参議院選挙の投開票日は10日である。戦争に引っ張り出され、殺されないための闘いも、今日を入れてあと3日になった。

7月4日に、三宅洋平の「選挙フェス」に小沢一郎が駆けつけていて、政治の本義を、若い山本太郎と三宅洋平、それと首相の安倍晋三とを比較しながら語っていて、興味深かった。

要は、立派な政治家も立派な生活者も、評価の基軸は同じなのである。

誠実で、嘘をつかない正直な人。勇気があってかつ思いやりのある人。よく本を読んでいて、だまされない人。局面に左右されず、全体を見渡せる人。

こういった人がまわりにいたら、わたしたちは立派な人というが、それは市井の人であろうが、政治家であろうが同じなのだ。

【2016年7月4日】小沢一郎代表 選挙フェスwith山本太郎@立川

昨日(7月6日)もいくつか三宅洋平についてツイートしたが、そのなかから幾つかご紹介する。

「現在、サンダース、コービンなどを支えているのは、世界的に政治から見捨てられた多くの人々だ。かれらは怒っているのだが、それを政治が無視し、メディアも無視している。三宅洋平現象は、これらと繋がっている。支えているのは棄民の怒りだ。

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現在、西側を支配している政治は、専門家・官僚によるテクノクラートの政治である。その致命的な欠点は、民意を無視することだ。「今だけ、金だけ、自分だけ」の政治がそれである。切り捨てられた99%の怒りが盛り上がっているのに、無視され続ける三宅洋平という理不尽で奇怪な社会現象を生み出している。

鳩山由紀夫さん、こんにちは。三宅洋平の「選挙フェス」で、あなたのメッセージを聞きました。三宅洋平の「選挙フェス」に出てもらえませんか。これは、勝手なわたしだけの依頼です。誰にも相談してはいません。しかし、多くの人がそう思っていると思います。最後の盛り上げに力を貸してください。

十代の皆さん、今度の参議院選挙の考え方は簡単です。将来、戦争に引っ張られて死ぬか、それとも平和を維持して、戦争に行かずに人生を送るか、です。すでにきみたちは経済的徴兵制のなかにあります。自民党が勝てば改憲され、徴兵制になります。強い若者、賢い青春は、平和が似合うのです。

三宅洋平は、小沢一郎にも「生活の党と山本太郎となかまたち」にも、大きく貢献していますよ。いままで小沢や「生活の党~」と無縁だった若者たちを、三宅洋平はたくさん連れてきました。未開拓の領域です。そこを評価してあげてください。あと3日間、助けてあげてください」

ここから、今日のメルマガのテーマに移ろう。Paul Craig Roberts が『マスコミに載らない海外記事』(2016年7月 4日)に「破壊されたアメリカ」を書いていた。

「アメリカは失われた国だ。あらゆる公的、私的機関の完全な腐敗は完成した。圧政以外の何も、残っていない。そして、ウソ。果てしのないウソだ」

米国のオフショアバランシング戦略とは、まさにそのような国から出てきた戦略である。

これは米国を戦略的にオフショア・バランサーとして位置づけるものだ。具体的に日本に適用すると、米国自身は、オフショア(沖合)にいて、日中の対立からは遠ざかる。そして米国は、日中を安全保障で対立させ、競わせる。オフショア(沖合)からアジアを分割支配(バランシング)するのである。

もともとオフショア・バランシングは、大陸の一覇権国家が大陸全体を統一しないように、英国が採用した戦略である。英国にとって危険性があったのは、ハプスブルグ家であり、ナポレオンであり、ヒトラーであり、現在のメルケルのEUであった。

したがって英国は旧ソ連圏の国々をEUに加盟させてEUを肥大させ、分裂させ、EUでドイツの一極支配ができないように、かつロシア接近ができないようにしてきた。独仏が英国のEU離脱に対して突き放す態度に出ているのは、この絶えざる英国(とその背後の米国)のEU破壊のためである。

EUは、離脱した英国の産物として東欧や南欧など経済的に困窮した国を抱えている。とりわけ旧ソ連圏の東欧諸国は反露感情が強い。独仏にとっては、英米からのEU自立を図ったうえでの、ロシア接近の妨げになる。英国同様、離脱してくれた方がいいのである。

