2月8日のメルマガで、安倍晋三による人質見殺しのテーマは長くなるので、2回に分けて配信する、と書いた。

しかし、書いているうちに分量がさらに膨らみ、3回になりそうである。

今日のメルマガは第2回として配信し、完結号は2月22日(日)を予定していることをお断りしておく。

さて、最初に「イスラム国」の名称について、述べておきたい。

わたしはISISの表記を使っている。それは『IRIBラジオ日本語』(イランラジオ)で、この「イスラム国」という表記が、イスラム圏そのものに対する悪イメージを植え付けるもの、と分析されていたからである。

ISISや米国と対立しているイランが、「イスラム国」の蔑称(これは16億のイスラム教徒に対する偏見を植え付ける)に怒っているのだから、これは本物だと思った次第だ。

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こういうことは、一番シリアスにこの問題を考え、感じている人びとの意見に学ぶのがいい。

「そんなことは知ったことか、おれはこの「イスラム国」の表記でいく」というのは、大人げない。自分には偏見はないといっても、こういう問題は受け取る側、そして伝わり方を無視するわけにはいかないのである。

この問題について、『ケント・ギルバートの知ってるつもり』に、こんな文章が載っていた。

「例えばもし「オウム真理教」が「日本真理教」と自称していたと仮定しましょう。そうなると地下鉄サリン事件は世界中で「日本教サリン事件」と報道されたかも知れません。そのせいで「日本人=テロリスト」というイメージが諸外国に流布されたとしたら、日本人はどう感じるでしょうか。

ちなみに日本人に着せられた「慰安婦強制連行&性奴隷化」の濡れ衣は、世界的にはまったく晴らされていません。その結果、欧米に住む日系の子供たちはイジメに遭っています。同じことが日本に住むイスラム教徒の子供にも起きているだろうと私は想像しています」

(以下、メルマガの一部だけ公開します。

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これはいい文章だ。ぜひ全文をお読みになることをお勧めする。

英文がついているので、中高の英語の教材に使える。また、LHで差別の問題としても使える。わたしが現役だったら、「国語表現」で表現の問題として使っただろう。

さて、安倍晋三による邦人人質の見殺しを、前回(2月8日)のメルマガで2014年末まで見てきた。今回のメルマガでは年が明けた2015年から見ていく。

2015年

1月3日

ヨルダン人パイロットのムアズ・カサースベが処刑される。これから2週間後に安倍は中東訪問をしている。

ISISとしては、興奮冷めやらぬうちに、極東からやってきたド素人の安倍晋三に宣戦布告を叩きつけられた形になったわけだ。

1月7日

パリの風刺週刊紙シャルリ・エブド襲撃事件。

1月17日~21日

安倍晋三は、中東挑発歴訪を始めた。それは「中東訪問のタイミングが悪い」という周囲の声を無視しての強行だった。エジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナといったイスラエル関係国の訪問である。人質を取られていながら、各首脳らとの会談では、ISISと戦う国を支援する、連携するという挑発的発言を繰り返す。

エジプトでは「ISILと闘う周辺各国に2億ドル 」と発言した。これはド素人によって明言された明確な後方支援の宣言、ISISに対する宣戦布告であった。

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2月4日の参院予算委で、共産党の小池議員の「ヨルダンの現地対策本部はどのような体制だったのか」の質問に対して、岸田外相は「1月20日以前は(外務省)本省、あるいは他の在外公館からの応援はなかった」と答弁。2億ドル要求の動画公開まで、政府が本気に対応していなかったことの証言だった。

三宅雪子は、この件に関して、ツイッターでこのように発信した。

「共産党小池晃議員の国会質問で明らかになった驚くべき在ヨルダン日本大使館の邦人救出態勢。政府は拉致を把握しておきながらしばらくは通常体制、殺害予告映像が公開され、世の中が騒ぎだした1月20日以降にやっと増員。
(在ヨルダン日本大使館)」

岸田外務大臣は、2月4日の衆院予算委員会で 「1月20以前は、本省、あるいは他の在外公館からの応援はなかった次第です」と明確に回答している。

名前だけで、対策本部にはスタッフさえいなかったのだ。日本人は、すでに家畜状態にあり、何が起きようと、もはやまともな反応を起こせないようになっている。1月20日以前、日本の現地対策本部は何もしていなかったのである。おそらくふたりの救出など最初からその気がないばかりか、迷惑として受け取られていた可能性が高い。

1月20日

ISISは、湯川遥菜と後藤健二の身の代金が2億ドルであり、身の代金支払いまで72時間(3日間)待つとネット投稿の動画で宣告する。

1月21日

内田樹が、この1月21日について、ロイターの記事を引用しながら書いている。

「1月21日、ISが後藤と湯川のために2億ドルの身の代金支払いまで72時間の期限を宣告した一日後、日本政府のテロ対策タスクフォースは中田の友人Shiko Ogata(31歳)宛てにメールを送った。
メールにはIS宛てのメッセージが含まれており、それを先方(ISIS 注 : 兵頭)に手渡すように要請された。
Ogataは中田にメールを転送した。

メッセージは英語とアラビア語で書かれており「われわれは集団が二人の日本国民に危害を加えることなく、ただちに解放することを強く要求する」とあった。身の代金についての言及はなかった。
中田はこのメッセージを転送しなかった。このメールは日本政府が対話を拒んでいるという印象を抱かせるものだったからだ。「もしこれを先方に送ったら、それは人質を殺せというメッセージを送ることになる」と中田は言う。

外務省からはメッセージについてもISからの返信についてもその後問い合わせはなかった」(『内田樹の研究室』

「もしこれを先方に送ったら、それは人質を殺せというメッセージを送ることになる」。その通りだ。一貫して安倍政権がISISに送ったメッセージは、このメッセージだったのである。

1月22日

中田考が、イスラム国日本人拘束事件に関連して記者会見を行い、イスラム国の高官と人質の解放について、日本政府から要請があれば、自分が話し合う用意があると述べた。しかし、日本政府からのコンタクトはなかった。

わたしは、中田の同胞愛と勇気に敬意を表する。しかし、このあたりの詰めの甘さを惜しむ気持ちが強い。記者会見の後、記者たちを引き連れて官邸と外務省に要請文を持参するべきだった。

政府の対応の冷酷さは、世界を駆け巡り、結果的に、もっと真剣なものに変わった可能性が高い。

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