この2 、3日、橋下徹のツイートが、朝からビュンビュンと飛んでくる。

内容は薄っぺらで、現実認識の間違いがたくさんあり、せいぜい橋下の10個のツイートにひとつのツイートで十分に反撃できる。

橋下徹は何をいいたいのか。彼のたくさんのツイートからポイントのツイートを選ぶと、次のようなものになるだろう。

読む前にひとこといっておくが、橋下徹の師匠筋は竹中平蔵である。口先で人をけむに巻くのは師匠譲りだから、だまされないようにすることだ。橋下のツイートは、あくまでも米軍の沖縄駐留を認め、駐留を長引かせるための意見である。

5月15日

「第二次世界大戦当時、日本国軍だけでなく、世界各国の軍もいわゆる慰安婦制度を活用していた。当時は必要とされ、これが戦場での性の現実だ。今後は同じことは許されないが、当時はそうだった。日本国の慰安婦制度を正当化するのではない。日本だけが不当に侮辱を受けることには反論しなければならない」

5月15日

「慰安婦について、世界が日本をどう見ているか、教育を受けることもなかった。外国人と議論して初めてこの事実を知り、驚いた。なぜ日本は何も言わないのか。敗戦国としての責任・評価は引き受けなければならない。しかし不当な侮辱にはしっかりと反論すべきだ」

5月17日

「しかしアメリカ国民は、日本の沖縄の現状を直視すべきだ。僕は米軍には日本の安全保障に貢献してくれていることに感謝している。しかし、少数の米兵の行状により、沖縄県民の人権が蹂躙される事態が生じる。せっかくの日米の信頼関係がこれで一気に崩れる」

5月17日

「もっと端的に言う。アメリカの日本占領期では日本人女性を活用したのではなかったのか。戦場での性の対応策として、女性を活用するのは言語道断だ。しかしアメリカも、世界も、日本の慰安婦だけを取り上げて、日本だけが性奴隷を活用していた特殊な人種と批判する。これは違う」

5月17日午前の段階で、橋下徹は次のように釈明して発言を撤回していない。

「あまりにも国際感覚が足りなかった。反省すべきところがある」

「売買春を勧めているわけではないが、米国の風俗文化の認識が足りなかった。表現不足だった」

つまり自分の「国際感覚」と「表現」の不足が問題だったのであり、自分の発言の趣旨はあくまで正しかったというわけだ。

5月17日も朝から、論点をすり替え、いい子になろうとし始めた橋下徹の、薄っぺらなツイートが飛び跳ねる。「アメリカが人権を尊重する国である」のだから、「アメリカは日本の沖縄県民の人権をもっと直視すべきだ」というのもある。

そうなのだろうか。米国は超格差社会になっており、99%の米国民が人権を訴えている。また沖縄の人権をいうなら<性>を切り口にするのではなく「日米地位協定」と米軍基地を問題にすべきだ。それが政治家だろう。選挙目当てに<性>をもてあそぶな、といいたい。

ポイントは夏の参議院選挙まであと2か月余になったタイミングで、どうしてこのような国際問題になる発言を繰り返し始めたか、ということだ。

日本維新の会の退潮傾向は、共同代表の橋下徹自身が、「議員になって安心しきってしまっている。このままでは維新の会は消えてなくなる」と苛立つほどのものになっている。

そこで橋下が打った乾坤一擲の大芝居が、今回の、沖縄米軍司令官に勧めた風俗業活用である。

橋下徹が沖縄米軍に対して風俗業の活用を勧めたわけだが、現在の日本の風俗店には外国の女性が入っている。事実上の人身売買が行われていることは、警察の摘発の様子がテレビのニュースでも報道されるので、広く国民の知るところだ。

あるいは借金のかたに、外国の女性を日本の風俗店で働かせるという例もある。これも国際的な常識では人身売買であるが、橋下徹はそれでも米軍兵士にこの店に行けと勧めるのか。

