これまでメルマガで、ISIS(=イスラム国)の幹部クラスと末端の兵士たちとは切り離して考えるべきだ、と述べてきた。

今日は、末端の兵士たちがISISに憧れ、欧州、東南アジアなどから参加する理由について考えてみよう。それは現在の、安倍晋三のISIS壊滅宣言に対する、ISISの人質交換の要求を考える上でも、一度は考えてみなければならない問題である。

ジョセフ・リョー・チンヨンは、「イスラム国のアジアへの拡大」のなかで次のように書いている。

(ジョセフ・リョー・チンヨンは、ブルッキングズ研究所シニアフェロー(東南アジア研究担当)。南洋理工大学(シンガポール)国際関係大学院副学長)

「イスラム国の支持者が東南アジアで増えている理由として、いくつかの要因を指摘できる。まず、敬虔なイスラム教徒たちはイスラム国に神学的な親近感を覚えていることだ。彼らはイスラム国の目標に、「アラビア半島の独裁体制が相次いで崩壊した後に、終末のカリフ国家が誕生する」というコーランの予言とのつながりをみいだしている。

「(黒い旗を掲げて戦うとされるイスラムの救世主)イマーム・マフディの勢力と(偽の預言者)(の間で終末戦争が起きる」という予言にも現実味を感じている。

(中略)

宗派問題も、東南アジアでイスラム国が支持されているもうひとつの理由だろう。イスラム国が起こしている戦争はスンニ派対シーア派の抗争の延長として理解されている。

スンニ派の中でも特に原理主義的なサラフィー派にとって、イスラム国がイスラム教シーア派系のアラウィー派であるバッシャール・アサド大統領率いるシリア現体制に闘いを挑むのは当然のことなのだ。

また、イスラム国がイラクの体制を激しく攻撃してきたことも、サダム・フセイン後のシーア派主導政権に対するスンニ派の反撃として理解されている」(『Foreign Affairs Report』2014 NO11)

ブログランキング・にほんブログ村へ

この文脈でいえば、米国軍産複合体、イスラエル、英国、国際金融資本(米金融ユダヤ)が、ISISを育てたのは、バッシャール・アサド大統領率いるシリア現体制(イスラム教シーア派)に戦いを仕向けるためだったのである。

terror

また、イラクのシーア派主導政権を攻撃させるのにも、スンニ派を使うという戦略に基づいている。

ただ、末端のISISの兵士たちは、純粋に「アラビア半島の独裁体制が相次いで崩壊した後に、終末のカリフ国家が誕生する」というコーランの教えに基づいて行動している。

こういった指導部と末端の思惑の違いは、古今東西、どこにも見られるものである。日本の政党でもそうである。また宗教でもそうである。

わたしたちは、「イスラム教徒即テロリスト」という単純な無知をそろそろ卒業して、一般の敬虔なイスラム教徒と、イスラム原理主義者を分けて考える時期にきている。

後者も、米国軍産複合体、イスラエル、英国、国際金融資本(米金融ユダヤ)に育成されて、今も武器(トルコ経由)、資金の提供を受けているISISの幹部クラスと、末端の兵士たちを分けて考えねばならない。

このことを認識しておきたい。

(以下、メルマガの一部だけ公開します。

有料メルマガのお申し込みはこちらからです。
初回お申し込みの、当月は無料です)

さて、安倍のISIS壊滅宣言への、ISISの反撃。そして湯川遥菜の処刑。この模様は世界中に配信されている。世界中から注目されて、安倍晋三は喜んでいるのかもしれない。とにかく感覚が常人とは違っているので、まさか、は通じないのだ。

ISISに炙り出された日本の状況には、文化人類学から見て、関心をそそられる日本民族の本質が露出している。

『Sear china』に「「イスラム国」の邦人人質事件 なぜ人質家族は謝罪するのか=中国メディア」と題する興味深い記事が載っている。

「記事は、湯川さんの父親による謝罪の言葉は中国語に翻訳され、中国の簡易投稿サイト・微博(ウェイボー)や、チャットアプリ「微信(ウェイシン)」などで広まったと紹介し、中国のネット上では

「自分の子どものことより、まず社会に向けて謝罪するとは。日本人は恐ろしい民族だ」、

「日本人の全体主義とは本当に恐ろしい」、

「日本人は“イスラム国”より恐ろしい民族じゃないか」

などの反応が見られたことを伝えた」

ブログランキング・にほんブログ村へ

後藤健二は、子供ではないのだから、母親がカメラの前に出てきて謝罪することもないのである。ところが日本の場合は、メディアが親を引きずり出し、謝罪させることがセレモニーになっている。

しかし、後藤の母親に「あなたは謝ったが、いったい息子さんの何がどのように悪かったのか」と訊けば、母親は「世間様をお騒がせしました」といったあいまいなことしか答えられないにちがいない。

つまり子供が悪くなくても、とりあえず世間に謝る。すると世間のほうもそれ以上は追及しない。もし追及すると、今度は追及した方が悪者にされる。これが日本社会である。

これは変えていかねばならない。世間様のなかには政府も含まれる。その政府も含めて、何の面倒も見てくれない、愚かな日本の世間様なのである。

だから「ごめんなさい」の息苦しい卑屈な文化よりも、わたしたちは「ありがとう」の明るい共生の文化を育んだ方がよい。

もし親が訊かれたら、「親としていわせてもらえば、ほんとうにいい子です。解放に尽力いただき、ありがとうございます」といえばよい。

政府は、今頃になって、昨年8月と11月の時点でヨルダンのアンマンに現地対策本部を作ったと喋っている。しかし、国民には、今年の1月20日に現地対策本部を設置すると虚の発表をしていたのである。

しかもヨルダンのアンマンに現地対策本部を作っていたにも関わらず、安倍は中東で挑発的なISIS批判を繰り返し、イスラエルの関係国にだけ支援をしたのである。これは宣戦布告であった。

そういうつもりではなかったとすれば、文字通りの外交音痴、政治音痴である。一刻も早く政治の場から退場してほしい。

いずれにしても、湯川遥菜については、2014年8月に10億の身の代金要求があった。それを払っておれば、湯川は処刑されずに済んだのである。また、湯川を助けに後藤が出かけることもなく、今日見られるようなヨルダン政府の窮状もなかったのである。

間抜けで、99%には1円も金を出したくない日本政府によって、悲劇が外国まで巻き込んでいるのだ。

ところで、湯川遥菜が処刑されたあと、残された後藤健二の人質交換について、状況が激しく動いてきた。

ブログランキング・にほんブログ村へ

有料メルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』を配信しております。

2011年10月1日より「兵頭正俊の優しさ出前」(月額:864円(税込)/配信サイト:まぐまぐ)を配信開始しました。

月・水・金・それに、ほぼ週に1回の号外を発行しております。

「記者クラブ」メディアの情報操作と国民洗脳を対象化し、あなたを現在とは違うステージに招待します。

携帯の送受信の制限を考慮して、分割して送信するように改善しました。

価格以上の価値があると自信があります。ぜひ購読のご検討をお願い申し上げる次第です。

なお、別に無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』PC用 携帯用 を2011年8月29日より、「まぐまぐ」から配信しております。

無料で、ほぼ週刊です。

携帯の送受信の制限を考慮して、分割して送信するように改善しました。

ご登録をよろしくお願いします。

なお、メルマガはテキストファイルであり、このブログ掲載の画像などはありません。

また、このブログ掲載の文章は、ブログ用に編集してあります。

ブログランキング・にほんブログ村へ