1 日本の『Black Box』

伊藤詩織の『Black Box』(文藝春秋)について、今日は書いてみる。

1冊の本との出会い。そこには様々な物語があるものだ。

わたしの場合、戦後最低最悪の総理・安倍晋三をメルマガやブログ、ツイッターなどで批判していくうちに、官邸お抱えレイピスト山口敬之の「準強姦」もみ消し事件に遭遇した。その被害者が伊藤詩織だった。

つまり、この事件は、わたしにとっては横から飛び込んできて、いかにもありそうな、それでいて、詩織には気の毒だが、権力によって無罪があらかじめ決められているような事件であった。

安倍晋三のもとで、国家・国政の私物化が進んでいる。森友・加計学園事件はその典型的な事例だ。身内びいき・縁故主義(ネポティズム)の政治がおこなわれ、籠池夫妻は、すでに3か月を超えて長期勾留されている。わたしたちは、いま正義無き泥棒国家・マフィア国家に生きているのだ。

レイピスト山口敬之(強姦当時、TBSワシントン支局長)の「準強姦」容疑の告訴はもみ消され、昨年(2016)7月、東京地検は不起訴処分にした。山口は逮捕されなかった。

不服な彼女は今年5月に検察審査会に申し立てた。わたしには不起訴相当の結論は見えていた。案の定、9月に不起訴相当の議決が出された。

かほどさように、この国の司法は歪められ、中世そのものの実態にある。

三権分立の幻想が、いや国会の幻想がいまほど明白になった時代はない。この国の最高権力者は米国のディープステート(国家の中の国家)であり、それが敗戦後と同じ軍人に日本を統治させている。その組織が日米合同委員会である。国会はそれを隠すための仮装の主権国家の空間だ。

官邸お抱えレイピスト山口敬之の「準強姦」もみ消し事件。被害者伊藤詩織による告発がなぜ重要かというと、本人にはその自覚はないだろうが、それが安倍政権の負の部分と正面から渡り合っているからだ。

伊藤詩織は書いていた。

私は、ジャーナリストを志した。アメリカの大学でジャーナリズムと写真を学び、2015年の帰国後は、ロイターのインターンとして働き始めた。そんな矢先、人生を変えられるような出来事があったのだ。

これまでおよそ60カ国の国々を歩き、コロンビアのゲリラやペルーのコカイン・ジャングルを取材したこともある。こうした話を人にすると、「ずいぶん危ない目に遭ったでしょう」と訊かれる。

しかし、こうした辺境の国々での滞在や取材で、実際に危険な目に遭ったことはなかった。私の身に本当の危険が降りかかってきたのは、アジアの中でも安全な国として名高い母国、日本でだった。

伊藤詩織の『Black Box』は、そう簡単な本ではない。読者は、読む前から伊藤が山口に乱暴されたことを知っている。だから読むのにある種の辛さがつきまとう。また、現在、彼女がけなげに闘っていることも知っている。漠然とした大枠は知っているのだ。

読むのも辛いが、書くのはもっと辛い。ただの書評ではなく、状況の全体のなかに、この本の意味をおくこと。それがわたしの務めになりそうだ。

米国の大学でジャーナリズムと写真を学んでいた伊藤詩織は、帰国してからもジャーナリストとして働くための就職先を探していた。ニューヨークで面識のあった(といっても2回だけ、それもふたりきりで会ったことはなかった)山口敬之に会う。それまで、就職を斡旋してもらえるようなメールをもらっていたからだ。

2 狩りの日

鮨屋までの道のりで山口氏は、傍らの店を指さしながら、「ここはこの前〇〇さんや△△さんと来た店」と、著名な政治家や、歴代総理大臣の名前を何人か挙げた。そうした言動は、権力の中枢に入り込んでいるジャーナリスト、という印象をことさら強く感じさせた。

二合目を飲み終わる前に、私はトイレに入った。出て来て席に戻り、三合目を頼んだ記憶はあるのだが、ソレを飲んだかどうかは覚えていない。そして突然、何だか調子がおかしいと感じ、二度目のトイレに席を立った。

トイレに入るなり突然頭がくらっとして蓋をした便器にそのまま腰掛け、給水タンクに頭をもたせかけた。そこからの記憶はない。

鮨屋までの道のりで山口が、しきりに「著名な政治家や、歴代総理大臣の名前」を喋っているのは、すでに狩りははじまっていたのである。自分を高く売っているのであり、自分のいうことを聞けば就職など簡単だとの、強姦の前振りだったのだろう。

伊藤詩織が「二合目を飲み終わる前に」、トイレに立っているが、おそらくこのときに薬(デートレイプドラッグ)を残った酒に入れられたのである。「出て来て席に戻り、三合目を頼んだ記憶はあるのだが、それを飲んだかどうかは覚えていない」。つまり残っていた二合目の酒を飲んだために薬が効いてきた。

「突然、何だか調子がおかしいと感じ」たのは、薬のせいである。わたしも若い頃は酒が強かった。二合というと、ほぼ30分以内で飲み干しており、意識もしらふとまったく変わっていなかった。

飲み過ぎて酒場で酔い潰れたことは一度もない。気分が悪くなると、失礼して先に帰っていた。つまり酒に強い人は、もうここまで、という限度を知っているのだ。酒場で醜態をさらすのは酒に弱い人間である。詩織は自分は酒に強い人間だと書いていた。それが二合で気を失うということはあり得ない。

彼女は無理にタクシーに乗せられた。のちにとれたタクシー運転手の証言では、彼女は「近くの駅で降ろしてください」と何度もいっていた。途中からは喋れなくなり、降りるときには、自力では降りられない状態だったという。

山口が担ぎ込んだホテルの部屋のハウスキーパーは、「ベッドは片方しか使われていなかった。もう一つのベッドには血がついていた」と証言した。

つまり、最初から強姦する目的でホテルに担ぎ込み、ふたつあったベッドのひとつだけを使って強姦したのである。

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