いや、橋下徹は、自分の娘が風俗店で働くといったとき、認めるのか。認めないとしたらその理由は何か。自分の娘には反対する職業に、他人の娘なら米軍兵士の相手をさせる根拠は何か。
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ここで、橋下徹の、米軍に対する風俗業活用論がいかに残酷で、現実の無知に基づくものであるかを、「日米地位協定」と日米間の密約との絡みで述べておく。

1960年の日米地位協定では(米軍兵士の)「公務執行中の作為または不作為から生ずる罪」については、すべて米軍側が裁判権を持つことになっている。つまり米軍兵士の日本での公務中での犯罪については、日本に裁判権はないのだ。

橋下徹が推奨した風俗業の活用は、米軍兵士の勤務時間外のことだろう。もしその風俗店で、中東帰りの、泥酔した米軍兵士が、事件を起こしたとしよう。すると「日米地位協定」によると、これは公務中でないために日本側に裁判権がある。問題はこの先なのだ。

犯罪を犯した米軍兵士が、日本の警察がやってくる前に、米軍基地に逃げ込んだとする。すると米軍側は、日本側が起訴するまでの間、犯人を引き渡さなくてよいのだ。つまり米軍基地に逃げこまれたら、日本の警察は取り調べができないわけだから、起訴の可能性も著しく減少することになるわけだ。

さらに決定的に深刻な問題がある。

日米地位協定とは別に、日本側は、日米合同委員会で、米軍関係者についての日本側の裁判権を放棄する密約を結んでいるのである。その密約は以下のものだ。

「日本の当局は通常、合衆国軍隊の構成員、軍属、あるいは米国の軍法下にある彼らの家族に対し、日本にとって著しく重要と考えられる事例以外は裁判権(第一次)を行使するつもりがない」(アメリカ国立公文書館所蔵資料 新原昭治『日米「密約」外交と人民のたたかい』新日本出版社)

つまり公務時間外の風俗店で、泥酔した米軍兵士が犯罪を犯しても、事実上、日本に裁判権などはないのである。

橋下徹の風俗業の活用論は、こういった非人間的で危険なものなのである。

こういう恐ろしい治外法権が堂々とまかり通る国で、兵士の風俗業の活用を、司令官に勧める橋下徹は、人間失格だ。

いったい自国の女性を何だと思っているのか。

橋下徹は政治家としても人間としても失格である。この時点で潔く辞任すべきだ。

米国のメディアは橋下徹の奇矯な個人の言動としては扱っていないようだ。安倍晋三の超国家主義が巻き起こす東アジアの緊張との絡みで扱っている。ことは深刻である。

ところで、2012年11月に発表された、改訂版の「維新八策(各論)VER1.01 」を見ると、次のようなことを橋下はやりたいらしい。(取りあげたのは一部である)

1. 統治機構の作り直し

地方分権、首相公選制、参議院の廃止、道州制、消費税の地方税化、大阪都構想

2. 財政・行政・政治改革

小さな政府、国民総背番号制

3. 公務員制度改革

能力・実績主義、人事院制度廃止、人件費削減、身分保障廃止

4. 教育改革

校長権限の強化、教育バウチャー制度、労働組合活動の総点検

5. 社会保障制度改革

社会保障給付費の積立方式、生活保護費の現物支給、年金の一元化・積立方式化、高齢者の自助優先、医療保険の一元化、混合診療の解禁

6. 経済政策・雇用政策・税制

競争力重視の自由経済、自由貿易圏の拡大(TPP参加、FTA拡大)、脱原発依存、人材流動化(解雇規制の緩和)、正規雇用・非正規雇用の格差是正、外国人人材・女性労働力の活用

7. 外交・防衛

日米同盟基軸、PKOへの参加強化

8. 憲法改正

憲法改正発議要件(96条)を2/3から1/2へ、首相公選制、参議院廃止

この政策のどこからも人権の重視、社会的弱者への優しい眼差しなどは微塵も見られない。フリードマン流の競争の推奨であり、 1%の人間だけが富を手にする弱肉強食の政策である。

(「その3」に続く)

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