6月19日、沖縄で6万5000人が参加して、元米海兵隊員で米軍属のシンザト・ケネフ・フランクリン(米国籍)による殺害・強姦事件に対する抗議集会が開かれた。米軍基地に反対するデモとしては、ここ20年間で最大規模になった。

Okinawa (2)

この集会で、沖縄の翁長知事は、米海兵隊の撤退を訴えた。

参加者は「怒りは限界を超えた」とのメッセージを掲げる人が多かった。自民、公明、おおさか維新の会は参加しなかった。

沖縄県の面積は日本の国土面積の1%以下である。その沖縄に在日米軍専用施設面積の74%が集中している。そのため、沖縄本島の5分の1を米軍基地が占める。沖縄に居住する米国人は5万人、そのうち3万人は基地で働く民間人である。

女性強姦殺害事件で5月下旬に米軍属が逮捕されると、米軍は、1か月間の「哀悼期間」(!)を設けた。そして基地外での飲酒を禁じた。これは米軍のパターン化した恒例行事だ。案の定、直後に米海軍兵が飲酒運転による交通事故を起こす体たらく。沖縄の反基地感情に火に油を注ぐ結果になってしまった。

沖縄の痛みに安倍政権は冷淡である。

『沖縄タイムス』(2016年6月19日)が「社説[きょう県民大会]心に刻み決意示そう」を載せている。

「事件を通して突きつけられている問いは次の二点に尽きる。

なぜ、米軍関係者による性犯罪が繰り返されるのか

どうすればこれを防ぐことができるのか

事件発生の際、政府・自民党サイドから出たのは「最悪のタイミング」(オバマ訪日を前にして 注 : 兵頭)という言葉だった。その場限りの「危機管理的対応」や、選挙向けの「政治的パフォーマンス」では被害者の両親の痛切なメッセージに応えることはできない。

暴行そのものは個人的なものだとしても、今回の事件を「軍属個人の問題」ととらえ、米軍や米軍基地とは関係がないように主張するのは誤りだ。

今回の事件は「基地あるがゆえに起きた犯罪」である。その種の性暴力が沖縄では米軍上陸以来、目を覆いたくなるほど頻繁に起きている。

その事実を徹底的に洗い直すことによって「多発する構造」を突き止めることが必要だ。

沖縄戦の経過を克明に描いた作家ジョージ・ファイファーは、「天王山・沖縄戦と原子爆弾」(下)でこう記している。「民間の婦人を犯すことは、多くの部隊は認めなかったが、もっとも頻繁に起こる犯罪に含まれていた

米国陸軍歴史編纂所が発行した軍政文書(「沖縄県史資料編14 琉球列島の軍政」)にも似たような記述が見られる。「少数の兵士は米軍の沖縄上陸と同時に、住民を苦しめ始めた。とくに性犯罪が多かった

1955年9月3日には、6歳の女児が米兵に暴行殺害され、嘉手納海岸で遺体となって発見されるという凄惨な事件が起きた。復帰後の95年9月4日、米兵3人による暴行事件が起きたとき、多くの人たちが反射的に思い出したのが、40年前のこの女児暴行殺害事件であった。

今回の暴行殺人事件の被害者は、95年の暴行事件が発生したその年に生まれている。

その都度打ち出される再発防止策の効果が持続せず、何度も再発を許してきた両政府や米軍の責任は重い。

議論を喚起するため3点を提起したい。

第一に、強姦(ごうかん)や強姦未遂などの性暴力は、人間としての尊厳を破壊する深刻な人権侵害である、という認識を育てること。そのための「県民目線」の研修を定期的に実施し、県に対しては必要な資料を積極的に提供することを求めたい。

第二に、地位協定の見直しに優先的に取り組むべきである。事件・事故に対する米軍の説明責任は極めて不十分だ。排他的基地管理権を認め、米軍関係者を優遇する仕組みが「逃げ得」や「植民地感覚」を温存させている側面があり、原則国内法を適用し、説明責任が果たせるような仕組みを設けることが事件の抑止につながる。

第三に、海兵隊撤退と基地の大幅な整理縮小・撤去を進めること。戦後日本の基地政治は、沖縄に米軍基地を集中させ、その見返りに振興策などの金銭的手当をするという「補償型政治」の手法をとってきた。だが、その手法は、本土と沖縄の間に埋めがたい深刻な溝をつくり、「構造的差別」を生んでいる。

