体罰は3点の角度から、わたしは反対している。

1 法的な問題

体罰は、教育の方法上の問題ではない。

法で禁じられているために、明確に法を犯す問題なのである。

体罰は明確に法律で禁止されているのである。学校教育法第11条は次のように定めている。

「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」

また、長年にわたって桜宮高校の体罰を、見て見ぬふりをして放任してきた歴代の校長も、また法を犯している。

学校教育法第28条には、「校長は,校務をつかさどり、所属職員を監督する」とある。この体罰教師の監督を怠り、生徒の自殺に至った責任は免れない。

2 道義的な問題

体罰という名の暴力は、他のどんな暴力とも異なっている。

親から殴られた子供も、時と場合によっては、怒って親に言い返したり、その場から去ったりする。

教師から加えられる生徒への体罰は、聖職者のふるう暴力であり、生徒には絶対服従の暗黙の掟がある。

こういった非人間的な関係のもとで加えられる暴力を、わたしたちは認めるべきではない。

しかも世間はあまり問題にしないが、教師は黙って殴るのではない。言葉の暴力とともに殴るのである。

ネット上にも、殴られたぐらいで自殺するとは、といった非難が存在する。これはこの言葉の暴力の凄まじさを知らないからである。この言葉の暴力が子供の希望をすべて奪い去り、自殺に追い込むのだ。

検察・警察の取り調べの可視化と同様に、いじめや体罰に遭っている生徒の保護者は、相手が生徒、教師の違いにかかわらず、レコーダーを子供にもたせることを、わたしはお勧めする。

加害者は、身を守るために必ず嘘をつく。見ていた同僚の証言もまず期待できない。今回も自殺前日に生徒がたたかれた回数が、自殺した生徒から親が聞いた回数は「30~40回」なのに対して、体罰教師は「数回程度」と食い違ったままだ。

おそらく自殺するほどであるから、時間も長時間におよび、殴られた回数も「30~40回」だろうと思っても、証拠がない。

死人に口なしである。

せっかく育てた我が子を守るためには、レコーダーを持たせるくらい必死にならなければならない時代になっているのである。

3 社会的な問題

体罰は遺伝する。実はこれがもっとも恐ろしい。

教師に殴られ、罵詈雑言を浴びせられた生徒は、長じて、自分の子供を殴り、同種の罵詈雑言を浴びせる。

自分の子供を体罰で殺した親たちは、判で押したように教師に殴られた過去を持っている。

悲しいことに、そのときは決して肯定しなかっただろう教師の体罰が、心身の奥処にすり込まれ、自分の子供に対して、普遍的な自明の躾として、繰り出されるのだ。

これほど悲しく痛ましい社会的な遺伝はない。

教師の瞬きの癖からして真似する、子供のころに、大きな存在である教師に殴られた経験が、決定的な「教育」として、いわば遺伝的な重さを持って心身の奥深くにしまいこまれるのだ。

このことを教育に関わる者は畏れなければならない。
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さて、橋下徹の、過去の体罰容認発言から逃亡する、開き直りのパフォーマンスのせいで、大阪桜宮高校生徒殺人事件は、最低の鞍部でひとつの山を越えることになった。

いったいどんなパフォーマンスであったのか。それは橋下の過去の体罰容認発言から逃亡するための、パフォーマンスだったのである。

これまでの経緯をまとめると、以下のとおりである。

1 大阪市立桜宮高校の体育科の2年生で、バスケットボール部のキャプテンだった男子生徒が、顧問の教師から体罰を受け、2012年12月下旬に自殺した。

2 各県に、在籍10年以上は転任させるという要綱があるにもかかわらず、体罰を加えた教師は、男子バスケットボール部を強豪に育てた実績から、19年も在籍していた。

しかも体罰は以前からあったが、校長らは指導してこなかった。市教委も匿名通報がありながら部員から聞き取りもせずに、体罰はないとの結論を出していた。

3 体罰自殺が表面化した時点で、大阪市教委は、バスケット部とバレーボール部の無期限活動停止を決定した。

4 過去の体罰容認発言におびえた橋下は、逆に攻めのパフォーマンスに転じた。そして、「桜宮高校の廃校もありうる」と脅し、

(1)桜宮高校の体育科とスポーツ健康科学科のことしの入学試験を中止すること。

(2)同校の全教員を異動させるよう市教委に求め、運動部の全顧問を入れ替えないと人件費を執行しないこと。

この2点を明言した。

いずれも橋下流の、人間蔑視の、下品な開き直りのパフォーマンスがここでも繰り出された。

現時点で、このパフォーマンスにすべての「記者クラブ」メディアがだまされている。

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