今回の『週刊朝日』の、「ハシシタ 奴の本性」の連載中止、橋下徹への謝罪問題は、非常に深刻な問題である。にも関わらず、一般にはそれほど重く受け止められていないようだ。

もっとわたしたちが関心をもつべき問題である。これはまた多くの思想的な収穫をもたらす問題でもあるのだが。

1 権力対権力の闘いへ

この問題を捉えるときは、差別問題に光が当たって、そこから気の毒な犠牲者として橋下徹を見る視点がある。これが、橋下徹が市井の一般人であったらそうであろう。しかし、橋下徹はそうではない。かつての大阪府知事であり、現在は大阪市市長である。

しかも現在、橋下は日本維新の会を擁して国政に打って出ようとしている。すでに9人の国会議員を抱える日本維新の会の代表者である。つまり橋下は政治的な権力者である。ここを押さえておかないと、この問題のボタンの掛け違いが起きてくる。多くの左翼は、佐野眞一を差別主義者としてネットで叩いているが、これほど安易で教条主義的で、間違ったとらえ方はない。

もともとこの「ハシシタ 奴の本性」は、佐野眞一という作家の個人表現である。それを無思想の橋下が、『週刊朝日』の親会社の『朝日新聞』を問題にした。権力(橋下徹)と権力(『朝日新聞』)の問題に矮小化したのである。それではなぜ橋下はそのようにゆがめ、矮小化したのかが問題になる。

2 橋下徹の機能主義

わたしは、論戦をするときは、個人対個人でやる。本来、表現者の論戦はそうあるべきだ。したがって背後の組織も地位も、掲載メディアの大きさも、ましてそのメディアの親会社も関係ない。佐野も当然、そのようにして橋下批判を書いた筈だ。

ところが異様なことに橋下は親会社を問題にした。その理由がふるっている。『朝日新聞』が『週刊朝日』に100%出資しているからだ、という。かれの思いをツイッターで聞いてみよう。

(10月22日)
「見識のないコメンテーターなどは、週刊朝日と朝日新聞は別だ! と形式論を言っていたけど、実質を明らかにしなければならない。朝日新聞出版は、ほんの少し前、平成20年に朝日新聞社から独立した。わずか4年前。こんな状況なら、子会社の人材は、親会社の人材と一体となっているのが常」

10月19日
「RT @NomuraShuya: 朝日新聞は、朝日新聞出版と別会社であることと、株主といえども編集には口を出せないこと(編集権の独立)を根拠に責任逃れをしているが、納得できない。親会社には子会社管理(グループガバナンス)の責任があるし、今回の記事はそもそも編集対象にすべき代物ではなく、編集権の独立以前の問題だ」

10月18日
「週刊朝日はこのような思想を肯定した上での連載である。その完全親会社である朝日新聞もそのような思想を肯定しているのか。そこが明らかにならなければ、民主国家にとって重要な言論機関として対応するわけにはいかない。ただ報道の自由を侵害するつもりはない」

「だから今回の記事について言論人に考えを問うのは当たり前。国民は一つの意見だけではなく、様々な意見の中から取捨選択をする。言論同士のぶつかり合いがなければ言論市場にならない。大谷氏は言論市場の論理を全く無理解。また親会社の朝日新聞を非難することはおかしいと」
(引用終わり)

このあたりの橋下の論の展開についてはあまり批判されていない。しかし、これほど異様な、権力剥き出しの展開を、わたしは見たことがない。

これはつまり、親会社の『朝日新聞』を問題にした方が、決着は付けやすく、勝利の間違いないことが、橋下にはわかっていたことを物語っている。

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