世界は米中ロ三国関係をめぐって展開している。この構造はしばらく変わらないだろう。

米国のデフォルトは時間の問題になっている。しかし、それによって米国がG7から外されたり、二流三流国に転落することはありえない。いずれ体勢を立て直すことになると思われる。ただ、そのプロセスで、ワン・ワールド政府の樹立に向けて、内戦に近い騒乱が起きるかもしれない。

米国と、日本のような実質的な植民地、傀儡政権との支配関係は、変わらないだろう。日本の官僚・政治家が堕落しているからだ。

ただ、米国のデフォルトによって、相対的に中ロが世界の政治・経済の両面において指導的な位置を占めることになろう。

また、ドイツ・英国が米国のくびきから脱し、自立を強めることになるだろう。

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傅瑩(中国外交部副部長)は、「中国とロシアの関係 ―― 中国がロシアとの同盟を模索しない理由」のなかで、次のように書いている。

北京は、国内経済と社会整備に今後長期的に焦点を合わせていかなければならず、国内の課題に専念するためにも、安定した平和な国際環境が維持されることを重視している。中国は自国の利益を守ることを決意しており、挑発、領土主権の侵害、そして自国の権利と利益を脅かす脅威には毅然と対応して行くが、主要な目的は地域環境の平和と安定を維持することにある。

中国はグローバル化した世界への統合を深めていくだけでなく、国際秩序、アジア太平洋の地域秩序を守ることにコミットしている。

(中略)

もちろん、北京とワシントンは、今後も南シナ海、台湾、人権、貿易政策その他をめぐって立場の違いを埋められないかもしれない。特に、2011年にワシントンがアジア重視路線を発表して以降、中国はアメリカのアジア太平洋における軍事同盟の行方を警戒しつつ見守っている。

アメリカの地域同盟国の一部は、中国の領土主権を脅かす領有権を主張し、海洋主権を犯し、ワシントンに取り入り、自国と中国の領土論争にアメリカを巻き込んでいる。これは、冷戦期の東西ブロック対立を思わせる危険なやり方だ。

中国その他の研究者のなかには、「アメリカがアジア太平洋地域でブロック政治を展開するつもりなら、中国とロシアは独自のブロックを形成することで対抗すべきだ」と考える者もいる。だが中国の指導層は、そうした議論を受け入れていない。

中国が政治ブロックや同盟、そして自国の政治文化にフイットするアレジメントを模索することはありえない。中国とロシアは、同盟を形成するのではなく、パートナーシップの原則を擁護して行くだろう。

中国とアメリカについては、新しい大国間関係のモデルを模索し、対話と協調を続け、立場の違いを管理していくことに努めることになるだろう」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.1)

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「北京は、国内経済と社会整備に今後長期的に焦点を合わせていかなければならず、国内の課題に専念するためにも、安定した平和な国際環境が維持されることを重視している」というのは、中国の国家戦略からきている。

中国のGDPは2020年までに斜陽の米国と並ぶといわれている。これは米国がデフォルトに至らず、このまま状態で移行した場合の話だ。

米国が青息吐息の状況で、中国が戦争に向かう戦略を選択するはずがない。少なくとも米国との関係においては、平和と安定を望むというのは間違いない。

中国と米国は、「南シナ海、台湾、人権、貿易政策その他をめぐって立場の違いを埋められないかもしれない」としているが、そのなかに尖閣諸島が入っていない。米中にとって、東シナ海・尖閣は、すでに米中間の問題ですらなくなっている可能性が高い。つまり、安倍晋三の中国脅威論や御用メディアの反中国は、本気では相手にされていない。

この論文で注目すべきは、「ブロック」という視点を出していることだ。中国から見ると、米国と日本などの地域同盟国が、冷戦期のような「ブロック」を組んで、中国の領有権や海洋主権を犯していると見ている。

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これに対して「中国その他の研究者のなかには、「アメリカがアジア太平洋地域でブロック政治を展開するつもりなら、中国とロシアは独自のブロックを形成することで対抗すべきだ」と考える者もいる」という。今のところ、中国の指導層は、そうした議論を受け入れていない。

中国は、例えばロシアと「ブロック」を組んで同盟を形成するのではなく、パートナーシップを組んでやるのだという。米国との関係についても、「新しい大国間関係のモデルを模索し、対話と協調を続け、立場の違いを管理していくことに努める」という。

これは日本的な建前を語っているように聞こえるかもしれないが、そうなのではない。これが中国の国益に適っているのである。放っておいても米日ともデフォルト寸前で倒れかかっている。待てばいいだけになっているのだ。

ウクライナ紛争も、中ロを離反させることはなかった。中国は、ロシアとの関係で反米に走ることはないので、逆に米国との関係で反ロに走ることもないのだ。

「ブロック」を組まないというのは、中国の戦略的国益から来ている。国力は落ちてきているが、いずれ抜いてしまう米国と、ことを構えるのは愚かである。

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