この世界を支配しているのは銀行(国際金融資本)である。この支配下にグローバル大企業がおかれている。

敗戦国日本の場合は複雑である。戦勝国のジャパン・ハンドラーズや米国シンクタンク、日米合同委員会などの、日本統治システムが、戦後70年経ってもこの下で権力をふるっている。

さらにその支配下に、日本の官僚・政治家が存在している。

しかし、民間の銀行が、国民に対する統治権、警察権、徴税権、それに外国への宣戦布告、外交断絶などの強制力をもつわけにはゆかない。それで選挙で選ばれた政治家に代行させるのである。ここに国家という共同の幻想が成立する。

TPP最終合意後(現在はそこまでいたっていない)には、この国家という幻想の共同性が背景に退く。そして陰で日本を支配していた銀行(国際金融資本)・グローバル大企業・米国が、前面に出てくることになる。

TPPの本質をつかむときは、

1 政治・経済的な本質

米国グローバルエリートによる新植民地主義

2 軍事的な本質

米国による、軍事的な中国包囲網(TPPは、米国のアジア・リバランシング戦略の中核をなす)

以上の2点を押さえておく必要がある。つまりTPPは、政治・経済・軍事と一体となった米国戦略である。この最後の軍事的な米国戦略を、メディアがまったく採り上げないので、国民は、そして政治家もほとんど知らない。

中国が、TPPへの対抗策として打ち出したのが「一帯一路」(=シルクロード)構想である。

この構想を金融面で支えているのが、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の「新シルクロード基金」(400億ドル)と、BRICS開発銀行(新開発銀行)の資金である。

つまり日本にとってTPPには何もいいことはないということは、識者からも散々いわれてきたことだが、TPPには、第三次世界大戦の因子が入っていることを知らねばならない。

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相変わらず腐った東京の大手(「記者クラブ」)メディアであるが、『iAsia』(2015年10月5日)が「米記者から「出来レース」批判された安倍首相国連会見」と題して、興味ある記事を載せている。 

( T. HIRANO「国連での会見を米英のメディアが批判してる。会見時は左右の半透明なパネルの文章を読むだけ。これは他の国でもやってるけど「日本の総理大臣への質問と回答には台本があり事前に決まってる質問しか許可されてない事」をロイターなどが猛烈批判してる」 )
( T. HIRANO「国連での会見を米英のメディアが批判してる。会見時は左右の半透明なパネルの文章を読むだけ。これは他の国でもやってるけど「日本の総理大臣への質問と回答には台本があり事前に決まってる質問しか許可されてない事」をロイターなどが猛烈批判してる」 )

「安保法案の成立後、ニューヨークで国連総会に出席した安倍首相。帰国前に現地で記者会見を開き、国連の安保理常任理事国入りに言及したことなどが日本でも華々しく伝えられた。しかし、その会見をめぐって外国の記者から強い批判が浴びせられたことは、日本では伝えられていない。そこで外国人記者が感じたのは、日本のメディアと政権との癒着だった。(アイ・アジア編集部)

「もう1つ、質問が有る。あなたはシリアの難民問題で支援を表明したが、なぜ難民を受け入れないのか?

ロイター通信の記者がこう質問すると、通訳を通して質問を理解した安倍首相の表情が強張った。実は、その質問に慌てたのは安倍首相だけではなかった。会見場にいた日本人記者全員が「予定外」の質問にざわめきたったのだ。

日本時間の9月30日朝に行われたニューヨークでの安倍首相の会見。「予定外」の質問とはどういうことなのか。アイ・アジアが入手した首相官邸の資料や取材に応じたアメリカ人記者の話によると、この会見では、質問者も質問内容も予め決められていたのだ。つまり、出来レース会見だったのである。

アイ・アジアが今回入手した資料は会見前に準備されていたもので、それによると、日本のメディアの記者と外国メディアの記者が交互に、5人まで質問することが決まっていた。極めて興味深いのは、その資料には、質問者の名前とともに、質問内容まで書かれていたことだ。

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(引用続き)

(中略)

これについて、初めて日本の総理の会見に出たというアメリカの雑誌記者は驚きを隠さない。

質問事項をあらかじめ提出しろということですから驚きました。そんなことは、アメリカでは記者倫理に違反する行為です。ところが、それは日本の政府と記者との間では常に行われていることだというではありませんか。本気かよ?と思ったのは私だけじゃありませんよ」

(中略)

