甘利明が「睡眠障害」で国会を欠席している。政治家、とくに自民党の定番の「仮病」が出てきた。自宅で一か月も療養するのだという。この間、世界一高い歳費は払われ続けるのだから、結構な身分だ。1か月経ったら、さらに引き延ばされそうである。

(「秘書のせいとの責任転嫁は、わたしの生き様に反する」。それなら国会に出てきてその秘書をかばったらどうだ)
(「秘書のせいとの責任転嫁は、わたしの生き様に反する」。それなら国会に出てきてその秘書をかばったらどうだ)

「睡眠障害」という病名も、閣僚辞任後に甘利が国会に出ていなかったことも初めて知った。

入院しなかったのは、入院するまでもなかったからだろう。

それにしても「生き様」、「美学」などとうそぶいていたのが、ついこの間のことである。「生き様」と「美学」はどこにいったのだろう。中世の闇にとぐろを巻く検察は、「質問はいじめだ」の岩城光英によって押さえてある。あとは国会の開会中を逃げ切れば、何とでもなる、ということなのだろう。

わたしは証人喚問から逃げるための仮病だと思っている。もし違うのなら、国民の疑惑を晴らすためにも、診断書を作成した医師を証人喚問する必要がある。しかし、野党はこれもしないだろう。これが日本の野党の「生き様」であり、「美学」であるからだ。

甘利の自宅療養は、検察にとっても都合がいいのである。国会の証人喚問などで甘利にぺらぺら喋られたら、逃がすつもりの検察も放っておけなくなる。安倍晋三の、大手メディアに圧力をかける手法からすれば、法務大臣、検察にも圧力をかけているだろう。せいぜい秘書の逮捕で幕引きになるかもしれない。

「あっせん利得罪」「あっせん収賄罪」「政治資金規正法違反」ばかりが取りざたされている。しかし、ほんとうはTPPの交渉秘密、譲歩と売国を繰り返した秘密の内容を、甘利から聞き出すことができなくなったことの方が大きい。

これで、具体的な売国の密約を何も知らない石原伸晃の、しどろもどろの答弁のうちに、TPPは批准されることになる。売国が深い追及もなしに実現する。まったく国会の存在理由がなくなっている。民主・維新など、TPPに賛成している野党は、内心、ほっとしているのである。

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TPPの新植民地主義としての本質を指摘する論攷は少ない。せめて軍事と切り離さずに論じて欲しいのだが、それも少なく、とうとう条約は調印されてしまった。

米通商代表のマイケル・フロマン自身が、「貿易の戦略的ロジック ― 貿易協定の政治・安全保障的意味合い」のなかで、次のように述べているのだから、TPPと軍事との絡みは否定しようがない。

アメリカがアジア太平洋地域の11か国と現在交渉している野心的かつ包括的な貿易協定であるTPPは、オバマ政権のアジア・リバランシング戦略の支柱の1つでもある

東シナ海や南シナ海での緊張、ウクライナ危機といった最近のアジアやヨーロッパの緊迫した情勢を考えれば、アメリカの貿易政策の戦略的な意味合いはますますはっきりしてくる。例えば、TPPに参加する多くの国にとって、それがもたらす経済的恩恵だけでなく、アメリカがこの地域にますます深く関与するようになることは(安全保障の観点からも)大きな魅力だろう

またアジアとヨーロッパの周辺で緊張が高まっていることを考えると、TPPとTTIPの戦略的メリットはますます際立ってくる」(『Foreign Affairs Report』2014 NO.11)

知ると知らないとでは、大きく違うのだから、少なくともわたしたちは、米国の意図をしっかりと把握しておこう。

17日の参院憲法審査会で、自民党の丸山和也法務部会長が、オバマ米大統領について「黒人の血を引く奴隷」などと発言したことが物議を醸している。植民地の奴隷が宗主国のトップを奴隷といったわけで、何とも暗愚な感じがする。自分を知らなすぎる。

丸山和也の17日の発言要旨は以下のとおりである。

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例えば日本が米国の51番目の州になることについて憲法上、どのような問題があるのか。そうすると集団的自衛権、日米安保条約も問題にならない。拉致問題すら起こっていないだろう。米下院は人口比例で配分され、「日本州」は最大の選出数になる。日本人が米国の大統領になる可能性がある。

例えば米国は黒人が大統領だ。黒人の血を引く。これは奴隷ですよ、はっきり言って。当初の時代に黒人、奴隷が大統領になるとは考えもしない。これだけダイナミックな変革をしていく国だ」(『毎日新聞』2月18日

これは丸山の本音だと思っていい。トンデモ論・陰謀論とは、こういうのをいうのである。ところが、日本では、国会や新聞やテレビから流れてくる情報は、そのまますんなりと受け取られていく。

