米情報通信サービスのブルームバーグの試算によると、日経平均株価を構成する225銘柄のうち、75%の上場企業に、日本銀行が株主順位の上位10位以内に入っている。

日銀は、すでに主要企業の実質的な大株主となっている。現在の日本の株式相場は官製相場であるが、株式会社そのものが日銀の支配下におかれつつある。つまり戦時下の政府と民間会社の支配関係が急速に完成されつつある。

『J-CASTニュース』(8月16日)によると、「すでにヤマハは日銀が事実上の筆頭株主で、16年内にはセコムやカシオ計算機でも筆頭株主となる見通し。さらに2017年末には55銘柄まで、18年末には82銘柄と全体の3分の1を上回る見込み」である。(『J-CASTニュース』8月16日)

もはや民主主義はなくなり、法治国家でさえなくなり、資本主義は解体されている。電力会社は、どのように無能で無責任な経営で原発破壊を起こそうと、消費者に見放されようと、市場の原則で淘汰されず、政権に税金で助けてもらえる。独裁体制が戦時色を強めている。

この幼稚で狂った政治民度の低さを炙り出す現象が起きて、ネットの話題になっている。

稲田朋美防衛大臣が、ソマリア沖の海賊対策に派遣されている海上自衛隊の部隊視察に、ジブチに旅立った。話題になったのは、というか顰蹙を買ったのはその装いである。

百聞は一見にしかずというから、まずはご覧いただこう。

(稲田朋美が師と仰ぐ、生長の家の谷口雅春の言葉。「最高の宗教的行事が戦争」の軽さ)
(稲田朋美が師と仰ぐ、生長の家の谷口雅春の言葉。「最高の宗教的行事が戦争」の軽さ)

inada tomomi (3)

まるでバカンス気分である。このチャラさは、世代の新しさといったものではない。社会的常識も欠いた幼稚な政治家が、政治も国民も嘗めきっているのだ。民間会社でも、取引先にこの格好で出向いたら、信用を落として取り引きは終わる。少なくとも二度と稲田を寄越すな、となる。

公務だから、ジブチに着けば出迎えの外交官や軍人とも挨拶するだろう。そのとき、かれらはどう思うだろうか。少なくとも、こんな格好でやってきた防衛大臣は初めてだ、と呆れたことは間違いない。そしてこれが通じる国と見做され、わたしたち国民がバカにされるのである。

国会審議も靖国参拝も、いっそこの格好でやってほしいものだ。それがこの政権を選んだ国民には似合っているのである。

政治家に社会常識がなくなっているのだ。この非常識は、実は日本中に蔓延している。

この件に関しては、稲田朋美を8月15日に靖国参拝に行かせないために、13~16日の日程で、ジブチに行かせたという説がネットには流れている。

もしそうだとすると、日頃の極右の勇ましい発言からは様変わって、小賢しいことだ。

稲田朋美には、何よりも戦死者の供養が大事なのではないか。たかが防衛大臣の保身を優先させて、戦死者の御霊に応えることができるのか。

彼女が師と仰ぐのは、生長の家の谷口雅春である。かれは戦争を「最高の宗教的行事」とする思想の持ち主だ。とすれば、「最高の宗教的行事」に殉じた靖国の御霊を慰めずに、靖国から逃げて戦地の軍人を視察する。これはおかしいのではないか。

こんなチャラい防衛大臣のもとで、日本は日中戦争に向かっている。そのとき、沖縄は再び本土の盾にされて、主戦場になるだろう。

米国の映画監督オリバー・ストーンが、『琉球新報』で「(沖縄を訪問した)3年前と同じ問題が残されている。改善が見られない」と指摘。さらに「第2次世界大戦後、沖縄は残酷な、とてもひどい扱いをされてきた。米国はそれに大きな役割を果たしてきた」と米統治下の歴史を振り返った上で、「米国からの独立だけでなく、日本からの独立を考えるべきだ」と述べていた。(『琉球新報』

Oliver Stone Director (3)