共同通信の記者が想定通りの質問をし、安倍首相が想定通りの答えを行った後、今度は米公共放送NPRの記者が質問に立った。記者は最初、「普天間飛行場移設問題について、現状では日本政府と沖縄県との対立があるが、日本政府と沖縄県のどちらが責任をもって対処する問題なのか。妥協策を含む、政府の今後の対応は?」と質問。

これは予め、予定されていた質問だ。それに対して安倍首相が準備された答弁をし、広報官が予定されていたテレビ朝日の記者に振ろうとした時、NPRの記者が続けざまに、「辺野古移設に関連した環境汚染の問題についてどう考えるのか?」と畳みかけた。

想定外の質問に、安倍総理は明確な返答が出来ず、その後、テレビ朝日の記者の質問は行われずに会見は中止となった。納得がいかない外国メディアの記者たちと対照的に、日本人記者たちは、広報官に挨拶をするなどして足早に会見場を立ち去ったという。

前述のアメリカの雑誌記者が表情を曇らせながら語った。

「アメリカで今、日本のメディアは安倍政権に牛耳られていると報じられているのを、日本の記者たちは知らないのでしょうか? 記者会見というのは市民を代表してジャーナリストが権力者に挑む場だというのは、アメリカにおいては一般の人も知っている常識です。しかし、残念ながら、日本の権力者の会見はそうではなかった。質問内容は権力側が予め検閲し、その答弁は予め準備されており、会見はその通りに行われる…ちょっと信じられません」

NHKと共同通信の記者の質問は、総理官邸が作った資料と一字一句違わなかったという。企業の粉飾問題などが発覚するたびに「国際的な基準に照らして問題がある」と批判する日本の新聞やテレビだが、実は自分たちの姿こそ「国際的な基準に照らして問題がある」ことを自覚すべき時ではないか」

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「もう1つ、質問が有る。あなたはシリアの難民問題で支援を表明したが、なぜ難民を受け入れないのか?」

この質問自体は、爆弾質問でも何でもない。普通の質問である。日本のトップに質問する機会があったら、現在の世界で、もっとも大きな喫緊の政治的テーマでもあり、予想された質問だった。

ところが安倍お坊ちゃんの顔が強張った。事前にこの質問は提出されていなかったからだという。

それもあろうが、安倍晋三は、政治家の仮面をかぶった無能な利権企業家なので、政治の質問を打ち合わせなしにされると、答えられないのだ。

しかも安倍と寿司友のメディアも慌てたというのだ。ここがキモである。まさに政権とメディアが国民統治で一体化している姿が露出した瞬間だった。日本のメディアは政権の統治ツールなのである。

このとき、同席した米国人記者は、この会見では、質問者も質問内容も予め決められていて、驚いたという。しかし、日本人であるわたしたちには、別にこれは見慣れた長年の慣習であり、今に始まったことではない。

国内の記者会見で、記者が質問すると、安倍晋三は手元の紙に目を落としながら答える。出来レースであり、八百長である。この政権は何も問題なく、きちんとやっていますよ、という退屈なセレモニーが展開されていく。

しかし、慣れとは恐ろしいものだ。驚かなくなっているわたしたちの方がおかしいのだ。各国でどれだけ自由な報道が認められているか分析した2015年の報告書、「報道の自由度」ランキングで、日本は61位(180か国中)である。それも闘わずに、総理と酒を酌み交わし、権力批判を自主規制して世界で61番目に堕ちた。腐りきった日本メディアの、権力との癒着ぶりに遭遇すると、外国のジャーナリストは一驚するだろう。この衝撃の方が正しいのである。

国会の質問もあらかじめ届け出る。記者会見も事前に質問を届け出る。そうしないと愚か者が政治をやっていることが、国民に知られてしまうからだ。

これについて、初めて日本の総理の会見に出たというアメリカの雑誌記者は驚きを隠さない。

納得のいかない外国メディアの記者たちと対照的に、日本人記者たちは、足早に会見場を後にした。自分の堕落がわからないのである。

「記者会見というのは市民を代表してジャーナリストが権力者に挑む場」というのが米国では常識だという。これも当たり前のことで、別に感動するようなことではない。

権力の監視というのは、記者会見で権力に挑み、不正を暴き、国民に知らせる場なのだ。それを事前に質問を教え、官僚が準備した答弁を読み上げさせる。そしてそれをそのまま報道する。これだったら、ただ政権の意見を周知徹底するという以上の意味はない。

犬HKにいたっては、質問が、総理官邸が作った資料と一字一句違わなかったという。これでマイナンバーを悪用して、受信料を強制的にとろうというのだが、もはやプライドも羞恥心もなくしているのだろう。