丸山は、自分を奴隷だと知らないので、「日本が米国の51番目の州になる」発想が出てくる。しかし、そうはなれない。なぜなら、米国にとっては、日本を51番目の州にするより、植民地の方が収奪しやすいからだ。州にしたら、日本破壊の米国救済であるマイナス金利もQEも当てにはできなくなる。つまり今のままの方がいいのである。何のためのTPPだったのか、まだ丸山はわかっていないらしい。

今や愚者の楽園、売国奴のたまり場と化しつつある国会であるが、世界は戦争の足音を高めつつある。

Finian Cunningham が「サウジアラビアのシリア侵略 : 第三次世界大戦を引き起こしかねないはったり」を書いた。

シリアに地上部隊を派兵するサウジアラビアの計画は単なる策略に過ぎないように見える。しかし、これはまさにアメリカ合衆国とロシアを巻き込みかねない全面戦争を勃発させかねない無謀な軍事力による威嚇だ。

サウジアラビア支配者は、“テロに対して戦い”、いわゆる「イスラム国」(ISIS/ISILとしても知られている)を打ち破るためという口実でシリアを侵略すべく、総勢150,000人の軍隊を集めたと報じられている。サウジアラビア当局者は、CNNに、サウジアラビア軍に加え、エジプト、トルコ、スーダン、モロッコ、ヨルダン、カタール、バーレーンと、アラブ首長国連邦からの地上軍も出ると述べた。

シリアのワリード・アル=ムアッリム外務大臣は断定的対応をして、そうした動きは侵略行為と見なされ、シリア侵略の口実が何であれ、あらゆる侵略軍は“木の棺桶”で送り返されると述べた。

それにもかかわらず、アメリカのバラク・オバマ大統領は、シリアに介入するというサウジアラビアの計画を歓迎した。

アシュトン・カーター国防長官は、サウジアラビア計画を始動するかどうか決定をするため、今週、ブリュッセルで、アメリカが率いるいわゆる“対テロ”連合の代表連中と会合予定だ。既にサウジアラビア軍広報担当官は、もしアメリカが率いる連合が同意すれば、サウジアラビアは、介入を進める予定だと述べている。

ここ数週間、カーターやジョー・バイデン副大統領を含む他のアメリカ幹部は、シリアとイラクのISISに対する地域のアラブの軍事行動強化を呼びかけている。カーターとバイデンは、もしジュネーブ和平交渉が決裂した場合、アメリカは自らの地上軍を大挙して派兵する用意があるとも述べた。

(中略)

言い換えれば、主として、ケリーがしかけているジュネーブ和平交渉は、実際はロシアのウラジーミル・プーチン大統領が命じたロシアの猛烈な空爆作戦を止めることを狙ったものだ。4か月の介入が、シリア戦争全体の流れを変え、シリア・アラブ軍が戦略的に重要な地域を取り戻すことを可能にしている。

(中略)

アメリカ人教授、コリン・キャヴェルは筆者にこう語った。“サウジアラビアのシリア介入は、イエメン介入同様、大して成功しない。傭兵部隊は国外での戦争を決して成功裏に戦えないことを歴史が明らかに示しており、正気なサウジアラビア兵士で、サウジアラビア君主制を本当に支持しているものはいない。サウド王家には正当性など皆無で、ひたすら武力と操作に基づいており、アメリカとイギリスによって支えられていて、もしこれだけの大金がなければ、阿呆が運営するお笑い種に過ぎないことを、サウジアラビア内の全員が知っている。”

だから、軍事的な策略は、明らかに非現実的で、本当の危機は、サウジアラビア支配者と、連中のアメリカ後援者が、現実からすっかり遊離してしまい、誤算して、シリアに侵攻することだ。それは火薬だる中の火花のようなものとなろう。それはシリア、そして同盟諸国のロシア、イランとヒズボラに対する戦争行為と見なされる。アメリカは必然的に、世界大戦のスパイラルに完全に引き込まれることになろう」(『マスコミに載らない海外記事』)

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サウジアラビアとトルコが、シリアに地上軍を投入させたら、世界は固唾をのむ状況になる。いつロシア軍とぶつかるか。また、そこに米軍まで加わっていたら、即第三次世界大戦になる。

対ISIS戦争を口実に使っても、サウジアラビアとトルコのシリア侵略は、アサド政権打倒とシリア領土の占領、そして中東からのロシアの排除を目論んだものである。

オバマが、サウジアラビアのシリア介入を歓迎するのは、いよいよオバマのフリーメイソンとしての正体が現れてきたことになる。

コリン・キャヴェルが「(米軍投入は 注 : 兵頭)シリア、そして同盟諸国のロシア、イランとヒズボラに対する戦争行為と見なされる。アメリカは必然的に、世界大戦のスパイラルに完全に引き込まれることになろう」というのは正鵠を射ている。

中東の緊迫した状況をよそに、日本の桃源郷では、保守党の政治家が、米国の州になったらと、TPPの正体も知らずに、売国の情熱を吐露している。

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