1月7日のシャルリ・エブド襲撃事件で、仏国民を反テロ、反イスラムで熱狂させる。仏で370万人デモが繰り広げられ、余勢を駆って、シャルル・ド・ゴールが出航。ここまでが仏版のストーリーである。

続いてわれらが安倍の出番。1月17日にカイロで25億ドルの支援を表明する。安倍のISIS壊滅宣言への、ISISの反撃が行われる。ISISがふたりの拘束した日本人と、身の代金要求をネット上で公開する。続いてオバマが、イスラム国破壊宣言をぶつ。ISISが、湯川遥菜を処刑したことを表明する。これが日本版のストーリーである。

terrorism nation USA

本日(1月25日)のGIGAZINE(ギガジン)が、この情報を詳細にうまくまとめている。

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「イスラム国が日本人1名を殺害したとする画像・動画がネット上に投稿される

イスラム国が日本人1名を殺害したという画像・動画を公開した記事に「総理は私を見殺しにしないでくれ」などの発言を追加しました。

イスラム国が日本人1名を殺害したという画像・動画を公開記事に、安倍首相が人質を即時解放するように要求していくと発言した件を追加しました。

イスラム国が日本人1名を殺害画像・動画公開記事に、午前1時半頃の安倍首相による記者会見の内容を追加しました。

イスラム国が日本人1名を殺害記事に、日本時間24日に妻宛に画像が送られていたという政府関係者証言とアメリカの情報機関が画像の真偽を検証中という件を追記しました」

今後は国会でISISへの「非難決議」をやって、「テロには屈しない」という思考停止に国会議員と国民を縛る。その後、自衛隊の中東派遣に向けて、法案を通していく。

民主党を初め、維新も次世代も、自民党二軍はすべて賛成する。

こうして戦争のできる国、つまり人殺しでビジネスをやる国へと、日本は堕落していく。

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これは国民の意識を大きく変えるだろう。つまり改憲への抵抗を薄め、軍事国家へと雪崩れ込んでいく。

もちろん湯川遥菜も後藤健二も助けられたのである。政府と外務省に解放させる気がなく、お坊ちゃん育ちの貴族のような連中が、適当にお茶を濁し、見殺しにしたのである。

「テロに屈しない」というのは、「何もしない」と同義ではない。ほとんど再発防止のためのテクニックのひとつにすぎない。それが日本の場合、政府と外務省の無能無策のために、米国が何もしてはいけないといっているから「何もしない」になっている。

つまり、安倍らのいう「テロに屈しない」は、植民地の屁理屈なのだ。米国に距離をおいている独立国は、水面下で様々な外交交渉をやって、自国民の救済に成功している。起きてしまったことは仕方がないから、とにかく救出して、再発を防止すればいいのである。

1%の金儲けのためなら、世界中に何兆円の金をばらまく。しかし、99%の人命のためには税金を使いたくないのだろう。

安倍自民党の国内政治を見ていると、そうとしか思えないことが多すぎる。これが、もし皇族や自民党の政治家、それに官僚、さらには財界人が人質にとられていたなら、今のような、のほほんとした対応をとったか。

呆れることだが、ひとり処刑された日までに、外国頼みばかりで、政府はまだISISと接触できていないのである。

日本の外交力が極端に劣化している。

安倍晋三の外交力はもちろんだが、安倍をサポートすべき外務省の外交力も極端に劣化している。日本の外交・政治は、まるで依然として「12歳の少年」のままだ。

世界の外交・政治はどのように展開しているのだろうか。その優れたひとつの例を冷戦終結時に見てみよう。

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ロバート・ブラックウィルは、「証言 いかに冷戦は終結したか―ドイツ再統一とNATO加盟問題」のなかで、次のように証言している。証言の内容は、冷戦終結時の、米国大統領、西ドイツ(当時)、ソ連(当時)の外交交渉についてである。

(ロバート・ブラックウィルは、米外交問題評議会シニアフェロー)

「(うまく機会を生かす上で)指導者の経験とキャラクターは非常に重要だった。

このほかにも、(アメリカ側が)うまく機会を生かせた理由は二つあった(第1は当時の国務省とホワイトハウスの関係がスムーズだったことだ)。私はホワイトハウスで4度にわたって働く機会を得たが、ホワイトハウスと国務省の関係は常に緊張している。(中略)

第二のポイントは、再びパーソナリティが関係してくるが、ブッシュ大統領(初代 注 : 兵頭)とコール首相が見事な信頼関係を築きあげたことだ。私の記憶では、二人はこの時期に少なくとも10回にわたって会談している。

あまりに頻繁に会っていたので、ブッシュ大統領は(ずっとホワイトハウスにいられるように)ベッドルームを提供しようかとコール首相にジョークを飛ばしたことさえある。

ベーカー長官とハンス・ゲンシャー外相も連日電話で協議を重ね、2週間に1度は会っていた。冷戦をいかに終結させるかをめぐって、この4人の指導者が信頼関係をもっていたことは非常に重要だった」(『Foreign Affairs Report』2014 NO12)

冷戦を終結するために、政治家たちが汗をかいている様が描かれている。歴史的なチャンスであり、成功すれば偉業だった。そのときに、指導者の経験とキャラクターが非常に重要だったことを、ロバート・ブラックウィルは指摘する。

もし、米国のブッシュ(初代)、西ドイツのコール、ソ連のゴルバチョフの、どのひとりかが欠けていたら、とりわけゴルバチョフが欠けていたら、冷戦は終結しなかったかもしれない。

それほど指導者の経験とキャラクターは非常に重要だった。かれらは相手の立場を尊重し、強引に出て、相手を国内で窮地に陥らせないように神経を使っていた。

今の安倍晋三を見るがいい。その経験とキャラクター。まるで「ええかっこしいの12歳の少年」のようだ。

ISISに束縛され、身の代金を要求されている邦人がいたのだから、普通の賢明なリーダーなら、このタイミングで中東訪問はしない。

それをぬけぬけと訪問し、そしてエジプト、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンとイスラエル関係国ばかりに金をばらまく。しかも挑発するようなISIS批判を繰り返す。もはやふたりの邦人を殺してくれ、といっているのと同じである。

間抜けな安倍晋三と外務省が予想もしなかったのは、中東歴訪中に日本政府が国民に隠してきた後藤健二の拘束が、ISISに暴露されたことである。

これで遅くとも昨年の11月から身の代金の要求が後藤の家族にあり、その解決ができないままに安倍が中東で挑発的なISIS批判を繰り返したことがわかった。

官邸と外務省との関係は、両者が劣化しているので、ただ米国の意図に沿って「身の代金は払わない」を繰り返すのみである。

偉そうにいうのではない。安倍晋三は、隣国の中国・韓国の首脳と会談さえできない。さらにオバマにさえ満足に会ってもらえないという体たらくである。会わずに信頼関係など築けるはずがない。

ブッシュとコールは「あまりに頻繁に会っていたので、ブッシュ大統領は(ずっとホワイトハウスにいられるように)ベッドルームを提供しようかとコール首相にジョークを飛ばしたことさえある」といった関係国が、日本にはないのである。見事な外交だ。孤立し、やたらと外国に金をばらまく。これをやれば日本は孤立させた方がよい、ということになる。

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