この記者会見で質問されたシリアの難民問題を深めてみる。

(「トレース元と思われる写真の撮影者のコメント。「このような邪悪な偏見のために無垢な子どもの写真が使われたことに、ショックと深い悲しみを覚えます」「シリアの人々が苦境に立たされているのにこんな間違った表現をするとは、何という恥知らずだ」。この難民を侮辱した反日の漫画家の蓮見都志子は、FBのグループ「安倍総理を支える会」の管理人)
(「トレース元と思われる写真の撮影者のコメント。「このような邪悪な偏見のために無垢な子どもの写真が使われたことに、ショックと深い悲しみを覚えます」「シリアの人々が苦境に立たされているのにこんな間違った表現をするとは、何という恥知らずだ」。この難民を侮辱した反日の漫画家の蓮見都志子は、FBのグループ「安倍総理を支える会」の管理人)

マイケル・テイテルバーム(ハーバード大学法律大学院シニアリサーチフェロー)は、「欧州移民危機の真実 ―― 悲劇的選択とモラルハザード」のなかで、難民問題について「留意すべき五つのポイント」として、次のように書いている。

「(1) 難民にどんなメッセージを出すか

(中略)

現在のような微妙な情勢では、何を発言し、どのようなシグナルを発するかに慎重でなければならない。間違ったシグナルを送れば、さらに多くの人が生命を危険にさらして危険な航海に繰り出し、犠牲者が増える恐れがある。

(2) 移民受け入れと政治

(中略)

ヨーロッパの有権者たちが、自国政府やEUが移民の流れを管理できないと判断すれば、多くの国で台頭しつつある反移民の立場をとる右派政党への支持が集まり、人道支援への支持基盤がさらに損なわれることになる。

(3) 紛争の周辺諸国への支援強化を

(中略)

難民の殆どは、状況が安定したら故郷に帰還できるように、母国の周辺諸国に留まろうとする傾向がある。難民が一時的な保護を求めている近隣諸国への援助を増やせば、ヨーロッパへの亡命を求めて危険な旅をするシリア人の数を減らすことにもつながる。

例えば、ドイツ政府は80万の難民希望者を収容するために67億ドルの資金を準備すると表明しているが、ヨーロッパへの亡命希望者のための大規模な資金の一部を、周辺諸国の支援にまわせば、現地でより多くの人を保護できるようになる」(『Foreign Affairs Report』2015 NO.10)

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(4)(5)と進む前に、ここで区切ってわたしの意見を述べる。マイケル・テイテルバームの論は、きわめて現実的で賢明な論である。しかし、何に対して現実的で賢明なのか。それはこの中東の難民に、もっとも責任のある米国政府にとって現実的で賢明な論であるのだ。

「難民にどんなメッセージを出すか」。要は、難民に甘い顔をするな、といいたいらしい。間違った、甘いシグナルを送れば、さらに多くの難民がEUに押しかけてくる。

それに多くの難民は、反移民の右派政党を勢いづかせる。そのことによってさらに人道支援への支持基盤まで損なわれる、というのだ。

難民をEUに移動させないためには、紛争の周辺諸国へ留めるのがよい。そのために周辺諸国への支援強化を、とマイケル・テイテルバームは書いている。

米国は、中東に惨劇をまきちらし続けている。米国のリビアとシリアへの爆撃による難民で、EUは混乱しているのだ。

もともと米国の狙いは、アサド政権打倒である。そのためにISISを作った。そしてISISとFSA(自由シリア軍)を支援してきた。まだ、日本では、犬HKを先頭に東京の大手(「記者クラブ」)メディアが、米国がシリアでISISと戦っているような嘘で国民を洗脳している。しかし、米国がシリア領土内のISISを攻撃する偽装をしながら、アサド打倒のISISを助けていることは、広く知られている。

カダフィ、ヤヌコーヴィッチ、アサドと戦争を仕掛けてきた米国戦争屋(米軍産複合体)が、最終的に狙っているのは、プーチンである。対ロシア戦争なのだ。

戦争屋たちは、ISIS討つべしという擬制の機運 ― 実態はシリアのアサド政権転覆をEUで盛り上げ、シリアに介入させる策略なのである。それでプーチンは機先を制して、米国の育てたISISへの空爆を開始した。

米国と同じことをやったのだから、米国から文句をいわれる筋合いはないという、米国の嘘を逆手にとった格好だ。

米国の狙いとは違って、今回の難民問題は、EUの米国からの離反を生み出す皮肉な結果になる可能性が高い。

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