二度と再び犠牲者を出してはならないという県民の強い決意がなければ問題の解決は難しい。県民がその気にならなければ、米軍や行政を動かすことはできない。

沖縄の正念場である」(「社説[きょう県民大会]心に刻み決意示そう」

「民間の婦人を犯すことは、多くの部隊は認めなかったが、もっとも頻繁に起こる犯罪に含まれていた」。この状態が改まらない。連綿と続いている。それはなぜなのか。

これは沖縄だから起きるのか。そうではない。かりに沖縄が独立し、沖縄の米軍が本土に移動しても、その移動先で女性への暴行殺人は起きるだろう。

それは敗戦後に、日本を恒久的な軍事隷属支配のもとにおく「サンフランシスコ・システム」(ジョン・ダワー)が、現在も生きているからである。

オバマが原爆資料館をわずか10分で出てきて、死神の懲罰スピーチをしたことからもわかるように、日本はまともな独立国家としては相手にされていないのだ。これは戦後70年にわたって、吉田茂、岸信介ら自民党によって作られてきた対米の軍事隷属(「サンフランシスコ・システム」)が生きているためである。米国の軍人と日本の官僚とで構成される日米合同委員会はそのひとつの象徴である。

1978年度以来、在日米軍のために国民の税金、約20兆円が支払われてきた。駐留米軍に対する日本の経費負担割合は、約75%にも達する。これは外国と比べても、日本だけが突出して高い。

この米軍を自民党と自衛隊が守っている。そればかりか戦争法で、米軍の代わりに自衛隊まで出すことになった。それで、日本の1%、とりわけ自民党が、裏切らないように徹底した米国監視のもとにおかれていることをウィキリークスが暴いている。

6月19日の沖縄での抗議集会に関して、いくつかの優れたツイートを紹介する。

「比嘉まりん

安倍晋三さん、日本本土にお住まいの皆さん。今回の事件の「第二の加害者」はあなたたちです。しっかり、沖縄に向き合っていただけませんか。いつまで私達沖縄県民は、ばかにされるでしょうか

ジョージ

【静かな追悼式だった。皆黙って耳を傾けていた。私でさえ登壇者の言葉に何度も目頭を熱くした。もっと近い人々がどんな気持ちだったか】沖縄県民大会、6万5千人が追悼 海兵隊の撤退求める 被害者の父がメッセージ - 琉球新報

Tommy

沖縄の県民大会の参加者数6.5万人との報告。これは東京周辺で開かれる大集会と同等規模である。沖縄の人口規模を考えたら凄い参加者数と言える。逆に、いま国会前でどうじ開催されている集会に集まる人の少なさに嫌でも気付かされる。

鈴木 耕

舛添騒動」の陰で霞んでしまったこと。
甘利氏の復権。
沖縄女性殺人事件と抗議県民集会。
アベノミクスの崩壊。
福島避難指示地域の解除。
高浜老朽原発の延長運転認可へ。
福島事故当時5歳以下の子に甲状腺がん。
大地震確率上昇。
福島原発凍土壁凍らず。
電通五輪疑惑。
……

昭和おやじ 【打倒安倍政権】

沖縄自体が米軍に強姦されている!!
米兵から乱暴「殺される寸前」
「本土は基地引き取って」
沖縄の抗議集会、告白者の訴えに涙

武天老師

琉球新報9日配信。8日那覇での追悼・抗議集会にてリレートーク:
(米兵に車内で性暴力を受け)首を絞められ、殺される寸前だった
これ以上、沖縄人が強姦され殺されることは容認できない
危険をなくすためには軍隊の撤去しかない」」

沖縄にとって、わたしたちは「第二の加害者」なのである。基地がわたしたちの地元に来ない限り、見て見ぬふりをしてきた。歴代自民党政権ばかりでなく、戦後70年、ずっと本土は米軍とともに沖縄に対して無関心という名のレイプをし続けてきたのである。

Okinawa (3)

結局、沖縄から本土に対して、公平に米軍の負担を分担してほしい、という声を無視してきたのは、本土も米軍と同じ加害者であったということだ。

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