなかで書いている。

「国の運営に必要な財政資金は、ある程度の額にのぼる。その資金を、国民がそれぞれの応分で拠出し、公的サービスの整備と充実に貢献する。納税が国民の義務とされるのは、そのためである。ところが、タックス・ヘイブンを使った脱税行為・租税回避行為は、その義務を無視、あるいは放棄し、本来ならば国庫に納められるべき税金を、海外のどこかに逃がしてしまう。

一般に、本来納付すべき税金と、実際に納付されている税金との差額を「タックス・ギャップ」という。アメリカの内国歳入庁(IRS)は、2001年のタックス・ギャップを3,450億ドルと推計して、このうち2,900億ドルが徴収できなかったと議会に報告している。

日本でも国外へ逃げていった税金は莫大な額にのぼると考えられる。しかし、驚くべきことに、日本の課税当局はタックス・ギャップの額を推計しようとさえしていない

米国は、2001年のタックス・ギャップを3,450億ドルと推計した。その84%以上の2,900億ドルを徴収できなかった。そのことを議会に報告している。

しかし、日本の課税当局は、タックス・ギャップの額を推計しようとさえしない。

わたしが、日本国民をかわいそうな国民だと思うのは、こういうところにも顕れている。まだ、米国は推計して議会に報告した。しかし、日本は1%同士で利権を守る。そして蓋をしてしまうのである。東京の大手(「記者クラブ」)陰謀メディアも、けっしてそこには切り込まない。

納税の義務は99%にのみあり、1%は、脱税行為・租税回避行為をやり、その義務を無視、あるいは放棄している。政治はそれを見逃すばかりではない。「タックス・ギャップ」もタックス・ヘイブンを調べようとさえしない。

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