英国のEU離脱後、このようにEUの純化、英米からの自立、ロシアへの接近が続けば、NATOの必要性もなくなる。しかも前回のメルマガで論じたようにオフショアバランシング戦略では、米軍がヨーロッパから撤退する。すると米・EUともにNATOの必要性がなくなってしまうのである。

このことは期せずしてロシアに僥倖をもたらす。相対的なロシアの、EUへの影響力の強化である。これでますますEU内の旧ソ連圏の国々はクビをすくめることになろう。

メルケルが安倍晋三にNATOへの加入を勧めるのは、この極東のアホだったら、この間隙を埋めてくれかもしれないといった冷やかしだろう。

その英国がたいへんなことになっている。

『Sputnik日本』が「Brexit後、英ビジネスへの悲観主義の度合い2倍に」として、次のように報じた。

「英国のEU離脱を問う国民投票後、英国の景況感が急落した。BBCが報じた。

社会調査機関「YouGov」と、経済・ビジネス調査センターの調査がこの景況感の急落を証明している。

英国経済の展望に悲観的な眼差しを向けている会社の割合は、国民投票の後の一週間で25%から49%に、つまり2倍に増えた。

景況感の急落は会社に投資や、新たな雇用をしないよう強いる可能性があると、調査会社はコメントしている」

英国では、EU離脱後に、まず残留派のキャメロンが逃げだし、英国のEU離脱を先導してきたジョンソン前ロンドン市長も逃げだした。

国民投票の結果はブレグジット(英国のEU離脱)だが、下院は残留派が多い。どうするのだろうか。

いつまでも、何もしないことが最善の策、とシニシズムに浸っているわけにはいかない。日々刻々、英国から企業が大陸に抜けていくからだ。

離脱派の主張はほぼEU理念の完全否定であり、それなら最初からEUに入ったこと自体が間違っていたのである。

5日に行われた英国保守党の党首選第1回投票で、残留派のメイ内相がトップだった。

下院議員329人が投票し、残留派のテリーザ・メイ内相が過半数の165票でトップだった。第2回の投票は候補者を上位2人に絞り込んだ後、7日に全党員による決選投票を行う。

この残留派の新党首こそ、いばらの道を進むことになる。

『エコノミスト』(2016年7月2日号)に「怒りの政治行動」が載っていた。

「離脱派の多くは、その運動を楽観論に基づいて構築した。EU(欧州連合)を離脱すれば、我々は英国を自由に世界に開放できるだろうと楽観した。だが彼らの勝利を確保したのは怒りだった。

怒りが、英国の落ち込んでうらぶれた都市で、人々を勝利の投票へとかき立てた。世論調査が示すところでは、移民、グローバル化、社会的なリベラリズム、果ては男女同権主義に対する怒りまでが、EUを拒否する票に転化した。あたかも、勝利が憎悪を広めるライセンスであるかのように、勝利の後、怒りが英国の街路を激しくたたいた――人種差別主義者の罵詈雑言が爆発した。

ドナルド・トランプの米国からマリーヌ・ルペンのフランスまで、西側民主主義国のいたる所で数多くの人々が激怒している。もし彼らが主流派の内側で発言権を持てないなら、彼らは、外側から自分たちの声を届かせようとするだろう。彼らが、<世界秩序は自分たちの利益になる>と信じない限り、英国離脱は、グローバル化およびそれが創出した繁栄の、瓦解の始まりになる恐れがある。

歴史は終わっていない

今日のリベラリズム(英国では自由市場を意味する)の危機は、1989年、ソ連の灰の中から生まれた。当時、思想家のフランシス・フクヤマは『歴史の終わり』を宣言した。<民主主義、市場、そして社会を組織する方法としての国際協力――に挑戦するイデオロギーはもう残っていない>という意味だ。それはリベラリズムの最大の勝利だった。だがそれは同時に、手続きに取りつかれた、偏狭な「テクノクラート」(技術官僚)的な政治を生み出した。ソ連崩壊に続く四半世紀に、大多数が繁栄した。だが多くの有権者が、<自分たちは取り残された>かのように感じている。