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沖縄は独立問題を様々な選挙レベルで争点とするべきだ。沖縄が戦争から逃れるための、残された時間はあまりない。沖縄の知識人はさらに真剣になるべきだ。もし戦争になり、またぞろ本土の盾に使われたら、その責任の一端は沖縄の知識人にもあることを知るべきだ。

もっと強く、真剣に沖縄独立を県民に訴えるべきだ。オリバー・ストーンもいうように、米国・日本という、戦争で経済を回す国から関係を絶っておかなければ、沖縄は最大の犠牲を強いられることになる。

もし中国との開戦になれば、沖縄はどうなるのだろうか。それを示唆する論文がある。

アンドリュー・F・クレピネビッチは、「中国をいかに抑止するか ―― 拒否的抑止と第1列島線防衛」のなかで、「少なくとも米軍によるアジアリバランシング戦略はすでに始まっている」とした。「2020年までに、海軍と空軍は戦力の60%をアジア・太平洋地域へとシフトさせる。一方、ペンタゴンは、予算削減という環境下にあっても、新型長距離爆撃機、原子力潜水艦などの、高脅威環境下での活動に必要な軍備への投資を拡大している」としている。

この論文のなかで、アンドリュー・F・クレピネビッチは書いている。

(アンドリュー・F・クレピネビッチは、戦略・予算評価センター所長で、国防長官室国防政策ボードのメンバー)
 

「(中国は 注 : 兵頭)米軍の重要な基地をターゲットにし、米海軍による国際水域での作戦行動を制約する能力も強化している。中国軍は、沖縄の嘉手納空軍基地を含む、東アジア地域における米軍の主要施設を攻撃できる弾道ミサイルと巡航ミサイルをすでに開発し、第1列島線沿いのさまざまなターゲットを攻撃できるステルス戦闘機の開発を試みている。

遠く離れた軍艦を抑止及び攻撃するために、すでに中国軍は、長距離の偵察ミッションをこなせるドローンだけでなく、先端レーダーと偵察衛星を配備している。さらに中国海軍は、遠く離れた船を攻撃できる次世代魚雷や高速巡航ミサイルを搭載できる潜水艦を調達しようとしている

「中国軍が、第1列島線に沿った国を孤立させるには、この地域での航空優勢と海上優勢を確立する必要がある。一方で、ワシントンが北京に計算の見直しを強いたいのなら、当然、中国の第1列島線の空と海の優勢を相殺しなければならず、そのためには同盟国の戦闘ネットワークを統合し、その能力を強化する必要がある。

地域的な軍事バランスを不安定化させようとする中国軍の試みを相殺するには、この双方(中国の第1列島線の空と海の優勢を相殺 注 : 兵頭)が必要になるが、全般的にこれらの目的は地上軍で達成できる。既存の空海軍力を置き換えるのではなく、これを地上軍が補完することで実現できる

アンドリュー・F・クレピネビッチの論文で、沖縄に関して重要なのは、地上戦を重視していることだ。

中国軍の実力は、「沖縄の嘉手納空軍基地を含む、東アジア地域における米軍の主要施設を攻撃できる弾道ミサイルと巡航ミサイルをすでに開発し、第1列島線沿いのさまざまなターゲットを攻撃できるステルス戦闘機の開発を試みている」。

それで「地域的な軍事バランスを不安定化させようとする中国軍の試みを相殺するには、(中略)地上軍で達成できる。既存の空海軍力を置き換えるのではなく、これを地上軍が補完することで実現できる」としている。

中国の弾道ミサイルと巡航ミサイルなどを迎え撃つには、地上軍でやる。すると、当然、沖縄がその主戦場になる。

わたしはこの論文を読みながら、どうしても米国の犠牲をなくすための戦略といった不信がぬぐえなかった。日中戦争で地上戦重視となると、米国に向けて中国から弾道ミサイルと巡航ミサイルなどが撃たれないかぎり、米国からも中国に向けて撃たれない。すると、もっぱら地上から中国を攻撃する日本の基地が攻撃の対象になる。

沖縄が最大の激戦地になる。

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