彼らの怒りはもっともだ。本誌を含むグローバル化の擁護者は、<テクノクラートは誤りを犯し、一般人がその代償を支払った>ことを認めなければならない。ずば抜けた技術官僚的な企てで、欠点のある欧州通貨への動きが停滞と失業をもたらし、欧州をバラバラにしつつある。複雑に入り組んだ金融商品が監督当局をだまし、世界経済を麻痺させ、最後には納税者のカネで銀行を救済させ、そしてその後は予算削減という結末になった。

グローバル化が莫大な利益をもたらしたときでさえ、政策決定者は、敗者を助ける十分な措置を取らなかった。中国との貿易は何億もの中国人を貧困から救い上げ、そして西側の消費者に膨大な利益をもたらした。だが職を失った数多くの工場労働者は、まともな給料をもらえる転職先を見つけることができないでいる。

政治家たちは、グローバル化の利益を分散させるというより、他のことに集中した。左派は文化についての議論に向かった――人種、環境問題、人権、そしてセックス関連の政治などだ。右派は能力主義的な自力向上を講釈したが、誰もがそれに参加できる機会は与えなかった。身内と国家に目を向け、尊大な産業コミュニティは、それ故に疎外され腐敗した。党派的なメディアとよく似た、虚言が多い選挙運動は、裏切られたという気持ちを増幅した。

それほど明白ではないが、リベラリズムへの知的な擁護はなおざりにされた。トランプ氏は今週、米国人に「コントロールを取り戻せ」と促して保護主義の必要性を訴えたが、彼は、英国の離脱派の主張を口真似していたのであり、そして同時に、<貿易自由化はコストや譲歩ではなく繁栄を後押しするものだ>という擁護論を、進んで声高に叫ぶ政治家がほとんどいないことを利用していたのだ。

リベラリズムは向上を信じることに依存しているのだが、多くの有権者にとって、向上は他の人々に起こるものになっている。米国の1人当たりGDPは2001~15年に14%伸びたが、賃金の中央値はわずか2%しか伸びていない。リベラル派は、共通の利益のための主権供出の利益を信じている。だが英国離脱が示すように、人々が、<自分たちは自分たちの生活をコントロールしていない、グローバル化の果実にあずかっていない>と感じるとき、彼らは独立へと向かう。そのとき、離れていて、不可解で横柄なEUは、絶好の攻撃目標になる

離脱派には、離脱後の細部の展望がまったくなかったのである。ほとんどムードでEUを離脱し、今は後悔している。EU離脱を煽った政治家たちの無責任な態度は、ひどいものだ。

「勝利の後、怒りが英国の街路を激しくたたいた――人種差別主義者の罵詈雑言が爆発した」と『エコノミスト』は書くが、離脱を煽った一部のメディアにも大きな責任がある。

英国がEU離脱を選択して、経済的に衰退するのなら、それは自業自得というものだ。しかし、英国のEU離脱は、「グローバル化およびそれが創出した繁栄の、瓦解の始まりになる恐れがある」と『エコノミスト』はいう。果たしてそうだろうか。

わたしはEUはなかなか瓦解しないと思う。それは小さな国ほど、そのメリットを知っているからだ。いまさらEUを出ていっても経済的実利的なデメリットがあまりにも大き過ぎる。離脱は博打のようなものになろう。

責任ある政治家なら内部に留まってEU改革に努めた方が、よほど賢明である。英国を襲っている後悔は反面教師になっている。抽象的な大義を掲げての離脱は困難であろう。

現在、西側を支配している政治は、専門家・官僚による「テクノクラート」の政治である。日本にも顕著に顕れているが、その致命的な欠点は、民意を無視することだ。「今だけ、金だけ、自分だけ」といった腐敗した政治が支配的になっている。

たとえば世界的な事件を起こした東電の、税金を使った救済である。また、99%の怒りが盛り上がっているのに、無視され続ける三宅洋平という奇怪な社会現象もそのひとつである。現象から学ぼうとはせず、無視する、葬ろうとする。しかし、こういう体制は長くは続かないだろう。

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